サンソン・フランソワ(Samson Francois, 1924-1970)
うちの会社のウェブサイトを作る話が本格化している。小人数のちっぽけな会社だからメンテを
続けるのが難しいだろうと思って、俺はあまり乗り気でなかったんだが、社員たちが盛り上がっち
まって、今日企画書を出してきた。社員たちがそこまでヤル気なら俺も前向きに考えようかと
思って企画書を眺めると、俺のブログなんていうのがあって「今日のひとこと」とタイトルが付け
られてる。「ひとこと」だから「あぁ、くたびれた」とか「痩せたぜ、ヨッシャ」などと書けば良いのか、と
冗談言ったら、ブログなんだから日記を書いてくれ、と言う。
最近、ベンチャーの社長や著名人が日記を公開してるが、俺はあれが大嫌いで、プロだったら
言いたいことは仕事で全て語れや、と考えている。演奏家ならマスコミの前でグチャグチャ語るの
ではなく、演奏で自分の世界を全て表現しろ、というのと同じ。「ブログに日記書くのも仕事の一つ
だよーん、文句ある?」と言われれば別に文句無いし、「経営者の考えをダイレクトに伝えるのに、
ブログは一つの重要な手段ですがな」と言われたら「それもそうですね」としか答えようが無いけど、
とにかく俺はブログっていうのが嫌いだ。会社のウェブサイトに日記なんか絶対書かん。却下だ、
こんな企画書!
「他社のホームページでブログ良く見かけますから…。」 他社のマネすんな。ウチはウチだ。
もうひとつシロ専務とクロ相談役の「シロクロ写真館」なんてものがあって、なんだか品位が落ち
そうだからそれもボツにした。「我が街紹介」っていうのも区役所のウェブサイトでも見てもらえば
良いわけで、わざわざうちの会社で紹介する必要はない。それもボツ。
結局、会社概要、事業内容とリンク集ぐらいしか残らなくて、そんな乏しい内容でウェブサイトなんて
作る意味はほとんど無い。リンク集と言ったって、うちの事業に関わるリンクは公開できないから、
近所の馴染みの店とか、俺が良く行くホームセンターなどのウェプサイトへのリンクがいくつか挙がって
いるだけ。
社員たちのヤル気は認めるが、こんな企画を通すワケには行かん。
とは言うものの、考え直して再提出してくるのを待ってんだよね。考え直すだろうか、うちの社員たちは。
さっきデカパイにこの話をしたら、「意地悪な人!」だってさ。そうかなぁ。