アンセルメはすごいぜ

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156名無しの笛の踊り
アンセルメ/スイスロマンドに限らず、昔のフランス系の演奏家ってのは
音程やリズムも「表現」として使っている感じがする。ちょっとピッチを
高めたり低めたり、リズム走ったり遅れたりするのも、単純にヘタなのでは
なくて、それが各奏者の個性だったり、表現だったりするんだ。
ティボーのバイオリンなんか、今の感覚で聞くと単に音程がとれてない
ように聞こえるけど、昔の人はあの音程も含めて「ティボーの芸術」と
聞いたらしい。現代の、音程とリズムは全員がぴったり揃ってることを
前提にその範囲での表現を聞く演奏/鑑賞とは違うものが、ある時代には
確かにあった。

音程が合ってない、リズムがずれてるって指摘なら、吹奏楽部の中学生だって
できる。問題は、吹奏楽コンクール優勝の中学生が奏でるピッチとリズムの
揃った演奏からはこれといった感動がなく、ティボーやカザルス、アンセルメと
スイスロマンドの「メロメロ」な演奏がいまでも感動を生み出すのはなぜか、
ということだ。