『妹よ・・・』元市川粘着より

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1元市川粘着
我々粘着との闘いに終焉を打った市川。
http://www.geocities.jp/violet_aimusic/

他スレ「現行犯ピアニストを逮捕」で書けなかったので
ここで彼に関する情報を元にエッセイを書いてゆくスレです。
尚、最早市川を叩くつもりはありません。

2元市川粘着:2005/04/30(土) 02:55:23 ID:7qZd4rGN
6歳下に妹がいる。美有23歳。オヤジの再婚相手の娘だ。
美有が義妹となって16回目の夏が終わった・・・

『美ちゃんさ、6期の道重にちょっと似てねー?』
それを耳にするなり、大きく両手を左右に何度も振り、
『ぜ〜んぜんだよ、どこがぁ?あの子の方が可愛すぎじゃん』
とTVに映ってる娘を観ながら、そう答えた。
『もしさ、チャンスがあったら、メンバーになってみたいと思う?』
俺は言ってしまってから、微かに後悔してしまった。
美有は一瞬だけ、顔を曇らせたが、またいつもの無邪気な笑顔に戻し、
『頭わるいし、それだけでバツだヨ。みんなさホントは賢いんだって、
職場の娘に詳しい男の子が言ってた』

3元市川粘着:2005/04/30(土) 02:56:58 ID:7qZd4rGN
再婚前までのオヤジは商売をやってた。ゴム長と手拭いが妙に似合う
そんなオヤジだった。詳しくはわからないけどかなりの借金を残して
事業から身を引いた。母親と離婚するきっかけもそれが原因と勝手に
俺は今でも思っている。
その頃、何もかも失ったオヤジの心を支えていたらしい相手が、
スナックを経営していた美有の母親だった。

俺の小5の時、母親が荷物を纏めて家を出た。
すぐ帰るからね、と言った言葉が最後になるなんて
子供の俺がわかるはずも無かった。
眠っているうちに家を出たらしい。涙を流して出て行っの
だろうと信じ込むようにしてる。
その後、一度も母親の所在を匂わすような事態は皆無だ。電話すら無い。
ある日、突然に日常が日常でなくなる。
その当時の俺の心境はどうだったのだろう。記憶が薄い。
はっきり覚えている事は、俺どこかの施設に入れられるのかな、
それだけだった。そのことが一番の不安だった。
ただ不思議なことに、両親と離れる寂しさよりも、先生や友人達と
いつまでも一緒にいたい、この関係だけは失いたくない。
そんな気持ちの方が強く支配していた。
そのことだけは、はっきりと記憶に残っている。

4元市川粘着:2005/04/30(土) 02:58:00 ID:7qZd4rGN
中一の夏前だったか、ある晩、オヤジといつものように遅い夕食を
食べてる時だった。
この頃は俺もかなり料理が上達していた。もっとも俺的に上達しただけで、
多分、不味い食い物だろうと思う。それが判断出来ない理由は、
何を食ってもウマイ!と言ってくれるオヤジと、何を食おうと腹いっぱいに
なれば満足といった脳天気な俺の二人しか、その料理らしき餌を
口にしないからだ。
『結婚してもいいか?』
『はぁ?・・・誰がすんの?』
『変か?嫌か?』
『父さんのことかよ・・・ふーん、居たんだ、そういう人が』
『ああ、あさっての日曜だけど、外で飯食わないか?一緒に』

5元市川粘着:2005/04/30(土) 03:09:42 ID:7qZd4rGN
別に嫌じゃないけど』
実は俺、オヤジが誰かと早く再婚してもらいたかった。
実の母親への思い?そんな感傷に浸ってる余裕なんかないよ、マジ。
カッコつけるわけじゃないけど、勉強する時間がもっとほしかった。
その時間を得られるなら、再婚は大歓迎だった。
無責任な理由かも知れないけどね。
もっと白状するなら、どんなバアサンでもよいのだ。優しくて、
こずかいをくれて、料理上手なら誰でもOKだった。

正直いえば、俺ウンザリしてた。生徒会の雑事とバスケでヨレヨレに
なりながらのライフあたりでの週3回の買い物。
その後の米洗いと食器洗いにギクシャクした手料理。
さらに風呂洗いときたもんだの日々・・・
文句を何度言おうとしたか。
それが言えなかったのは、オヤジが嫌いじゃなかったこと。
それと施設送りにしなかったことが嬉しくてさ。
でオヤジが仕事に集中できるのなら、それでもいいかなと、
複雑な心境で納得するようにしていたが、
やっぱメンドクセーよ!やってらんえねーよ!
と、弱音を吐きそうだった時期のオヤジの再婚ばなしだから、
そりゃ大歓迎に決まってるわけでさ。
6元市川粘着:2005/04/30(土) 03:18:27 ID:7qZd4rGN
オヤジの包丁さばきに負けず劣らず、その味も最高だった。
離婚する前までは、居酒屋を5店抱えて切り盛りしていた。
借金がかさんで全ての店を人に売った。一戸建ての家も売り、
今は2DKの賃貸暮らし。二人っきりだから狭いと思ったことはない。
一戸建てに住み慣れていたから、その当時の開放感を失ったに過ぎない。
まったく畑違いの会社に今は勤めている。
何も言わなかったが、相当苦労しているように思えた。
それでも10日に一度位は美味いご馳走を作ってくれた。
特に魚料理は抜群だった。
『いつすんの?結婚』
『おまえしだいだな』
『俺?おれはぜんぜん問題ないよ、つうか、そうしてもらいたいような』
その言葉を耳にしたせいか、オヤジ、いつもよりよけいにビールを飲んで眠った。
眠る直前に隣の蒲団からオヤジが大きな声で言った。
『妹ができるぞ!めんどうみてくれるか?』
『・・・お、俺に妹?めんどうだって!わかんないよ!そんなこと!!』

7元市川粘着:2005/04/30(土) 19:14:57 ID:7qZd4rGN
俺の頭は混乱した。妹?つまり赤ちゃんか、今度の再婚相手にオヤジの
赤ちゃんがいるってのか?女だってわかってるんなら、かなり前から
つきあってったってことじゃないかよ。
その夜は、そのことで頭の中が悶々として寝付けなかった。
翌朝、それを聞いてみた。
『とうさん、俺の妹いつ生まれるのさ?』
『もう居るんだよ。その人の娘さんだ』
『何歳なのさ?』
『6歳下のはずだ。その子とはまだ2回しか会ってないけどな』
『なあーんだ、そうゆうことか。小学1,2年だね』
『そうゆうことって?』
『なんでもないよ。出来たらその人と俺の弟作ってほしい。それが夢だし』

日曜日、初対面。
俺、朝から期待と不安で落ち着かなかった。
この生活を変えてくれるかもしれない人と会う期待と、
もし俺のような中学生を見て、結婚は取りやめにならないだろうか、
という不安感、といえばいいのだろうか。
何度かTVドラマで観たシチュエーションは、仏か伊のレストランで食事。
待ち合わせ場所に向かう車の中で、どこのレストランに行くのか聞いてみた。
すると、オヤジは会ってから決めるよ、と答えるだけだった。
それは本当だった。そういう父親なのだ、昔から。
『じゃ、どこ行くのこれから?』
『ディズニーランドだ、嫌か?』
8元市川粘着:2005/04/30(土) 19:17:06 ID:7qZd4rGN
『うれしいけど・・・普通に。で、どこで待ってるのさ二人は』
『品川駅前に立ってるはずだ』
その駅に着き、オヤジが二人を指差して俺に教えてくれた。
『ほら、あそこに居る二人だよ。ここまで連れて来てくれないか?』
『いいけど』
『ちゃんと自己紹介しろよ』
『わかってるさ』
俺は車を降り、二人の所へと小走りで向かった。

二人は何かを話していた。女の子は大きくそれに二度三度頷いていた。
その子も母親から言われているのか、俺のように。
遠くからでも判断出来たが、スナックで働いているような気配を
僅かに感じた。最も、俺の勝手なイメージからだが。
出て行った母親より、綺麗であることは間違いなかった。
オヤジより5,6歳若そうな・・・たぶん、30代前半。
女の子はしきりと辺りをキョロキョロと見回していた。
初めて見る街が気になるのか、それとも、この俺がどんな
”おにいちゃん”なのか、それを真っ先に見届けようとしているのか。

9元市川粘着:2005/04/30(土) 23:39:49 ID:7qZd4rGN
二人の前で俺は立ち止まった。
『こんにちは!!』
二人は少し驚いたような素振りを見せ、俺の方を見た。
母親はすぐに笑みを浮かべ
『こんにちは、ビックリしちゃった』
『えっ!』
『中学1年生ってきいたから、想像してたより背が高いから』
『うん、はい・・・あっ俺、いやボク、海野 薫です』
横の女の子がしきりと俺を大きな黒い瞳で見つめていた。
持っていたテディ・ベアのぬいぐるみを頬に当て、自分の顔を
半分隠すようにして、噂の登場人物を子供なりに吟味していた。
『かおる君のお父さんから聞いたと思うけど・・・』
『はい、聞きました。俺、いやボクは全然OK、いや・・・問題ないですから』
俺はちょっと緊張していた。俺の話し方態度で駄目になってしまうのでは
ないかと。そんなぎこちない俺を女の子は、じっと見つめていた。
すると突然、その子が母親に振り向き、
『ママ、女の子?かおるっていったの?』
母親はそれを聞くなり口を開け大きく笑った。きれいな歯並びだった。
『ごめんねかおる君、この子は娘の美有です。まだ2年生です、ほら』
と母親は女の子にお約束の自己紹介を促した。

10元市川粘着:2005/05/01(日) 00:02:51 ID:8qpISvw4

『・・・こんちわ・・・みうっていいます。○○区立小2年・・・』
美有という子は俺の目を逸らさずに、そう言った。最後は聞き取れなかった。
『うん、どうも、ヨロシク!・・・じゃ、とうさんが待ってるから』
俺が前を歩き、二人はついてきた。
背中に二人の視線を感じた。母親はともかく、美有ちゃんは確実に俺を
吟味している。
この4人が幸せを掴むため、新しい人生を始めようとしている。
ひとりひとりの心の中は、きっと、今より良くなりたい。良くなれるなら
一人でも波長を狂わせてはならない。
案外、この俺の存在こそが最大のキーポイントではなかったのだろうか。
一番反抗しやすい年齢の子供。その態度次第で、毎日の幸福感は
決定付けられるかも知れないのだ。
俺はオヤジの人柄は好きだし、信じてる。やっぱり俺が全てなのかも。
俺は精一杯、未経験なお兄ちゃん役を演じてみた。
『美有ちゃん、それカワイイね。好きなの?ぬいぐるみ』
『うん、大好き!!ピーちゃんだヨ!』
『そうだ!ディズニーランド行くんだってさ、オレ初めてなんだ』
『美有も!!』
『じゃ、おもっきし遊ぼうぜ!』
『うん!!』
俺は、後ろを振り返り二人をチラッと見た。二人とも笑顔を見せていた。

11元市川粘着:2005/05/01(日) 00:23:18 ID:8qpISvw4
『遅いって』というなり運転席のオヤジが俺の顔を見た。
(どうだ?)といってる顔のようだった。
だから俺、大きく無言で頷いてやった。
美有のおかあさんを助手席に俺は座らせた。
俺たちは後ろに座っていた方が気が楽だった。
コンビニで飲み物やお菓子を買おうと提案したが、
美有がすかさず、大きな声で答えた。
『ママ、ママちょうだい!』
そんだったのか、母親が手に持っていたバッグにはそういった物が入って
いたわけだ。
家庭、普通の家庭の姿。何年も感じることのなかった柔らかな空気に、
何故か胸がくすぐったかった。



32 名前: 1 ◆WVavj81ElU 投稿日: 03/09/15 12:31 ID:EBAJKhnj


美有はとても明るい子だった。俺は一先ず合格の烙印を押されたのかな。
車中ではひとりで色んな歌を口ずさんでいた。
美有もわかっているはずだ、前の二人が結婚して、運転してる人がお父さんに
なって、そして俺が兄貴になることは。
小さい子供なりに状況を考え、自分の役割をしっかりと理解している。
そうすることで今より幸せになれるならと。考え過ぎかな。
美有の純真そうな瞳と話し振りに、知らぬ間に引き込まれて行った。
妹っていいな。そう心から思った。
美有の年齢ぐらいが一番、女の子らしさが出ている時期なのではないかな。
小学校高学年になったら、この純真を保っているとは言いがたい気がする。

12元市川粘着:2005/05/01(日) 00:32:14 ID:8qpISvw4
美有の母親は夜働いている。
遅くとも夕方の7時には家を出るかもしれない。
その後は、ひとりぼっちなんだ。夜は怖いだろうな。
無邪気に話す美有こそが4人の中で一番淋しい思いをしているはずだ。
俺たち永遠に本当の兄妹にはなれないが、一緒に暮らして良かったと
感じさせることは出来る。
もし、4人のささやかな夢を壊す者、それがオヤジだったら、俺は美有と
母親の為に防波堤になってやる。
もし、美有の母親がみんなの夢を壊す者に成り下がったとしたら、
きっと美有が自分の幸せの為に母親と闘うに違いない。
そうあってほしい。それ程の絆でもって、義理という関係を精神面から
凌駕してゆかなければ、上手くいかないのだ。
美有の横顔。子供とはいえ、意思の強そうな口元をしていた。
二度とあんな夜には戻りたくない、そんな決意すら感じた。

ディズニーランドではどこに行っても美有と一緒だった。
というより俺にへばり付いて来たといってもいい。
この年齢の女の子は手をつなぐのが好きなのか、絶対に俺の手を
握ったまま離さなかった。
もっとも、単に迷子になりたくなかっただけだったかも知れないが。
非常に賢い子だった。そしてほかの女の子たちよりも可愛いのだ、性格も。
妹のような女の子と一緒に遊ぶなんて初めてだったので、
よけいにそう感じてしまったのかも。
いつの間にか本当の兄貴をやっていた。俺が付いている限り安心しろ。
何があっても俺は美有を守るし、美有の味方だ。
そんな責任感が自然と芽生えてしまっていた。
そんな俺の気持ちが伝わったのか、全身ではしゃぎ、俺に身を委ねていた。
その三ヶ月後、オヤジと美有の母親は入籍した。

13元市川粘着:2005/05/01(日) 00:41:12 ID:8qpISvw4
海野 美有 誕生!
入籍から一ヶ月ほど後に4人が住みやすいマンションを借り、引越しした。
俺と美有は洋間の8畳を共有することになった。
オヤジも馴染めなかった仕事を辞め、義母のスナックの隣に居酒屋を開業
することになった。
大人って色々考えているんだなと、このとき思った。
義母は海野 美佐となった。今後は、おかあさんと呼ぶことにした。
冗談まじりで俺が提案したのだ。オヤジはそれがいい、
とあっさり賛成してくれた。
俺が初めて、おかあさんと呼んでみたとき、ほんのり頬を赤くした表情が
とっても綺麗だなと思えてならなかった。
それを聞いた美有は口を押さえ笑いを堪えていた。
また美有のことは、美ちゃんと呼ぶようになった。
オヤジがいつもそう呼んでたから。

生活は一転した。夜の仕事の関係で、両親は10時頃起きているようだ。
だが、俺と美ちゃんが起きる頃には、朝食の準備は整っていた。
おかあさんがその為に一度起きているのだ。俺は嬉しかった。
いつどんな時でもお母さんはきれいな姿を見せていた。
そんな人と一緒に生活できるだけで、幸せだった。
夕方はお母さんよりオヤジの方が早く店に行ってったから、夕食は
ほとんど3人で食べていた。
4人掛けの大き目のダイニングテーブル。俺の横にはいつも美ちゃんが
座っている。どんな時でも一緒だ。
それを見てお母さんが言った。
『ほんとに仲がいいね、うらやましいな』
すると美ちゃんが答えた。
『だって仲いいもん、美有のおにいちゃんだもん』

14元市川粘着:2005/05/01(日) 01:03:04 ID:8qpISvw4
引越ししてすぐの夜だった。おかあさんと美ちゃんがお風呂に
入って居る時、俺は呼ばれた。
『かおる君も入りなさい。背中洗って上げるから』
俺は驚きと動揺を隠せなかった。
『いや、いいです。マジいいです』
『おにいいちゃんも来てよ』と美ちゃんも続く。
冗談じゃない。おかあさんは俺がまだ子供だと思っているのか。
下半身を見たら、ちょっとショックというか、認識の甘さを目の当たり
にするだけだ。
美ちゃんとだってゴメンだ。あそこなんて絶対に見られたくはない。
ただ、俺はお母さんの裸を見てみたい気持ちはあった。



15元市川粘着:2005/05/01(日) 01:08:21 ID:8qpISvw4
女の人が居ない生活に入って来たお母さん。
それも綺麗なお母さん。風呂上りのバスタオル1枚の姿は
抑えきれない興奮と想像を鼓動が激しく高まる。
居間でTVを観ていたおれの目の前を、そんな姿で素通りする。
抑えきれない下半身を手で悟られぬよう押さえこむ。
(俺、いったい何を考えてるんだ?なぜ、反応するんだ)
あのタオルの下に隠されている乳房はどんな色?柔らかさは?
許されるなら触れてみたい。いや、ただじっと、見つめていたい。
しばらく、俺はそんな葛藤と闘っていた。
何度かお母さんのイメージする裸体を浮かべては、
密かに処理したこともあった。
16元市川粘着:2005/05/01(日) 01:17:44 ID:8qpISvw4
最初のクリスマスえを迎えた。
お母さんに対する性的感情は慣れてゆくことで多少免疫が出来てきたのか、
気持ちを切り替えることが出来るようになったと思う。
当初はあまりにも刺激が強すぎた。
そのような色とはまったく無縁なモノトーンのような毎日だったから。
お風呂に関しては、さすがにお母さんと入ることは出来なかったし、
俺が断って以来、一緒に入ろうなんてことは言わなくなった。
やれやれと言うべきか、ちょっと残念というべきなのか。
但し、美ちゃんとは普通に入るようになっていた。
お風呂に入っても互いに競うようにして自分の体を洗っては、
後は湯船で遊ぶだけ。
もちろん俺自身はタオルで隠していた。美ちゃんがそんな俺を問う
ことはなかった。どうしてもオープンにすることは出来なかった。
俺の年齢の方が、性器に関してはデリケートだったと思う。
17元市川粘着:2005/05/01(日) 01:32:09 ID:8qpISvw4
両親の仕事の関係もあって、12月23日の夕食時に
初めての4人だけのクリスマスパーティーをした。
一番騒いでいたのは美ちゃんだった。女の子だから当然なのだが。
俺だって嬉しかった。オヤジもニンマリとした顔で、
みんなへのプレゼントをかなり奮発してくれた。
再起を賭けてやり始めた居酒屋の客入りがオープン以来、
連日に渡って好調らしい。
元々固定客を数多く持っていたし、実力も備えていたオヤジだ。
前に全ての店を譲渡せざる得なかった理由を尋ねてみたとき、
オヤジは、全ての店に目を配られなくなったからと説明してくれたが、
真実は別の所にあったと俺は知っている。
それ故に、オヤジのことが好きなのかも、そんな気がする。

18元市川粘着:2005/05/01(日) 01:43:02 ID:8qpISvw4
俺の成績表も美ちゃんの成績表も両親に見せたし、美ちゃんのも俺は見た。
頭の良い美ちゃんだったが、過去の生活欄には頻繁に学校を休んでいた事が
わかった。そのことを担任は指摘していた。
美ちゃんの担任はこう書いていた。
(海野さんの二学期の成績は非常に素晴らしい結果でした。
 それに一日も休まなかった事も素晴らしいと思います。
 お母様の御結婚ということが功を奏しているのでしょうか、
 前にも増して明るく積極的に学級委員長の役目をこなしております。)
俺の成績といえば、一緒に暮らしていることで、
今までに時間を割かれていた買い物や炊事をやらなくても
よくなったせいで、勉強時間も以前より得られるようになり、
期末テストは充分納得いくものだった。
その評価がそのまま成績表に反映されていた。
兄として、美ちゃんには負けられないライドもあり、
ほっと胸を撫ぜおろせた。
19名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 01:54:13 ID:8qpISvw4
その夜の4人の笑顔が今も忘れられない。ふたつの親子が
出会った幸福感。しっかりと脳裏に刻まれた。
家族の絆ってなんだろうと、皆の顔を見つめながら、俺は生意気にも
自問していた。
家族の絆はあって当然。血が繋がっていたら尚更なのだろう。
じゃ、俺たちの場合はどうなんだろう。親子関係は離婚しようが、
永遠に親子だ。俺たちは絆を一本一本束ねて、太い絆にしていく
しかこの関係を維持する術がない。
なんのてらいもなく義母をお母さんと何度呼ぼうと、
義妹の美有を真の妹と思い続けても、両親が別れてしまえば、
単なる他人に過ぎない。
急速な関係は急速に朽ちる。俺はそれが不安だった。
だからこそ、自分の原因による問題だけは起こしたくなかった。




20名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 02:04:57 ID:8qpISvw4
多分、みんながそう思っていたのかも知れない。
言葉にしなかっただけのことだ。
美有には幸せになってほしいと強く思った。
いつもみんなの気分を察し、率先して明るく振舞う姿は健気だった。
美有の人生の全てがこの家にある。だからこそ懸命に守ろうとしている。
明るい振る舞いの裏には、淋しかった思い出が隠されている。
出会う前までの、休みがちだった美有がそれを感じさせてならない。
夜は美有と二人きりだ。TVを観てる時もの横に座る。
部屋で勉強してるときも、同じように勉強を始めた。
ちょっとトイレが長くなっただけで、おにいちゃん!どこ?どこ?と
騒ぎ出す始末。
21名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 02:10:36 ID:8qpISvw4
そのような美有に対し、鬱陶しく感じないでもなかった。
だからすかさず俺は、じゃ、一人になるか?どうする?と自分に
聞いてみるんだ。答えはあっという間に出た。
鬱陶しくてもいいさ、と。
どうせあと2年あまりのことだろう。子供はみんな小学校の高学年
あたりで自立する。俺もそうだった。
美有もやがて俺から離れて行ってしまう。わかっているさ。
ましてや俺なんか義兄の立場だ。偉そうな事なんかを大きくなった美有に
吐いたら、あっとゆう間に、いまの兄妹のような関係なんか醒めてしまうさ。
あまりにも脆い関係さ。シャボン玉となんら変わりはない。

22名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 02:38:57 ID:8qpISvw4
4人の生活が始まって、2年が過ぎた。
その間に、また引越しした。3LDKの少し古いマンションだ。
俺はオヤジに、どうして?お金もったいないよ、といったが、
店に近い方がいいとの返事だった。だが、お母さんに聞いてみた時は、
俺が集中して勉強できる部屋を与えたかった、と答えた。
引越しと同時に、俺と美有にそれぞれの部屋をくれた。
(なんかつまんなぁ〜い、一緒の方が楽しいのになぁ)
と、口を尖らせながら話していた美有の言葉を思い出す。
俺、中3。美有、小4の時だ。
23名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 02:46:05 ID:8qpISvw4
美有も俺も所詮、まだまだ子供ではあるが、美有の変化には
驚きを隠せなかった。といえば少々大げさのようだが、そう感じたのだ。
引越しをする前の学校では、美有が本当の妹ではないことを誰もが知っていた。
だから前の学校のクラスメートの前で美有が、俺に対し、おにいちゃんと呼ぶことに
抵抗を感じていた。
だが、今度の学校は違う。美有の場合もそうだが、誰ひとり、
俺達が義兄妹だなんて知らないのだ。
その意味でより自然に兄妹として振舞えた。
俺と美有が初めてディズニーランドに連れて行ってもらったあの日から、
とても仲が良かった。
6歳年下の美有から発せられる言葉を補うに足る独特の感性を備えていた。

24名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 02:56:13 ID:8qpISvw4
俺は美有のことを普通の女の子とは違う特別な娘として見る様になっていた。
しかしそれは、特別でもなんでもないのかも知れない。
俺がなにもわかっちゃいないだけのことだ、と結論付けてもいいが。
目に映る全ての行動、話し方が新鮮でならない。
不必要に気を使う俺と大胆な美有。
同じ一人っ子同士にしちゃ、あまりにも対照的だ。
その気質は4年生になって顕著に現われてきた。
そうそう、約2年近く美有と一緒に風呂に入ってきが、最近やめた。
俺が、もう一緒しないから、と素っ裸になっている美有にバスタオルを
渡しながら、そう告げた。
25名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 03:00:45 ID:8qpISvw4
その言葉をすぐには理解出来ないでいたようだ。
5秒程の沈黙の後、美有なりに解釈したようだった。すると、
淋しさを浮かべた驚きの表情へとみるみる変化した。
俺をじっと見つめてから言った。
『嫌われたの?、美有・・・おにいちゃんに』
微かに膨らんだ胸が目に飛び込んだ。それを観察するかのように見てしまった。
全身がほんのりと紅潮していた。見慣れている姿じゃないか、
と俺は自分に言い聞かせた。
(おにいいちゃん、変なの。いつもタオルでかくしてる、なぜ?美有かくさないよ)
その言葉を聞いて、もう一緒には入れないな、と思った。

26名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 03:26:41 ID:8qpISvw4
実は、そのような事を美有に言ったのには理由があった。
その一ヶ月前だった。たまたま銭湯に行ってみようよ、という話から、
夜、二人で行ってみたんだ。
もちろん美有も俺と男湯に入るつもりでいたし、まだ4年生の美有も
平然と俺と入った。すると番台のオバサンが(おばあちゃんだったらOKかも)
美有をまじまじと見て、(おじょうちゃんは何年生?)
俺はすぐに察知した。4年生ですがダメですか?オバサンは少し考えていた。
なんで考えてるんだ、と俺は訝った。
4年生以上がダメなら即答できるだろうに。すぐに答えられない理由は、
大人の勝手な判断がそうさせていると感じた。
同じ4年生でも美有より子供っぽかったらどうなんだ?
美有より可愛くない女の子だったらどうなんだ?
番台のオバサンは、中の男性客の目に映る美有の裸体を想像し、
性的対象になるかどうか判断しているのではないのか。
『ごめんね、4年生からは入れないのよ』
じゃ、3年生と答えたらどうだったんだろう。結局、銭湯は入らなかった。
美有はこのとき初めて、自分の全てが子供じゃないことを
初めて思い知らされたに違いない。

27名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 03:29:58 ID:8qpISvw4
受験も最後の追い込みに入った。2校に絞っていたが、狙いは決まっていた。
制服がいい感じの進学校にどうしても行きたかった。
同じ中学の1年上の先輩がそこの学校に通っていた。
そのことを電話で話したら、夕方、アドバイスをしに部屋に遊びに来た。
そこへ美有が入った来た。制服姿の先輩を見て、実有は何か言いたげな表情を
見せたが、無言のまま自分の部屋に引きこもってしまった。
先輩も一緒に夕食を食べてから、帰って行った。食事中、美有は何も言わなかった。
おかあさんが店に行った。いつもの二人だけの夜になった。
すると美有が怒ったような顔をして言った。
『さっきのおねえちゃんはおにいちゃんの彼女?』
『全然ちがうよ』
『うそ!!うそつき!』
28名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 03:34:22 ID:A4MnQpHQ
>>1
氏ね。自分のHPかブログにでも書け。
ここはおまいのチラシの裏じゃねえ。
29名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 03:37:10 ID:8qpISvw4
希望の高校に入ることができた。美有、5年生になった。
色んな意味で美有は大きく変わった。
学校の成績はずば抜けて優秀らしい。いったい、いつそんなに勉強してるのかな
と思った。隣の部屋で寝る前の1時間程度しか勉強してないはずなのに。
結局、生まれついて脳細胞が優れている子は、勉強時間なんて関係ないのだろう。
俺なんか、気合を入れてどうにかそこそこ納得できるレベルに達してるに過ぎない。
美有の性格は相変わらずだった。底抜けに明るい性格は無くてはならない存在だ。
ただ、俺と違って、同時に色んな事を考え行動してるように感じる時がある。
他人には到底伺い知ることのできない領域かも知れない。
俺だってわからない。ただ、そう感じるだけだ。
それが少女の成長過程のひとつと片付けてしまえば、それまでだが。
30名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 03:47:26 ID:8qpISvw4
美有の一番の変化といえば、体つきだった。全体的に細めな体型ではあるが、
必要な部分にはしっかりと肉が付いてきていた。
角が取れてきた体型といえばいいのかな。
身長はまだ140cmちょっとだった思うが、家の中に居ると、もっと大きい
ような気がするほど、少女の存在感が増していた。
かといって、興味は以前とあまり変わらないようだ。
TVのアニメを俺と一緒に観て、普通に騒いでいる。アイドルにはまだ興味が
ないらしい。
美有の部屋でプレステをやってたときだった。
『美有、大好きな人いるよ』
『そう、誰?』
『U・K』
『ふ〜ん・・・俺もU・Kだったりして』
31名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 03:57:39 ID:8qpISvw4
その夜、めずらしく俺は美有の部屋で眠ってしまった。
明け方近く、右腕に違和感を感じて眼が覚めた。
消し忘れのTV画面。美有の頬が俺の腕に添えられ、
軽い寝息を立てていた。熱い体温を感じた。
俺も美有の昔の生活には戻りたくはない。
こうして夜はいつも二人きり。
この生活あと何年続くのだろう。今が一番幸せだと明確には言えないけど、
くすぐったいようなこの気分だけは失いたくはない。
あらためて見る美有の顔立ちの美しさに、しばし見惚れてしまった。
美有が言ったU・K、今はどうでもいい。それに小5の告白なんて。
それよりも望みは、この関係を失いたくないだけだ。
美有の形のいいおでこを軽く撫で、俺は自分の部屋に戻った。

32名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 04:34:53 ID:8qpISvw4
>>28
おいてめえ、
ひとがせっかく必死に創作意欲かきたてて書いてるのになんだその態度は?
それに俺は残念ながら自分のHP持ってねえんだよ!!
読みたくなきゃ読まなきゃいいだろが!!
33名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 06:29:33 ID:wQvyfpp2
2ch私物化しといてその態度かよ
無料ブログくらいはいて捨てるほどあるtってのに
34名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 14:11:46 ID:A4MnQpHQ
ここの>>1は何様のつもりなんだろ?
35元市川粘着:2005/05/01(日) 15:13:25 ID:8qpISvw4
>>34
俺様のつもりだけど、何か?
36元市川粘着:2005/05/01(日) 15:34:00 ID:8qpISvw4
この生活が始まって3度目の12月だった。俺的に衝撃的な事があった。
ただ一度限りの出来事だった。もちろん起きてはならないことだが・・・
お母さん、34歳。オヤジ、40歳。
普段とても仲の良い両親だったが、それでも年に3回位大ゲンカをしていた。
大抵は互いの店の事が発端での口ゲンカだった。そんな時は決まって、俺と美有は
どちらかの部屋に逃げ込みゲームなんかして気を紛らわせたりしてた。
両親の大ゲンカといっても、最長2泊3日でゲームセットになる。
仲直りをして、上機嫌でオヤジはいつものように自分の店へ行った。
お母さんはその2時間後に店に行く。
両親のふたつの店は日曜が定休日で、あとは正月とお盆が休みだった。

37元市川粘着:2005/05/01(日) 15:38:19 ID:8qpISvw4
夕食を終え、お母さんと美有が一緒にお風呂に入って上がって来たとき、
美有がバスルームから俺を呼んでいた。
『おにいちゃん!おにいちゃん!おかあさんが・・・』
俺は何事かと思い、バスルームへ行ってみた。
そこには美有だけがいた。
『おかあさんが、どうしたの?』
『なんかね、具合悪いみたいだよ』
居間に行くと、お母さんが体にバスタオルを巻いたままで、ソファーに横になっていた。
『おかあさん、だいじょうぶ?』
俺の心配をよそに作り笑顔を浮かべ、平気だから、と答えた。
俺は、おかあさんのおでこに触れてみた。熱かった。
美有も心配そうにソファーの前にしゃがんでいた。


38元市川粘着:2005/05/01(日) 15:43:35 ID:8qpISvw4
すぐにオヤジの店に電話して、おかあさんの状態を説明した。
休ませてあげろ、と言って手くれたオヤジの言葉が嬉しかった。
俺は風邪だと判断して、置き薬を飲ませ、美有とふたりでベッドに連れて行き、
おかあさんを寝かせた。
着替えの時だけ俺は両親の部屋を出た。美有は懸命に看病していた。
その間、宿題を済ませ、深夜12時頃に美有と交代した。
おかあさんは静かに眠っていたが、まだまだ体は熱く、
体温は38度を少し超えていた。額の冷やしタオルを何度も換えた。

39元市川粘着:2005/05/01(日) 15:48:57 ID:8qpISvw4
一度、美有の部屋を覗いてみたら、案の定、蒲団も掛けずに眠っていたから、
起こさないようにして、毛布と蒲団を掛けた。
その時、美有の白い両脚が眼に焼きついてしまった。形の良いスラリと伸びた
両脚がくの字になって折り曲がり、おしりをこちらに向けていた。
美有の体の変化は著しかった。
なんともいえない気分に襲われそうになった。俺は美有部屋を出て、
おかあさんのベッドへ戻った。
40元市川粘着:2005/05/01(日) 16:01:40 ID:8qpISvw4
おかあさんは背中を壁に向け寝ていた。部屋の蛍光灯の明かりが眩しいような
気がしたので、ベッドの脇のシェードランプだけにした。
いつも部屋で流すFMの番組を小さめにして音を流した。
体温はまだ高そうだった。僅かに寝汗もかいていた。
パジャマのバタンは上二つ外れていたが、胸元を少し開け、腕をそっと持ち上げ、
体温計を差し入れた。乳首まで見えなかったが、その乳房の形ははっきりと
見ることができた。下半身が烈しく反応してしまった。
看病の思いと性的興奮に気持ちが乱れた。

(おかあさん、俺・・・触ってみたいんだ)

41名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 16:22:59 ID:UECyTl/H

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42名無しの笛の踊り:2005/05/01(日) 16:47:12 ID:IjiWOYzs
>>1
それなんてエロゲ?
43元市川粘着:2005/05/01(日) 16:49:40 ID:8qpISvw4
心臓が壊れそうなくらい、高鳴っていた。体温計を外さなければ。
不純な心が指先を小刻みに震わせた。胸元へ気づかれぬように手を差し入れ、
体温計を掴んだ。
(なぜ俺はこんなにやましい気持ちになっているんだ)
体温計を掴んでいない残りの小指と薬指が、その大きく膨らんだ乳房の付け根
あたりをなぞった。指先に熱く柔らかな感触が伝わった。
生まれて初めて、乳房に指先が触れた。
信じられない興奮が全身にみなぎった。
体温は38度を下回っていた。
パジャマの3つ目のボタンに指をかけ、
気づかれぬよう、そっと、ボタンを外してしまった。
44元市川粘着:2005/05/01(日) 16:50:23 ID:8qpISvw4
>>43
適当に書いてるだけです。
45元市川粘着:2005/05/01(日) 16:54:47 ID:8qpISvw4
そのとき、おかあさんが軽く、寝返りを打った。
パジャマがさらに乱れ、片方の乳首がむき出しになった。
心臓が止まりそうな思いだった。
俺は、じっと息をこらした。大きなマシュマロのような乳房と乳首に目が奪われた。
右手が硬く膨張した下半身を握った。
その手が少し動きだした。目は、乳房に吸い込まれたままだった。
触りたい。許されるなら、思いっきり揉んでみたい。顔も埋めてみたい。

46元市川粘着:2005/05/01(日) 16:57:26 ID:8qpISvw4
この俺が、失ってはいけない家庭を壊し、消滅させてしまうかも・・・
今すぐこの部屋を出ていかなければ・・・
わかってはいる、なにもかも。
敢えてこの衝動の罪悪を問うまでも無い。
右手で握り締めた熱く硬いものは、左手の行動を抑制させることは出来なかった。
息を凝らし、ゆっくりと、視線から逃れることの出来ない乳房へと向かった。
左手が激しく震えた。
おかあさんの体温を感じるまで接近した。
綺麗な横顔をちらと見やったが、すぐさま、また目的の乳房に目を奪われた。

47元市川粘着:2005/05/01(日) 17:01:27 ID:8qpISvw4
手のひらを広げ、その乳房の上にそっと乗せた。
あたたかくそして想像以上の柔らかい感触に理性を失った。
(おかあさん・・・ごめんね)
五本の指では包みきれない乳房をなぞり、さすった。
僅かに力を入れ、弾力を確かめた。
本物の乳房を揉んだ。俺の顔がそこに吸い寄せられた。
しだいに乳首が硬くなっていった。
俺は、右手を自由にし、両手で起きないよう、
気づかれぬように揉んだ。
ふたつの乳房の間に、顔を沈め、乳首に口をつけた。

48元市川粘着:2005/05/01(日) 17:53:38 ID:8qpISvw4
(おかあさん、ごめんね。止められなかった)
俺はすでにコントロールがきかなくなっていた。
いま、おかあさんが目覚めても、止められない気がした。
乳首を舐めた。口に含み、軽く吸ってみた。
その時だった。
おかあさんが、小さく何かを口にした。
『・・・薫くん』
『お、おかあさん!お、俺・・・』
『さっきから、気づいてたんだけど・・・』

49元市川粘着:2005/05/01(日) 17:58:22 ID:8qpISvw4
『少しだけなんだけど、薫くんの気持ちわかるわ』
俺は、驚きのあまり何も言葉に出せなかった。
『わたしに興味があったの?それとも女の人の体?』
『・・・体だと思う・・・いや、おかあさんは大好きだよ』
『彼女って、いた?』
『まだ、いない』
『じゃ・・・まだ?』
『まだ・・・って?』

50元市川粘着:2005/05/01(日) 18:07:41 ID:8qpISvw4
おかあさんは、俺の顔を見つめ、笑みを浮かべ、言った。
『つまり、エッチのこと』
なんて大胆なんだろうと思った。そんな言葉までおかあさんの口から
発せられるとは思わなかった。
『ないよ、経験ないよ』
『早く済ませたいの?』
何もかも見抜かれていた。ストレートな言葉にたじろいだ。
おかあさんはこの俺の失態をうやむやにせずに、はっきりと
処理しようとしていた。俺とおかあさんの間で、
気まずい関係が生まないようにしようとしていた。

51元市川粘着:2005/05/01(日) 18:17:23 ID:8qpISvw4
情けないことだが、そんな話をおかあさんとしているときでも、硬直した
下半身が萎えることはなかった。右手で悟られぬように隠した。
一瞬、おかあさんの視線がそこに向いた。
俺は目のやり場を失っていた。
しばしおかあさんは黙って、そんな俺を包むようにして見つめていた。
俺は的外れなことを言った。
『風邪・・・どう?美有も一所懸命に看病してたんだ』
『知ってる、なにもかも・・・ありがとうね』
『ほんと、ごめんなさい』俺は心から、謝った。

52名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 01:30:08 ID:mrCEeROz
俺はおかあさんを強く抱きしめた。おかあさんもそれに答えてくれた。
『薫くん・・・待って。初めての相手は私であってはいけない』
『どうして?おかあさんでなければ嫌だ』
『エッチまでは、してはいけない』
俺はおかあさんの言葉が耳に入っていたのだが、聞こえない振りをした。
究極の秘部が隠されている太ももをなぞった。
『どうしても我慢できないなら、エッチなしで今夜だけ・・・』
おかあさんの声の質が変わった。
『約束は守ります。なにをしてもいいんだね?どこを触ってもいいんだね?』
おかあさんは、それには答えなかった。
徐々におかあさんがひとりのオンナとしての艶姿を見せ始めた。

53名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 01:49:40 ID:mrCEeROz
美しい大人の体を俺が自由に貪っている。
ほんの一瞬、自分の下半身におかあさんの体が触れただけでも暴発しそうだった。
病気の体に覆っていた全てのものを剥ぎ取った。
俺の見に映るものは、一糸纏わぬおかあさんの裸体が横たわっている。
その体を使って俺は何をしてもいい。あらゆる想像、夢をまっとうするかのごとく、
遠慮なく自由に舐め回した。
2本の太ももを限界まで開き、焦る気持ちを抑えつつ、未体験の陰部へと舌が這って
いったときは、この世とは思えない感動を覚えた。

54名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 01:50:41 ID:KyNDUKzO
市川さんと高橋多佳子さんはすごく仲が良くて羨ましいです。
市川逮捕で一番心配してたのが多佳子のお姉さまなんですよ。
でもデマでよかったですね。二人の熱いジョイントは、お見逃しなく。
55名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 01:55:11 ID:mrCEeROz
確かに市川と高橋多佳子さんは、下田に隠れて浮気しているのではと疑われるほど仲はいいらしい。

だが市川逮捕はデマではない!!!暴行障害容疑で逮捕されたのは事実!!!
だが哀れなのは市川自身だ、創価に圧力をかけられた警察の嵌められたのだから。
56名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 02:08:40 ID:mrCEeROz
陰部の周りを全ての指を使って色や構造を確認した。
俺より薄い陰毛の奥に挿入部をみつけたときは、
現実感が麻痺していたかも知れない。
おかあさんは気持ちがいいのか、頻繁に小さく呻き声を発していた。
大人の女性を征服した気分に酔った。
俺の望むあらゆる姿勢に抵抗することもなく、こたえてくれた。
AVビデオでなんども見たバックスタイルもためした。
57名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 02:14:09 ID:mrCEeROz

シェードランプの明かりがアソコに照らされるように向きを変え、
じっくりと観賞しつつ、しつこく舌を這わせた。
おかあさんの呻き声が激しくなった。
『おかあさん・・・気持ちいい?』
『か・・・薫くん・・・どうして・・・』
『えっ?』
『・・・気持ちいい・・・とっても、とってもいいわ』
『ねえ、おかあさん、エッチってどういうタイミングでしたらいいのかな』
『薫くん、そんなこと言わないで。お願い』
『おかあさんのアソコがすごく濡れているよね、なぜ?』
おかあさんは俺を強く抱きしめた。

58名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 02:25:01 ID:mrCEeROz
俺はなんとなくわかってきた。女性の心境が。
そういうことか。おかあさんの欲望を弄ぶような卑猥な言葉を囁いた。
『おかあさん、ボクの見てください』
そそり立った陰茎をとろんとした目つきでみつめた。
『おかあさん、これがおかあさんの濡れた所に挿入すれば、エッチなんだね』
『・・・』
『でも約束だからボクは挿入しないよ。裏切りたくないんだ。だって、ボクを
信用してくれたから今夜限りのことを許してくれたのだから』
『薫・・・くんって、もう』
俺は激しく濡れた陰部を責め続けた。
それに呼応する女体の反応が素晴らしくもあり、驚きでもあった。


59名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 02:28:16 ID:mrCEeROz
AVビデオの中の・・・そうだ。
『おかあさん、お願いです。ボクのを舐めてください』
まるで待っていたとばかりに、おかあさんは俺の硬直した陰茎を握り締め
口に咥えた。
『お、おかあさんってとってもエッチなんだね』
『いや、そんなこと言わないで』
俺は女体征服者としての余裕を取り繕うつもりでいたが、
音を立てるようにして、吸い尽くすおかあさんの勢いに、
あっさりと、射精してしまった。
60名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 02:32:55 ID:mrCEeROz
いったいどれほどの量が放出されたのだろう。自慰とは桁外れに違う快感に
全身が痺れ果てた。
『おかあさん、出して、口の中、早く棄てて!』
するとおかあさんは俺の顔を見つめ、全て飲み込んでしまった。
『こんなことしたらいけなかった?』
『そ、そんな・・・すごく嬉しい、最高です、おかあさん』
61名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 02:57:59 ID:mrCEeROz
俺は果てると急激に現実に戻り、後悔と羞恥心に襲われた。
すかさず、裸体から離れようとしたとき、
『待って・・・薫くん、少しだけこのままでいて』
俺は言われるままにした。
おかあさんは俺の指を握り、濡れた陰部へと誘われた。
『このままで・・・』
おかあさんの指が動き出した。俺の指はその動きに同調した。
一段と息使いが荒くなり、体を仰け反らせた。
すごい姿だ。これがオンナの性なのか。
風邪の体温と激しい欲情の熱のパワーに怖気そうになった。

62名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 03:05:37 ID:mrCEeROz
『いい・・・薫くん・・・あぁぁ・・・』
強い力で俺の指を握り締めた。瞬間、全身が硬直したように思えた。
後でわかったことだが、おかあさんは絶頂感を味わったのだ。

『おかあさん、素晴らしかった、本当に。ありがとう』
『もう、母親失格ね』
『そんなことない!何いってんだよ!全てはボクのせいだから』
『そういってくれると・・・』
『もう、全て忘れます、約束どおり。おかあさん、体拭いてあげるね』

63名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 03:14:16 ID:mrCEeROz
熱いお湯で絞ったタオルで丁寧に全身を清拭した。
まるで赤ちゃんのようだった。
新しいパジャマ着せて、再度、体温を測った。
38度5分。当然のように上昇していた。
ミネラルウォーターと薬を飲ませた。
しばらくおかあさんと添い寝してあげた。
いつのまにか、軽い寝息を立て、おかあさんは深い眠りに落ちた。
僕はそれを見届け、部屋に戻り、全ての出来事を再燃させるかのように、
頭の中で鮮明にリプレイさせ、自慰に耽った。

64名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 03:20:23 ID:mrCEeROz
おかあさんの熱はその翌日の夕方には平熱になった。
一応、もう一日だけ店を休んだ。
俺とおかあさんは、またいつもの日常に戻った。
多分、もう2度と起こり得ない過ちだ。
少なくとも、俺はそう決意した。おかあさんもそうに違いない。
その同次元の決意が出来たからこそ、
互いに同じような夢を見たかのごとく、自然と振舞えたのだろう。
そうさ、夢なんだ。二度と現実の生活で二人が口外しなければ、
事実は、夢だったと決め付けてもいいのだ。
そして記憶はやがて褪せてゆく。

65名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 05:58:54 ID:mrCEeROz
>>54
旦那の下田の立場は・・・
66名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 13:07:54 ID:mrCEeROz
この年のクリスマスは、といってもいつものようにクリスマス前だったが、
4人で初めての温泉一泊旅行に行った。
オヤジもおかあさんもたまには口ゲンカもするが、結局は仲がいい二人だった。
あの素晴らしい体はオヤジの所有物なんだな、と微かに思ったが、
すぐにその雑念を振り払った。
温泉地は群馬県内にある小さな温泉街だった。静かな町並みと感じのよい
宿のスタッフに迎え入れてもらった。
10畳間には必要と思われる全ての備品が備わっていた。
歴史を感じさせる造りが素朴な高級感を漂わせていた。
磨き込んだベランダの下は、透明感のある小川が音を立てて流れていた。


67名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 13:12:27 ID:mrCEeROz
夕食が終わり、オヤジはビールを飲みながら、
つまんないTVドラマを観ていた。
それに付き合うおかあさんも楽しそうだった。
『おい、風呂でも行ってこいよ。露天に行ってみな』
とオヤジが言った。さらに
『3人で行ってくればいいさ、貸切だし』
それを聞いて俺は言った。
『嫌だよ、美有ならともかく、おかあさんと入れるわけないだろ!』
おかあさんと目が合った。
『薫くんは、こんなオバサンの裸なんて見たくないって言ってるみたい』
『たしかにな』とオヤジは大笑いした。
68名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 13:17:41 ID:mrCEeROz
『行くぞ、美有!冒険に行こう』
俺はバスタオルと手拭いを持って部屋を出た。
『待って!美有もいく、いく!』
美有もタオルを持ち、家から持ってきたボディソープ、シャンプー、リンスを
手に持った。
スリッパが冷たかった。ほかに客がいるのだろうか。ひっそりとしていた。
長い廊下を小走りで歩いた。格子窓の外は雪がちらついていた。
『雪ふってるよ、美有』
『わあい!雪だあ』
露天風呂は宿の上に設置されていた為、景観を邪魔する建物もなく、
爽快感に溢れていた。

69名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 13:25:34 ID:mrCEeROz

脱衣場で競うようにして服を脱ぎ捨て、露天風呂に飛び込むように
して入った。
『あっつい!』
気合で一気に入った。少々熱かった為、美有も時間をかけて入ってきた。
1年近く前に一緒に風呂に入ったきりの、美有の体を何気なく観察した。
小さいながらも、子供とはいえない体型にメリハリがあった。
うっすらと生えていた。たしかに生えていた。
『おにいいちゃん、すごいね、雪が降っててお風呂だよ』
『うん、最高だね』
『来てよかったね』と美有。
70名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 13:33:34 ID:mrCEeROz
『むかし偉大なピュタゴラスは鍛冶屋の戸口に立って、
  金槌がさまざまな音を立てながら、金床をたたくのを
  聞いてるうち、その鉄の先にいつまでも震えて残る
  いろいろな音から、あの鳴り響く針金の秘密を知って
  七弦の竪琴を作りあげた・・・』

俺は独り言のように、そう呟いた。
『なんのお話?』
『ギリシャ神話で、ピュタゴラスが竪琴を発明した話』
『ふーん』
『美有さ、いつから毛が生えてきたの?』

71名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 13:37:13 ID:mrCEeROz
『教えないよ、ぜったい』
『5年生になってからじゃないかな』
『変な話やだ・・・おいにいちゃんは?』
『そのくらいだったから』
『うわあ!雪がいっぱい降ってきたよ、頭が真っ白だよ』
『すごいね、ぶるぶると寒い外でお風呂に入るなんて贅沢だな』
『どうしてギリシャのお話したの?』
『美有は学年でトップだろ、成績さ』
『わかんないよ、そんなこと』
『そんな噂聞いたよ』

72名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 13:44:00 ID:mrCEeROz
『うぬぼれないように、って言いたかった』
『うぬぼれなんかないよ』
『もっと美有が大きくなってからのことだよ。プライドの高い女は
 大嫌いなんだ。前のおかあさんがそうだった』
『ふーん』
『それと、いつも雑草の気持ちを抱いて生きて行ってほしいんだ』
『なんで?』
『針金と雑草って、扱われ方が似てない?なんだ雑草かあ、と見れば
 いつまでも美有にとっては雑草どまり』
『うんうん』
『雑草にももの凄い可能性と力があるってことさ』

73名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 13:50:23 ID:mrCEeROz

『美有さ、オッパイ膨らんだね』
『すけべ!』
『そうだよ、すけべだよ。嬉しいんだ、美有が変化してゆくことが』
俺はあることを思い立った。そして急に立ち上がり、
美有の前に下半身の全てを晒した。
『どうだ美有、これが以前、美有がどうしていつもおにいちゃんだけ
 タオルで隠すの?ずるいなあ、って言ってた物だよ』
『うわっ!見せなくていいって』
『じゃ、見えないように目をつぶればいいじゃないか』
美有は目をそらしつつも見ていた。

74名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 14:17:04 ID:mrCEeROz
『見たくなければ目をつぶったらいいんだよ』
『変だよ、おいにいちゃん。美有にいじわるしてる』
『変なことじゃないさ。大切なことなんだ』
『大切って?』
『知っておいてほしいだけ』
俺は徐々に美有に近づいた。
『握ってごらん、ぜんぜん変なことじゃないんだ』
『お酒飲んだから、よっぱらってんだあ』
たしかにおかしい。今の俺は変だ。美有相手に・・・自制しよう。
『やーめた。出て洗うぞ!』

75名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 14:20:15 ID:mrCEeROz
美有も一緒に巨大な桶のような湯船から出た。
檜の香が漂っていた。もう隠すものはなくなった。
だが、今度はひょっとして美有の方が見られることの羞恥を
感じ始めるに違いない。その時期が来たら、急速に義兄妹の壁が
厚みを増して、気持ちの距離感が拡がってゆくのだろう。
今だけ。今だけだから、この時間を楽しみたい。
『久しぶりだから洗ってあげるよ』
『うん』
俺たちは向き合った。気になるのか、チラチラと俺の下半身を見ていた。
俺も美有の裸をじっくりと眺めた。

76名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 14:23:51 ID:mrCEeROz
気持ちよさそうに黙って俺に身を委ね、洗われている美有。
たしかに肉付きがよくなった。腰がくびれて、腰から下が丸く膨らんでいる。
すべすべした肌と真っ白な肌に興奮しそうだった。
俺は懸命に抑えた。興奮の証を晒すわけにはいかない。
『俺たちさ、出会ってよかったね、まじでさ』
『うん』
『オヤジとおかあさんに感謝しようね』
『うん、いつも感謝してるよ』
美有の大事な所は自分で洗わせた。
『U・Kって、まだ好きなの?』
『うん!大好き。』

77名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 14:30:43 ID:B/Xh+Ic/
            ,,ィッチュ´;
          ,,,;;;彡彡≡三ゞ;;,,    ッミュ;,,
         ノ彡ミ三≡三;;{{/彡ィィテソソリミミミュ,,.
        ,ノ彡ソソ三三≡{l{i{彡ミミリリノノミミミミミミュ
        !从豸彡三≡≡ゞゞ彡ミソリリソ从リリミミミミ
        !ノ}}}彡彡彡''゙´´´`゙゙゙ー--tソソリリミミミ三}}};,,
        リミ}´,,r==、     ,,r==、        彡;;
       γ   ii,● l     ii ,●l          ヽ
      _,j      ゙'‐='"      ゙'‐='"           ';、
     .{ {     (○ ,:○ )      _,, -ー''- 、,    }
      ゝ`ー、,_       _,,,; -ー''"´_,,;;-ー'7^`;、`i   ,|
        `┬i、,_^"''''''"^´_,,, -ー''"^  __  } }   ,|
         | i  ̄^"^^~ ̄ i    '"-ゞ,●> ,j ,j   ,j
         ゞリイリ<'◎,>; '   ヽ      ./ /   /
          }リリ     (○ ,:○ ).      ,/,,/  /i
         ,.||リ          :  ,--'""ヽ ノ ノ   /
         |ヾl!        //二二ノ""^//  ,/
         '! '!{!      ヘ`\┼┼,ノ´ノ  /
         ヽヽ、..       _,,, -'",, -'" ,/
.          .\、''ー-ー'''""´,,; -''" ,,, -''´
             `''ー'''=ニ二-ー''"
78名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 14:32:18 ID:B/Xh+Ic/
    脱線だ〜脱線だ〜
   ___/____\___
  /        OO         \
  | ┌──┐                   |
  |_└──┘.__________.|
  |┏━━━━━━━━━━━━┓|
  |┃=G08=   /■\  /■\ ┃|
  |┃( ´∀`∩ (´∀`∩) ( ´∀`) ┃|
  |┗━━━━━━━━━━━━┛|
  |                            |
  |          _    _          |
  |==============|
   |O                 O|
   |_____二二二二_____|
   │      │[=.=]|      |
   └───────────┘


79名無しの笛の踊り:2005/05/02(月) 14:41:27 ID:B/Xh+Ic/
ビデオリサーチは2日、4月に各局でテレビ中継されたプロ野球巨人戦ナイターの月間平均視聴率が関東地区で12・9%だったと発表した。1989年の調査開始以来、4月の月間平均視聴率では過去最低。
 中でも7日の対横浜戦(TBS系)で8・8%、12日の対阪神戦(フジテレビ系)でも8・9%と2試合で1けたの視聴率を記録。最高は日本テレビ系が3日に放送した対広島戦の16・8%だった。
 4月は清原和博内野手が史上8人目の通算500本塁打を達成し話題を集めたが、視聴率の低下は巨人が最下位に低迷したことが大きく影響したとみられる。
 日本テレビPR局宣伝部は「5月6日から始まる交流戦に期待したい」としている。
(共同通信) - 5月2日12時26分更新

80名無しの笛の踊り:2005/05/03(火) 02:24:03 ID:vOCTuPaU
美有を後ろに向かせ背中を洗った。
膨らんだ胸が気になってしかたなかった。
背後から背中の脇をタオルで洗う振りをして、胸に触れてみた。
なぜか、あっさりとそんな行動をしてしまった。
『あっ!くすぐったいよ、もう』
『すべった、ごめん』
そのとき俺の陰茎に体中の血液が集中したかのように、熱くなった。
『U・Kってさ、すけべなとこあるだろ?』
『あったりぃ!』
『それでも好きなんだ?』
『すごく、大好きだもん』

81名無しの笛の踊り:2005/05/03(火) 02:45:14 ID:vOCTuPaU
脱衣場のデジタル体重計に乗った美有は37kgだった。
身長は俺より30cm低いから145cm。
美有のクラスでは真ん中あたりの体格らしい。
パステルカラーが一番似合う年頃かもしれない。
宿のみやげコーナーを楽しそうに物色している美有。
淡いピンクの上下のパジャマ姿は人目を惹く。
老人夫婦の宿泊客が多いせいで、美有を見るなり、
(あらま、可愛らしいお嬢さんね)と声をかけられる。
美有は決まって、照れくさそうにしつつも、きれいな歯並びを見せ、
満面の笑みで挨拶をするサービス精神は、もちろん俺には無い。

82名無しの笛の踊り:2005/05/03(火) 02:56:35 ID:vOCTuPaU
部屋に戻ろうとしたとき、ロビーの横で赤い顔をしたオヤジが携帯で
誰かと話していた。
誰と話しているのかな、おかあさんは部屋でひとりなのかな。
なんとなく気になった。美有は気付かなかったから、俺は黙っていた。
俺は美有に声をかけてから、急ぎ足で階段を上った。
『まってえ!おにいちゃん』と叫び、追いかけてきた。
部屋にはおかあさんの姿はなかった。
『お風呂にいったのかもね』と美有。
俺は部屋にあった宿の浴衣に着替えた。

83名無しの笛の踊り:2005/05/03(火) 03:05:57 ID:vOCTuPaU
30分くらいしておかあさんが髪を束ね、
上気した顔色で部屋に戻ってきた。
『お風呂?おかあさん』
『ええ』
『オヤジは?』
『もうすぐ戻ると思うわ』
『一緒じゃなかったの?』
『一緒よ』
俺はそれ以上詮索しなかった。

84名無しの笛の踊り:2005/05/03(火) 23:56:27 ID:vOCTuPaU
4ヶ月後、美有は小6になったと同時に初潮も迎えた。
俺、高2。入学以来、中学から始めたバスケにはまっている。
そんな俺に、ついに彼女ができた。同じ学校の1年生だ。

そして、このことが原因で・・・


85名無しの笛の踊り:2005/05/03(火) 23:58:36 ID:vOCTuPaU
家族の幸福感は一体、誰が判断するのだ?
今感じている幸福感、明日には消滅していると予期する者はいない。
幸福感とは何だ?今日限りの評価なのか。
それとも、ただ漠然と将来へと繋がっている気がするから幸福なのか。
見失いたくないものは、いつも楕円形のボールのように、
予測し得ない場所へと転がる。
大切に育てたつもりでも、己のエゴに気付くことなく、
取り返しが付かない事態になって、やっと己の失態に嘆き苦しむ。
86名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 02:38:32 ID:vM8Sf9PV
美有が義妹となって4年目。おかしな話だが、俺は、美有の4,5年生
までは義妹としての関係を楽しく維持できるだろう。
但し、その時期が過ぎれば、あっという間に崩壊してしまうかもしれないと、
考えていた。
血が繋がっているとか、いないとかの問題なんかじゃない。
ましてや、女の子は、その時期にみんな自立して変わるものだ。
などといった理由から、そう考えていたわけでもない。
俺が考えていたことは、出会った事の喜びが大きく深いほど、
悲劇のプロローグもまた、息を潜めながら幸福感と同時培養されている、
ということだ。
87名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 02:54:48 ID:vM8Sf9PV
俺が小学5年の頃、両親が離婚してしまったと、母が居なくなって
初めて知ったとき、あまり好きではない母だったが、
俺は激しい不安感を覚えた。まるで血の気が引くような気分に襲われた。
大好きなオヤジだはあったが、俺を今までのように育ててくれるような
安心感が伝わらなかった。
俺は多分、棄てられる、そうに違いない。
それほどまでに、自分の家族の崩壊が信じられなかった。
一瞬のうちに、目の前が真っ暗になった。
ロストファミリーといえばいいのだろうか、
つまり、そのトラウマが残っているのかも知れないのだ。

88名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 02:59:03 ID:vM8Sf9PV
美有も俺も両親からケータイを持たせてもらっている。
ほとんどメールだ。学校の友達やクラブの仲間達からのメールが多い。
もちろん美有からも頻繁に来る。
“いまどこ?”と“なにしてるの?”のふたつのパターンだけだ。
そんな俺のケータイにバシバシ送ってくる新規の人物が最近現れた。
奈々という1年下の子。練習試合に交代で休んでいたとき、背後から突然、
(アドもらえませんか?)、と言って来た。




89名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 03:04:54 ID:vM8Sf9PV
奈々のことはよく知っていた。話したことは無かった。
女子校生の標本のようなルックスと制服の着こなしを入学式の当日から
していた。
俺たちは、新入生の奈々を初めてみたとき、
(でた、でたあ!いるんだよなあ、中房っときからキメキメって子がさ)
ルックスの評価は分かれた。
とはいうものの、こういう場合の評価は当てにならない。
特にNOの意見なんて。
オレ、遠慮しとくよ、とみんなの前で言ってはみるが、
本心を隠しておくのが常套であったりする。
敢えて、否定的評価を扇動させることで、成功の確率を高めるという小技だ。
90名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 03:08:08 ID:vM8Sf9PV
俺は正直いって、奈々は可愛い部類じゃないかなと思った。
ただ、後日、その振る舞いや雰囲気をそれとなく遠めで見たり、
いい加減そうな噂を耳にするにつけ、俺とはほとんど接点のない娘、
といった認識を抱いた。
それが今になって俺のアドを知りたい、だなんて、いったい何があったんだ、
と思っても不思議じゃない。
(なんで俺のアドなの?)と素っ頓狂な質問を思わずしてしまった。
(たまに遊びたいと思ったから)と奈々は笑みを浮かべて答えた。
(うれしいけど、俺あんまし遊びのスポット知らないし)
(いいよ、それで)
(それでいいなら、別にいいけど)

91名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 03:18:08 ID:vM8Sf9PV
その日から、奈々からのメールが絶え間なく送られてきた。くだらない内容だった。
“8チャンみてみて?”
“寝た?”
“右目かいーよ”
そんなメールばっかりで慣れるまでは、呆れたというか、おまえバカか?
といいたくなる程だった。
美有はそんな俺の鳴り続けるケータイに
(すごいメールだね、おにいちゃんだれからなの?)
(一応、カノジョかな)
(・・・えっ!・・・うそ、うそ・・・おにいちゃんの?カノ・・・)
俺は美有の顔を見た。両手で口と鼻を覆っていた。
その両目がみるみる潤みだした。

92名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 04:41:40 ID:vM8Sf9PV
あっという間に、涙が溢れ出た。理由がわからなかった。
泣きじゃくった。声を出し激しく泣いていた。
俺はしばらく黙っているしかなかった。そして、
『美有・・・どうした?』
俺の言葉を完全に遮断した。美有の心の中を探りたかった。
沈黙が続いた。
美有の嗚咽がとまらない。背中を撫ぜてみた。
俺の手を激しく拒絶した。
『・・・で、出てって!!部屋から出てってぇ!!もうヤダ!・・・もうヤダ!』
美有の部屋を出るしかなかった。
93名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 04:43:51 ID:vM8Sf9PV
ショックだった。心底、ショックだった。
美有のあのような態度、初めてみた。まるで別人格が乗り移ったように。
カノジョ、というその言葉で、それだけなのに。
俺は部屋の明かりを暗くして、ベッドに横になり、天井を見つめた。
その間にも、5分おきにメールが入っていた。
ケータイを掴む気分ではなかったが、脚でそれを引き寄せた。
液晶の照明が眩しかった。未読が15通溜まっていた。
美有の事が気になってしかたがなかった。
部屋に入って1時間ほど過ぎた頃、美有の部屋のドアの音がした。
この部屋に美有がひょっこりと入って来る期待感と不安感が交錯した。
しばらく待ってみよう。未読メールを一件ずつ眺めた。
ほとんどが奈々からだった。

94名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 04:48:17 ID:vM8Sf9PV
“奈々だよん、ガッカリした?”
“またまた、奈々だよん”
“今度の土曜ブラブラしたいでーす”
“今、出れない?”
“コンビニ付き合って、といったら?”
“死 に た い”
“まさか、勉強中?なわけないね”
“さ よ な ら”
死にたい?だって・・・死にたい・・・いたず・・・!!
“なんでか眠くないよう”
“おにいちゃんのバカ!!バカ!!”

美有、美有だ!俺はベッドから飛び出した。美有の部屋を勢いよく開けた。


95名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 04:49:53 ID:vM8Sf9PV
蛍光灯の冷たい光だけが目に入った。呆然とするあまり、
次の行動に移れなかった。美有の匂いだけが部屋に残っていた。
下の居間にいる。きっといる。
トイレかも知れない。慌てるな・・・慌てるな・・・落ち着け!
なにも起こっちゃいないさ。そうさ、きっとそうに違いない。
心臓がものすごい速さで胸を打つ。息苦しい。
か細い声が俺の体のどこかから絞り出された。
『・・・み・・・う・・・』
大きな声を出せ!俺は自分を襲った強い不安感と闘っていた。
『美有・・・どこ?・・・答えろ!だからどこにいるんだよ!美有!』
階段を転げ落ちるようにして階下に下りた。
全てのドアに飛びかかるようにして掴み開け放った。

96名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 04:51:57 ID:vM8Sf9PV
俺が家を飛び出した時間は1時を回っていた。
走るしかなかった。真冬の冷たい風がTシャツ1枚の俺の肌を刺した。
美有のことわかっているつもりでいた。
結局、なんにも知っちゃいなかった。
カノジョのこと、あんなに気楽に話すべきじゃなかった。
4人の生活が遠のいてゆくようだ。
たったひとりが欠けても駄目なんだ。
特に美有。俺が居なくなっても、おまえが欠けてはならない。
美有の存在は、みんなを幸せにしてくれるから。
一向に電話は鳴らない。走りながらもメールを確認した。
脳天気な奈々のメールが最後だった。

97名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 04:55:52 ID:vM8Sf9PV
オヤジに連絡すべきだろう。おかあさんにも、当然だ。
わかってはいた。だが、いい訳に聞こえるが、
連絡するタイミングを逃した。
俺の手で解決させる、その思い込みがあまりにも強すぎた。
“ 死 に た い ”
“ さ よ な ら ”
美有の苦悩が頭の中で何度も何度も軋むような音をたてスライドした。
思いつく場所は探しつくした。最悪の結果が待ってるというのか。
3時だった。ガードレールにもたれ、そのまましゃがみ込んでしまった。

98名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 05:06:24 ID:vM8Sf9PV
いつも笑顔を絶やさない無邪気なヤツ。
絶対に人の悪口を吐かないで、いつも肯定的で前向きなヤツ。
変なことで失敗ばっかりしてるヤツ。
写真を撮れば、いつも満面の笑みでレンズに向き合えるヤツ。
そんなヤツの涙って、何故か放っておけない。
何年たっても忘れられないヤツ・・・
人はみな、そんなヤツと出会いたいのだ。
人はみな、そんなヤツになれたらなりたいのだ。
年の差はあるが、美有はそんなヤツなんだ。
絶対に失ってはならない。絶対に・・・

99名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 05:30:33 ID:vM8Sf9PV
もう両親は家に帰っているはずだ。判断に苦しんだ。
4時少し前だった。
握り絞めたケータイが鳴った。美有専用の音だった。
『美有!どこだ!』
『おにいちゃん・・・ごめんなさい・・・痛いよう』
『どこにいる?すぐ行く!』
『ごめんね、ごめんね・・・みう・・・』
居場所を話しているうちに、美有は泣きじゃくってしまった。
俺は、そこに向かって走った。

100名無しの笛の踊り:2005/05/04(水) 05:32:32 ID:vM8Sf9PV
俺の身体能力の限界を無視して走った。1秒でも早くといった焦燥感と
緊迫感が背中を押し付ける。
家に電話した。おかあさんが出た。俺は嘘をついた。
(美ちゃんも俺も眠れなかったから、コンビニ行って、公園で遊んでた)
どうしてまたこんな時間に、と怒られた。当然だ。
オヤジはまだ帰宅していなかった。
両親が持たせてくれたケータイ。俺たちは最後まで、約束を守った。
オヤジが言った。
(緊急の時以外、ケータイは使うな。働くようになったら、自由に使え)と。
メールだけが自由だった。
誰がみても緊急だった。一大事だったはず。
なのに、俺も美有も親の約束を忘れなかった・・・何故だ?
101名無しの笛の踊り:2005/05/05(木) 03:41:26 ID:8uiQZW3+
走っても、走っても、美有の側には永遠にたどり着けない気がした。
あそこの角を左に曲がれば美有がいるはず。
でも、曲がっても、曲がってもそこには美有はいない、そんな事がばかり
頭の中を去来した。
夢の中で、食べても、食べても空腹感が満たされず、食べるほどに体力が
失われて、やがて餓死する自分。
遠い昔の夜だったか、つい最近の夜だったか、そんな夢を見たのを思い出した。
民家が密集している路地に入った。
街灯の少ない袋小路。
(ここ大好きだったのになあ、ねっ、おにいちゃん)
ちょうど2年前、俺と美有はそこで、ガッカリした思いで、
白い貼り紙を見つめた。

102名無しの笛の踊り:2005/05/05(木) 03:47:14 ID:8uiQZW3+
とても優しい老夫婦が営んでいた駄菓子屋さんがそこにはあった。
(本日をもって閉店となりました。長い間、誠にありがとう御座いました)
美有と俺が初めて見つけた思い出の場所が、消えた。
首を少し傾げ、手のひらをほっぺたに添えて、しばらく黙って貼り紙を
見つめていた美有。握り締めた小銭。
(なくなっちゃったの?)と質問してきた。
(ばあちゃんの店もうやらないみたいだよ)
(どうしていつも美有の大切なものばかり消えちゃうの?)
いま、その駄菓子屋は跡形もなく、5階建てのマンションを建築中だった。
その乱雑に置かれた資材にもたれている、美有の体を見つけた。

103名無しの笛の踊り:2005/05/05(木) 03:56:11 ID:8uiQZW3+
『美有・・・!!』
長い角材が美有の右足に絡んでいた。
海老のように体を丸め、体を震わせていた。
状況を把握出来なかった。美有の頭をそっと持ち上げた。
『美有!・・・美有!・・・俺だよ、来たよ』
おでこの上から流れ出ているのは血なのか。冷たく震える体を抱きしめた。
死んでいるのか、まさか。なぜこんなことになったんだ?何が起きたんだ?
一番失いたくない美有が・・・俺のせいだ。
ぬいぐるみのピーちゃんを何故か抱いていた。
もうすっかりボロボロのピーちゃんだった。さらに傷だらけになっていた。
美有を抱きしめたまま俺は、次にとるべき行動を見出せないでいた。
家に電話をした。おかあさんがすぐに出た。少し声が荒かった。


104名無しの笛の踊り:2005/05/05(木) 03:59:54 ID:8uiQZW3+
『薫くん、いったいどこにいるの?早く帰りなさい』
『おかあさん・・・ごめんなさい、俺が悪いんだ、俺のせいだ』
『なにがあったの!』
『美ちゃんをケガさせた・・・俺のせいだ、どうしよう、オヤジ、オヤジは?』
おかあさんはすぐにここに来るというなり、電話が切られた。
(オヤジがまだ帰っていない?なぜなんだ)
美有の体が少しだけ動いた。
『・・・おにいちゃん・・・』
『おい、美有!』
『やだよ・・・いなくなっちゃうよ、おにいちゃん遠くにいっちゃうよ・・・』
『ここにいるよ、美有・・・ごめん、本当にごめん』
『痛いよう・・・おにいちゃん、やだ!やだ!おにいちゃん消えちゃう・・・』
105名無しの笛の踊り:2005/05/05(木) 18:50:32 ID:8uiQZW3+
美有の頬に俺の頬を重ねた。ひんやりとした頬に、俺のありったけの感情が
溢れ出し、その頬をさらに濡らした。
『・・・俺は・・・消えない・・・美有が離れるまで・・・消えない』
『おにい・・・』美有はそういうなり、また静かに瞼を閉じた。
美有の傷だらけの手は、俺の腕を握ったまま離さなかった。

おかあさんが来て、すぐに救急車を呼んだ。
サイレンは鳴らさないで到着したが、おどろおどろしい赤色灯の威圧感が、
重大な状況の最中にあると痛感させられた。

106名無しの笛の踊り:2005/05/05(木) 18:59:13 ID:8uiQZW3+
救急車には、おかあさんが先に乗り込んだ。俺も半ば強引に乗せてもらった。
サイレンが鳴り響いた。
懸命に救急隊員が、美有の状態を聞いていた。美有は答えられないでいた。
痛い痛いと、か細い声で訴えていた。
血圧が低下していた。骨折と恐怖感による低下と推測していた。
どうしてこうなったのかと、俺に尋ねた。無言でいるしかなかった。
美有とおかあさんに申し訳ない気持ちで胸がつまった。
まともに呼吸ができないほどの後悔に打ちのめされた。
受け入れの救急病院がすぐに確保できた。隣の区ではあったが、
それでも良かった。
もっと速度をあげろ!と心の中で毒づいた。
おかあさんは、俺を責めることなく、大丈夫だからね、
と何度も美有に話しかけていた。

107名無しの笛の踊り:2005/05/05(木) 19:02:10 ID:8uiQZW3+
美有を受け入れてくれた病院は私立の医大で特定機能病院だった。
ICUに2日間入った。
下腿骨骨折、左肋骨骨折(肺への損傷は認められない)
頭部及び上腕部打撲、手首裂傷
最低一ヶ月間の入院になります。と若い担当医が穏やかな口調で説明してくれた。
美有は小児病棟に移った。
ICUから担架に寝かされて3Fの病棟に移るとき、美有は目を開けていた。
俺とおかあさんとオヤジの3人で、その姿を見守った。
オヤジが病院に来たのは、事故の翌日だった。それまでケータイも
繋がらないような所に居たようだ。この頃のオヤジは少し変だった。
病院で俺を見るなり、薫!なにやってるんだ!と怒鳴ってきた。
俺も生まれて初めて言い返した。どこ行ってたんだよ!と。

108名無しの笛の踊り:2005/05/06(金) 00:45:02 ID:Z49dQKS6
担架に乗った美有の首から下は骨折で固定された左下肢しか見えなかった。
顔は、頭から包帯で目と鼻と口以外は覆われていた。
毛布の中の右腕から、点滴のチューブが伸び、看護婦さんが支えていた移動式の
点滴吊り下げ器に繋がっていた。2種類の点滴がぶら下がっていた。
虚ろな表情の美有と目が合った。俺に向かって毛布から左手が出てきた。
『・・・おにいちゃん・・・』辛うじて聞き取れた。
『美有・・・』そう言って、美有の左小指に触れた。
『ずっと・・・ずっとだよ・・・ずっと一緒なんだよ』
『美有、そうだ、ずっと俺たち一緒だよ、なにがあってもね』
エレベーターに乗り込む美有の視線は俺から離れなかった。
俺はそのまま学校へ行った。

109名無しの笛の踊り:2005/05/06(金) 01:13:45 ID:Z49dQKS6
1ヶ月の入院か。美有の中学の受験間に合うかな。
俺は授業もそっちのけで、ケータイを弄んでいた。
美有の第1希望はこの学校だった。下の付属中を狙っていた。
俺が通っているのが一番の理由だ。それと制服だった。
あの制服着てみたいなあ、と美有は憧れを抱いていた。
偏差値的にも内申評価も問題はないと思うが、この事故は、
大きなハンディキャップであることは間違いなかった。
それにもし合格したら入学時に高額の費用がかかる。
俺の時だって、両親が頑張ってくれたから入れた。
バイトか・・・
相変わらずの奈々のメール、少々ウザく感じてきた。

110名無しの笛の踊り:2005/05/06(金) 01:34:38 ID:Z49dQKS6
放課後、奈々と待ち合わせた。
『会う予定だったっけ、今日?』
『予定で行動するタイプなのか?』
『でもないけど、急だったから・・・それともやりたくなったとか』
『そういう人種?』
『間に受けないの』と奈々が健康そうな笑顔をみせ、俺の背中をつついた。
『公園で散歩ってどう?』と俺。
『さんぽっ!ジジくさくない?』
『嫌なら・・・』
『じゃ、行くよ、代々木とか?』
『いや、どっか適当な町内の公園かな』

111名無しの笛の踊り:2005/05/06(金) 01:43:25 ID:Z49dQKS6
『妹だけど入院した、つうか妹いるって知ってたっけ』
『美有ちゃんでしょ・・・うそ!いつ?』
奈々はブランコに腰を下した。俺はブランコを囲っている白いガードに
座った。
『名前まで言ったっけ?顔は知らないだろ』
『一度メールで、見たことあるわけないじゃん』
『俺と話して楽しい?』
『わかんないけど・・・』
『けど?』
『バスケやってる薫先輩はイケてるから・・・美有ちゃん、どうしたの?』
『ただのケガだよ』
『心配でないの?』
『奈々に言われたくないな』
『それって、きついよ』と言うなり、口を尖らせた。

112名無しの笛の踊り:2005/05/06(金) 01:46:33 ID:Z49dQKS6
俺はブランコに揺れてる奈々の体を引き寄せ静止させた。
『キスしとかない?』
『・・・マジ?なんで、まだカレカノって決めてなかったよ』
『じゃ、彼女だから、奈々は?カレいたっけ』
それに答えなかった。
ぷっくりとした唇が魅力的に見えた。
両腕で奈々の体を立たせ、その唇を奪った。
ムードなんかどうでもよかった。
かなり強引で長いキスだった。
抵抗されることはなかった。
『スキって1回くらい言って・・・』
『なら・・・スキだし』



113名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 01:28:05 ID:dsmjREf4
おかあさんから聞いたことだけど、美有が病院に入った翌朝、
生活安全課の婦警さんと男の警察官が来て、おかあさんに質問して行ったという。
俺は事の経緯をおかあさんに説明していたから、その内容を話したという。
息子の話を聞きますか?と言ったら、その必要はないでしょう、と最後に話して
帰ったらしい。
一応、事件性の有無を確認しに来たのだろう。
病院が連絡したのかな、それとも救急隊員が警察へ連絡したのだろうか。
美有と事故現場で一緒に居た者がなかった、及び事故後の美有の精神的状態から、
第三者から被った要素はあまりにも希薄であり、ほぼ、事故と断定したようだ。
その内、どうして大怪我をしてしまったか、話してくれるだろう。
俺としては、建築中の建物の2階か3階に衝動的に昇ってしまって、落ちてしまった、
と思っている。

114名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 01:30:34 ID:dsmjREf4
美有の入院2日目に、俺は退部届を提出した。
理由は、来年の受験に専念したいから、とだけ伝えた。
俺のポジションは他にもいた。後輩だったが、そいつの方が試合運びもテクも
あった。バスケの事なんかもうどうでもよかった。
毎日見舞いに行かなくては気が済まなかった。

115名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 01:53:35 ID:dsmjREf4
小児病棟307号室。4人部屋だった。美有は窓際だったが、見晴らしがいいと
いえるほどでもなかった。
ただ、そこには病室とは思えないくらい、穏やかで、柔らかな空気が漂っていた。
壁の色も、仕切りカーテンも、窓のカーテンも優しい色調を取り入れており、
一般病棟とは世界が違っていた。
4,5歳の子供と、美有と同年齢のような女の子が一緒だった。
それぞれ真新しいぬいぐるみが何体もベッドの回りを賑わせていた。華やかな切花も
あちこちで飾られ、なんともメルヘンというか、ファンタジーといえばいいのか、
慣れるまでは、どことなく居心地が悪かった。
しかし、美有のベッドの回りだけが、病室、であることを主張していた。
そのときの美有は、痛々しい姿で、眠っていた。
116名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 02:08:06 ID:dsmjREf4
翌日の見舞いには、事故で汚れて、短い足がとれそうなピーちゃんを浴室で洗い、
悪戦苦闘しながら足も縫い付けた。
それはまるで、不器用な外科医が施した手術跡のようだった。
以前、新しいやつを買ってやるよ、と美有に話したとき、
(いらない!ずっとピーちゃんと一緒だったから、ピーちゃんがいいの!)
花屋に寄って、スイートピーを1本だけ買った。それと家にあった一輪挿しを
その店でラッピングしてもらい、リボンを付けて貰った。
病院に行ったら、帰り支度をしていたおかあさんが、美有の担任の先生と
クラスメートが大勢見舞いに来てくれたのよ、と教えてくれた。
そのせいで、回りに負けないくらいに華やかになっていて、病室でなくなって
いた。なんだかそれがすごく嬉しかった。
117名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 02:14:23 ID:dsmjREf4
俺の見舞い時間は決まっていた。夕方5時から7時までだった。6時になったら
おかあさんは家に帰り、仕事に行く準備をする。
どんな用事があっても、5時ちょうどに美有の前に現れてやる、と決意していた。
余計な淋しさを感じさせたくなかっただけのことだが、いや、違う。
本当は、俺が会いたくてしかたなかったのだ。

118名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 02:34:55 ID:dsmjREf4
ピーちゃんと対面出来た時の美有の大きな瞳はキラキラと輝いた。
おそらく心の中は、溢れんばかりの感動に沸きかえっていたに違いない。
言葉は出そうと思ったら問題なく出せる。しかし、大怪我をしてしまった思いと、
初めての自覚症状で萎縮してしまい、あまり声を出さないほうが早く治る、
と信じていたのかも知れない。
最も、少々甘えも混ざっていたような。
そのせいで俺が質問して、それに小さく頷くような会話を2日間も繰り返したのだ。

119名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 02:44:24 ID:dsmjREf4
『どう?この花、可愛いと思わない?』
といって俺は1本のスイートピーを美有に見せた。
目を細め、2度3度と頷いた。
『別にさ、小遣いが足りなくて1本にしたんじゃないぞ、この1本をいつも
 見ていてほしいなって思った・・・たいくつな時や、心細くなったときに、
この花を見てみなよ。きっと、笑ってくれたり、元気をくれたりするかもよ』

美有は10秒くらいその花をじっとみつめ、そして自由な片方の手で毛布を掴み、
ゆっくりとそれを目の上まで引き上げ、顔を覆ってしまった。
俺はその小さな手を両手でいたわるようにして包みこんだ。
美有はすぐさま、小刻みに震えながらも、しっかりと握り返してきた。

120名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 03:38:07 ID:dsmjREf4
美有の入院から10日目のことだった。
授業中に珍しくオヤジからメールが入った。
“今日、美ちゃんの所へ行く前に店に寄るように。
 話したいことがあるから“
俺は絵文字を一個貼り付けて、OK、と返事をした。
オヤジもまた毎日のように、昼頃に見舞いに行ってくれていた。
当たり前のことだ。誰が欠けても成立しない家族なのだから。
俺達のような家族は、一度亀裂が生じたら修復不可能と思ってもいい。

121名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 03:42:33 ID:dsmjREf4
実の兄妹は選択の余地はない。だが、俺と美有の関係は、兄妹として
認め会えるか否か、ただそれだけだ、維持させる手段なんて。
つまり、いつでも相手を選べる自由がある。いつでも棄てられる立場にある。
法の救済も兄妹としては一切ない。
義兄妹は、親が離縁したと同時に、互いの思いとは無関係に、
赤の他人となってしまう。
例えば、実兄妹の両親が離婚後に、離れ離れになった兄妹のどちらかが
執拗に会おうとして付きまとったとして、それをストーカー犯罪として
立件できる警官は、果たして存在するだろうか。俺の場合は逮捕されるのだ。


122名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 03:50:10 ID:dsmjREf4
あと10分で今日の授業は終わる。
俺がバスケをやめたと知って、奈々は去って行くと思った。
何故なら、その時々の気分、興味のみでカレを代えてゆくタイプと見ていたからだ。
バスケというアクセサリーを失った俺は、その興味の対象外となった。
しかし、その時までまだ数日あるのか、いつものように、俺の授業が終わるまで、
この教室の前に立っている。
(海野と何発やったの?)(今度、オレもお願いしますよう)
などとクラスのやつらに茶化されても、待っていた。
メロディーが鳴り、用事の無い者は競うようにして教室を飛び出した。
『帰ろうよ』と奈々が近寄ってきて、言った。

123名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 04:53:43 ID:oraOTZ77
いつまで、わけのわからんレスしてんだ!この変人!
124名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 18:04:19 ID:dsmjREf4
まあ、一つの物語として読んでくれたまえ。
125名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 18:05:47 ID:dsmjREf4
『悪い、急に用ができたんだ』
『どこ?』
『オヤジの店に行くから』
『うそ!お店やってんだあ、行ってみたーい!』
一緒に行くなんてまったく考えてなかっただけに、断る理由がすぐに
思い浮かばなかった。
『おまえって・・・それよかそのスカートさ・・・まっ、いいか』

126名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 18:12:01 ID:dsmjREf4

最後にオヤジの店に顔を出したのは3ヶ月前だった。
開店前でも、繁盛している店の雰囲気が感じられた。
『どうする、入る?ここで待ってる?』
『また私待たされ役なの?』と言って口を尖らせた。
『教室のか?俺呼んでねーよ。じゃ、入れば』
ドアを開けたら奥の調理場だけ明かりが点いていた。
そこでオヤジが何かの仕込をしていた。ドアの開く音に気付いて、
俺と奈々の方を見た。奈々が居たせいだろうか、
少々驚いた表情を浮かべたが、すぐに柔和な笑顔を見せ、
近づいて来た。


127名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 18:16:00 ID:dsmjREf4
『おやおや、彼女を連れて来るとは、それなら前もって言ってくれよな』
オヤジは頭に巻いたタオルを取った。
『彼女?俺の?どうかな、彼女のカレなのかな・・・まだハッキリしてないような』
奈々はそんな俺の態度に対し、俯いたまま黙っていた。
オヤジは奈々にジュースを渡し、奈々だけ少し離れたカウンターに座らせた。
『傷つくだろ、あんな言い方は、かわいそうに』オヤジはそう小声で言った。
『まだ、不確かなんだ』
『誰だって不確かだよ。だからこそ、言葉と態度で気持ちを伝え続けるんだ』
『ふーん・・・で、話って』

128名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 18:18:55 ID:dsmjREf4
オヤジは奈々の方をチラッ見やってから
『良さそうな娘さんじゃないか』
『・・・かな』
『おとうさんの昔からの知り合いが大阪にに新しい店を出すんだ、
 このことはおかあさんにはとっくに話してる』
『うん・・・うまく言ってるの?おかあさんと』
『もちろん』
『そう、なら安心したよ。離婚だけは認めないからさ』
『これっぽっちも考えたこと無いな。その店の立ち上げから2年間の期限付きで
 全て任されることになってね、条件もいいし・・・どうだろ?』


129名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 18:23:43 ID:dsmjREf4
俺は嬉しかった。
『もう一花咲かせてみたいんだ。大阪は食文化の街だし、厳しいと思うが』
『正直、俺さ疑っていたんだよ』
『言ったら2ヶ月に1回しか帰れ・・・薫!聞いてるか?何を疑う?』
『聞いてるさ、もう疑いは無いよ』
オヤジは次々と俺たちの将来のことや、過去の失敗からの教訓をも話してくれた。
『俺、応援するよ、家のことは任せてよ、ところでいつ行くの?』


130名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 19:04:14 ID:dsmjREf4

『まず、なによりも美ちゃんが元気に退院すること。それと中学が決まったらだ』
『じゃ、春?』
『その頃だね。そうそう美ちゃん受験の準備は済ませたから』
『ありがとう』
『ほんとに薫のとこの中学だけでいいのか?』
『それしか行きたくないみたいだよ。問題はそれまでの勉強だよね』
『病室でもできるさ』と言った後で奈々に声を掛けた。
『お腹すいてないかな?美味いもの作るけど』
『じゃ、俺の好きなお好み焼きが食いたい、なっ、奈々?』
奈々は笑いをこらえながら頷いていた。

131名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 19:07:06 ID:dsmjREf4
『奈々ちゃんか、変なとこあるけど、薫のことよろしくね』
調理場に向かうオヤジの背中に対して
『どうかな、玉入れやってる俺に近づいてきただけの関係だし』
その俺の言葉は耳に届かなかったようだった。
『もう!そればっかだし』
俺は奈々に睨まれてしまった。


132名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 19:08:36 ID:dsmjREf4

満足した気分で二人とも店を出た。
『いいなあ、薫くんのおとうさんって』
『くん付けかよ!』
『夢も失敗も子供に話せるなんて・・・うちの親なんか、いいとこしか
 見せようとしないし、綺麗事ばっか。それが妙に余裕の無さを感じ
 ちゃって、苛つくよ。あんた達は全知全能かよって言いたくなる』
『へーえ、そうか』といいつつも俺は、奈々のスタイルを観察していた。
『ほんとに賢い人って、自分の失敗談を晒して、どうそのミスをクリア
 してきたかを説明できる人だと思うけど、思わない?』
『結構、考えてんだ』

133名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 19:10:06 ID:dsmjREf4
初めてのオンナか。
少なくとも、最初に抱いた奈々のイメージは少し無くなった。
棄てる価値はありそうだった。
『明日、棄ててみるか・・・いや、トライだな』
『えっ!なんの事?』
『明日さ、昼で学校抜けてさ、映画観に行かないか?』
『抜けるのは余裕だけど、どんな映画?』
『決めてないけどね』

134名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 19:13:18 ID:dsmjREf4
もう一度、奈々の体を舐めるようにして眺めた。
妄想に耽った。激しい欲情の血が体中を熱くした。
股間からドロッとした液体が滲み出ていることに気付いた。
あの一夜限りのおかあさんの生々しい肉体が鮮やかに蘇った。
この間、ブランコで半ば強引にキスしてもとりたてて感じるものは
なかったのに。いったいどうしたっていうのだ。
奈々のイメージが違っていた事を知った瞬間に血が騒いだ。

奈々とは4時30分に駅前で別れて、急いで美有の病院へと走った。

135名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 22:57:52 ID:dsmjREf4
病室に入ったら、美有は顔を隠すようにして教科書を見ていた。
しかし、俺の気配を感じたのか、その本を急いで横に置き、こちらを見るなり
愛嬌たっぷりの笑顔で舌を出した。おかあさんもいた。
美有の隣の女の子は、真樹という名前だった。
モーニング娘を脱退した後藤真希と同じ名前で、漢字だけが違っていた。
その子の横にも母親が座っていた。
この病室の匂い、雰囲気は、最初の2、3日は馴染めなかったが、
今はここに来るのが楽しみでならなかった。
日増しに元気を取り戻してゆく美有の姿が、なによりも楽しみでならない。


136名無しの笛の踊り:2005/05/07(土) 23:00:27 ID:dsmjREf4
真樹と目が合った。真樹とは何度も会話していたので、軽く会釈
したら、ピースサインで応えてくれた。
美有よりひとつ年上の中学1年だった。美有は可愛い部類だが、真樹は
美形といっても良いくらいの気品ある美少女だった。
特徴は声質にあった。耳障りの良いトーンと、透明感ある響きに、
思わず引き込まれそうになるくらいだ。
ただひとつ気になることがあった。真樹の病気に関する情報が一切、
わからないのだ。詮索趣味を持っているわけではないが、
下世話といわれようが、やはり美しい少女の病名は知りたいものだ。

137名無しの笛の踊り:2005/05/11(水) 10:29:57 ID:kXA/LA1V
市川と高橋は本当ゴミですよね。
138名無しの笛の踊り:2005/05/13(金) 08:22:32 ID:FL2iM1p0
>>137
おまえのほうこそゴミだ!!
139名無しの笛の踊り:2005/05/16(月) 10:48:39 ID:FhVTMdjw
age
140名無しの笛の踊り:2005/05/20(金) 00:42:15 ID:nGxgU7V6
age
141名無しの笛の踊り:2005/05/21(土) 00:39:02 ID:WOEQ1F5o
一応市川スレに誘導
重複スレです。
市川哲也
http://music4.2ch.net/test/read.cgi/classical/1102995999/
あるいは夢ひとり言板などへどうぞ
142名無しの笛の踊り:2005/05/30(月) 10:46:12 ID:KY6QJs5A
もう小説おわったのか?
143名無しの笛の踊り:2005/06/07(火) 18:40:13 ID:WV4ur+OS
抒情 
144名無しの笛の踊り:2005/06/08(水) 23:12:34 ID:81k7xEdr
おかあさんが一度、そのことを聞いたらしいが、真樹は、
(よくわかんない病気なんだって)と答えたという。
おかあさんも真樹の母親と談話室で話していたとき、それとなく聞いてみたら
やはり、真樹と同じ返事をしたらしい。
地方の小都市の病院から紹介状を携えてこの病院に転院してきて、
もうすぐ2ヶ月になるらしい。
美有と真樹は姉妹のように仲良くなっていた。まだ身動きのとれない美有の
世話をしてくれているみたいだった。


驚いたのは、その3年後だった。
真樹がTVのうた番組に登場し、アイドルグループの一員として
歌い踊っている姿で出会うなんて。まさに歓喜の衝撃だった。
あの出来事があったから・・・よけいに嬉しくてならない。


145名無しの笛の踊り:2005/06/08(水) 23:16:27 ID:81k7xEdr
ちょうど夕食が運ばれるころにおかあさんは家に帰り、仕事に行く。
おかあさんが居るときは自分でご飯たべてるらしいが、なぜか俺しか
居ないときは、(まだたべられないの・・・)とか言って健気な表情で
訴えるから、食べさせてやってる。
それを見て真樹はいつも笑いを堪えながら食事をしている。
『お兄ちゃん、もし、受験までにひとりで歩けなかったら失格なの?』
『そんなことはないさ。松葉杖でも車椅子でも自力で受験できれば問題ないよ』
『だいじょうぶかなあ』
『うん、たしかに俺みたいに高校から入るやつより、中学入試の方が
 受験生の質が高いみたいなんだ。つまり合格圏内の生徒ばかりが受験するからね。
でも、美有なら合格できるよ、絶対にさ』

俺がこの病室に入る前は必ずケータイの電源をOFFにしている。
相変わらず頻繁にメールが奈々から入ってくるから、美有の前では
ブロックしておく必要があった。
大怪我をしてしまったのも、俺が何気なく発してしまった、カノジョに
対し、美有の心の中はわからないが、過剰に反応してしまったわけだし。
7時近くになると決まって手をつながされる。
『美有ちゃんって、甘えん坊さんだったんだあ』
真樹はそういっていつも冷やかす。
『真樹ちゃんも手をつなぎたい?おにいちゃんと・・・やっぱり、ダメ!』
病室を出るとき、真樹にもおやすみの挨拶をした。
美有に負けないくらいの、いやそれ以上の瞳の輝きと、憂いを帯びた横顔に、
正直、ちょっとドキッとしてしまった。


146名無しの笛の踊り:2005/06/08(水) 23:25:44 ID:81k7xEdr
その夜、珍しく俺は遅くまで勉強してしまった。
何かに集中したかった。勉強でなくてもよかった。たまたま好きな英語が
一番集中できたに過ぎなかっただけのこと。
おかあさんが帰宅し、シャワーに入っているとき、オヤジも帰ってきた。
しばらくしてオヤジが俺の部屋に入ってきた。
『大学には進むだろ?』
『絞ってないけど、外大とか考えてるけど・・・なんともいえないけどね』
オヤジが持ってきたバッグから中身を取り出し始めた。
それはオヤジの昔からの趣味だった。DOMKEのバッグにVelbonの三脚が
目の前に置かれた。バッグには何が入っているかほぼわかっていた。
ローライとペンタックス、それにそのレンズ数本が納まっているはずだ。
『デジタルならよかったんだろうけど、まあ使ってくれ』
前に商売で失敗したときも絶対に手放さなかった物だった。
ただ、この3年あまりこのカメラを手にするオヤジは記憶がなかった。
『どうしてさ?』
『あっちに引っ越したらもう使うこともなさそうだし、薫に使ってもらおうと
 思ってね』
『ふーん、もう準備してるんだ?荷物とか』
『ぼちぼちだけどな』
なんだか妙な間を感じた。それを振り払うように俺は言った。
『大事に使うよ・・・ひょっとして趣味になったりして』




147名無しの笛の踊り:2005/06/08(水) 23:29:04 ID:81k7xEdr
翌日、俺と奈々は昼休みで早退した。奈々は渋谷あたりの映画館に行く
ものと思っていたようだった。
だが、俺は上野を選んだ。別に上野でなくたってよかった。
馴染んだ渋谷を避けたかっただけのことだ。
儀式、他愛無いことといえばそれまでのこと。達成できるかどうかは
わからない。俺なりのこだわりでもって、棄てたい。
あっさりと、棄てたい。さっさと次のステージを体感したい。
それだけだ。奈々を好きかどうか問われたら、好きと答える。
ただし、どれほど好きなのかがわからない。
アメ横の裏通りのファーストフード店に入って、昼食を摂った。
俺と奈々は向き合って座った。
『なに観るの?』と奈々。
『決めてないけど、ロードショーは遠慮したいな』
『なにあったっけ』
『名画座みたいなの上野にあるよね、少々古びた造りでさ、人気もないような』
『なにそれ?』
俺は奈々の両膝に自分の膝を当て、その間に割り込んだ。僅かに開いた膝を
さらに膝で広げた。抵抗はまだなかった。
『つまり映画の館に潜りたいってわけ』と俺は答えた。
『おもしろいような、つまんないような』
奈々の顔を見つめた。左右にその視線が泳いだ。その視線を追った。
そして、視線を捕らえた。『キスしたい・・・すごく』


148名無しの笛の踊り:2005/06/08(水) 23:31:06 ID:81k7xEdr
捕らえた視線がテーブルに落ちた。
『奈々のこと好きだから、キスしたい』
『・・・うん』
『ここでだ』
『うそ、やだ』
『する』俺は腰を浮かせ奈々の唇に顔を近づけて、キスをした。
3秒、4秒、5秒
奈々の唇が逃げた。
『見られてるって』
俺は、もう一度、キスをした。15秒。長く世間に見せ付けた。
『やばいよ、見られたよ』
『平気、平気、だって、ここ上野じゃん』
149名無しの笛の踊り:2005/06/08(水) 23:36:17 ID:81k7xEdr
「情報が変です」だとさ・・・
150名無しの笛の踊り:2005/06/09(木) 00:03:21 ID:sVWyXK8+
店を出たら冷たい雨が降っていた。僅かにみぞれ混じりだった。
奈々の冷たくなった手を掴み、その手を俺のズボンのポケットに入れた。
剥き出しの太ももが部分的に赤みを帯びていた。
歩きながら、棄てるプロセスを思い描いた。外気なんてお構いなしの
興奮を覚えた。
雑多な人種が一番多い上野。すれ違うオッサン達が俺たちを見てゆく。
最も、見てるのは奈々であり、奈々の制服のミニから晒された肉付きの
いい白い大腿部に違いない。
それだけ気を惹く容姿を備えている。
膨らみ始めた俺の陰部に奈々の手をそこへずらし、触れさせた。
黙っていた。指が触れていることを自覚しているくせに。

探していた映画館はあっさりと見つかった。
《ウォール街》を上映していた。なんの映画だろうといいのだ。
『これ観たかったんだ、入ろ!』
『うん、寒いから入りたいよ』
イーメージを裏切らない館だった。暖房が全身の緊張を解し、
血液の循環がさらに活発になるのを感じた。
薄暗い館内。まばらな客。
カップルはあまり居なかった。一人が多かった。
みんな申し合わせたかのように散って座っていた。

151名無しの笛の踊り:2005/06/09(木) 00:05:07 ID:sVWyXK8+
《ウォール街》は20分前に上映していた。
『どこに座るの?』
『座りたくないな。こうゆう映画館はうしろで立っているのが粋なんだぜ』
『ええ!立つの?』
『疲れたらさ、後で座ろうよ。空席だらけだし』
俺たちは一番うしろの右端に入った。斜めうしろの扉が開かれたとき、
その扉で目隠しになる位置を選んだ。
木製の長く太い手すりが程よい高さだった。
『あったかーい!』奈々も暖かさで表情が和らぎ、いつもの笑顔に戻った。
しばらくスクリーンを観ていた。俺たちは体が触れ合うようにしていた。
ここでも奈々の手を取り、俺のポケットに突っ込んだ。
時々、触れる奈々の手。俺は遠慮せずに、さらに陰部の形がわかるように接触させた。
『・・・もう・・・ったら』
スクリーンを見ながら奈々は俺の悪戯に多少抵抗した。
『ぶっちゃけ、奈々さ、やったことある?』
ダイレクトに聞いてみた。あるかないかが、重要だった。
万が一、ないなんて奇跡を言おうものなら、この計画は中止するつもりだった。
『答えなきゃいけない?』
『あるなしだけだよ、知りたいのは』
『・・・じゃ、ある』
『わかった。もう聞かないよ』
『どうしてそんなこと聞いたの?』
『奈々がスキだからだろ』

152名無しの笛の踊り:2005/06/09(木) 00:07:03 ID:sVWyXK8+
間違いなく、これから棄てられる。確信を得た。
と同時に興奮が極度に達した。オンナの体を触りたい。
もう誰も止められない。いま奈々の体を貪ってやる。
奈々の横顔をドキドキしながら見つめた。
『プラトーンのチャリー・シーンの方が好きだな』
『比較できないよ。プラトーン観てないし』
奈々のロングの茶髪に指を潜らせ、耳に触れた。耳たぶをつまんだ。
隠れていた耳に内緒話をするように、俺は顔を近づけた。
『奈々、俺のことどう思ってる?』
『嫌いじゃないよ。だから一緒してるし・・・うーん、スキかな』
『俺、スキだよ。奈々がほしい、奈々の全てがほしいんだ』
奈々の耳に舌を這わせ愛撫した。
『くすぐっ・・・』
ポケットの中の手を抜き、屹立した陰部をしっかりと握らせた。
俺の右手を奈々の腰に回し、見事なくびれを確認した。
耳から頬を愛撫し、奈々の唇を捉えた。唇が重なり、互いの舌が絡み合った。
受身だった奈々の舌が徐々に絡んできた。熱い唾液が混ざり合った。
口端からその唾液が滴った。
公園で初めてキスしたときとは明らかに違う匂いがした。あのときはオンナの
匂いはしなかった。
左手が白いブラウスの胸元をまさぐった。ブラ越しの乳房に苛点いた。
右手でブラのホックを手こずりながら外した。
奈々の頭が左右に振られた。奈々は胸を押さえた。
その邪魔な手を払いのけ、そこから離した。

153名無しの笛の踊り:2005/06/09(木) 00:11:40 ID:sVWyXK8+
ブラが開放された。左手がすかさず乳房を捉え、下から上へ、右から左へと
揉んだ。けっして大きくはなかった乳房だったが、とても柔らかな感触だった。
理想的な大きさだった。
乳首を摘まんだときだ。
『・・・薫くん・・・ここはいや、恥ずかしいよ』
俺は無視した。嫌ならもっとはっきりと抵抗すればいいんだ、そう思っていた。
『奈々のオッパイ舐めてもいいかな?』
『いやだ』
背後から乳房を揉みしだいた。奈々の体がそれに反応していった。
俺は制服とブラウスを捲り上げた。奈々は、あっ!と声を出した。
誰かが振り向いたら高校1年生の乳房が剥き出しなっている姿に驚く違いない。
その人は、偶然振り向いてラッキー、というわけだ。

映画館自分の乳房が剥き出しにされるなんて、想像外のことだろう。
もちろん誰かが気付けばブラウスですぐに隠してあげる。
そんな俺たちを見て、おせっかいな大人が注意しに来たとしたら、とぼける。
(なにもしてないよ、妄想が現実に見えたのと違いますか?)ってね。
俺は奈々を背中から抱いた。硬く硬直した陰茎を奈々の尻の間に当てた。
スカートからその尻を撫ぜまわした。おかあさんの尻とはまた違う感触が得られた。
スカートの中に手を忍ばせた。
奈々はさっきから口から漏れそうな声を片手で押さえ堪えていた。
太ももの感触は、おかあさんの方が柔らかかった。しかし奈々の太ももは
かなりの肉付きで、肉感は最高だった。
俺はしつこく太ももの付け根あたりをまさぐった。
じらすようにして微妙な位置で、奈々の陰部に触れるのを避けた。


154名無しの笛の踊り:2005/06/09(木) 00:14:04 ID:sVWyXK8+
パンティーに手がかかった。ゆっくりと尻からずり下げた。尻が半分近く
剥き出しになったあたりで、奈々にパンティーを押さえられた。
『それ・・・以上は・・・』
『パンツ脱ごうよ、脱いだほうがいいよ、濡れちゃうしさ』
『・・・濡れないもん』
『じゃ、確かめようか』
俺の指が尻から奈々の陰部を這いながら、目的の部位を見つけなぞった。
少ない陰毛に少々とまどったが、そのせいであっさりと、濡れた秘部に
指が滑り込んだ。にゅるっとした粘液が指に絡みついた。
そこは以上に熱を発していた。俺は濡れた陰部を状態を堪能した。
『すごい濡れてるよ・・・気持ちいいの?』
『だって・・・いけないことする・・・から』
『汚れるから脱ごうよ、取っちゃうよ』
『はずかしってば』
パンティーの両端をつまみ引き下げた。それも一気に引き下げた。
俺はしゃがんでローファーを脱がさずにパンティーを脱ぎ取った。
下から見上げた。ぞくぞくする光景が目に入った。
(すげー、こんな姿、こんな場所で見られるなんて)
俺は内面の激しい興奮を押さえて言った。
『奈々、すっぽんぽんになったね』
『来たら・・・誰かが・・・』
たしかに、危険すぎる。スカートで隠れているとはいえ、薄暗いとはいえ、
超ミニでは、角度が変わっただけでばれてしまうだろう。だからいいんだ。
だから最高なんだ。だからここを選んだんだ。
奈々の膝の裏を舐めた。
『もっと脚を開いて、奈々』




155名無しの笛の踊り:2005/06/09(木) 00:26:39 ID:sVWyXK8+
観念しているのか、身を委ねたのか、そうすることでさらなる快感を
得られると期待したのか、奈々は躊躇うことなく両脚を40cmほど
開いてくれた。
肉がたっぷりと付いた形の良い脚の付け根が、はっきりとではないが、
確認できた。背後の扉が開かないようにと最高の緊張感でもって、
太ももにむしゃぶりついた。まるで獣だった。俺の口から、はあはあと
息の漏れる音ががときおり出てしまった。
奈々の太ももを舐めまくりながら、
尻へと唾液にまみれた舌が這い上がって行った。
尻の割れ目に顔を埋め、濡れた陰部をしゃぶった。奈々の体から滲み出す
粘液をぺちゃぺちゃと吸い尽くした。
(間違いなく棄てられる、今だ、この濡れた奈々の陰部に・・・)
俺は立ち上がり、いまにも崩れそうな状態の奈々に囁きかけた。
『入れるぞ、奈々』
『・・・や、やばいよ・・・』
俺はズボンのファスナーを下ろし、いったいどこまで硬直するのだ、と
少々、驚きながら、慌てて最高に屹立した陰茎を取り出し
奈々に握らせた。
『どうする?奈々、これを入れるよ、嫌かな?』
『・・・嫌・・・じゃない・・・ほしいよ、薫くん、大好き』
ポケットに入れていたゴムを被せた。
奈々の尻を後ろに引き寄せ
『もっと腰を曲げて・・・そうだ、手すりにもたれるように』
俺は周囲を見回した。どうせすぐ射精してしまうだろう。
いまでもいきそうなくらいだ。


156名無しの笛の踊り:2005/06/09(木) 00:28:44 ID:sVWyXK8+
奈々の濡れた秘部に俺の先端を押し付けた。
頭が入った。力を込めて突くべきか、ゆっくりと挿入しながら突くべきか。
俺は以外にも興奮とは別の欲情をコントロールしていた。
『奈々、先っぽがはいっちゃったよ、止める?』
『・・・きら・・いだ・・・もう』
俺は腰を奈々の尻に向かって押し付けた。一気に未体験の熱い肉体の内部に
陰茎が食い込んでいった。ねちゃねちゃとした心地よい感触。
弾き返されそうな肉体の圧力の快感がすごい。
腰を激しく動かした。奈々のうめき声がもれる。構わずにさらに強く突いた。
『・・・すごいよ・・・いい、薫・・・・くん』
その声が耳に入ったと同時に、俺は例えようも無い快感に襲われ、
思いっきり射精した。

157名無しの笛の踊り:2005/06/21(火) 10:51:16 ID:Ok5k134y
そこで全裸バヨリン弾きが登場、 
158名無しの笛の踊り:2005/06/21(火) 11:24:54 ID:mw33MgKL
美有の入院から3週間が過ぎ、受験も最後の追い込みに入った。
隣の真樹とエレベータで一緒になったとき言ってた。
『美有ちゃんね、朝の検温と同時に気合で昼まで勉強してるよ』
『まだ出られないの?』
『もうすぐだって、先生が言ってた』
ほんの短い時間だったが、無理やり入り込んできた親子のせいで
真樹が体勢を崩し、俺の腕にしがみついてきた。
微かに感じた胸の膨らみに、俺の方が戸惑った。
だが、真樹の申し訳なさそうに謝る笑顔がとても健康的に思えた。
自然だった。何かを期待してるわけじゃない。
真樹の存在感に、何故か魅入ってしまった。

159名無しの笛の踊り:2005/06/21(火) 11:27:26 ID:mw33MgKL
美有の通常の成績なら問題なくクリアできる学校だった。
だが、クラスメートと隔絶された環境の中で、学力低下の不安を
感じることによるプレッシャーが有るのかも知れない。
どうにか美有もスレンレス製の杖を使って歩けるようになった。
上半身の大きな動きは肋骨のせいでまだ出来ない。
『お風呂とかどうしてんの?』
『看護婦さんがあったかいタオルで拭いてくれるよ』
『だったら、俺が拭いてやろうか』
『ベーだ!』
『兄妹じゃん・・・あっそうそう、湯島天神の学業守を買ってきたよ』

160名無しの笛の踊り:2005/06/21(火) 11:29:05 ID:mw33MgKL
受験当日はオヤジが車で学校まで美有を送った。帰りは俺が病院まで送り届けた。
退院の予定は3日後だった。本当は退院をしてもよかったらしいが、
急な環境の変化で風邪を引いてしまう可能性があると主治医が話していたので、
大事をとった。
受験語の美有の表情は疲れからか、幾分、言葉数が少なかった。
同考えて美有が入れないほどのレベルじゃない。もっとランクの高い学校に行って
ほしかったが、俺が通う学校とその制服が着たい、といった気持ちは最後まで
変わることはなかった。
そして美有は無事に退院し、期待どおりに俺の学校の中学に合格した。
4月からは1年間だけだが、一緒に通学できるようになった。




273 名前: 1 ◆0qfSpMy/vE 投稿日: 03/09/27 16:12 ID:yWpnZunR


美有の退院を心から祝福したのは俺たち家族3人だけじゃない。
美有の担任もクラスメートたちも同様だった。一緒に卒業式に出れるね、
と皆が話していた。
そして、もうひとり美有の退院を姉のように喜んでいた少女がいた。
退院の前日、俺と美有と真樹の3人で病院の周辺を散歩し、小さな神社で
3時間も話し込んだ。そこで約束した。夏になったら一緒に海でキャンプを
しよう、と。ガキっぽくて少々照れくさかったが、3本の小指を絡めた。


161名無しの笛の踊り:2005/06/21(火) 22:40:09 ID:mw33MgKL
入院で知り合った者同士は、そこに居る限り、互いの病の不安からか、
日常では得られない親交が芽生える。しかし残念ながら、一旦、退院して
しまうと、素敵な人とだったという印象は、日常生活に呑み込まれしまい、
必ずしも、親交が継続されるというわけではない。
それは己の精神的弱さの最中に発生する、依存現象、だろう。
通常の生活では到底接点がなさそうな相手でも、入院中に出会った素敵な人は、
最良の人間に見えてしまう。互いにそう感じてしまう。何故なら、同じ境遇
なのだから。看護婦さんが天使のごとく見えてしまうのも、そういった心理が
働く。弱者の立場の患者は精一杯のいい人となり、その患者の心理状態を
掌握している看護婦の接し方は、退院しても会いたい、付き合いとなる。
だが、それも病院内でしか通用しない。院外で見る患者のギャップと白衣を
身に纏っていないナースのギャップを痛感してしまうだけだから。

病人にとって、先に入院しながら、後から入ってきた者に追い越される。
一番淋しいときだ。
(じゃ、お世話になりました。みなさんもお元気で)と退院する者。
(こちらこそお世話になりました。お気をつけて)と残る者。
それが大部屋であっても、1人が退院してしまうと、しばし、なんとも
いえない虚しい空気が漂う。
(俺も、あの人のように、みんなより先に退院したいものだ)

162名無しの笛の踊り:2005/06/21(火) 22:42:33 ID:mw33MgKL
あの真樹の笑顔は、精一杯のやさしさだったに違いない。
病名を知らされていない不安感。いつ退院できるかわからない不安感。
整形外科病棟は、他の科と比較して明るい患者が多い。
それは先が見えるからである。
同年代の美有と1ヶ月間の共同生活。親しくなっただけに、約束の指を
絡ませたときの屈託ない真樹の笑顔は、いまでも脳裏から消え去る
ことはない。
真樹は美有の退院から1ヶ月後に退院した。
美有はその間、2度、お気に入りの制服を着て見舞いに行った。
俺がどうだった?と聞いたとき美有はこう答えた。
(うん、元気そうだったよ。今度新しいケータイ持つから、その番号
 教えてくれんるんだって・・・でもね、なんか、ちょっと・・・)
美有は同士の思いのままで真樹と接した。
美有が感じた“なんか”は当然のことだった。
3度目に俺と行ったときは、予定の退院日より3日前に退院していた。
結局、病名は“他人には”わからないままだった。
美有の退院と同時に、真樹の心は同士ではなくなっていたのだろう。
幻のように消えてしまった真樹。もう連絡もつかない。
人にはいろんな事情がある。残念がっていた美有だったが、
それでいいじゃないか、と思えた。真樹の存在は入院中の美有を
元気つけてくれたのだから。好ましくない若しくはデメリットの
可能性を秘めた場所で知り合った人間とは、断ち切る。
そのような何らかの親の方針があったのかもしれない。
事情よりも、あの真樹の人柄に偽りはないのだから
163名無しの笛の踊り:2005/06/21(火) 22:45:01 ID:mw33MgKL
その頃、オヤジも何度かに分けて荷物を宅配で大阪へ送っていた。
少々おおげさな気がした。思っていたよりも多くの荷物を送っていたからだ。
2年間向こうに暮らすわけだから、当然なのかなと思っていた。
美有、中1。俺、高3。
中学の合格祝いと、オヤジの大阪行きを兼ねて、オヤジの店を3時間貸切りで、
パーティーをやった。食い物は全てオヤジが作り、サポートは後を引き継ぐ人が
やってくれた。
ひさしぶりの4人の食事。なんだか嬉しくてしかたなかった。
美有もはしゃいでいた。と同時に、オヤジが居なくなった後の責任を痛感した。
2日後、オヤジと一緒に羽田へ行った。
ショルダーバッグを1個抱えたオヤジの背中、一度振り返ってくれた。
微笑んでいた。美有は大きく手を振り(遊びに行くから!)と大声を出した。
俺は、心に空洞ができたかのように、何も言えなかった。
2年間か・・・まかせてくれ、オヤジも頑張れ!と思うだけだった。
おかあさんが何やら手紙みたいな物を俺に渡してくれた。
(おとうさんがね、帰りの電車で読みなさいって)
そう言ったおかあさんの顔に笑みはなかった。

電車に乗り込み、手紙を読んだ。
それはあまりにも衝撃的な内容だった。言葉がなかった。
4人で掴み取った、4人で育て上げた家族の幸福の
終焉が書かれていた。

オヤジは俺に大きなウソをついていた。


164名無しの笛の踊り:2005/07/06(水) 23:22:45 ID:ZGVCikqK
かぐや姫のスレかと思ったら、、、、
165名無しの笛の踊り:2005/07/06(水) 23:29:12 ID:3xS78WlK
さっさと続きを書けよ、キチガイw
166名無しの笛の踊り:2005/07/07(木) 00:03:20 ID:38T8WT9V
>165
そんなに読みたいか?
167名無しの笛の踊り:2005/07/07(木) 00:25:08 ID:38T8WT9V

『薫、最後まで読んでくれ。我儘な父親の戯言だが・・・
 実は、おかあさんとは先月、離婚した。
 原因は大阪行きの件だ。おかあさんに私の計画は
理解されなかったのだ。
 どうして今になってそんな賭けをするの?
 俺の夢がまるでわからない、と言ってきた。
 おかあさんのいう通りだ。
 どのレベルで以って、夢が実現しているのか
 自覚すべきだったのだろう。
 おかあさんは、今が夢なのよ、と考え、
私は、夢に到達はない、と主張した・・・

『・・・たった2年の猶予も受け入れられない、という。
 4人が一緒であることの幸せを何故、わからないの?
 と問い詰められた。
 わかってはいる、なにもかも。
 しかし、それが出来ない性分なんだ、薫の父親は。
 愚かな父を許せ。
 おまえと美ちゃんが大学を卒業するまでのお金は
 送金する。もし許してくれるなら、
 いつか会ってくれ。
 永遠に薫の父親なのだから・・・そうだね?
 じゃ、おかあさん、美ちゃんのこと、頼みました。 
 体に気をつけて          父より 』


168名無しの笛の踊り:2005/07/07(木) 00:28:58 ID:38T8WT9V
無情だ、こんな無情が許されると思っているのか。
俺は怒り狂った。
失敗は1度きりだから価値があると、オヤジは言った。
何故だ、なぜ2度の可能性に近づくのだ。
オヤジの幸福感と俺たちの幸福感に隔たりがあったというのか。
普通に生活できる収入を得られる、
それだけで充分に幸福ではないのか。
俺はもらった三脚を壁に叩き付けた。
オヤジ、あんただけが違う方向をいつも見ていたわけか?
自分のやりたい仕事ができる、
それだけで幸福と考えることが出来ないのか?
そんなにも己の夢へのチャレンジが尊いものなのか?
エゴにもほどがある。
人と人が偶然出会って、共に苦労と幸福感を共有していきてゆく。
それが幸福ではないのか?
夢ってなんだよ、オヤジ。
誰かの犠牲の上に勝ち得た夢なんて、そんなのはただの廃棄物だ。
己のみが陶酔できる廃棄物じゃねーか。
そんなもの、みたくねえよ!
そんな夢、俺たちに関係ねえよ!

その夜、俺は酒を煽り、ひとりで乱れまくった。


169名無しの笛の踊り:2005/07/07(木) 00:32:50 ID:38T8WT9V
あの映画館における童貞破棄遊戯の一件から奈々とは、
いつもと変わることなく、会っていた。
ただ、一度喧嘩してしまった。
というのも原因は美有のことだった。
(何故、お見舞いにいっちゃいけないの?)それが発端だった。
俺は、(妹は人見知りが激しいから、ゴメン)と言ってかわしたが、
口論となってしまった。
奈々の存在こそが入院の引き金であることを言えるわけがない。




307 名前: 1 ◆0qfSpMy/vE 投稿日: 03/09/27 23:57 ID:Fnq1KliW


3年に進級するのと同時にバイトを始めた。バイトといっても、おかあさんの
店の準備兼掃除だ。早出の大学生のバイトがやっていたのだが、その時間を
俺にやらせてもらうことになった。夕方6時半までで終わりだから、2時間
くらいのバイトだった。美有もそのまま店に来て、一緒に家に帰った。
本当はもっと長い時間バイトをしたかった。
学校から帰って、夜遅くまで家でひとりぼっちになってしまう奈々を思うと、
仕方がなかった。夕食の準備はおかさんが整えて仕事に行ってくれたが、
バイトを始めたことで、奈々と二人だけで食べることが多くなった。
ひとり欠けただけで、生活のリズムがすっかりと変わっってしまうなんて。

170名無しの笛の踊り:2005/07/07(木) 00:36:49 ID:38T8WT9V
中学校生活最初の夏休みがやがて来る。俺にとっては高校生活最後だ。
もうすっかりと入院時の影響もなく完治したものと思っていたが、
左下腿骨骨折の影響が残っているようだった。
何も言わないけど、時々そこをさすって、顔をしかめることがあった。
体育の授業には出てるが、我慢してるのかな、と思ってしまう。
中学生になった自意識と、成長の早さの相乗効果で、美有の容姿は
かなり変化した。モーニング娘の一番新しいメンバーの一人にとても
似ているのだ。美有もダンスは大好きだった。
この間、その事を話したら、笑ってはいたが、表情が翳ったのも、
見逃すことは出来なかった。
やはり、脚の具合があまり良くないのかもしれない。

離婚後、言わなくてはならない事を、俺もおかあさんも口にださないできた。
不自然と感じつつも、話題にしないようにしてきた、そんな気がする。
以前、おかあさんに (この言い方にもケジメを付けなくてはいけない)
姓はどうするの?と聞いてみたとき、海野のままでいいわ、と答えた。
もちろん、美有にも離婚の事実は伝えた。
かなりショックを受けていた。
(お兄ちゃんも出て行っちゃうの?美有、絶対に嫌だからね) と
握りこぶしを作って、訴えていた。
(美ちゃん、俺は居るよ、ずっと一緒だよ) そう答えたら、
翌日には、気持ちを切り替えてくれていた。


171名無しの笛の踊り:2005/07/07(木) 22:01:22 ID:38T8WT9V
おかあさんが帰ってくるのを待った。美有はとっくに眠っていた。
いつもの時間に帰ってきたおかあさんに、言いたいことがあるから、と
俺の部屋に呼んだ。おかあさんはいつものパジャマを着てきた。
脚を組んだとき、あの夜の出来事が蘇り、下半身が熱くなってしまったが、
それを振り払って言った。
『ねえ、おかあさん。俺、いつまでおかあさんと呼べばいいのかな』
『おかあさんでいいじゃないの』と当たり前のように答えた。
『法律的に完全に他人になってしまったんだよ・・・美有ともね』
『法律は法律。人の心とは別物でしょ』
『でも俺、立場的には居候じゃないの?』
『変なこといわないで!薫くんはいままでの薫くんじゃない』
おかあさんは続けた。
『お父さんと約束したのよ、私たちに何の問題も無い限り、一緒に暮らす
 ということをね。それに、そんな思いをさせない為にも、充分過ぎる
 3人の生活費を毎月送金してくれてるんじゃない』
『うん・・・ありがとう』
『だから、そんな他人行儀ないい方もやめなさい』
『俺、おかあさんのことをどう呼んだらいいか、考えてしまうよ、美ちゃんも』
『何も変わらないんだって、何もね』
『正直、オヤジに対して怒りを抱いてるよ・・・せっかくさ・・・せっかく』
おかあさんは俺の手をとった。
『おとうさんはね、大阪に行ってしまうと2年で帰ると言ってたけど、ほんとは
 違うの。もっと長い期間を必要としてたみたい』
『じゃ、離婚なんかしないでさ、4人で大阪で暮らせばよかったんだ』


172名無しの笛の踊り:2005/07/07(木) 22:04:03 ID:38T8WT9V
『そうね、あの人の意識にそれはなかった。けじめ、だからといって離婚を求めてきたわ。
 最初は、女の人でも居るものと疑ったけど、違った』
『そこが理解できないのさ。夢の為に家族をオヤジは棄てたの?』
『それは違うわ、棄ててなんかいないと思う』
『じゃ、家族の為に離婚したとでも?そんなのあるかい』
おかあさんは、俺の顔を強い眼差しでもって見つめた。
『ねえ、薫くん、家族の幸福を全て父親に委ねてはいけないわ。わたしたちは家族よ
 ずっと家族よ。美有にとって薫くんはいつまでもおにいちゃんなのよ。いつまでも
 責任を父親に転嫁してはダメなのよ・・・薫くん、法律がどうのこうのと言う前に
あなた自身でこの3人の本当の家族を守ってみなさいよ』
『・・・お、おかあさん』
胸に鋭い剣が突き刺さった思いがした。


173名無しの笛の踊り:2005/07/07(木) 22:06:19 ID:38T8WT9V
痛感。おかあさんの言葉を耳にしたと同時に、動揺を隠すことが出来なかった。
俺はいつも願望するだけの立場で安住しているだけだった。
家族の皆が笑って暮らしているとき、それに満足するだけの自分がいた。
ひとり欠けることも、最悪の崩壊も、まったくの想像外だった。
おかあさんが俺に託した言葉、悔しくて、歯痒くて仕方が無かった。
本当はそうしたかった。どうすべきがわからなかったのだ。
だが、わからないなどと逃避する時期はとうに過ぎていた。
これからはこの俺が、2人に幸福感を与え続けていくべき存在なのだ。

174名無しの笛の踊り:2005/07/07(木) 23:25:29 ID:38T8WT9V
この間まで俺が拘っていた家族って、一体なんだったんだろう。
この生活がスタートした時から、4人に拘っていた意味はなんだったんだ?
結局、オヤジが離脱して精神的ダメージを被って、そんなオヤジに対し、
ひとり取り乱していた。
あの美有ですら、俺が居るなら平気だよ、と言わんばかりに、翌日には、いつもの美有
の姿になっていた。
おかあさんはどうだったか。夫を失った心痛と将来への不安は、俺の比ではなかったはず。
それなのに平静を装い、俺と美有に語りかける言葉は、すでに前を向いていた。
結局、俺の甘えだけが見えてしかたがない。
小学生の時に母親が消えてしまって、淋しかったかと、問われれば、淋しかったと
答える用意をしていた自分。
だが、本音を吐けば、淋しくなんてなかったのだ。何故なら、オヤジがそれを感じ
させない愛情と優しさでもって接してくれたからだ。
少年は単に、隣の整った家族構成に羨望していただけだ。
おかあさんの胸に刺さる言葉を耳にする前までの、俺が安易に用いていた家族の幸福
などといった代名詞みたいなもんに、真実味なんてさほど無かった。
ただ、ただテメエの都合のいい家族を求め、用済みになるまで利用したかったのだ。
それが俺の本音だ。

175名無しの笛の踊り:2005/07/07(木) 23:27:16 ID:38T8WT9V
5年前、初めて美有と出会った時、美有はおかあさんから、こう言われていたはずだ。
(美有の新しいお父さんと、お兄ちゃんになる人だからね)と。
2年生の美有は、もうこれでひとりぼっちの夜はなくなるのかな?
どんなお兄ちゃんかな?と胸いっぱいの夢を抱き、俺たちと対面した。
そして美有は、自分にとって本当に大切なのは、お兄ちゃんなんだ、といった判断を
下したのかも知れない。
その思いは、今も変わらないままだ。
あんな大怪我をさせてしまったというのに・・・
おかあさん、俺、やれるだけやってみるよ、3人の為にさ。
もし、躓いたらさ、おかあさんと美有とで俺を立ち上がらせてほしいんだ。

176名無しの笛の踊り:2005/07/07(木) 23:29:30 ID:38T8WT9V
ケータイのメールには、相変わらずの奈々、そして友達に美有、といったところが
ほとんどだったが。6月と7月に一度づつ、オヤジからもメールが来た。
電話もたまにはあったが、その内容は、東京の店のことなどのあまり興味のない
ものだった。
それだけにメールは嬉しかった。なんせ親展と同じだから。
しかし、そんな俺の気持ちとは裏腹に、2度ともメールは短いものだったが、最近の
メールは違っていた。

“まだまだ胸を張って、遊びに来いよ、なんて言えるまでにはなっていないけど、
 どうかな、2日でも3日でもよいから、夏休みに入ったら、
1度大阪へ来てみないか?                   返事を待つ“

俺は躊躇うことなく、メールで返事をした。
“じゃ、休みに入ったらすぐ行くから”
いつものように俺の部屋で勉強をしている美有にそのことを話したら、
一緒に行きたい、と大きな声を上げた。
そう言うだろうと思っていた。美有もまた、オヤジが大好きだった。
どうゆうわけか、両親が離婚すると、去っていかざる得ない親の方が、
その心情とは無関係に悪者扱いされがちだ。もちろん、身勝手な理由で、
出て行く親もいるが、そればかりでないような気がする。
特に子供にとっては、直接的に被害を被った場合で無い限り、
どちらが悪かったなんて、知りようがないはずだ。
なのに去って行った親が一方的にダーティーにされてしまう。
結局、子供は共に暮らす親の情報を鵜呑みにして、
居なくなった親の偏ったイメージだけが定着されていく。


177名無しの笛の踊り
『俺はかまわないよ。ひとりで行くより楽しいし。とにかくおかあさんに
 確かめてからだよ』
翌日、朝食の準備をしていたおかあさんに美有は、早口で大阪に行きたい、と
懇願していた。
それを聞いたおかあさんは、いつもと変わらぬ口調で返事をした。
『美ちゃんが会いたいと思ったなら行きなさい。
薫くんや美ちゃんの心の扉を狭くさせるつもりはないの。
おかあさんとおとうさんが別々に暮らすことになった理由なんて
もうどうでもいいことだけど、このまま美ちゃんが会わないでいたら、
段々とおとうさんの印象が悪くなってしまうと思うわ。
 それってなんだか嫌なの。だって、おかあさんが好きになった人だもの』