【3R】ドイツ浪漫派と周辺マイナー作曲家2【3L】

このエントリーをはてなブックマークに追加
124os
ドイツロマン派マイナー作曲家の保守と革新の位置づけを、
近いうち検討して並べてみたいと思ってます。

ヘラーをCLAVES盤にて森をタイトルとする2つ組曲など聴きました。
一つは「魔弾の射手」のシーンから、もう一つはシューマンの「森の情景」に触発されたものです。
後者が悪くなく、森と言えば定番の狩人・花・伝説などのタイトルを含みます。
独創的なのは「リス」のタイトルで、かわいく動き回る様は短いながら良いアクセントを添えてます。
しかし「予言の鳥」のような凄い曲は含まれていません。
アイデアはシューマンでも、音楽自体はメンデルスゾーンに近いと感じます。

キルヒナーはARION盤で「新ダヴィッド同盟舞曲集」など聴きました。
タイトルからも彼がシューマンのエピゴーネンか忠実な継承者か問われる作品です。
音楽としてシューマンに極めて近く、よくここまで作風を模倣できたと感心するほどです。
12曲の中には面白いものもありますが、本家のユニークさは爆発的であったと再認識する結果ともなります。キルヒナーはシューマン独特の妙なリズムより、流麗さを選んだようです。
シューマンやブラームスの編曲もあるキルヒナーは、エピゴーネンで済ますにはレベルは低くはなく、
彼らの良質の継承者としてもう少し聴きたくなりました。
125タミーノ:2006/01/07(土) 11:16:59 ID:KDaqmlkw
ブラームスとほぼ同世代の作曲家ユリウス・ロイプケ(1834〜1858)
のピアノソナタ(MDG312 0344-2)を久しぶりに聴いたら、
あらためて力作だと実感しました。この人は24歳という若さで亡くなり、
その死の真相も不明な点が多いそうですが、その年齢でこのレベルの作品
を書いたというのはちょっと驚き。

リストのお気に入りの弟子というだけあって、メンデルスゾーンや
シューマンの流派とは一線を画する、当時の前衛と言ってよい作風に
感じます。このピアノソナタはやたら技巧的そうな難曲という印象。
温和な叙情性や感傷よりも、ドラマティックな表現が勝っていて、
ピアノ曲である事を忘れてしまいそう。サロン的音楽とは対照的。

自分としてはブラームスのOp3のピアノソナタとかが好きなのですが、
完成度という視点では、ロイプケのソナタのほうが上のように感じます。
126坂本9:2006/01/10(火) 19:12:43 ID:Y9PS7aBv
ロイプケはオルガンソナタも有名ですよね、たしか。
127名無しの笛の踊り:2006/01/12(木) 08:52:48 ID:utZQPo12
>>5
ドホナーニのピアノ四重奏曲は10代の若書きで作品番号もないが、ロマン派の教科書をなぞっただけと
切り捨ててしまうには惜しい佳作。特に第1楽章はラフのチェロ協奏曲第1番の冒頭とそっくりの旋律
なのだが、ほの暗い情熱がブラームス風だ。この曲と例えば後年のバルトークみたいな弦楽四重奏曲第3番
とかと比べてみると、保守的作風と一般にくくられてしまうこの人も、随分変転したことがわかる気がする。
128名無しの笛の踊り:2006/01/14(土) 22:34:06 ID:Pvk3wR6l
>>124
今朝の朝日新聞土曜版beに、シューマン没後クララが愛人関係になったのが
キルヒナーで、シューマン愛用の遺品の金のペンをプレゼントしたことが
紹介してあった。しかしキルヒナーは金遣いが荒いから、クララの熱は冷めた
のだそうだ。