ID:d6XKVD8E謹製
こんな感じかね
【全集】
・コンドラシン(音質は Aulos>Venezia だが、Vene盤でも問題はない)
圧倒的なパワーでごり押し。ショスタコーヴィチのロシア的なモチーフを余すところなく伝える。手に入る2種の13番は圧倒的。
・ロジェストヴェンスキー
コンドラシンよりキレがある演奏で、聴きやすい。悪く言えばやや軽い面もある。9番などは素晴らしい。
・ロストロポーヴィチ
ムラのある演奏。セカンドチョイスとしてはありだが、初心者にはあまりおすすめできない。14番は名演。
・マキシム・ショスタコーヴィチ
息子。編集ミスが多い。番号によって水準に差がある。初演した15番、合唱が力強い13番、練達した5番は名演奏。
・キタエンコ
最初のSACD全集。しっかりとした演奏で、安心して聴ける。他の全集と比べるとやや高いのでそこがネックか。
・バルシャイ
折衷的だ、面白みがない、などと批判はあるが、曲の美しさは堪能できる。持っていて損はないだろう。
・ハイティンク
しなやかさを持った演奏で、曲にムラがない。誠実な解釈で面白みに欠ける面もある。14番は原語復元版で貴重。
・マリス・ヤンソンス
アクがなく美しすぎるという批判もあるが、全集としては一定の水準を保っている。オーケストラの性能の良さが魅力。
・カエターニ
ライヴゆえの傷、曲によるムラがあるものの、オケの音色の多彩さで独特のショスタコ像を打ち出している。
・アシュケナージ
「安全運転」の全集。悪くはないが、これといった魅力を 感じない、「ただ音にしただけ」の演奏も見受けられる。
・スロヴァーク
指揮者の意図するところをオケが咀嚼しきれていないもどかしさが残る作品が多く、不明瞭な録音、第2番の合唱部分の非音楽的なカットなど、
欠点が 目立ちお薦めできない。全体にオケの技術面の不安があり、落ち着いて聴けない感じ。
・ヤルヴィ
1、4〜10番をスコティッシュ・ナショナル管(Chandos)、2、3、11〜15番をエーテボリ響(DG)と録音。
前者は、オケの力量もあり、力強く疾走する「爆演」タイプが多い。後者は若干非力なオケながら丁寧な仕上げに好感が持てる。
全体に打楽器の活躍が目立つ演奏。2、3番の合唱は練習不足の感が否めない。
・インバル
「スコアが見える演奏」といえばよいだろうか。全体に「細部まで丁寧に」演奏したこと、明晰な録音であることは評価できる。
逆に「勢い」や「高揚感」に欠ける印象を与えてしまうのが欠点。
【選集】
・ムラヴィンスキー メロディア選集、Venezia、ビクター、アルトゥス
殺人的な演奏。作曲者直伝、永遠のスタンダードと呼ぶ者も多い。
・ザンデルリンク(選集)
10番、15番はベストを争う。バルシャイより徹底してドイツ的と言える演奏であり、比較して聴く場合たいへん面白い。
・ケーゲル(選集)
7番は新境地を開拓したと定評あり。どれも独自の解釈が光る、冷徹なショスタコーヴィチ。
・バーンスタイン(選集)
「バーンスタインのショスタコーヴィチ」であり、彼の個性がはっきりと刻印されている演奏で評価が分かれるところ。ポジティブ。
・ゲルギエフ(全集録音中)
ショスタコーヴィチファンの間では評価が高くない。普段の奇抜さがなく、おとなしい演奏が多い。