NAXOSってどうよ?NAXOSってどうよ?

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584名無しの笛の踊り
ジンマンとチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団によるこの演奏は、この世の春を謳歌している古楽器勢に対する強烈なカウンターパンチとなっています。
ここでは、古楽器勢が主張していた響きが完全にモダン楽器によって消化されています
管楽器の強奏、セカンドヴァイオリンやヴィオラなどの内声部の活躍、スラーやスタッカートの正確な処理など、トーンハレの精緻極まるアンサンブルの助けもあって、古楽器の響きが見事なまでに消化されています。
そして、こうなれば、モダン楽器の表現力は古楽器の及ぶところではありません。強奏してもうるさくならない管楽器、厚みと艶やかさのある弦楽器等々、モダン楽器によるオーケストラのすばらしさを堪能できます。(と言うようなことが、レコ芸の批評欄に載っていました。おおむねこの意見に賛成です)
このCDは、いわゆるベートーヴェンの伝統的な演奏スタイルとは一線を画するものですが、新しい時代のベートーヴェン表現として画期的な演奏です。
最後に嫌みを一言。
これほどの録音を800円以下で成し遂げたレーベルがあるのに、メジャーレーベルはその間に何をしていたのだろうか。
クラシックの新譜が売れないと嘆く前に、自分たちがしなければならないことが山ほどあるのではないでしょうか。
そんな、こんなを考えさせてくれるCDでした。