>>183 > パターンの最初だろうがどこだろうが、
> 導音という概念じたいが消滅するので、当然重複も可能で、
> 進行にも制限がありません。
いいえ、そんなことはありません。
反復進行中に現れるIII(7)やVII(7)に含まれるviiは限定進行音ではありませんが、V諸和音に含まれるviiは限定進行音であることに変わりありません。
反復進行内で導音が限定進行をしないことがあるのは、最初に出たパターンを同型に保ったまま繰り返すための措置にすぎません。
芸大和声本でもIII巻 p. 232に、移行連結(反復されるパターン同士の間の進行)や中間反復(反復されるパターンで最初と最後のものを除いたもの)においては導音の限定進行が免除されると書かれています。
逆に言えば、パターンの最初の出現の「内部」でV諸和音からIへの進行がある場合、導音は原則として限定進行します。
反復進行は、パターンが繰り返されるのを聞いて初めて反復進行だと認識できるものなので、パターンの最初の出現部分は、そのあと仮に反復進行にならなかったとしてもおかしくないように作られていなければならないのは当然です。
そもそも、反復進行内で導音が限定進行を免除されることがあるといっても、限定進行しないだけで「限定進行音」でなくなるとは書かれていません。
したがって、反復進行内で導音が限定進行をしない場合でも、芸大和声本の理論では公理が適用され、この導音を重複することは許されないことになります。