クセナキスについて

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178「あ」氏じゃないけど
式がヘンだとか、細部は置いといて、基本理念からしてヘンだよね。例えば、

トータルセリー音楽は複雑すぎてランダムな事象にしか聞こえない→ところで、
ランダム事象は大数の法則に従うよね→ポアソン分布に従って音群を選ぼう!

というのが「自由推計音楽」だけど、これは明らかに三段論法になっていない。
セリーのようなミクロな相関を持つ音群が、無相関離散変数の分布であるポア
ソン分布に従うはずもないし、おまけに彼はなぜポアソン分布になるのかすら
15年もしたら忘れてしまい、色々な分布関数を手当たり次第に使い始めるし。

感覚だけで音を選んでスゲエ音楽が作れる人なんてまずいなくて、何らかの
システムが必要になる。それが人によっては機能調性だったりトータルセリー
だったりするけど、彼の場合は擬似科学(というのは言い過ぎかな)だったと
いうことなのでしょう。でも、そのシステムは便宜的なもので、それが論理的に
間違っているかどうかは実は問題ではない。