パルジファルの新譜昨日買った。
時間がなく、4枚あるディスクの1枚目(1幕途中まで)と3枚目(2幕通し)まで
しか聴けていないけど、簡単に感想でも。
まず心配している人も多いかもしれない音質のこと。
俺も実は先のトリスタンのCD聴いて心配していたクチだったんだけど、
今回は過度のノイズリダクションも掛けていないようで、自然なバランスと
距離感できれいに録れてると感じた。
録音レベルはうちの装置ではそれほど高くなく感じたけど、演奏のテンション
まで下がって聴こえてしまうほど低くはないから、気になるほどのものではない。
総じてトリスタンよりはずっと個人的には好印象の音質。
あくまでも個人的な意見として参考にしてもらったほうがいいと思うけど、
トリスタン聴いて俺と同じように音質に不安を感じている人は今回は安心して
大丈夫かと。
で、肝心の演奏のほうだけど、うーん、これが何とも書きにくい…。
個人的な期待が高すぎたのかな…。
ティーレマンの作り出す音楽は、変幻自在なニュアンスと色彩で傑出した
もので、その音楽には完全に引きずり込まれた。
ただ、トータルで受ける感動には歌手の影響も当然大きい。
ドミンゴは、うーん…声が合う合わない以前に、スタミナ的にもう厳しかった
のではないかと…。
ペース配分の印象を書いていた人がいたけど、音だけのディスクで聴くと
演技が見えない分、語り調でスタミナを温存していると思われる部分で、
息が上がってしまっているように聴こえる(大事な2幕の中盤以降…)。
マイヤーも流石の歌唱ではあるけど、全盛期よりは落ちてきている感も…。
シュトゥルックマンは代役で登場したそうだけど、素晴らしいグルネマンツだった。
ソリスト陣の中で群を抜いて一番良かったと感じた。
ディスクとしてのトータルの完成度の点で、スタミナ面を気にせずやれる
スタジオ録音だったら、さらに素晴らしいものが出来たんじゃないかという
気持ちが残った…。