昨日の続き
では唇の振動をどのように考えるか。
考え方のひとつとして、唇の振動は楽器の気柱の共鳴振動に
よってなされている、というものがあります。
試しに、楽器にマウスピースを刺し、唇を当てて息を入れてください。
楽器内部の気柱が共鳴する程度の圧力を加えると、「唇を振動させよう」
と考えていないのに楽器がなるはずです。
つまり、唇は息の圧力を楽器の気柱にかけた結果、楽器と共鳴して
「結果的に振動している」と考えるべきです
基礎練習の時に考えることは、いかに楽器に圧力をかけるか、
であり、意識は楽器の奥にある気柱にあるべきです。決して
唇を考えながら吹いてはいけない。
ID:9KRZDTbd氏もいっていますが、これが金管楽器における
「いかに楽器をならすか」の考え方のひとつです。楽器は
唇やマウスピースの延長ではありません。
ここからひとつ段階を進めると、体の内部の気道をどのように
考えるか、です
よく「喉をあけろ」といいます。これは、息の圧力をより
フレキシブルに楽器にかけるための指導です。
同時に、楽器の振動を体の内部に共鳴させる、という意識付けにも
役に立っています。
息の出発点は肺です
肺→気道→唇→楽器→ホール
という流れで、肺から出た息が楽器に圧力をかけ、ホールに響きます
先ほどまで話していた話は、唇→楽器(→ホール)の
話でした。では、肺〜唇までをどう考えるか、です
著者は、楽器の出している振動を、肺〜気道まで共鳴させよう、
という意識で吹いています。理論上はこのようなことが可能
なのかはわかりません。
つまり唇〜楽器までで吹こうとするのではなく、体全体を
使って音を増幅させ、豊かな響きを作ろう、そのような
イメージを持とう、という考え方で吹いています。
上記のようなことを意識しはじめてから、無理な奏法で楽器を
吹くことが少なくなり、自然に音を汲み出すように吹ける
ようになりました。
ここでひとつ勘違いして欲しくないのは、「無理な奏法」=
「大きな圧力をあける」=「少ない息で吹こう!」という
三段論法です。これは誤りです
大きな音を出すには、大きな圧力をかけるしかありません。
ですが、楽器が振動していないのに鋭い息を入れる、
多量の息を入れる、などをした場合、楽器の気柱が共鳴
する前に唇が能動振動してしまいます
つまり、唇だけのバズィングで楽器をふくような、潰れた
音になります。
中途半端ですが続きは今夜
さて続きです
続きといっても、大きな音と大きな圧力の結論は既に出ていますね。
大きな音を出すには、楽器に大きな圧力をかけるしかありません。
大きな圧力をかけるということは、多量の息を入れるということです。
多量の息を入れると、楽器内部の気柱が激しく振動し、
大きな音が出ます。
ただし、その際、気柱の振動と共鳴するはずの唇が、
大きな振動に耐えられなかった場合、唇が無理やり
足りない分の振動を作り出そうとします。
唇が無理に振動した結果の音なので、唇だけでバズィングしたまま
楽器を吹こうとするような、無理な奏法になります。結果的に
音が割れたり、音程が不安定になったりします。
これは高音域に対する奏法も同様です。
高音域の音を出すには、息のスピードを上げ、楽器への圧力を
強くすることが必要です。
ただし、高音域での楽器の振動に唇が共鳴できなかった
(耐えられなかった)場合、同様の現象が発生し、音が
割れたり楽器がならなかったりします。
これらの問題は放置していても解決しません。
基礎練習の段階で、楽器内部の気柱と息の圧力のかけかた
などを常に意識しながら、練習を繰り返すしかないのです。
音量を出す練習としては、以下の練習をやってみてください。
1. メトロノームを60に指定します
2. 何調でもいいので、ドの音から8拍4拍のロングトーンを行います。
3. ロングトーンの際、ピアニシモからクレシェンドをかけ、4拍〜5拍目に
かけてフォルテシモまであがります。
4. フォルテシモまであがったら、ディミヌエンドをかけてピアニシモで
納めます。
5. この練習を1オクターブ行います。
上記練習はトランペットの北村G三先生に習いました。
注意すべきポイントは、常に楽器にかける圧力を意識する、ということです。
フォルテシモになった際、決して無理な奏法で吹いてはいけません。
また、ピアニシモにディミヌエンドする際、音程が不安定になってはいけません。
上記練習により、フォルテシモのリミットを徐々にあげていけると
思います。著者は未だに師匠に「フォルテのかけかたがなってない!」
と怒られる未熟者ですが、昔よりはだいぶ改善したと思います。
とりあえずここまでの流れをまとめます。
まとめ1
楽器を吹く際、意識は唇ではなく、楽器内部の気柱に向けられるべき。
息の圧力により気柱が振動し、結果的に唇が共鳴する、という意識を
持つべき。
まとめ2
気柱の振動を体の内部で増幅させるようなイメージを持つべき。
まとめ3
大音量、高音域には高い圧力が必要だが、唇が負荷に耐えられないほどの
圧力をかけてはいけない。
また、普段から高い圧力に唇が耐えられるような基礎練習を行うべき。
以上がホルンを吹く際の基本的なイメージです。
多少勝手が異なりますが、ラッパやトロンボーンにも応用できると思います。
あ、何か質問があったらお気軽にどうぞ。
著者は中の下〜下の上程度の腕前しか持っていませんが、
判る範囲では答えます。
次は勘違いしたホルン吹きにならないためのアドバイスです。
その前にご飯が炊けたので晩飯を食べてきます。
ではまた。
ワクワクテカテカ(AA略)
といっても、俺は弦楽器なんだが。
でも、弦楽器と管楽器には共通するものもあると思ふ。
どっちの料理ショーを見てたら焼き鳥が食べたくなったので、
一杯飲んできます。11時ごろに再開します。