340 :
名無しの笛の踊り:
2006年3月 7日 (火)
ガエタノ・ナジッロ・リサイタル 3月2日/武蔵野文化会館小ホール
●ヴィヴァルディ/チェロと通奏低音のためのソナタ ト短調 RV42
●J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV.1010
●ランツェッティ/チェロと通奏低音のためのソナタ ニ長調 op.I n.XII
●ボッケリーニ/チェロと通奏低音のためのソナタ ハ長調 G.17
ガエタノ・ナジッロ(バロック・チェロ) 芝崎久美子(チェンバロ) 懸田貴嗣(バロック・チェロ)
バロック・チェロのリサイタルは珍しい。しかも、ガエタノ・ナジッロという第一人者が来日しているのに、リサイタルが東京と山口で2回だけというのも、ちょっと寂しい話だ。
ほかのホールはいったい何をやっているのかとさえ言いたくなる。
最初はヴィヴァルディのソナタ。とにかく、よく歌う。バロック・チェロといえば、日本ではベネルクス系の奏者の演奏を耳にする機会が多いのだけれど、
ここまで豊潤な歌を聴かせてくれる奏者はなかなかいないのではないか。もっとも、彼がイタリア人だからといって、モダン・チェロのように高らかにベルカントを響かせるわけではない。
もっと内省的で、増幅されずに直接感情が響いてくるような歌なのである。芝崎の禁欲的なチェンバロも、ナジッロの歌をさらに引き立てる。
バッハの無伴奏チェロ組曲は、まるでレティタティーヴォとアリア。緩急の差も格別に激しく、語りと歌の交替による舞曲を聴いているようだ。
主音をより軽く弾くことによって、思弁的でイカツいバッハになることを避ける。極めて軽快で、そして歌心に満ちたバッハだった。
後半のランツェッティとボッケリーニのソナタは、両者とも華やかで、バロック・チェロの可能性を存分に引き出すような作品。
通奏低音にはストイック芝崎に加え、チェロの懸田が参加。親密なアンサンブルのなか、ナジッロの高音域での妙技が冴えわたる。
アンコールは、タルティーニとヴィヴァルディのソナタからの二曲。東京は夕方から雨が降ったこともあり、
楽器はベスト・コンデションではなかったかもしれない。たとえそうであったとしても、ナジッロの耳元でささやかれるような歌はメロメロに酔えるのであった。
(音楽評論家・鈴木淳史)
許と文体が非常に良く似ているのだがね。
341 :
名無しの笛の踊り:2006/03/07(火) 15:02:37 ID:fhSo0n8k
>バッハの無伴奏チェロ組曲は、まるでレティタティーヴォとアリア。
>緩急の差も格別に激しく、語りと歌の交替による舞曲を聴いているようだ。
>主音をより軽く弾くことによって、思弁的でイカツいバッハになることを避ける。
もうひとつ突っ込んでおくが
「主音」がどれだか、ちゃんと判ってる?
この曲の主音は結構「省略」されているのだがね(笑
ま、和声楽のテキストをしっかり読んで
鈴木秀美「ガットカフェ」にでも行って勉強してきたまえ。
自分が、どれほど恥さらしな批評を書いたかを思い知ることになろう。
あはは。