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名無しの笛の踊り:
しかしレコード業界に詳しい兄はCDの売り上げを指摘した。クラシックはいくら売れても
何千枚の単位だ。兄の扱っている世界は何万枚どころか何十万枚の世界である。
そんな中、今更のようにクラシック音楽が世界的に居場所を失ってきている、という。
「売れなくてもいい、素晴らしい芸術を」という理念はどこへ行ってしまったのか。
情けないが『売れなくては!』兄の言う商業ビジネスの世界では当然『生き残れない』
『そりゃ売れたいわ・・』本音がポロリとこぼれおちる。だからといって兄貴たちのように
何か画期的な発想を持って業界に殴りこみをかけるようなことにはいかない。
クラシック以外の音楽の仕事をたまに兄からもらいながらその恩恵に授かっている私としては
今、兄が買ってきたぼた餅が棚から落ちてくるのを待つとはなしに待ちながら、
今日もヴァイオリンのケースを開け、指の練習をしている自分・・・・・・