現代ギター1980年10月号 特集 「 ギター協奏曲のすべて 」18 〜 19ページ
編集部
コンチェルトをおやりになって特に印象に残ってることは?
外山雄三
山下和仁君 ( 当時18歳 ) とテデスコの協奏曲をやったとき、
オーケストラのスコアを持ってきてるのです、山下君自身で。
オーケストラの稽古が先にあり、その後に山下君がきて一緒にやったのですが、
その最初の稽古中で、「 あ、ちょっと待ってください。音が違いますよ 」 と。
そんなこと言われると指揮者の名折れというか、恥辱ですよね( 笑 )
「 そんなことないよ、こう書いてある 」 と反論したら、
「 いえ、それはミスプリです 」 と。
平吉毅州
ハハハハハ。やった、やった。すごいな、それは!
外山
山下君は、それをミスプリだと証明するために、
オリジナル譜だけでなくピアノ伴奏用のスコアも持ち出してきた。
ギタリストの音楽って、ギターだけの狭い世界じゃ決してないことがわかった。