アーノンクールはただのチンドン屋じゃないよ!

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32名無しの笛の踊り
アーノンクールによる「マタイ」新盤をGET!!
ひとえに言って、非常に完成度の高い出来。
30年前のオリジナル楽器による初の録音や
全体的な甘さが致命的だったコンセルトへボウとの82年の録音とは
比較にならないほどのクオリティ。
アーノンクールの短所は、完全に克服されています。
また、悪いイメージから敬遠してきた人にも是非聴いていただきたい演奏です。
詳細は後ほど。現在全曲を聴いている途中。
33名無しの笛の踊り:2001/03/08(木) 02:15
先ほど報告した、アーノンクールによるバッハの「マタイ受難曲」
新盤の報告の続きです。
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスとアーノルド・シェーンベルグ合唱団の精度は
かなり高いです。特に後者はそれ以前とのアーノンクールとのどの録音よりも
洗練されており、アーノンクールのコンセプトを十分に表現しきっています。

冒頭合唱はややテンポは速めで、ヘレヴェッヘの新録音を彷彿とさせますが
ヘレヴェッヘのように角の立ったところがなく、受難の厳粛さと共に
慈愛の側面が演奏に表れています。
ウィーン少年合唱団が歌うコラール部も透明度が高く、
少年達にストーカーまがいのことまでしでかす
ジャパニーズ中年女も感涙ものでしょう。(w

コラールの合唱は、表情付けを抑え、大きな流れの中に
どこか優しさを感じさせます。
全てのコラールにおける、深い、そして節度ある表情は一聴ものでしょう。
これはアーノンクールだからこそ出来たことです。

マタイ受難曲では合唱とオーケストラを左右に分けて配置しますが
このディスクでもきちんと分離されて録音されており、
30年前の旧盤同様に好感が持てます。
語尾を伸ばさないアーノンクール独特のスタイルは健在。
最終合唱でも同じです。
34名無しの笛の踊り:2001/03/08(木) 02:16
福音書記者は、今や最高のリート系テノール歌手と評される
クリストフ・プレガルディエンが歌っています。
レオンハルト盤同様に丹念で明瞭な歌い口で福音のテキストを歌い上げており
文句無しの出来です。
イエス役のマティアス・ゲルネも厳正なイエスの姿をうまく表現しており
満足のいく出来です。
他のソロも、アルトのベルナルダ・フィンクが若干不安定なのを除けば
うまくまとまっています。

ジャケットは紙。カラー印刷で絵や写真が入っており、豪華な作り。
HMVでは輸入盤が特価で¥4,490。国内盤は3/22発売。
3枚目のCDはCD-Extraとなっており、PCやMACで
マルチメディア・コンテンツが楽しめます。

総じて、アーノンクールの新盤は、深みのある解釈でありながら
押し付けがましくなく、普遍性があってうまくまとまっており、
非常に好感が持てます。
合唱、特にコラールが素晴らしいです。
ヘレヴェッヘの新盤、鈴木雅明のディスクと並んで愛聴盤になりそうです。