一応一般的な見解
1.古典和声は基本的に3和音を中心に4和音を交える形で構成される。
3声では属七すら満足に鳴らせず、3和音でも重複なしでは声部の進行がひどく限定される。
声部の進行先が非常に限定されるために和音の疎密も全く自由にならない。
5声以上では重複過剰。4和音でさえ最低重複1、基本となるべき3和音では重複2。
1度5度8度の平行、隠伏、重複する音や声部の選定など考えることが多く、初期の学習にはあまり向かない。
5和音6和音などを完全な形で鳴らせるが、それらの和音は古典和声では稀であるし、
また、省略なしに全ての音を鳴らすと響きが濁るので、全ての音を鳴らせることがあまりメリットにはならない。
2.古典和声は声楽を基にして学ばれる
声楽をもとにして考える場合、ちょうど男女それぞれの高低の音域を利用できるために、
4声というのは非常に扱いやすい。
また、人間の声域は基本的にそれほど広くないため、5声以上では和音が過密にならざるを得ない。
器楽は楽器特有の問題が大きすぎるために、初期の学習には不適切。
3.実例の存在
古典的な対位法は概ね声楽で、2声、3声、4声、5声の実例が充実している。
和声に基づいて書かれた声楽曲には4声のものが圧倒的に多く、5声以上はさほど多くないし、
3声のものは非常に限られている。器楽は楽器特有の問d(ry
和声法の理論も対位法の理論もとある時代の様式を分析、理論化したものだから、
そもそも実例の少ない声部数というのは理論や様式の学習に不適切。
まあ、3声でも5声でも好きなところから勉強すればいいんじゃない?学習書も少なければ教えてくれるところも少ないし、
質問しても誰も答えてくれる人は少ないだろうけど、4声体がどうしてもお嫌いなら好きにどうぞ。