ベートーヴェン ピアノソナタ総合 その19

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791ラファ
形あるものはいずれ消える。だからあれほど愛しんだオートグラフにも未練はない。残るとすれば、たぶん「思い出」。

レオナルドは死の床でフランチェスコに「何もかも中途半端で、何もできないまま…」と漏らしたという。
フランチェスコは「いえ先生、絵は残ります。それから、解剖の本も、手記もあれもこれも…」
レオナルドはフランチェスコの言葉を遮り、「そんなもの何でもない」と。
「では先生と私の思い出は?」
「それくらいだよ、フランチェスコ。少し横にしてくれ」

その数日後、レオナルドはその生涯を終えた。