ブラームスの交響曲全集 part11

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26ラファ
ブラームスはつまらない。

例えば『魔笛』フィナーレのパパゲーノがパパゲーナを求めて捜すがし、見つからず落胆し、首を吊ろうとする場面までの音楽。
私が一番モーツァルトのオペラを感じる音楽の一つですが、その曲想の多様さと予想不可能なほど瞬時に変わる情感。これがモーツァルトです。
他の作曲家の場合は、「次」がある程度予想できるんですね。ちょうど演歌のように。「こう来たから次はこうだろう」と。
更に、二重唱・三重唱・四重唱・五重唱などの合間にほんの一瞬入るVn.の合いの手の旋律。フィガロや魔笛はその宝庫でしょう。

これはアナリーゼしようがない。だって、空が蒼いように、夕映えが茜色に染まるように、それと同じで、意図して出てきた音楽ではないですから。

ベートーヴェン・交響曲九番・1楽章、ブラームス交響曲一番・1楽章などは丁度その対極で、理の綿密な計算の末出来上がった壮大な音楽でしょう。

仮にモーツァルトの音楽に計算があったとしても、極めて本能的、直感的なものだろうと思います。