1 :
名無しの笛の踊り :
04/05/29 15:35 ID:flttGqjn CD・LPでもエアチェックさんでも、オケもの・オペラ・室内楽や器楽まで、 コンサートのライヴ録音についてのスレです。 演奏内容について書き込むもよし。 録音の雰囲気や拍手あるなしについて語ってもよし、 これは擬似ライヴ?といったご質問もよし。 古いものから新しいものまで、ライヴ録音ならお任せで参りましょう。
にげと
ヨッフムとフランス国立のブルックナー7番、 1980年の近い時期で録音が3種ありますね。 シャンゼリゼライヴのCD(ディスクモンテーニュ→ペコ)が2月6日、FMのが確か8日で、 INAから出てるのが同年5月。 上の二つは持ってるので聴き比べると、確かに違う。 FMのは解説金子健志さんで、 フランス国立の楽員が「我々のベスト・パフォーマンスだ」と言ってた のを披露して、彼自身も感心していた。 何にせよ、素晴らしい演奏です。
ホーレソ/チェコフィルの録音があったなんて...
↑ ブラームスの2、とかね。 BBCももっといろいろ出して欲しい。
6 :
名無しの笛の踊り :04/05/30 10:50 ID:KYKPRFuO
>>4-5 ん?市販されてるの?
詳しい情報キボン
8 :
名無しの笛の踊り :04/05/30 20:27 ID:S1Il+X6G
SOMMってレーベル聞いたことない。 音質大丈夫かな?
あ・げ。
10 :
名無しの笛の踊り :04/06/02 00:27 ID:r6QBHIHL
これ、ネタ切れするんじゃないか? 放送録音ものは結構持ってるけど、言葉で語っても印象共有出来ないし、 かといって音源ファイル共有とかいうとまたウルサ方がくるし。
11 :
1 :04/06/02 01:29 ID:byYEPnEh
ふーむ、難しいですかね? レコ芸の山崎さんに触発された+私もライヴマンセーなので立ててみたんですけど・・・。 そういう方がマターリ感想書いたりして、ファイル共有はともかく、 CD化の機運を高めてったりしても、とかもアリだと思うんですが。
1がうまく話題を提供すればいくらでも盛り上がるさ
13 :
1 :04/06/03 05:32 ID:QlmxtJe1
でわでわ。
14 :
1 :04/06/03 05:36 ID:QlmxtJe1
皆さんに問う!ライヴとスタジオ録音で全く印象の違う演奏家は?
15 :
名無しの笛の踊り :04/06/03 16:18 ID:v8oHgZc2
ずばりクーベリックだろう。 マーラーとモーツァルトは抜群にすばらしい。 スタジオはマタ〜リだがライブの場合は猛烈な 個性を発揮する。暴走はしないけれど。 しかし、先日買ったベートーヴェンの第9は なんとも奇妙な演奏だった。 4楽章の最後でフルヴェン並みの追い込みをかけるが 急に減速する。この意図がわからん。 スコアがそうなのか?
所詮2流
ふ〜ん、クーベリックねぇ。 カイルベルトもそう言えるかも。バイエルンとのブラームス2、ベートーヴェン7,8、 来日時バンベルクとのブラームス4、マイスタージンガー、 バイロイトやミュンヘンのリングやR・シュトラウスなどライヴがいい。 特にパリでのフェラスとのコンチェルトが、終楽章に向けてアツい!圧倒的にイイ。 カイルベルトがもう、煽る煽る。フェラスも持ち味の美音を外してまで 熱くうねるし、この演奏は素晴らしい。 余談だがフェラスも、スタジオ盤のシベリウスはカラヤンに合わせてか 微温的だが、ライヴの方では素晴らしかった。彼もそうなのか。 カイルベルトはスタジオ盤でコレというのがないしなぁ。
クーベリックはレコードとCDで大きく印象が違う
この日のライヴ録音; 1985年6月6日、マズア&ゲヴァントハウス ブラームス/ダブル・コンチェルト、交響曲第4番 ウィーン芸術週間、コンツェルトハウス。 マズアはあまり好きではないが、これは端正な名演。 この辺りのFMライヴは、ゲヴァントハウスの演奏をたまにやってくれていた。 本拠地での演奏会よりむしろ、ウィーンやベルリンの芸術週間や各地の音楽祭に 客演したものを放送してたのは、東独に属していてテープ提供が困難だったためか? (例外もあるが)
20 :
名無しの笛の踊り :04/06/06 15:19 ID:2TW57BEJ
>>17 カイルベルトはBPOとのブル6がすごいです
1000円盤だし、一度お験しあれ
21 :
名無しの笛の踊り :04/06/06 18:50 ID:R88HhLTZ
さぁ問題 日本人現役で、オケとの録音はライヴしかないという指揮者は? ちなみに3つのオケを指揮していまつ
22 :
名無しの笛の踊り :04/06/06 19:04 ID:zZUAJuOJ
堤。
最後の条件が無かったら尼桶にはいっぱいいそう。
24 :
名無しの笛の踊り :04/06/06 19:54 ID:kwEsXUgb
25 :
名無しの笛の踊り :04/06/06 21:25 ID:R88HhLTZ
ちなみに70代の指揮者です それなりの音大卒で有名人でつ ちなみに3つのオケのうち2つはアマオケ、一つはプロオケでそこで7、8枚程度リリース
usuki
この日のライヴ録音; 1993年6月7日、ゲルギエフ&ベルリン・フィル プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番(レオン・シュピーラー)、 ショスタコーヴィチ/交響曲第8番 フィルハーモニー定期。 ゲルギエフが頭角を現しだした頃の演奏。日本ではカラヤン・コンクール 入賞時の「悲愴」第3楽章の放送(80年頃)が初お目見えだった(と思う)彼は、 キーシン・レーピンフィーヴァーで来日した87年辺りまで音沙汰なく、 突如90年代前半にこの演奏やバイエルンに客演した際のプロコフィエフ(壮絶な5番)で 一気にブレイクした。シュピーラーのソロはコンマス引退記念。 初の民間衛星放送・WOWWOWで、鳴り物入りでオンエアされたBPO定期のひとつ。
>>27 ゲルギエフは80年代初めに(資料がどっかいっちゃったので正確な年は不明)
来日して、フレンニコフの3番を振ってるよ。
29 :
宇野珍ポーコー :04/06/07 08:55 ID:yXofVNO/
>>21 >>25 こいつだろ?
彡≡≡ミ
ω□-□ω
( 皿 )
・新星日本交響楽団 ベト交響曲2.5.6.7.9番、ブル4、モツ40、ワーグナー、ワルツ集
・日大管弦楽団 ブルックナー、モツなど
・サクラ姦 ベートーヴェン他
この日のライヴ録音; 1990年6月8日、ベルティーニ&ウィーン響 マーラー/交響曲第8番(独唱スウィート、ポップ、ヴェヌーティ、 ハウエルズ、ザーカイ、ベーア、リドル) ウィーン芸術週間、ムジークフェラインザール。 83年のギーレン指揮に続く、芸術週間の「千人」。演奏はベルティーニらしく、 見通しよいもの。中でも独唱とオケの録音バランスは絶品で、会場の良さもあって 実に美しい響き。ベルティーニのマーラーライヴはかなりFMで放送されており、 「大地の歌」以外は二つ以上の音源で聴ける。 特に9番は少なくとも4度は放送されているのではないか。まさにマーラー指揮者である。
>>28 補足レス感謝です。フレンニコフ・・・渋い。
>>30 こんなのもある。
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調〜第4楽章:アダージェット
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル[SONY]
1968年6月8日、聖パトリック教会におけるロバート・ケネディの葬儀のライヴ
この日のライヴ録音; 1990年6月9日、テンシュテット&シカゴ響 ハイドン/交響曲第100番「軍隊」 マーラー/交響曲第4番(アーリーン・オージェ) シカゴ、オーケストラホール。 アメリカのオーケストラのライヴは、テープ提供の費用がかさむため、 NHKでもほとんど放送されていなかった。その飢えを癒してくれたのが FM横浜で、80年代後半から数年間、小澤やセルの演奏を中心にいろいろと 流してくれた。このライヴもその一つ。 特にマーラーは、深い祈りを持って掘り下げられた第三楽章と、 オージェの無垢な絶唱が聴かれる第四楽章はじめ、全曲通して慈愛に満ちており、 この曲の最高の演奏であることを私は信じて疑わない。 惜しむらくはこのオケの本拠地の音響で、デッド過ぎて興を削ぐが、終演後に「ブラヴォー」でなく 「ビューティフォー!」と聴衆が発するあたり、シカゴの聴衆の心も虜にしているようだ。 テンシュテットは根強い人気があるが、BPOとのマーラー6番の次に出して欲しい録音。
この日のライヴ録音; 1976年6月10日、アラウ&マルケヴィチ&フランス国立管 ブラームス/ピアノ協奏曲第2番 ローザンヌ音楽祭、ボーリュー劇場。INAのCD。 腰の重い二人が、がっぷり四つに譲らぬブラームス。アラウのライヴとしては、 1番にクーベリック、A・ギブソンと組んだものもあるが、 2番は他に、セガル&シュトゥットガルトとの77年FMライヴがある。 要するに得意曲。むしろマルケヴィッチのライヴがそれほど多くないので貴重。
36 :
名無しの笛の踊り :04/06/10 17:41 ID:J4nGsTON
age
この日のライヴ録音; 1979年6月11日、ミルシテイン&パタネ&ウィーン響 ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ウィーン芸術週間、コンツェルトハウス。 1988年6月11日、ルッジェーロ・リッチ独奏会 大バッハ/無伴奏ソナタ第2番、パルティータ第2番 パガニーニ/カプリース第13番〜第24番 クライスラー、ヴィエニャフスキ、パガニーニ、タレーガの小品 香港市立ホール。one-elevenのCD。 ヴァイオリンの老大家のライヴが並ぶ。 ミルシテインはパタネ(オペラはともかく演奏会ライヴは珍しい) の熱いサポートに乗って貫禄で聴かせる。危ない箇所もあるが、弾き飛ばさずに しっかりとした足取りで、ここぞという場面での節回しには格調すら感じる。 一方のリッチは、後半のプロで芸人魂が炸裂。ナマ声でアンコールを告げ、 聴衆のため息と共にサッと弾き始めるあたりの呼吸が見事。 演奏も実に愉しげで、技と意が沿わぬところがあるのもご愛嬌か。 老いたとはいえ意気盛んなのが、いずれにも感じられる。一度ナマを聴いてみたかった。
この日のライヴ録音; 1967年6月12日、バーンスタイン&ウィーン・フィル マーラー/交響曲第2番「復活」(独唱ギューデン、ルートヴィヒ) ウィーン芸術週間、コンツェルトハウス。 1967年ウィーン芸術週間では、マーラーの全交響曲がリヴァイヴァルされ、 彼が見直されるきっかけになった。他にC・クライバーの「大地の歌」、 スワロフスキーの第3番など演奏されている。 また、バーンスタインが本格的に欧州進出しだしたのもこの時期。 後にも見られる極度のデフォルメや、思い入れたっぷりの感情移入は この頃から既に現れており、演奏の凄まじさは群を抜いている。
勉強になります。
40 :
名無しの笛の踊り :04/06/12 21:54 ID:bRAvzKVF
C・クライバーの大地はなかなか良かった。
41 :
名無しの笛の踊り :04/06/12 22:19 ID:CV90kYhv
>40 歌手は良いけれど、演奏も録音も水準以下と思われ。
この日のライヴ録音; 1974年6月13日、マタチッチ&ウィーン響 ブルックナー/交響曲第4番 ウィーン芸術週間、ムジークフェラインザール。 マタチッチはウィーンでは、ほとんどこのオケを指揮しており、 orfeoからも未完成やハイドンを収めたライヴが出ている。N響に客演していたせいか、 海外での彼のブルックナーライヴは3〜5、7、8がFM放送されている(9もあったかも)。 この4番も、マタチッチの芸風がよく出ており、豪壮雄大な演奏に仕上がっている。 最近、N響との古いライヴが発売されたが、 ヨッフムなどに比べると実力の割に海外でのライヴ録音発掘は進んでいないと思う。 マタチッチスレにカキコされていたロンドン・ライヴだけでも出してくれないものか・・・。
>>42 こんなのもあります。
1944年6月13日 生誕80年記念コンサート
R.シュトラウス:《死と変容》《ツァラトゥストラはかく語りき》《ドン・ファン》
R.シュトラウス/ウィーンフィル
>>42 その日は、ストラビンスキー詩編交響曲もマタチッチが振りました。
この日のライヴ録音; 1992年6月14日、プレヴィン&ウィーン・フィル ロッシーニ/「アルジェのイタリア女」序曲 ガーシュウィン/ピアノ協奏曲 R・シュトラウス/家庭交響曲 定期演奏会、ムジークフェラインザール。 プレヴィンは70年代からウィーン・フィルに客演しており、意外に絆は深い。 83年初頭には、恒例の舞踏会に指揮者として招かれている。 演奏も、独特のアットホームな雰囲気を醸し出していて、 他の客演指揮者とは一線を画している。 86年頃の「真夏の夜の夢」(レコーディングと並行して行われた)なども名演だが、 この演奏会も闊達なガーシュウィンといい、壮麗なシュトラウスといい、 素晴らしいもの。
>>43 >>44 ご教示・補足レス感謝です。
シュトラウス、古いのによくご存知で・・・。
マタチッチ、前プロのストラヴィンスキーは知らなかったなぁ。
序でに書くと マタチッチもシュトラウス生誕80周年で リューバ・ヴェリチのサロメでオーストリア放送響を指揮しました これがマタチッチの最も古いライブ録音
ホーレソのCDが到着....したけど運悪く盤状態が悪くて交換だわこりゃ。
49 :
南無妙ホーレンシュタイン :04/06/14 22:40 ID:d6dfc+UH
いいえ、海外から取り寄せまつた。 なので面倒。
この日のライヴ録音;たんは未だ?
この日のライヴ録音; 1995年6月15日、マウリツィオ・ポリーニ、リサイタル シューマン/アレグロ ロ短調、幻想曲 ハ長調 ショパン/ノクターン第7番、第8番、ピアノ・ソナタ第2番、 エチュード第1番「牧童」、スケルツォ第3番 ウィーン芸術週間、コンツェルトハウス。 ウィーン芸術週間にポリーニが招かれたもの。ポリーニほどになるとライヴ録音も多く、 単独スレが立ったり(お世話になっている)、CD・FMなども数多ある。 古くは1974年の来日(最初か?)で、 ショパンの「24の前奏曲」、シューベルトのソナタ第14番、さすらい人幻想曲 などが放送されている。 ここでは一曲目、シューマンのアレグロから、唸りを上げ演奏に没入しているのが ライヴらしい。幻想曲やアンコールのショパンも、感興にあふれる素晴らしいもの。
この日のライヴ録音; 1995年6月16日、チョン・ミョンフン&ウィーン・フィル ドヴォルザーク/交響曲第7番 ムソルグスキー(ラヴェル編)/展覧会の絵 ウィーン芸術週間、コンツェルトハウス。 前掲ポリーニの翌日のライヴ。チョンのウィーン・フィルデビューになった演奏会。 これはDGのレコーディングが行われている(編集していたと思う)。 この頃のチョンは、バスティーユを辞任しニュートラルな時期だったと思うが、 名門相手に濃い味付けの、熱い演奏を聴かせている。 特にドヴォルザークは、昔リアルに聴いたときは違和感を感じたが、これはこれで。 今聴き返すとここまでこの名門が必死でやっているのもレニー以来のような気がした。 チョンのFMライヴは意外に歴史アリで、80年代初頭に姉キョンファの伴奏ピアニスト として登場しており、ザール(ブリュッケン)放送響とのベルリン芸術週間での ドヴォルザーク6番は実にイキのいい、名演奏である他、コルト時代の南西ドイツや コンセルトへボウ(何故かメインはいずれもプロコフィエフ6番)などが放送された。
書き込んでる人すげーなw
この日のライヴ録音; 1990年6月17日、シュタイン&ウィーン響(独唱ベーレンス) ヴァーグナー/タンホイザー〜序曲、ヴェーヌスベルクの音楽とバッカナール、 トリスタンとイゾルデ〜前奏曲と愛の死、 神々の黄昏〜ジークフリートのラインへの旅、葬送行進曲、ブリュンヒルデの自己犠牲 ウィーン芸術週間、ムジークフェラインザール。 シュタインは1970年から、ヴォルフガング・ヴァーグナーの第二次「リング」演出の 指揮者としてバイロイトに登場、6年もの長きに渡り、緑の丘に君臨していたが、 その前後のヴィーラント=ベーム、シェロー=ブーレーズの印象があまりにも強烈だったため、 彼の存在は霞んでしまっており、まことに遺憾である。 そんな不運を偲ぶのが、後のオーケストラコンサートでの抜粋プログラムとも言える訳で、 N響などとも散々演奏してきている中、このウィーン響との一夜の演奏会は、 真に彼のカペルマイスターとしての完成形を示すものであると思う。 バイロイトでは音楽の小ささを批判されたこともあるらしいが、 こうした抜粋の形で最もよく演奏される3曲?のいずれもが、 実に呼吸深く、スケール大きく描き出されるあたり、本当に見事だ。 タンホイザーでのA・シェーンベルク合唱団、ベーレンス全盛期のイゾルデ・ブリュンヒルデも素晴らしい。 確かにクナなどとは比ぶべくも無いかもしれないし、「リング」の録音がないのは致命的だが、 少なくともこの時期においては、サヴァリッシュと並び、 ヴァーグナー演奏の真髄を伝える最高の存在だったことをもっと評価してもいいのではないか。 そう思わせるに十分な演奏である。
そういや、 コンドラシン(ロシア人)が、アムステルダム・コンセルトヘボウ(オランダ) で、「パリのアメリカ人」なんて、滑稽なことをやったの、6月17日なんだな。 あの場違い感がたまらん。
>55 シュタインってリングの録音ないのか。あれほどのワーグナー指揮者が…… どっかラジオとかの録音でないですかねぇ。 出してもどうせ売れねえからでねえよ、とか言われそうだけど。
シュタインのリング、バイロイトの放送音源が青裏でなら出てる。
この日のライヴ録音; 1983年6月18日、ラトル&バーミンガム市響 フォーレ/パヴァーヌ 武満/鳥は星影の庭に降りる ラヴェル/ピアノ協奏曲 ブラームス(シェーンベルク編)/ピアノ四重奏曲第1番 ブリテン/アメリカ序曲 オールドバラ音楽祭、スネイプ、モールティングハウス。 ラトルの若き日の演奏会。 FMでのラトルは、毎年恒例のベルリン・リアス新人演奏会のライヴも放送されていた (確かダフニスとクロエ)。その後この放送や、エディンバラでの「復活」で 注目され87年の来日公演もTV・FM放送されるなど、そこそこ期待されていたと思う。 演奏はやはり若々しく溌剌としたものだが、癖のあるプログラミングに 彼の才能の片鱗を感じさせる。
>>56 フィリップスのやつ、それだけ持ってないんですよ・・・。
>>60 漏れはLPで持ってるけど、あのシリーズで
ショスタコだけ持っていない…。
62 :
61 :04/06/18 23:03 ID:/WQOMNaL
>>60 ヤフオクで、今CDでてる。
でも、残り3日で10400円。
63 :
62 :04/06/18 23:03 ID:/WQOMNaL
自爆。
>>60 の「パリのアメリカ人」の話。訂正スマソ。
1984年6月19日、プッチーニ/トスカ カバイヴァンスカ(トスカ)ヴィスコンティ(カヴァラドッシ)ヴィクセル(スカルピア) マランゴーニ(アンジェロッティ)コレーナ(堂守)セネシャル(スポレッタ)他 パタネ&トリノ管 ローザンヌ音楽祭、ボーリュー劇場。 オーケストラは放送発表の通りだが、RAIトリノ響のことか? パタネの貴重なライヴ録音。彼はライヴで燃えるようなことが書かれているが、 意外に聴けるライヴ録音自体がそう多くない。「トスカ」は、なんとレコード録音さえないようだ。 最近塔に彼の「仮面舞踏会」が海賊盤で(リセオ劇場)置いてあるが、正確な日付と脇の配役が不詳のため、 買い控えているのだが、どうしたものか。同年のパルマ(GAO)の方が出るのをじっと待っている状態である。 演奏はやはり熱い。カバイヴァンスカはともかく、ヴィスコンティ(orfeoでシノーポリの「アッティラ」が聴ける) が非力過ぎてどうにもならないが、パタネの創り出す音楽は豊かで、ドラマティックなこのオペラを実によく まとめている。弱音の弦の響きをなんと美しく聴かせることか。また、脇にコレーナやセネシャルが出ているのも魅力。
>>61-63 うーん、10400円じゃねえ。
ショスタコは今回出ませんか?ブラームスとぺトルーシュカだけだっけ・・・。
>>57-58 無いんですよ!裏青は75年(最終年)ですよね。
ゴールデンメロドラムに出して欲しかったなぁ。
1958年6月20日、プッチーニ/トスカ テバルディ(トスカ)ディ・ステファノ(カヴァラドッシ)バスティアニーニ(スカルピア) ザッカリア(アンジェロッティ)バディオリ(堂守)デ・パルマ(スポレッタ)他 ガヴァツェーニ&ミラノ・スカラ座 ブリュッセル、モネ劇場。 スカラ座の引越し公演。主役三人(全員このとき三十代)を始め、この当時のスカラ座は やはり世界髄一の実力を持っていただけのことはある。 バスティアニーニのスカルピアはこの音源でしか聴けないようだ。 新潮社の(ほぼ)海賊盤だが、パタネ&アラガル&カップッチルリの「リゴレット」、 マゼール&バイロイトの「リング」など、ここでしか聴けない音源も多く、 いろいろとお世話にはなった。 ただ、その分音質も劣悪なので見つけたときも覚悟と勇気は必要である。 当盤も音質はかなり酷いが、声は混濁気味のオケを突き抜けて迫ってくる。
1984年6月21日、ジョージ・ロンドン記念コンサート モーツァルト/ドン・ジョヴァンニ〜序曲、彼女こそ私の宝、 フィガロの結婚〜とうとう嬉しい時がきた、 皇帝ティトゥスの慈悲〜このひとときだけでも、魔笛〜愛の喜びは露と消え、 ベートーヴェン/フィデリオ〜囚人の合唱、 オッフェンバック/ホフマン物語〜森の鳥は憧れを歌う、小鳩は逃げた、 三重唱「歌はやめてはいけない」、 R・シュトラウス/アラベラ〜二重唱「でもふさわしい人は」、 チャイコフスキー/エウゲニ・オネーギン〜青春の日は過ぎ去り ヴェルディ/マクベス〜哀れみも、誉れも、愛も オテロ〜イヤーゴの信条 プッチーニ/トスカ〜星はきらめき ヴァーグナー/さまよえるオランダ人〜舵取りの歌 ヴァルキューレ〜第一幕のフィナーレ ゲッダ、ポップ、トロヤノス、ガザリアン、グルベローヴァ、マルフィターノ、 ヒンターマイアー、エステス、アライサ、T・モーザー、キング、リザネク(以上独唱) ツァグロセク、ホルライザー、ビンダー、グラーフ&オーストリア放送響 ウィーン、ムジークフェラインザール。 ウィーンにゆかりの深い大歌手ロンドンを記念して行われたガラ・コンサート。 ロンドンはバイロイトでヴォータンを歌う筈だったが、 声帯の障害で引退を余儀なくされた大バス・バリトン歌手。 オケは放送響で、当時首席のツァグロセクを中心に四人の持ち回りである。 登場歌手は、当時の新鋭から大ヴェテランまで壮観で、ゲッダ(オッターヴィオとカヴァラドッシ)、 ポップ(スザンナとアラベラ)、グルヴェローヴァ(素晴らしいオリンピアとアントニア) などが目立つ。また、最後にヴァルキューレの第一幕のフィナーレが (冬の嵐は過ぎ去り、あたりから)ツァグロセクの指揮で通して演奏されており、 一昔前バイロイトを風靡した大御所二人=キングとリザネクの、 往年の声はないが貫禄の歌唱は、涙なしに聴けぬ素晴らしい記録である。 以上NHKで放送されたものだが、おそらく海外ビデオでも出ていたと思う。
ホーレソ&チェコフィルのブラ2&ドソファソって 咳とかオーディエソスノイズが聞こえないんだけど ホントにらイヴ録音?
あげ
1987年6月22日、ジュリーニ&ウィーン・フィル(独唱ボニー、A・シュミット) ブラームス/ドイツ・レクイエム ウィーン芸術週間、コンツェルトハウス。 ジュリーニ最高の名演のひとつ。 ジュリーニの演奏は、何があったのか80年代後半からものすごく呼吸が深くなり、 巨匠的な音楽になったと思う。翌年のブルックナー9番もそう(少し前の7番や、 ロス・フィルとの来日時はそうでもない)。 オペラを振っていた昔からだが、彼はこのような合唱付大曲の演奏に実に長けており、 放送でも数多く取り上げられている。ちなみに日本でのジュリーニ最後の(今のところ) FM放送も、ミサ・ソレムニスとヴェルディのレクイエムだった。 この演奏はDGが編集して出しているが、放送や裏青の方が余計な手を入れていない分、 より迫真的な音の仕上がりになっている。
↑面白いライブ録音を色々持ってるみたいだけど、これ、全部NHKの エアチェックとかなの?
73 :
この :04/06/23 02:00 ID:T/v7JLJ3
1961年6月23日、モーツァルト/フィガロの結婚 プライ(アルマヴィーヴァ伯爵)シュヴァルツコップ(伯爵夫人)シュッティ(スザンナ) タッデイ(フィガロ)マラグー(ケルビーノ)アールデン(マルチェリーナ)他 ジュリーニ&ハーグ・レジデンティ管 オランダ音楽祭、アムステルダム。 GLOBEから出ている、「オランダ音楽祭の50年」というCDに 終幕のフィナーレが5分ほど収録されている。このボックスセットは五枚組で 今もたまに見かける。各巻は、オペラ・歌手のリサイタル・現代音楽・オランダの現代音楽・ 客演指揮者とコンセルトへボウ、に分かれており、音楽祭の歴史を俯瞰する内容。 この演奏は他にveronaというレーベルから全曲出ていたようだが、 詳細は不明。数年前にも妙なベルギーのレーベルから抜粋盤が出るなどしている。 音質はこの後の「セビーリャの理髪師」(これは明らかに個人のエアチェック、gala) よりも格段に良いので、放送局のものか。 演奏自体は活力に溢れ、生き生きとして素晴らしい。特にタッデイのフィガロが、上手い。
>>72 特に出典をあげてないのはFMのエアチェックですよ。
でも、テープの管理が悪かったので、聴けなくなったものもあります・・・。
1992年6月25日、アルノンクール&ロイヤル・コンセルトへボウ管 シューベルト/交響曲第2番、 シューベルト(ブラームス編)/冥府から来た群れ、 メムノン、ひめごと、御者クロノスに、 シューベルト/交響曲第6番 ホーエネムスのシューベルティアーデ、フェルトキルヒ、モントフォルトハウス。 全集を完成させたコンセルトへボウと、 シューベルティアーデで行った交響曲全曲演奏の二日目。 大ハ長調メインの最終日以外は、各日グルベローヴァ、ベーア、シュライアーとの 歌曲などが演奏されている。
76 :
名無しの笛の踊り :04/06/24 18:31 ID:XthEORuW
itumootu
間違って一日ずれたので、前日分です。 1985年6月24日、シャイー&ベルリン放送(現ベルリン・ドイツ)響 ベートーヴェン/合唱幻想曲、 ピアノ協奏曲第2番、 交響曲第7番 ベルリン、リアス放送協会大ホール。 FMライヴだが、シャイーはこの時期、NHKに本当に頻繁に登場していた。 FMの担当者はシャイーマニアか?と思った位である。 ここでのベートーヴェン・プロは、ラローチャの協奏曲が小気味よく爽やかで素晴らしいが、 7番は音響バランスがややゴチャゴチャしており、意外にリズムも重く、 ドンジャカ気味である。しかし熱っぽく訴えかけてくるものがあるので、嫌いではないが。 なおピアノ協奏曲第2番は、アルゲリチとの共演も放送された(メインはラフマニノフ2番)。
1987年6月26日、マリナー&シュトゥットガルト放送響 (独唱マーシャル、フェルミリオン、ブロホヴィッツ) モーツァルト/フリーメイソンのための葬送の音楽、 モテット「踊れ、喜べ、幸いなる汝の魂よ」、 カンタータ「悔い改めるダヴィデ」 ニュルンベルク国際オルガン週間、聖ローレンツ教会。 FMマニアにとって、マリナーのシュトゥットガルト着任はどうだったのだろうか。 頻繁にチェリビダッケや、ベルティーニなどの超名演を聴いてきた耳からは、 不満もあろうことは、容易に想像できる。 私はまあ、好意的に評価している。この人のお陰でこの珍しいカンタータや、 ルーカス・フォスと南西ドイツ以来のブルックナー0番も聴けたのだから。 また、シューマンの「ライン」やラフマニノフの2番など、 通常レパートリーでも意外に聴かせていた。 この後シュトゥットガルトはジェルメッティ時代に入り、 またいろいろと名演を聴かせることになる。
1973年6月27日、サヴァリッシュ&NHK響 (独唱トモヴァ・シントフ、荒、ヴィンクラー、ヘルマン) ベートーヴェン/大フーガ、 交響曲第9番「合唱付」 東京、NHKホール。 NHKホールの杮落とし公演のひとつ。 サヴァリッシュはN響名誉指揮者の一人だが、 渋谷では安全運転、などと貶されてもおり、事実中には真面目すぎて燃えない演奏もある。 しかしこれは物凄い演奏。オケも燃えたぎっており、あのサヴァリッシュが 唸り、煽り、全身全霊で楽員を奮い立たせている。 これを何気に聴いて、彼への見方が変わった。素晴らしく感動的。年末には聴けない第九だ。 余談だが、解説の柴田南雄翁が、アナウンサーに「年末といえば第九ですが・・・」 と振られ、苦り切っているのが微笑ましい。また、この頃から年末=第九なのか、 と意外だった。
1987年6月28日、小澤&ベルリン・フィル ヴェーバー/「オイリアンテ」序曲 ヒンデミット/シンフォニア・セレーナ ベートーヴェン/交響曲第8番 フィルハーモニー定期。 この時期のBPOは、カラヤンに鍛え上げられた精妙なアンサンブルの凄まじさと共に、 彼から離れた自由さが感じられ、このオケの歴史の中でも有数の黄金時代だと思うが、 これはそのことをまざまざと実感させてくれる演奏のひとつ。 なかでもティンパニのフォーグラーが強烈。ベートーヴェンなど、キレのある隈取りで、 演奏全体を完全にリードしているのが手にとるように分かる。 チェリ時代のミュンヘン・フィルの名ティンパニ、ザードロもそうだが、 この二人は聴いていて彼らだと分かるのが凄い。 小澤はこの頃頻繁にBPOに客演しているが、後のサイトウ・キネンとの薄味の ベートーヴェンではなく、オケが違えばここまで違うのか、 と驚くほどの重量級演奏を行っている。 また、シンフォニア・セレーナのライヴ録音は 他にケンペのものがあっただけで、珍しい。
1990年6月29日、ジェルメッティ&シュトゥットガルト放送響 マーラー/交響曲第9番 シュトゥットガルト、リーダーハレ内ベートーヴェン・ザール。 ジェルメッティのマーラーは珍しい。シュトゥットガルトのオケがこの当時、 ベルティーニに(客演で)相当仕込まれているので、 演奏は彼の影響も感じさせるような感覚美の方向を向いたものではある。
1993年6月30日、テミルカーノフ&サンクト・ペテルブルク・フィル (独奏ヴェンゲーロフ) チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 交響曲第5番 東京、サントリーホール。 テミルカーノフが音楽監督になって二度目の来日公演で、 20日から五夜に渡り、サントリーホールで交響曲全曲演奏を行った最終日のライヴ。 他に堤剛とロココ変奏曲、ヴィルサラーゼとピアノ協奏曲、1812年や マンフレッド(スヴェトラーノフと同じく、救済で終わらないカット版使用)までも演奏、 意気込みが伝わる熱い演奏になっている。この時期はまだオケにもムラヴィンスキー時代を 知る楽員が多数いたと思われるが、結果としてテミルカーノフとも上手く合わせているようだ。
1985年7月1日、若杉&北ドイツ放送響(独奏パイネマン) プフィッツナー/ヴァイオリン協奏曲 チャイコフスキー/交響曲第4番 ハンブルク、ムジークハレ。 若杉は70年代から欧州に登場しており、ケルンやドレスデン、チューリヒでも ポストを手にしており、ケルンとドレスデンとは来日公演が放送されていた。 NDRとのこれは客演時のライヴ録音。チャイコフスキーが熱を帯びて素晴らしい。
1993年7月2日、ネーメ・ヤルヴィ&スイス・ロマンド管 (独奏ジェフリー・トザー) ストラヴィンスキー/カプリッチョ、三楽章の交響曲 ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール。 1993年のシーズンの最後に、スイス・ロマンドはオール・ストラヴィンスキー・プロ を組んだようだ。放送後、レコ芸の海外盤試聴記に、おそらく同時に録音したと思われる このコンビのストラヴィンスキー・アルバム(確かレーベルはシャンドス)が紹介されている。 放送では上記の他、ペトルーシュカ、交響曲第1番、うぐいすの歌、ハ調の交響曲、 ヴァイオリン協奏曲、詩篇交響曲が6月18・23・29日に行われた演奏であることが分かる。 また、CDで紹介されたエディプス王や春の祭典は、時間の都合か何かで放送には 乗っていない。残念なことだ。 演奏はヤルヴィらしく手慣れたもので、リディァ・モルコヴィチとのヴァイオリン協奏曲や、 ペトルーシュカ、地味な交響曲第1番は折に触れよく聴く。
86 :
名無しの笛の踊り :04/07/03 05:57 ID:drpFMcLU
87 :
名無しの笛の踊り :04/07/03 11:28 ID:0XLXJck1
1990年7月3日、バーンスタイン&PMF管 シューマン/交響曲第2番 会場失念、札幌か東京。 バーンスタイン最晩年のライヴ。前年のシュレスヴィヒ=ホルシュタインの オケなど、若手育成に努めだしていたレニー。音楽自体から、最晩年の危うさが 聴き取れる。リアルタイムに聴いたときは、おいおいシューマンの交響曲かよ、ってくらい 異質に聴こえたが、今は当時のレニーの偉大さを偲ぶ、大事な宝物。
1997年7月4日、ヴァーレク&チェコ・フィル(独奏ウゴルスキ) スメタナ/シャールカ プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番 スクリャービン/左手のためのピアノ小品〜第2番「夜想曲」 ドヴォルザーク/交響曲第5番、スラヴ舞曲op72-7 キッシンゲンの夏音楽祭、バート・キッシンゲン、レゲンテンバウ。 先日の7番(プラハ放送響)もなかなかだったヴァーレクは、FMでもよく登場し、 お国物に名演を聴かせる。5番は放送がかなり珍しく、80年代にノイマンがルツェルン で取り上げて以来のような気がする。尤も1〜4番など放送さえないのだが。
1951年7月5日、ストコフスキー&アムステルダム・コンセルトへボウ管 ベルリオーズ/ローマの謝肉祭 ブラームス/交響曲第2番 ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲 ファリャ/火祭りの踊り オランダ音楽祭、アムステルダム、コンセルトへボウ。 これもジュリーニの「フィガロ」断片と同じ、GLOBEのCDに「牧神」のみ 収録されているもの。この日は全曲放送局が録音しているようだが、 私はその存在を知らない。どこからか出ているやも。 ストコフスキーは、この年、まず英国でロイヤル・フィルと共演、 その後オランダ音楽祭で上記コンセルトへボウと一度、 その前にもハーグ・レジデンティ管に一度、客演しており、その後ミュンヘンに 立ち寄ってバイエルン放送響、リスボンにも客演し欧州ツアーを終えているようだ。
1997年7月6日、ブロムシュテット&北ドイツ放送響 シェーンベルク/期待(独唱K・アームストロング) マーラー/交響曲第1番「巨人」 リューベック、音楽会議場。 多分シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭。ブロムシュテットはゲヴァントハウスへの 転出が急遽決まったため、NDRとの関係は短命に終わっており、ライヴ録音もそう多くない。 「巨人」は、N響との5番のときも思ったが、 彼がマーラー向きではないように思えるくらいのアッサリ演奏。
>>90 全曲、NM Classicのコンセルトヘボウ放送音源集vol.2に収録されている。
ベルリオーズとドビュッシーはAudiophileの廉価盤でも出ている。
93 :
名無しの笛の踊り :04/07/06 22:48 ID:f+2EkDeH
良スレあげ。資料として一級品。 365日続いたら単行本にしる。
1995年7月7日、トゥルノフスキー&プラハ響(四手ピアノ タル&グロートホイゼン) スメタナ/「売られた花嫁」序曲 チェルニー/四手と管弦楽のためのピアノ協奏曲 ドヴォルザーク/交響曲第7番 ケルンテンの夏音楽祭、フィラッハ、コングレスハウス。 これは初めて聴いた頃から、ドヴォルザーク7番の最高の演奏だと思っている。 FMではハイティンクがBPOと二度(79・92年)取り上げており、これもいいが、 トゥルノフスキーの、スタイリッシュな音響設計とサクサク感あるテンポ設定 の中にふと垣間見られる、ほのかながらも熱い同国人作曲家へのシンパシーが、 楽章を重ねるにつれ絶叫となりうねりまくるさまは、本当に只事でなく、 単なる「お国もの」演奏、として語り捨ててはならない共感に溢れていると思う。 トゥルノフスキーはアンチェル、セルに師事しているが、あまり録音・放送にも恵まれず、 記憶ではこの前後にマルティヌーをメインとした演奏会の放送があっただけだと思う (FM東京)。しかし最近大阪のオケに客演し、「新世界から」が久方振りに放送された。 今年は近年関係の深い、群響を振る予定がある。
>>92 補足感謝です。やっぱ出てましたか。
そういえば1960以降はいつ出るんですかね? NM Classic。
>>93 ありがとーございます!一年は…微妙。
1980年7月8日、マゼール&フランス国立管 ストラヴィンスキー/春の祭典 パリ、シャンゼリゼ劇場。 マゼールはウィーン国立オペラに転出するまで、クリーヴランドと このフランス国立の指揮者を兼任しており、両者とも来日公演は NHKで放送されている。 この頃は彼にとって若き鬼才から、巨匠への脱皮期である訳だが、 そんなことを微塵も感じさせぬマゼール節は健在。この春祭も、 妙なデフォルメ尽くしで異常さ満点である。 この演奏会は日本ではこの曲のみが放送された。
マゼールの「春の祭典」はウィーンフィルとの録音(デッカ)もありますが、 すさまじいですね。特に第2部の終わりの方が実に独特。初めて聞いた時は ひっくり返りましたが、これはこれで面白い演奏だと思いました。
1992年7月9日、ラインスドルフ&バイエルン放送響 プフィッツナー/パレストリーナ〜三つの前奏曲 R・シュトラウス/男声合唱と管弦楽のための連作「一日の移ろい」、 家庭交響曲 ミュンヘン、フィルハーモニー・ガスタイク。 ラインスドルフ(1912−1993)の最後のFM放送。実に渋いドイツ音楽三曲が並ぶ。 晩年は客演で悠々自適の感のあるラインスドルフだが、特に80年代以降は その都度名演を残している。BPOとのブラームスのピアノ四重奏曲編曲版やマーラー3番、 VPOとのリンツ、シューマン2番、ここバイエルンではorfeoから突如出たマーラー6番が 毒気はないが端正な名演だった。 ここでも自然にオケを呼吸させ、無理なく歌わせており、メトで嫌われた昔と違う 余裕とおおらかさを感じる。この演奏で苦手だった家庭交響曲が好きになった。 故三浦淳史氏もレコ芸の連載でこの時期のラインスドルフの飄々ぶりを、 好意を持って評していたのを思い出す。
>>97 ありがとうございます。
ゲルギエフが出るまでは、春祭の一番の壮絶演奏だったですね。
関係ないですが久々の連休なので、今日は買い逃してたCDをいろいろ買ってきました。
BBC3枚(リヒテル・ケンプ・ビーチャムのシベリウスプロ)と
scoraのラインスドルフ&NYPのロシア公演、accordのレヴィ指揮ニールセン。
すべてライヴ録音…。
レヴィのニールセンといえばNHK-FMの「西ドイツの放送交響 楽団シリーズ」でやってた南西ドイツ放送響との「不滅」が 懐かしいです。87年5月29日の演奏会なので、たぶん翌年の夏 頃オンエアしたのだと思う。鳴りっぷりの良い元気印の演奏 で大喜びした記憶があるのだが、もうずいぶん聞いてない。 accordのCDって、まさかそれじゃないですよね。
1994年7月10日、アルノンクール&ヨーロッパ室内管(推定) モーツァルト/ミサ・ブレヴィスニ長調 ハイドン/スターバト・マーテルト短調 スタンツ、シュテフツ教会。 この時期は音楽シーズンも終わり、夏の音楽祭待ちなので、一年で最もキツいです。 所蔵音源にこの日付のものがありません(T-T)・・・なので、NHK-FMの放送記録から。
>>100 おお!CD見つけたとき同じ想いでしたよ、いやマジで。
あの「不滅」は私も好きな演奏です。前プロでバルトとラフマニノフもやってますよね。
CDは01年モンペリエ国立管とのライヴでヴァイオリン協奏曲(マルコヴィチ)と
交響曲第1番です。
1番は個人的にちょっと思い入れがありまして、ライヴはなかなかないので即買いました。
レヴィは何年か前のモントリオールとの「巨人」も元気良くて好きだなぁ。
1997年7月11日、ゲルト・アルブレヒト&バンベルク響 (独奏F・P・ツィンマーマン) ヴェルディ/「運命の力」序曲 チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ベートーヴェン/交響曲第7番 キッシンゲンの夏音楽祭、バート・キッシンゲン、レゲンテンバウ。 アルブレヒトの名曲コンサートは珍しい。オケとの相性がいいのか、 響きは充実している。しかし、それほど熱くはならない。 おそらく徹底したイン・テンポがそうしているのだろうが、 何かもう一味足りない感がある。 ツィンマーマンのチャイコフスキー協奏曲は、この数年前にも同音楽祭・同会場で マゼール&バイエルンと共演しており(BS放送)、聴き比べもできるが、 マゼールと丁々発止の名演奏だったそれよりは、微温的に聴こえるのは仕方ないか。
1986年7月12日、ロジェストヴェンスキー&ソヴィエト国立文化省響 (独奏ポストニコヴァ) グリンカ/幻想曲「カマリンスカヤ」 シュニトケ/ピアノ協奏曲 チャイコフスキー/交響曲第4番 ショスタコーヴィチ/ボルト〜博労の踊り 東京文化会館。 ソ連文化省響(1982−92)の初来日公演。ロジェストヴェンスキーがBBC響の ポストを辞したほどの肝いりで指揮者に就任し、当時のソ連文化省の威信を賭け 創設されたこのオケだが、世界情勢の激変に伴うソ連崩壊であえなく消滅した。 今聴いても金管打の凄まじさは他のロシアオケと比べても遜色なく、 ライヴの熱さも加わって壮絶な演奏になっている。 ロジェストヴェンスキーのチャイコフスキー4番は、BBCregendsのライヴが 最近出直してこれも素晴らしくうるさい。いずれも音響芸人ロジェヴェンの 面目躍如だ。アンコールのボルトからの小品は、PRAGAからチェコ・フィルとの ライヴがある。 しかしほとんどの演奏会で嫁がピアニストというのは面白い。パリでのブゾーニの ピアノ協奏曲も放送されたことがあるが、こんな曲までも嫁に弾かせている!
ロジェベン&文化省といえばFM横浜の「ワールドオーケストラ ライブセレクション」でやってた「春の祭典」が懐かしい。87 年12月9日チャイコフスキーホールでの演奏。そのあまりに鈍 重なリズムに驚いた記憶がある。全員の踊りのラストではオケ が崩壊気味になり、最後の一撃もぐぁーしゃんっという感じ。 スマート&スピーディな演奏に慣れてた耳には衝撃的でした。 以来、いつの日かロジェベンで生ハルサイをと願っていたが、 今秋ようやく願いが叶いまつ。 なお、放送ではソビエト・フィルとして紹介されていました。
>>101 亀レスですけど、7月10日にはこんなのがあります。
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番、「魔笛」の主題による7つの変奏曲
カザルス(vc), コルトー(p)
58年7月10日 プラド・カザルス・フェスティヴァルでの録音
[Music and Arts]
1983年7月13日、マタチッチ&ザグレブ・フィル(独唱コヴァーチ) ヴァーグナー/さまよえるオランダ人〜序曲 タンホイザー〜第三幕の序奏 トリスタンとイゾルデ〜前奏曲と愛の死 神々の黄昏〜抜粋 ドゥヴロフニクの夏国際音楽祭、レヴェリン砦。 マタチッチはFM海外ライヴでヴァーグナーコンサートが二度放送されている。 上記ザグレブ・フィルとブダペスト響だが、こちらは解説の金子健志も言っている通り、 ホールの音響がよくなく、音が乾いているためヴァーグナーを楽しむには十分ではない しかしFMマニアにとってはブダペストの超劇的な「黄昏」と共に、 この時期のマタチッチの大活躍は忘れ難いものだろう。 ザグレブ・フィルとの自主制作盤でブルックナー7番と組み合わされていた、 「トリスタン」は、この演奏であるかどうか不明。
>105 おお、それ持ってないですよ。 9月はプルチネルラとどっち行くか迷ってます。 >106 ありがとうございます。 そういう歴史的なやつを紹介できるようにならんといけません。 まだまだ不勉強。
1994年7月14日、シュタイン&バンベルク響(独奏ブフビンダー) ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第2・3・4番 ケルンテンの夏音楽祭、フィラッハ、コングレスハウス。 バンベルク響の演奏会は、本拠地での演奏よりも圧倒的にビジターが多い。 ドイツでは珍しく?放送オケではないせいもあるのだろうが、夏の音楽祭の シーズンや来日公演などで、たまさかに登場し渇きを癒してくれる。 上記は13・14の両日に渡りブフビンダーと組んだもので、前日は1番と5番が 演奏され、全曲が紹介された。他にツィクルスとして放送されたものには、 70年代中頃のギレリス&マズア&ソヴィエト国立、83年ベルリン芸術週間の ブレンデル&D・R・デイヴィーズ(綴りがDaviesなのでこっちが正しいのでは) &BPO、があるので、ほぼ10年に一度はFMでやってくれる!?、ということになる。 時期的にはそろそろである。 演奏はシュタイン・ブフビンダーとも壮大なものではないが、全曲通して小気味よく 爽快で、なかなか聴かせる。 600番台なので、ちょっと上げてみる。
すごいスレだ。
111 :
名無しの笛の踊り :04/07/14 09:53 ID:18dosIIz
111!!!
1983年7月15日、カガン(vn)&ロバノフ(pf) ドヴォルザーク/四つのロマンティックな小品 クフモ室内音楽祭(フィンランド)。 LiveClassicsのCD。89年のブラームスのピアノ四重奏曲と併せて出ているもの。 このレーベルはカガンを始め、リヒテル、グートマン、ヴィルサラーゼなどロシアの 実力者たちのライヴ録音を数多くリリースしてくれた。 特にカガンには力を入れており、この早世したヴァイオリニストの全貌がよく分かる。 個人的には上記クフモでの実況と、 フォンクと共演したベルクのヴァイオリン協奏曲が気に入っている。
1968年7月16日、ジュリーニ&ニュー・フィルハーモニア管 (独唱ツィリス・ガラ、ヘフゲン、ティアー、アリエ) ベートーヴェン/ミサ・ソレムニス ロンドン、セント・ポール大聖堂。BBClegendsのCD。 前述したようにジュリーニは声楽付き大曲を好む。このミサ・ソレムニスも 確認しただけで5種の音源がある。 @'68ニュー・フィルハーモニア管 上記 A'69ローマRAI響 ARKADIAのライヴCD B'75ロンドン・フィル EMIの正規盤 C'77ベルリン・フィル FMライヴ(裏青あり) D'98スウェーデン放送響 FMライヴ(裏青あり) ジュリーニのこの曲に関してはどれにも言えることだが(但しAは未聴)、 68年のロンドン・ライヴは、響きの強い大聖堂での録音でもあり、この時期の ジュリーニにしては珍しく悠然とテンポを取って噛みしめるように進む。 そのためか晩年のような呼吸の深い、息の長い音楽になっており、実に感動的だ。 それが会場の聴衆にも伝わるのか、ロンドンっ子も粛然と聴き入っている。 また、大聖堂での演奏なので、演奏後の拍手はない。 ソリストの中では、大エールダ歌手のヘフゲンと、サヴァリッシュの「リング」で 素晴らしくノーブルなローゲを演じたティアーが出色。
すごいスレだ!
1987年7月17日、ロジェストヴェンスキー&ボストン響 (独奏ポストニコヴァ) アレンスキー/チャイコフスキーの主題による変奏曲 シュニトケ/ピアノ協奏曲 チャイコフスキー/弦楽セレナード ボストン郊外、バークシャー・フェスティヴァル。 FM横浜の音源。ロジェストヴェンスキーはこの年7月にシベリウスの2番をメインとする プロ(確か定期)と、この夏のフェスティヴァルで二度ボストンを振っているようだ。 ここでは弦楽の活躍する二曲を中心に、ムードたっぷりに濃厚に歌い上げている。 と思ったらまたぞろ嫁が(ry
1980年7月18日、ベーム&ウィーン響 (独唱ローレンガー、シュヴァルツ、ラウベンタール、ウィンベルガー) ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付き」 ブレゲンツ、祝祭劇場。 80年のブレゲンツ音楽祭開幕コンサート。 ウィーン響はこの音楽祭のレジデンツ・オーケストラのようなもので、 期間中はオペラにコンサートに大活躍する。 ベームは逝去のほぼ一年前で、これは最晩年の第九になるわけだが、 73年VPOとのニコライ・コンサートでの凄絶な演奏とともに、十分記憶に残る 素晴らしい演奏である。全篇、カクシャクとしながらもほのかに熱さを帯びた 雰囲気があり、特に第三楽章以降は見事だ。 彼の第九は63年のDOB来日ライヴ(ポニーキャニオン)が入手難でもあり有名だが、 同年のバイロイトでの実況があり(ヴァーグナー自身、フルトヴェングラー、ベーム、 ティーレマンしか振っていない)、これこそ是非聴いてみたいものだ。
バイロイトでの第9は、R・シュトラウスとヒンデミットも振ってるはず。
おお!スイマセンスイマセン!私としたことが。 お詫びにバイロイト第九の演奏記録を。 1872 R・ヴァーグナー指揮 独唱マリー・レーマン、ヤッハマン・ヴァーグナー、ニーマン、ベッツ 1933 R・シュトラウス指揮 フラグスタート、ナイツァー、ヴォルフ、ボッケルマン 1951 フルトヴェングラー指揮 シュヴァルツコップ、ヘンゲン、ホップ、エーデルマン 1953 ヒンデミット指揮 ニルソン、マラニウク、デルモータ、ヴェーバー 1954 フルトヴェングラー指揮 ブラウエンシュティン、マラニウク、ヴィントガッセン、ヴェーバー 1963 ベーム指揮 ヤノヴィツ、バンブリー、トーマス、ロンドン 2001 ティーレマン指揮 マギー、ブレーツ、ディーン・スミス、ホル やっぱりベームは聴いてみたい。できることならヴァーグナーとシュトラウスも。 どっちも歌手が凄い。
1978年7月19日、マゼール&フランス国立管(独奏イヴォンヌ・ロリオ) ラヴェル/スペイン狂詩曲 メシアン/忘れられた献げもの 鳥の目覚め クロノクロミー 東京、日比谷公会堂。 66年にミュンシュ(+セバスティアン、ル・ルー)に率いられて初来日、 以来改組してマゼールを指揮者に迎え、久々の来日となったもの。 ベルリオーズ(幻想、イタリアのハロルド等)、メシアン(この他大曲 「主イエス・キリストの変容」)をメインに、ラヴェルやドビュッシーを 絡める意欲的なプログラムだった。 この日は一曲目意外は全てメシアンの中篇を持ってきており、今からすると 隔世の感がある。
1993年7月20日、リットン&ボーンマス響(独奏タスミン・リトル) ウィリアム・シューマン/ニュー・イングランドの三部作 ウォルトン/ヴァイオリン協奏曲 チャイコフスキー/交響曲第4番 バーンスタイン/管弦楽のためのディヴェルティメント〜行進曲 プロムス、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール。 この夏もプロムスが始まった。毎晩のコンサートが国営放送によって 放送される、というのを初めて聞いたときは、こんな国に生まれるんじゃなかったと、 激しくうらやんだものだ。 これは若き日のアンドルー・リットンの演奏会。確か前年のプロムスのライヴも NHKで紹介されており(フランクのシンフォニーがメインだった)、期待されてる人 なのかな、と思ったものである。演奏は生硬な面もあるが、勢いで押していく。 何よりイギリスの聴衆の独特?な熱気を感じる。
121 :
名無しの笛の踊り :04/07/20 16:03 ID:5FDrBLEA
FM東京系列で放送された「シンフォニーホール・フロム・ヨーロッパ」の 放送内容・期日を放送時系列で最初から最後まで並べて下さい。 お願いします。
>>121 えっ!? 釣りですか??
週一度で十年以上放送されてたんだから絶対無理ですよ〜。
それに録音してないのも多いし…。
今日は三本立てで。 1987年7月21日、サン・サーンス/サムソンとデリラ リポヴセク(デリラ)コッスッタ(サムソン)フォンダリー(ダゴンの大僧正) ビッソン(アビメレク)シュタム(ヘブライの長老)ザハリア(ペリシテの使者) カンブルラン&ウィーン響 ブレゲンツ音楽祭、祝祭劇場。 FM音源だが、CDでもkochから出ていたようだ。 演奏は水準に達していると思うが、galaから出ていたフルネと ヴィッカーズ+ドミンゲス+ブラン、というある意味凄いキャストのライヴが この曲のデフォなので、イマイチ食い足りないものもある。 バッカナールなどライヴ的な盛り上がりは十分にあるのだが。 カンブルランはまだこの頃はマイナー指揮者だった。この時期もザルツの モーツァルトマチネーには出ていた記憶があるが、十年前の音友の指揮者名鑑 にさえ名前が載ってない!この後モルティエの引き立てでザルツなどに 本格的に登場し、頭角を現すことになる。
1972年7月21日、ヴァーグナー/タンホイザー ベレスフォード(タンホイザー)グウィネス・ジョーンズ(エリーザベト& ヴェーヌス)ヴァイクル(ヴォルフラム)ゾーティン(領主ヘルマン)エク (ヴァルター)マツーラ(ビテロルフ) ラインスドルフ&バイロイト祝祭管 バイロイト、祝祭劇場。 72年の開幕公演。ラインスドルフは59年に「マイスタージンガー」を振って以来の登場。 ゲッツ・フリードリヒの演出が批判にさらされ、演奏後のブーイングも凄まじい ものがある。 演奏自体は、ヒュー・ベレスフォードの外題役がやや非力だが、若き ヴァイクルやゾーティン(領主ヘルマンは9年連続、89年まで)が素晴らしい。 また、ヴェーヌスとエリーザベトの二役を初めて一人の歌手に振る試みがなされ、 ジョーンズも健闘している。この配役はバイロイトでは他にマルトンが やっているだけである。 ラインスドルフの指揮も勘所を押さえた見事なもの。59年の演奏も含め、 メトで嫌われたというのがにわかに信じがたい位だ。 NHKでは演奏後、柴田南雄と飯守泰次郎(当時バイロイトで練習指揮者) の対談も併せて放送された。
125 :
名無しの笛の踊り :04/07/21 06:09 ID:OeVweKgJ
>>107 >ザグレブ・フィルとの自主制作盤でブルックナー7番と組み合わされていた、
>「トリスタン」は、この演奏であるかどうか不明。
ザグレブフィルでなくスロベニアフィルで1973年ライブで全く別の演奏だよ
>125 勘違い失礼しました。
1967年7月22日、ヴァーグナー/ラインの黄金 アダム(ヴォータン)ニーンシュテット(ドンナー)エッサー(フロー)ヴィントガッセン (ローゲ)ナイトリンガー(アルベリヒ)ヴォールファールト(ミーメ)ブルマイスター (フリッカ)シリヤ(フライア)リッダーブッシュ(ファーゾルト)ベーメ(ファーフナー) ヘフゲン(エールダ)D・ジーベルト、デルネシュ、S・ヴァーグナー(ラインの乙女) スイトナー&バイロイト祝祭管 バイロイト音楽祭、祝祭劇場。 67年の「リング」はベームが全曲振り通す自信がなく、「ライン」と「ジークフリート」 をスイトナーが振り、「ヴァルキューレ」と「黄昏」をベームが担当した。 前年は初日のみベームが全曲、あとの三ツィクルスはスイトナーが担当しており、実質 ベームがこの65年からの「ヴィーラント・リング」を全曲振ったのは 意外にも三度だけである。 この時期のバイロイトはヴィーラントが66年10月に亡くなり、歌手陣も ヴォールファールトがこのあと亡くなり、シリヤがヴィーラントの愛人疑惑で追放、 往年の名歌手たちも力の衰えから徐々に世代交代が進んでいた頃で、 激動の時代であったといえる。 しかし、演奏自体はまことに気合が入っており、そんなことを微塵も感じさせない。
test
1974年7月23日、R・シュトラウス/サロメ リザネク(サロメ)ホップ(ヘロデ王)ヴァールナイ(ヘロディアス) ロアル(ヨカナーン)H・ホフマン(ナラボート)ヴェーヴェツォウ(小姓)他 ケンペ&バイエルン国立管 ミュンヘン、バイエルン国立歌劇場。 おそらくミュンヘンオペラ祭のライヴ。ケンペの「サロメ」は、GMから翌年の上演の ものも出ている(リザネク以外はヴィッカーズ、ヘッセ、ステュアートと、キャストが まるで違う)。 演奏はリザネクの体当り的絶唱がやはり素晴らしく、H・ホフマンのナラボートも 男らしいのが逆に倒錯感を強く感じさせてよい。当時ミュンヘンでヴォータンを 歌っていたらしいロアルのヨカナーンもなかなか深々とした声だ。ホップのヘロデは ベームのライヴ盤(RCA)でも歌っているが、退役ヘルデン・テノールの余技のそしりを 逃れない。やはりこの役はシュトルツェかヒースターマン、ウールなど力のある 性格俳優で聴いた方が、ピカレスクな雰囲気も倍増していい。 ケンペの指揮はまた素晴らしく、七つのヴェールの踊りを始め全曲が官能のうねりに 満ちており、終景の爆発ぶりなども凄まじい。 余談だが、68年頃のレコ芸にミュンヘン音楽祭レポートが載っており、カイルベルトの 急死によりこの年もケンペがサロメを振ったようだ。ヴァールナイやH・ホフマンは この頃から上記の役を得ており、他にシュトルツェ、ネッカー、ファスベンダー、 サロメはグニラ・アフ・マルムボルクという人だったようだが、詳しいレポートに 心惹かれた。音源があれば激しく聴いてみたいものだ。
>>121 気持ちわかりますよ。私もこの番組のファンでした。田中美登里さんの
爽やかなナレーションが早朝にぴったりでした。で、この日はと言えば、
ある夏休みに「夏休みスペシャル/幻のライヴ」と題されてシリーズ放
送された中のストコフスキー指揮BBC響のプロムスライヴが懐かしい。
1963年7月23日のロイヤルアルバートホール。青少年の管弦楽入門、ベ
ト7、展覧会の絵がカセットテープに残っている。こんなにアッケラカ
ンとやりたい放題やってもらうと気持ちいいですね。アオカンが特に良
いなあ。確か、BBCレジェンドでCD化されていたと思いまつ。
>130 ストコフスキーの演奏は23日でしたか。私はベートーヴェン7番だけあります。 この番組には私ももちろん思い入れはありますが・・・、放送時系列順に 最初から最後まで、というのはちょっと辛すぎるし、 ここでFM東京の音源も紹介して行きますんで、それでもいいですか。 個人的には90年代に紹介され始めたザールブリュッケン放送響のいくつかは、 宝物です(ヘンゲルブロックとビルスマとか、若杉のエロイカ、カンブルランも 田園やってたなぁ)。
132 :
名無しの笛の踊り :04/07/24 08:39 ID:r6/F4wqN
>>129 >余談だが、68年頃のレコ芸にミュンヘン音楽祭レポートが載っており、カイルベルトの
>急死によりこの年もケンペがサロメを振ったようだ。
同じくカイルベルトの代役でマタチッチが、この年「指環」を指揮したと伝え聞き
ましたが録音は残ってないのですか?せめて配役は判らないでしょうか?
>132 実を言いますとね、マタチッチスレの82など私の書き込みなんですよ。 色々と当時の資料など、図書館に調べ物をしに行ったり、 サイトを検索したりしたんですが、 マタチッチリングの配役・音源の有無(あると思いますが)に 関してはまだ分からないことが多いです。 このところ忙しすぎて調べ物に時間をあてることができないのですが、努力してみます。 検索してたら1960年にシカゴ・リリック・オペラで振った「ヴァルキューレ」 の配役が出てきました。 ブラウエンシュティン(ジークリンデ)ヴィッカーズ(ジークムント) ホッター(ヴォータン)ニルソン(ブリュンヒルデ)ルートヴィヒ(フリッカ) ヴィルダーマン(フンディング) あと6年待てば出てくれるのか? しかしどなたかいませんかね?リングの配役だけでも分かる方・・・。
1956年7月24日、モーツァルト/ドン・ジョヴァンニ シエピ(ドン・ジョヴァンニ)フリック(騎士長)グリュンマー(ドンナ・アンナ) シモノー(ドン・オッターヴィオ)デラ・カーザ(ドンナ・エルヴィーラ) コレーナ(レポレッロ)ベリー(マゼット)シュトライヒ(ツェルリーナ) ミトロプーロス&ウィーン・フィル ザルツブルク音楽祭、フェルゼンライトシューレ。SonyClassicalのCD。 夏の目玉、ザルツもついに開幕。ドン・ジョヴァンニはフルトヴェングラーが この音楽祭で担当していたが、逝去によりミトロプーロスに代わり、これはその初日の ライヴ録音である。 演奏はフルヴェン譲りの引き摺るような重厚なもので、デモーニッシュな雰囲気さえ 漂う。しかし、オケがウィーン・フィルなので、張り詰めた中にもモーツァルトの 繊細なニュアンスは失われておらず、名演とはかくの如し、である。 歌手ではシエピがやはり凄すぎ。地獄落ちの場面での、フリックとの問答は息詰まる ほどの素晴らしさ。
1973年7月25日、朝比奈&大阪フィル ベートーヴェン/「エグモント」序曲 交響曲第6番「田園」 交響曲第5番 民音演奏会、東京文化会館。 朝比奈翁の若かりし?頃の演奏。おそらく音源はFM東京の特別番組だと思うが、 確証はない。前日24日は同じ会場で第12回東京定期を開いており、R・シュトラウスの コンチェルティーノとブルックナー5番が演奏された。 この中で放送されたのはブルックナーとベートーヴェン5番で(他も放送されたかも しれない)、ブルックナーは時間の都合かスケルツォのトリオ以後がカットされている。 演奏はやや集中力に欠ける部分も散見されるが、総じて、東京定期という緊張感を エネルギーに変換した熱いもので、特にベートーヴェン5番の第四楽章(反復あり)は 物凄い迫力で迫ってくる。 私自身後年の演奏の熱烈な信奉者ではなく、この演奏も粗は探せば多いかも知れないが、 この時点でこれ程のスケールの大きい、熱い演奏をしていたことは、 やはり賞賛に値すると思う。
136 :
名無しの笛の踊り :04/07/25 09:42 ID:KQ2ZNo47
暑いところ誠にご苦労様です。 毎日読ませていただいております。ありがとうございます。 一言お礼が言いたくて。
137 :
名無しの笛の踊り :04/07/25 16:35 ID:Qnly9roT
明日の7月26日はザルツブルク音楽祭の名演が目白押しと思ひまつが、 何を紹介してくれるのでせうか? ザルツブルク以外でお考えとか?
>136 m(_ _)m まだまだ不束者ですがどうぞご贔屓に。ありがとうございます。 >137 う〜む・・・。直球と変化球?で。
1954年7月26日、ウェーバー/魔弾の射手 ペル(オットカール)チェルヴェンカ(クーノー)グリュンマー(アガーテ) シュトライヒ(エンヒェン)ベーメ(カスパール)ホップ(マックス)エーデルマン (隠者)デンヒ(キリアン) フルトヴェングラー&ウィーン・フィル ザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場。EMIのCD。 フルトヴェングラーの死の四ヶ月前の実況。オペラはこの後の「ドン・ジョヴァンニ」 が最後になる。EMIのCDはモノラルだが、ステレオの音源もあるようだ。 この頃の彼は枯れた演奏も多いようだが、この上演に関しては 実に音そのものが生きている。躁と鬱が、素晴らしく再現されている。 陰鬱且つ快活。本当に凄い演奏だと思う。 歌手では、ヘロデは今ひとつだったが、ホップのマックスが朗々として力強く、 やはりいいテノールである。腹に一物ありそうなベーメ男爵とのコンビは 最強ではあるまいか。
1968年7月26日、ヴァーグナー/ローエングリン リッダーブッシュ(ハインリヒ王)キング(ローエングリン)ハーパー(エルザ) マッキンタイア(テルラムント)ドヴォルジャコヴァー(オルトルート)ステュアート (伝令) エレーデ&バイロイト祝祭管 バイロイト音楽祭、祝祭劇場。 イタリア人でトスカニーニ、デ・サーバタに次いで登場したアルベルト・エレーデ (1909〜2001)の唯一のバイロイトでの演奏。この辺りは指揮者の変動が激しく、 特にローエングリン(とタンホイザーとマイスタージンガー)は、毎年のように 入れ替わっている(配役もやはりその傾向がある)。 エレーデの指揮は、現在でもシャイーやアッバードなどのドイツ物に聴かれる、 イタリア系特有の重心の軽いもので、前奏曲など独特の美しさを放つ。バイロイトに 慣れていないせいか、合唱とオケがずれたりもするが、ご愛嬌だろう。 リアルタイムでこの演奏を聴かれた古老の方々で、この演奏を褒められている方が おられない(三人ほど知っているが)のも、これらのためかと思われる。 歌手では、ハーパーはやや意見が分かれるだろうが、それ以外は皆よく、キング (67・68年のみ)が素晴らしく劇的な騎士を、リッダーブッシュも深く美しい声で 慈愛に満ちた王を聴かせてくれる。
141 :
名無しの笛の踊り :04/07/26 07:34 ID:1E4K1DPM
>>133 マタチッチの「ヴァルキューレ」といえば、ホッターの引退記念のパリ・オペラ座
のコンサートをマタチッチがドタキャンしたエビソートがあります。
>>134 当初はワルターに「ドン・ジョバンニ」を指揮してもらう予定だったが
高齢を理由にワルターが断りミトロプーロスが指揮したという
>>141 そのワルターは、モーツァルトのレクイエムをこの日振ってませんか?
143 :
名無しの笛の踊り :04/07/26 10:51 ID:ytyIVc6s
>>139 この魔弾の射手のステレオ録音の話、何か本でも読みますたが、
レーベル、入手可不可等詳細情報キボーンです。
145 :
144 :04/07/26 15:05 ID:6es/aZTB
ごめんなさい、これTDKオリジナルコンサートでした。逝ってきまつ。。。
1966年7月27日、ヴァーグナー/ヴァルキューレ キング(ジークムント)リザネク(ジークリンデ)アダム(ヴォータン) ニルソン(ブリュンヒルデ)ブルマイスター(フリッカ)タルヴェラ(フンディング) ベーム&バイロイト祝祭管 バイロイト音楽祭、祝祭劇場。 ヴィーラント存命中の最後の音楽祭から。フィリップスから出ているライヴ録音は、 おそらく65年とこの66年の三回の通し上演と67年のヴァルキューレ、黄昏から編集 されていると思うが(ラインゴールドは確実に66年第一ツィクルスが元)、少なくとも ヴァルキューレに関しては、ニーンシュテットがフンディングなので67年のものが 使われているようだ。 この年はついにバイロイトもステレオになったようで、充実した音で楽しめる。 ベームの指揮はヴァーグナーとしては異常にスタイリッシュな音響かつテンポを早めに取った ものではあるが、音に力があり驚くほどのテンションで一気に聴かせるので、クナ以降の ものでは専ら彼とサヴァリッシュを愛聴している。 歌手陣も第二次黄金時代、といったところでキング、リザネクのコンビは絶頂期にあり 最高。アダムも慎ましやかで理知的な父親像で絶唱と言え、何よりニルソンのブリュンヒルデ が素晴らしくみずみずしい。 ちなみにアダムは、50年代から端役や悪役でバイロイトに登場しているが、このツィクルスの ヴォータンで評価を不動にした。前述のロンドンのキャンセルがなければ、とも思うが 凄いのは68年にも「マイスタージンガー」のザックスをベリーの代役で歌っていることで、 今思うとあんたツキまくってるね、という感じだ。もちろん素晴らしいことだが。 欲を言えばロンドンのヴォータン(ショルティ、サヴァリッシュでラインのものは聴けるが) やベリーのザックスも、聴いてみたかった。
朝バタバタしながらだったのでレスに気付かず…orz いろいろと補足レスありがとうございます。 >141 ホッタードタキャン事件、詳細キボンです。 >142 それ持ってた・・・。 >143 確かRodolpheというレーベルだったと思いますが。C・クラウスのリング なんかも出てた。もう入手不可ではないかと。 >144 これは壮観ですね。違ってたとはいえ、乙です。
1974年7月28日、アッバード&ウィーン・フィル(独奏カーゾン) モーツァルト/ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」 ブラームス/交響曲第4番 ザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場。 アッバードは1965年にマーラー「復活」で、ウィーン・フィルとザルツに 鮮烈なデビューを飾っている。この頃には既にウィーンの常連で、定期や ウィーン芸術週間、ザルツにと毎年客演していた。73年には来日公演も果たしている。 このザルツのブラームスは、後の大成を予感さす名演。音が息づいており、 一気呵成に最後まで聴かせる。若々しく、激しく、気負いもなく、後年のベルリン・ フィルのものよりずっといい。ウィーン・フィルが本気で弾いている。
149 :
名無しの笛の踊り :04/07/29 08:01 ID:X56RS5hB
>>147 ホッタードタキャン事件
1972年.ホッターのオペラ引退公演のパリ・オペラ座「ワルキューレ」を
マタチッチがドタキャン、代役はアレクサンダー・ギブソンだったから演奏の出来は
ひどかったそうだ。マタチッチのキャンセルの表向きの理由は急病だったが
実はダブル・ブッキング、4人の奥さんと愛人が彼のマネージメントを取り仕切って
いたから、マタチッチにはしばしばこうしたハプニングがあった
>>116 ベームの第九のライブ録音に関して言うと、
Living Stageから出ているフランクフルト放送響とのが63年の日生劇場や
バイロイトのよりも良いと思います。熱気があり、録音も年代の割にいいです。
73年のニコライコンサートのは聞いていません。いつか耳にする機会があると
良いのですが。
7月29日があがらなかったけれど、 この日は、フルトヴェングラーのバイロイトの第九の日ですね。
>149 ありがとうございます。ギブソン代役ですか…。意外と好きな指揮者だったりする。 最近復刻したCGの「トスカ」、ミラノフとコレッリなんで買おうか悩み中です。 >150 おお。その第九は未聴です。日生はともかくバイロイトよりかいいとは。 ウィーン響のも決していいとは言えないかもしれませんが、大演奏家の晩年、 というのは永年の想いが凝縮されて技及ばずともその意がほんとよく伝わる 気がします。ジジイマンセー主義とかそういうのかもしれませんが、やはり 真摯に聴けばそういうものがあると思う。ライヴ録音では特に強くそう感じる 瞬間が多いです。レス脱線ですみません。ちょっと酔ってるので…。
>151 スイマセンスイマセン。これからです。あえて天邪鬼で。 1979年7月29日、カラヤン&ウィーン・フィル ハイドン/交響曲第104番「ロンドン」 ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界から」 ザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場。 andanteからハイドンのみ出ている(裏青はあるかも知れない)。 ライヴのカラヤンは、最近出たpalexaのCDなど聴いても、やはり凄い、と思う。 ここでも「新世界から」の集中力は、類を見ない。BPOともスタジオ録音が幾つか あるが、この曲に関してはVPOとのこのライヴの方が、独特の寂しさや郷愁がよく現れ、 機能美全開のBPO盤よりも格段に素晴らしい(VPOもスタジオの85年盤は未聴だが)。 「新世界から」で他に印象的なのは、71年にザルツでチェコ・フィルと共演したものもあり、 これも裏青で出ているが、名演。
1976年7月30日、ヴァーグナー/トリスタンとイゾルデ ヴェンコフ(トリスタン)リゲンツァ(イゾルデ)リッダーブッシュ(マルケ王) マッキンタイア(クルヴェナール)ミントン(ブランゲーネ)シュタインバッハ (メロート)ツェドニク(水夫&牧童)H・フェルトホフ(舵取り) カルロス・クライバー&バイロイト祝祭管 バイロイト音楽祭、祝祭劇場。 少し遅いが、カルロスを偲ぶ。彼のトリスタンのライヴはかなりの音源がCDで聴ける。 バイロイトの三年間は74年がGM(HyPNOS)で出ており、75年はexclusive、76年はLRから のものがあった。他に73年ウィーン国立とシュトゥットガルトでのものもある。 これは76年、バイロイト100周年の時の実況で、クライバーの最後の年になったもの (翌年も振る予定だったがキャンセルし、シュタインが振った)。 非力なブリリオートに替わりヴェンコフがトリスタンを担当しているため、 非常に完成度が高い。実際、ほの暗くも熱い彼の声は素晴らしく、リッダーブッシュ のマルケも明るい声質でなよなよしないのがよい。リゲンツァも絶頂期の声で もちろんよく、ミントン、マッキンタイア、シュタインバッハ(解説の山崎敏光が 褒めているが消えた)などの脇も充実している。 クライバーの指揮は言うまでもなく見事で、特に素晴らしい第二幕の二重唱を始めとして 緩急自在、煽るようにうねりながら伸縮し、全曲を通してオーラを放ち続ける。 また、リヒテルの回顧録にこの上演の感想が載っており、「世紀の一瞬」とまで大絶賛 している。上演後にクライバーに会ったところ、本人はかなり気落ちしていたようだが、 リヒテルが褒めると途端に大喜びだったそうだ。「この巨人にしてこの自信のなさ!」と リヒテルは結んでいる。 また、NHK放送時には100周年ということで大昔のヴァーグナー演奏の録音が断片だが披露され、 ラルセン・トードセンやフリッツ・ヴォルフ、フェルカーやマリア・ミュラーなど錚々たる 顔ぶれの歌唱がオマケで放送された。
1993年7月31日、グルダ(pf)リサイタル ドビュッシー/前奏曲集第1集〜音と香りは夕べの大気の中に漂う ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第31番 モーツァルト/幻想曲k475 ピアノ・ソナタ第14番k457 モーツァルト(グルダ編)/スザンナのレチタティーヴォとアリア シューマン/幻想小曲集〜夜に シューベルト/即興曲集D899〜第3曲変ト長調 ショパン/夜想曲第5番、舟歌 ドビュッシー/前奏曲集〜途絶えたセレナード(第1集)、ヴィーニョの門(第2集) ビゼー(グルダ編)/「カルメン」〜花の歌「お前が投げたこの花は」 グルダ/プレリュードとフーガ ヨハン・シュトラウスU/こうもり幻想曲 民謡(グルダ編)/辻馬車の御者、レーブラウス ブラームス/子守歌 グルダ/アリア モンペリエ音楽祭、ジャック・クール宮。ACCORDのCD。 グルダの最近出たライヴ盤。2枚組で当日のほぼ完全収録のようだ。 ベートーヴェンのソナタはORFEOの64年ザルツ・ライヴでも弾いている。 モンペリエ音楽祭では十何年前のフォンクとハーグ・フィルの「英雄の生涯」他、 ナガノとリヨン歌劇場管の四つの最後の歌(M・プライス)、シベリウスの5番 (ナガノのほとんど最初期の頃)という二つのライヴ放送が忘れ難いが、 この会場でオケものを聴くにはやや音質がデッド過ぎた。 その点グルダのリサイタルは同じ会場ながら違和感がない。ただ、ベートーヴェンの ソナタで飛行機の通過音が優秀な音で入っていたり、ディスク二枚目でピアノの 調律が狂ってきたりと、いろいろと問題はある(私はどちらもそれほど苦にならない)。 しかしグルダ独特の語りに導かれ、陰りはあるが癒しに満ちた選曲のこのライヴ盤には、 何とも言えぬ心地よさがある。ライヴの雰囲気とグルダの素晴らしさを 強く感じさせてくれるいいCDだ。
1971年8月1日、ヴァーグナー/さまよえるオランダ人 ステュアート(オランダ人)G・ジョーンズ(ゼンタ)リッダーブッシュ(ダーラント) エッサー(エリック)S・ヴァーグナー(マリー)エク(舵取り) ベーム&バイロイト祝祭管 バイロイト音楽祭、祝祭劇場。 バイロイトでベームが唯一振った「オランダ人」。前年まではヴァルヴィーゾが 振っていた。また、リッダーブッシュ(80年頃のジュネーヴのLDでは歌っている)、 S・ヴァーグナー、エクもバイロイトではこの年しか「オランダ人」に出ていない (次が78年と開きがあるせいもあるが)。 ベームの演奏は「リング」での方法論と近く、引き締まった音楽で全曲を貫き通す ハードボイルドなもの。ステュアートも、ウーデやロンドンに比べれば劇場感に欠けるが、 見事。この上演はDGからCDが出ているが、そちらは未聴。 なお、この日はリヒテルの命日なので、塔に買い漏らしていた彼のCDをいくつか発注した。
1975年8月2日、ヴァーグナー/神々の黄昏 コックス(ジークフリート)G・ジョーンズ(ブリュンヒルデ)マツーラ(グンター) リッダーブッシュ(ハーゲン)ランドヴァー(グートルーネ)レイノルズ(ヴァルトラウテ、 第二のノルン)ナイトリンガー(アルベリヒ)ヘフゲン(第一のノルン)ナピアー (第三のノルン)河原洋子、T・シュミット、シュヴァルツ(ラインの乙女たち) シュタイン&バイロイト祝祭管 バイロイト音楽祭、祝祭劇場 ヴォルフガング=シュタインによる70年からのプロダクションの最終年度のライヴ。 素晴らしすぎ。この正統派カペルマイスターの実力の程が、完璧なまでに現出している。 演奏自体は細かく語らないが、やはり6年もの間、バイロイトの「リング」を一手に 任されていただけのことはある。確かに歌手陣も一昔前より弱い面もあるが、シュタインの、 クナ譲りのスケールと呼吸の深さ、音の厚さ(ちょっと言いすぎか)はそれを補って余りある。 シュタインは演奏会などでは、実はサヴァリッシュ以上に出来にムラがあるのではないか、と 思うこともある(渋谷でのベートーヴェン7番は凄まじかった記憶があるが)のだが、やはり ヴァーグナーに関してだけは、ハズレがない。 しかし何故これほどの演奏が裏青でしか聴けないのか。・・・彼の不運を憂う。 歌手では翌年からすぐにシェロー=ブーレーズが始まるだけに、配役的に被っている者が多い。 中ではハーゲンらしからぬ明るい声質ながら、素晴らしく劇場的且つ、悪の余裕さえ漂わす リッダーブッシュが特に秀逸。それに対し暗く悲劇的な役作りのマツーラが、好対照で聴かせる。 また、ヴィーラントリングの最後の生き残り、ナイトリンガーがこの年でアルベリヒ役を去る。 G・ジョーンズもまだギリでよく、最高とはいえないにしても、ライヴではその熱唱系の歌が強く 印象に残る。コックスは56年から断続的にバイロイトに登場しており、他にヴァルター(70・74・ 75年、フィリップス、ヴァルヴィーゾ指揮)、エリック(69年)、パルジファル(68・73年)と 歌っており、安定度には欠けるらしいが、一昔前からのテノールらしいやや太い声で健闘して いると思う。 新人では、現在いまだ現役のシュヴァルツがこの年初登場し、「パルジファル」などにも出ている。
1997年8月3日、ラザレフ&ロイヤル・スコティッシュ管 グリンカ/ホタ・アラゴネーサによる華麗な奇想曲 プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番(独奏リトゥル) ギヤ・カンチェーリ/交響曲第3番(独唱デヴィッド・ジェームズ) チャイコフスキー/フランチェスカ・ダ・リミニ プロムス、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール。 ラザレフは80年代から英国楽壇と関係が深く、BBC響の首席客演指揮者なども 勤めていたが、ボリショイ劇場を離れた90年代末からこのロイヤル・スコティッシュ管の 指揮者となっている。このオケはアレクサンダー・ギブソンが長く指揮していたことでも 知られるが、日本ではライヴ録音が紹介されるのは稀だった。86年頃の来日(初?)も、 父ヤルヴィが指揮し、シェエラザードやグラズノフ、威風堂々などを演奏した公演が放送 されているが、さほど話題にはならなかった。 ここでは朝比奈&大フィルの東京公演さながらに、プロムスでラザレフのもと伸びやかで パワフルな気合の入った演奏を聴かせる。金管の響かせ方などロシア・オケを髣髴とさせる。
ぬう、こんどのホーレソのBOXは強烈だな
確かに強烈! 早速music&artsに注文しちゃったよ
1976年8月4日、ロジェストヴェンスキー&ドレスデン国立歌劇場管 (独奏ポストニコヴァ) ブルックナー/交響曲第3番 R・シュトラウス/ブルレスケ ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら ザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場。 とても珍しい顔合わせによる演奏会。プログラムもロジェヴェンの面目躍如だ。 演奏の順序は、ブルックナーが最初に演奏されたのは間違いないが、 シュトラウスは逆の可能性もある。 この年のザルツでドレスデンは、ベーム(8日)、カラヤン(15日)とも 演奏会を持っており、この三つは音源があるので明らかなのだが、 他にもやっているかもしれない。 ブルックナーについては版の問題について詳しくないのだが、演奏された 三曲いずれもがかなり独特の面白いものであることは間違いない。やはり この人は音響芸人である。どの曲においても音の強弱、緩急、音響バランスが 独墺系演奏家などとは明らかに違い、微妙な色合いを帯びている。例えば「ティル」 なんかでも通常演奏では埋没するであろう木管をことさらに強調していたり、 「ブルレスケ」でもオケの咆哮と異常にロマンティックなピアノとの対比が強烈で、 ブルックナーも何かヘンだ。 しかし本当に嫁はしつこいなぁ。四回に三回は登場してくる…。
8月4日といえば、Testamentから出て話題を呼んだ クナッパーツブッシュ/バイロイトの《神々のたそがれ》が録音された日でもあります。 (51年) まぁ、ザルツブルクやらバイロイトやらのライヴ録音には事欠かないんですけどね。
ブル3を前半にやったのか…シュトラウスは、普通に考えたらティルの 方が後だろうな。何年か前にもサヴァリッシュ/N響の演奏会で一番 最後に置いてたし。
>162 ああー鬱だ…。忘れてた…。あと当分ザルツが続きそうな悪寒…。 気が入らぬまま書いたので、161の補足と訂正を。 まず、76年のドレスデンを振った指揮者。 8月?(多分上旬)ブロムシュテット ヒンデミット、マルタン、エロイカ 4日 ロジェストヴェンスキー 上記 8日 小澤 モーツァルト、ペンデレツキ、ブラームス1番 11日 ベーム R・シュトラウス(ドン・ファン、最後の四つの歌、英雄の生涯) 15日 カラヤン ベートーヴェンpf協3番、ショスタコーヴィチ10番 それと163さんご指摘の通り、曲順はそれで間違いないようです。「ブルレスケ」は さすがにトリに来るような曲じゃないですよね。
>>38 の67年ウィーン芸術週間マーラー・ツィクルスが大体判明;
1番 (不明、多分クーベリック&バイエルン放送響)
2番 バーンスタイン&ウィーン・フィル(ギューデン、ルートヴィヒ)
3番 スワロフスキー&ウィーン響(ウエスト)
4番 サヴァリッシュ&ウィーン響(ツァデク)
5番 ラースロー・ソモジー&ウィーン響
6番 アッバード&ウィーン響
7番 マデルナ&ウィーン響
8番 クーベリック&バイエルン放送響!(アローヨ!、シャイラー、ソレール、
ウエスト、フィニレ、プルジビル、ラジャック、フランク)
大地の歌 C・クライバー&ウィーン響(ルートヴィヒ、クメント)
9番、亡き子をしのぶ歌 マゼール&ベルリン放送響(ルートヴィヒ)
10番〜アダージョ、嘆きの歌 ギュンター・トイリンク&ORF響(ケルツェ、
フィニレ、デルモータ)
さすらう若人の歌 ベーム&ウィーン・フィル(ルートヴィヒ)
子供の不思議な角笛 プレートル&ウィーン響(ヤノヴィツ、ヴィクター・ブラウン)
「巨人」だけ誰だか確証がないですが、すべてNHK-FMで放送されたようです。
やはりソリストの選択が、当時のウィーンぽくて魅力的です。ルートヴィヒ
歌いすぎw
8番と角笛は聴いてみたいなぁ。
BBCもミサソレと未完成できますか>ホーレソ ミサソレは聴いたこと無いけど未完成はイイ演奏だ
1963年8月5日、ジュリーニ&フィルハーモニア管 (独唱シュアード、レイノルズ、R・ルイス、ウォード) ヴェルディ/レクイエム プロムス、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール。 FM東京ではちびちび放送されていた昔のプロムスのライヴだが、94年夏についに NHKでもまとめて取り上げられ、クレンペラーの「復活」、ブリテンの自作自演、 小澤とトロント響、マルケヴィチの「春祭」、ロジェヴェンのショスタコ4番、 ブリテンとリヒテルのモーツァルト、スヴェトラーノフとオイストラフの ショスタコーヴィチなど、それはそれは凄まじいラインナップだった。 今でこそほぼ大半がCDになっているし(思えば90年代のBBCの気前の良さは、radio classicsやlegendsに繋がっていったんだなと感慨深い)、それまでのテープ提供料 の高さは何だったのか(NHKが放送を躊躇していたほどの)とは思うが、当時の 英米ライヴ音源の極少さを鑑みても、衝撃的な嬉しさを感じたのは事実だ。 この音源もその枠内で放送され、後にBBC legendsから出たもの。最近64年のものも 出たが、ソリストがこちらは全員英国人なのに比べ、64年は国際色豊かな(「ドン・ カルロ」でもやれそうな)ソリスト陣で、しかしモノラルという微妙なもの。 演奏自体はよく歌っており、激しさや祈りの感情にも事欠かないが、ジュリーニがまだ 後年のようなふくよかな呼吸感を得ておらず(この曲に関してはそれが欲しいと思う)、 シュアードのソロが最後近くで息切れするのは実に残念。ウォードは立派だ。 600番台なので、ちょっと上げてみる。
ライヴ録音で、間奏中鼻息荒いのには笑える。
1983年8月6日、ヴァント&ウィーン響 ブルックナー/交響曲第8番 ブレゲンツ音楽祭、祝祭劇場。 ヴァントがまだ神格化される以前のライヴ録音。NHK-FMでは80年代の頭くらいから、 N響初客演に合わせて彼の演奏会ライヴが放送されるようになった。 ケルン・ギュルツェニヒ時代の演奏会記録を見たが、プログラミングは当時から 独墺系の保守本流、というべきもので、現代ものを除いては晩年とほぼ不変であることに 驚いた。やはり頑固な一徹居士であった。 ヴァントのブルックナー8番は他にいくつか音源があるが、彼のウィーン響との相性は 別として、オケには少し弱さが感じられる(特にティンパニが弱すぎ)。
1997年8月7日、ラトル&バーミンガム市響 メンデルスゾーン/「真夏の夜の夢」序曲 ヘンツェ/交響曲第8番 ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」 シュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭、フレンスブルク、ドイツハウス。 ラトルとバーミンガムの最後期の演奏。このコンビはこの時期辺りが オケの技術も向上し、ラトルもやりたいことを全開に押し出してくるので、 やはり絶頂期だと思う。三曲とも、いろいろと面白いことを試みており、 彼の探究心の深さが垣間見える。既に古楽器演奏へのモダン楽器による アプローチも行われているようだが、「歌」も同時に強く感じられるのが (メンデルスゾーンの最後、ベートーヴェンの全曲)よい。
1982年8月8日、ケーゲル&ドレスデン・フィル(独奏クリーン) ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第2番 ピアノ協奏曲第3番 交響曲第3番「英雄」 ブレゲンツ音楽祭、祝祭劇場。 ケーゲルの放送は極端に少なかった。ヴァントと同じく80年代初頭に N響に客演しても、逆に海外ライヴはほとんどなかったと記憶する。 N響では「未完成」やヴァーグナー、夫人(カサピエトラ)とのマーラー4番、 四つの最後の歌、ドイツ・レクイエムなど演奏しており、後に名古屋フィルと 演奏したブラームス4番、東京フィルとの地方公演の「エロイカ」がFMシンフォニー・ コンサート(当時は「青少年コンサート」だったか?)で放送された。 他に海外ライヴでは、70年代の第九、グレの歌、このブレゲンツのものくらいだったか。 ブレゲンツでの演奏はいずれも引き締まったもので、ケーゲルとオケの実力の程が よく分かる。クリーンとのコンチェルトでは、小味だが粋なソロと、ガチガチに 研ぎ澄まされたオケとの対比が面白い。終楽章カデンツ直前での、大見得のような ティンパニ強打が忘れ難い。 「エロイカ」も、おそらく当時のこの両者のベスト・フォームを記録しており、 壮麗ではないものの、音に力がありライヴの感興にも事欠かない。特に濃厚に 歌い上げる葬送行進曲が素晴らしい。 個人的には、許さんが褒め上げて有名になった、異常状況下での件の来日ライヴ などよりも、こちらの方が見事な演奏だと感じる。
1975年8月9日、サヴァリッシュ&オーストリア放送響(現ウィーン放送響) (独唱ドナート、ウンガー、ブレンデル) ヒンデミット/交響曲「画家マティス」 オルフ/カルミナ・ブラーナ ザルツブルク音楽祭、フェルゼンライトシューレ。 ライヴでのサヴァリッシュはやはり熱い(ムラもままあるが)。 オルフはN響との84年の特別演奏会でも取り上げているが、実に 快活で野趣に富んでおり、素晴らしい。少し控え目とはいえ、DGの ヨッフム盤の後継のような演奏だ。現在のスタイリッシュ過ぎる 「カルミナ・ブラーナ」演奏に、求めてはいけないかのようなイケイケ ぶり。独唱の三人(ブレンデルは第一部で羽目をはずし過ぎていて凄い) も個性的で実によい。 オーストリア放送響は、あまり目立たないウィーン第三のオケだが、 ホルヴァート、セーゲルシュタム、ツァグロセクなどが歴代の指揮者で、 客演でもマタチッチ、インバル、ナバロ、ヤノフスキ、ギーレンなどとの 記憶に残る名演奏が放送されている。
173 :
名無しの笛の踊り :04/08/10 00:31 ID:V2nnohJN
>>165 1967年ウィーン芸術週間のマーラー連続演奏の曲目について。
交響曲第1番「巨人」はプレートル/ウィーン響で、そのカップリング
が「こどもの不思議な角笛」から(ヤノヴィッツ、ブラウン)。
サヴァリッシュ/ウィーン響の第4のソロは、ハリーナ・ルコムスカ
だったようです。ついでに、ソモジー/ウィーン響の第5とのカップリ
ングはモーツァルトのP協 K.503(ニキタ・マガロフ)。NHK-FMでは
日曜日の午後の「海外の音楽」で6回にわたって放送(解説:柴田南雄、
吉田秀和、大町陽一郎)され、そのうちモノが4回でステレオは2回。
ステレオでの放送は第1、角笛から、第3、第5、P協 K.503 の5曲
ですが、ちょうどORFがステレオ収録に切り替え始めた時期に当って
います。私はこの頃にはFMチューナーを手に入れてFMファンを毎号
買っていたが、テレコにまでは手が出なかった。残念。
174 :
名無しの笛の踊り :04/08/10 00:39 ID:+qYv1tgA
>>173 FMファンは創刊号からお持ちですか?
国会図書館にもバックナンバーもっと後年からしかないので、
出来れば創刊号からの海外ライブを紹介してほすぃです。
無理難題チャンキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
1978年8月10日、リヒテル(pf)リサイタル シューベルト/ピアノ・ソナタ第13番 シューマン/幻想小曲集〜6曲 ドビュッシー/ベルガマスク組曲、版画 ブダペスト、リスト音楽院大ホール。 この夏のリヒテルは、7月にミュンヘンに入り23日にオール・シューベルトの プログラムで演奏会を開き、28日にF・ディースカウの自宅を訪問、ブゾーニや ヒンデミットの作品を聴かせてもらったようだ(その前後でカガンらと共に ヒンデミットを取り上げているのは興味深い)。8月も頭はミュンヘンとザルツを 行き来し、その後東欧へ出る。このブダペストの演奏はNHKで放送されているが、 やはりハコの音響があまりよくないせいか、もう一つの出来かもしれない。 余談だが、この辺りのリスト音楽院ライヴは、軒並み響きが薄く、何かヘンだ。 79年のメータとロス・フィルの演奏会や、73年ごろのコープランドとハンガリー国立の 自作自演、ラーンキやコチシュのブラームスの協奏曲など、面白いライヴが多いが どれも残響の少ない、乾いた音なのだ。80年代になり改善されたような気もするが、 このリヒテルもややそっけなく聴こえる。残念なことだ。 リヒテルに戻ると、プログラム的にはこの時期に集中的に取り上げていた曲ばかりで、 80年代以降はほとんどパタリと弾かなくなっている。ドビュッシーの2曲は前年のザルツ でも弾いており(ORFEO、NHKでも放送された)、「月の光」ではザルツ、ブダペスト 双方の聴衆が、あまりに素晴らしい演奏への溜息からか、強い緊張から解放されたため なのか、いずれも声にならぬどよめきを起こしているのが分かる。それを縫うように パスピエを弾き始めるリヒテルの集中力というか、ぶっきら棒な格好よさ!
>173 おお、修正ありがとうございます。巨人はプレートルでしたか。 願望込みで書き込んでしまいました。そういえばプレートルとVSOは 15年前くらいに来日して巨人やってますなぁ。 >174 私は日比谷や奈良の天理で(72年頃から蔵書)調べましたが、 国会図書館はまだ行ってない。いつまで遡れますか?
178 :
名無しの笛の踊り :04/08/10 15:10 ID:jKXScKg7
>>177 多分1970年代前半くらいからしか蔵書していなかったと思ひまつ。
ここのスレ凄すぎ・・・ ガンガン逝ってくらはい。
180 :
173 :04/08/10 17:50 ID:fH/kSPm9
>>174 >>177 >>178 国会図書館にしてそれくらいとは残念ですね。
「FMファン」創刊は1965年だが、創刊号は記念に持ってはいるものの、
それ以降はごくごく疎らに残っている程度。家に蔵などないのだから。
ちなみにFM誌が出る以前、1週間分(だったか?)くらいのFM番組
の内容を記載した簡単な印刷物(FM誌ほど詳細ではなく、片隅にはFM
チューナーのメーカー「トリオ」の広告もあった)が、NHKのロビーで
もらえた時期があった。もうひとつ、海外ライブは別にFMの実験放送の
開始に合わせて始まったものではなく、元はAMのラジオ第2放送で時折
放送していたものが次第にFMに移行(ステレオになってからは完全に)
していったものです。ラジオ第2放送の時代を遡れば、1952年バイロイト
のカラヤンの「トリスタン」が海外ライブの第1号、ついでクナッペルツ
ブッシュ(当時の呼称)の「マイスタージンガー」が第2号で、当時とし
ては異例の長時間番組を組んだにもかかわらず一部割愛で放送した様子が
昔のNHK年鑑(大きな図書館にはある)にトピックスとして記載されて
います。したがって一昨年はバイロイトの放送の50周年にあたる記念の年
だったがほとんど話題にされず、朝日のコラムでちょっと触れられた程度。
(このカラヤンの52年トリスタンはCD化されたが、ちょっとノイズ除去
が過剰な気がします。)そこまで古くなくても、AM放送の時代からエア
チェックをやっていた人は非常に少ないだろうし、あれば見たいとはいっ
ても、海外ライブの完全な調査などは難しいのでは・・・。
181 :
名無しの笛の踊り :04/08/10 18:52 ID:5muaa2Ab
>>180 ラジオ第二、FM実験放送時代の印象的な海外ライブを挙げてほすぃっす。
お願いしまつ。
182 :
名無しの笛の踊り :04/08/10 20:32 ID:5muaa2Ab
立体音楽堂でやった演奏はどんなのがありまつか?
183 :
名無しの笛の踊り :04/08/10 22:51 ID:fH/kSPm9
>>182 「立体音楽堂」は50年代半ば近くに始まり、ラジオ第1とラジオ第2を
同時に使うステレオ放送(第1がL、第2がRを放送してラジオを2台
用意して聴く)の世界初の定時番組(毎週1回)といわれて、約10年
続いた。57年カラヤン/ベルリン・フィル初来日公演、60年ミュンシュ/
ボストン響初来日公演などが、当時の看板番組だったようです。自分が
聴いた記憶があるのは(残念ながら放送日にラジオが2台なかったので
片側だけを聴いたはず)62年小澤/N響のベルリオーズ「幻想」など。
FMステレオ放送が始まってAMラジオ2波のステレオ放送は消滅し、
「立体音楽堂」はFMに移ってさらに10年近く続いた。FMに移った
後では、65年ストコフスキー/日本フィル公演などが思い出される。
184 :
名無しの笛の踊り :04/08/11 00:01 ID:BiXfLj5A
>>180 この当時からカラヤンは大物扱いなんですね。
185 :
180 :04/08/11 00:23 ID:BWPWnKAR
>>184 というか、52年のバイロイトの録音はバイエルン放送協会
から突然送られてきた、ということだったようです。確か
に、ヨーロッパで名声を高めつつある指揮者という扱い方
がされ始めた頃だけど。
生き字引さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !! いや〜、勉強になります。当スレご意見番として宜しくお願いしますm(_ _)m FM誌の蔵書がどこにもないので、個人的にはリアルタイムで聴かれた方たちから、 直接いろいろ伺うしかないのかな、と思っていたところです。 あと何かで読んだのですが(三谷礼二さんの書いたのだったか)、50年代のモントゥーの ライヴが進駐軍放送か何かで放送されていたらしいのですが、これについてご存知ない ですか?誰か録音してないかなぁ。 それと65年のスラヴ・オペラ、マタチッチの「ボリス」は有名ですが、当時の雑誌には オスカー・ダノンが「売られた花嫁」を、ホルヴァートが「オネーギン」を受け持った ようです。NHKではTVも含め、当時何度か再放送されているようなんですが、 お聴きになられてませんか?
187 :
名無しの笛の踊り :04/08/11 01:07 ID:vv1cPo68
FMでの海外ライブのステレオ放送の開始はいつ頃からですか? 参考として犬響のFMステレオ放送の開始もお願いします。
1976年8月11日、ベーム&ドレスデン国立歌劇場管 (独唱トモヴァ・シントフ) R・シュトラウス/ドン・ファン 四つの最後の歌 英雄の生涯 ザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場。 ベームは77年頃の「ドン・ジョヴァンニ」(ザルツ)辺りから、老いによるネガティヴな 論調も一部に見られてくるようだが、これはまだバイロイトでのヴァーグナーばりに、 テンションの高い演奏。生き生きとして弛緩がなく、一貫してイン・テンポなのにも かかわらず、非常にドラマティックに聴こえる。この人のシュトラウスとモーツァルトは やはり絶品。ドレスデンの陰影のある深い響きがまたよい。 前掲ロジェストヴェンスキーの一週間後のライヴ。
AM2波のステレオ放送は、民放でもニッポン放送と文化放送で やってましたよね。クラシックの中継をやったのかどうかは 知らないのですが……。
190 :
名無しの笛の踊り :04/08/11 12:30 ID:S/PkLVCL
>>186 モントゥーの放送の話はどこかで読んだような気もするが、はっきりした記憶が
ありませんね。「進駐軍放送」とは古いが、多分「FEN」のことでしょうか。
60年代前半に、週末の夜11時台だったか「クラシカル・アワー(アルバム?)」
とかいう、レズニチェックの「ドンナ・ディアナ」序曲をテーマ音楽にした番組
があって、毎週よく聴きました。コープランドやハンソンなど、アメリカの現代
ものもよく紹介していて勉強?になった。だけどモントゥーは記憶がないなあ。
もっと前の年代の放送だったのかも知れませんが・・・。
65年のスラブ・オペラは、マタチッチの「ボリス」だけでなく、ホルヴァート
やダノンの指揮も、確かに、話題をよびました。白黒TV放送での指揮姿も少し
覚えているけど、FMの「音楽時評」では中島健三・吉田秀和・菅野博和等々と
いった御歴々が、3人の指揮者をこぞって「立派!立派!」と大絶賛していた。
ついでに「また聞き」だけど、66年に来日したカラヤンがこのスラブ・オペラ
の「ボリス」のビデオをNHKに見に行ったのだそうで、チャンガロヴィチの
ボリスに感心したカラヤンは、当時共演していたギャウロフについて「ボリス
を録音するのはまだ5年早い」といったとか。この話の出どころはどこかな?
191 :
名無しの笛の踊り :04/08/11 18:42 ID:AvcyCvV2
173さんはいつ頃からエアチェックを始められたのでしょうか?
192 :
名無しの笛の踊り :04/08/11 18:44 ID:AvcyCvV2
テレコがある程度手に届く価格になった時なのですか?
>>190 >66年に来日したカラヤンがこのスラブ・オペラ
の「ボリス」のビデオをNHKに見に行ったのだそうで
出典は日本フィリップスのカラヤン指揮ウィーンフィル「ファルスタッフ」のLP.
福原信夫の解説
194 :
名無しの笛の踊り :04/08/11 20:20 ID:UjbORM+I
>>193 190です。なるほどそうでしたか。ご教示ありがとうございます。
福原信夫さん(故人)は元NHKプロデューサーで、特に66年に
NHKがカラヤン/BPOを招聘したときにはカラヤンに付き添って
面倒をみたらしいので、本家本元からの話ということですね。
「レコード芸術」の臨時増刊等にたまに執筆されていたけど、
この種の裏話を本にすれば何冊も書けただろうけど、大っぴらに
し難いことも、案外山ほどあったかも知れませんね。
1993年8月12日、ヴェルザー=メスト&ロンドン・フィル(独奏ムストネン) コダーイ/ハンガリー民謡「飛べよ孔雀」による変奏曲 バルトーク/ピアノ協奏曲第3番 シューマン/交響曲第2番 ザルツブルク、祝祭大劇場。 テンシュテットの代役として、彗星の如く現れた若きヴェルザー=メストだが、 来日時のベートーヴェンは頂けなかった記憶がある。その後も細々とではあるが FMライヴは放送されており、このムストネンと組んだザルツのライヴこそ、若々しさが 爆発、素晴らしい魅力に溢れており、初めて彼を認知したものだ。全プロ通じて今聴くと、 テンシュテットの影もややちらつくような気もする(オケの異常な集中力やほの暗い音色 とか)が、総じてオケを一杯に鳴らし切りつつも過度の感情移入に溺れない、爽やかな 好演である。 惜しむらくは日本にあまり来ようとしないことなのだが…、どこか呼んでくれないものか。
>190 亀レスですいません。モントゥー(確かサンフランシスコ響)の話は 50年代らしいですからね…。さすがに古すぎますよね。 スラブ・オペラのことは、「ボリス」が過去何度か再放送されるたび、 他の演目は再放送しないのか気になっていたもので。当時の資料では 書かれているように大騒ぎで、ほお〜っと思ったもので、そうですか、 比較的地味なダノンもホルヴァートも好評だったのですね。 カラヤンがNHKに聴きに来たというのは面白い話ですね。あら、来日が 66年は4〜5月で、この時期は夏に…。で合唱は…。なるほど。 ありがとうございました。これは何というか、面白い話ですね〜。
1963年.モントゥー.ロンドン響の来日公演は FMステレオの実験放送が始まった年で、ステレオで放送されたという噂がありますが、 真偽のほどは如何に
198 :
名無しの笛の踊り :04/08/13 14:20 ID:4plUM81x
1966年8月13日、ムソルグスキー/ボリス・ゴドゥノフ ギャウロフ(ボリス)ヤーン(フョードル)ドゥブリアーノヴァ(クセーニャ)ボルイ (ピーメン)マルコフ(シチェルカーロフ)マスレンニコフ(ディミトリー)ユリナッチ (マリーナ)シュトルツェ(シュイスキー、白痴)ケレメン(ランゴーニ)ディアコフ (ヴァルラーム)パウノフ(ミサイール)M・ラデフ(乳母)リローヴァ(居酒屋の女主人) フランク(ニキーティキ)G・ラデフ(役人)他 カラヤン&ウィーン・フィル ザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場。Opera d'OroのCD。 ザルツの「ボリス」は65年にプレミエを飾り、66・67年にも再演されていて、70年に スタジオ録音された。録音が残っているのは65年のプレミエのものとこの66年の ものだけのようだ。カラヤンが66年春の来日時、スラヴ歌劇団のVTRを見せてもらった というのは貴重な話だったが、この上演に携わっていた間にそういうことをしていた カラヤンが心憎いと感じた。実際チャンガロヴィチのボリスは圧倒的に深い声で威厳も 十ニ分にあり、ホッターのヴォータンにさえ匹敵する孤高さを湛えていて、カラヤンの ギャウロフについての談話(ボリスは五年早い)はその通りかも知れない。 70年デッカ盤は、ザルツのプロダクションからほぼ五年後に行なわれているのも、 ギャウロフの声の成熟を待って録ったようにも思われるのだが、どうだろうか。 また、スラヴ歌劇団の来日公演とザルツの上演に、ザグレブ国立歌劇場の合唱団が 加わっているのも実に興味深い(デッカ盤ではソフィアの合唱団が使われている)。 66年の演奏は、ギャウロフのボリスも劇場的で立派だが、チャンガロヴィチを聴いて しまうと確かにまだ小粒な感があり、このスケールの大きな役を手中にしているとは 言い難い。しかし大河ドラマなので、脇の連中が素晴らしくよい。ディアコフの磊落な 破戒僧、シュトルツェのローゲっぽい狡猾なシュイスキー(CDにはクレジットされてないが 独特の哀感漂う白痴もおそらく彼だ)、三幕ニ場のマスレンニコフとユリナッチ(絶品!) のイタオペチックな愛の二重唱も、ライヴ的な感興に乗り、最も盛り上がっているが、慣例 への批判精神でこの場面を書いたムソルグスキー自身は複雑な心境だろう。
>197 昼確認しましたが、一応音場は狭いながらもステレオのようです…。 しかし音自体が年代モノだし、ベートーヴェンは片チャンネルが不良で、 満足に聴けないorz…。 佐川さんが京都の旅館で一晩中興奮して宇野さんと語らったやつですね。
1971年8月14日、クレツキ&スイス音楽祭管 (独唱ヴォイドヴィチ、ファスベンダー) マーラー/交響曲第2番「復活」 ルツェルン音楽祭、クンストハウス。 パウル・クレツキ(1900−1973)の最晩年のライヴ録音。彼のマーラーはスタジオ録音でも 1・4・9・「大地の歌」しかなく、「復活」はない。 スイスに古くから定住していた彼は、スイス・ロマンド管のアンセルメの後継者として、 正直あまり著しい評価を得たとは言い難く、日本では地味な扱いだ。 しかしこのマーラーは、そのクレツキのイメージを覆す激しい演奏。基本的に遅めの テンポでじっくり歌い上げており、マーラー特有の、うねりや熱気も十分にある。 オケも完璧ではないが金管を始め、この今や忘れられつつある名匠によく答えている。 クレツキはリヴァプール・フィルの指揮者を務めたり、ロンドンでは彼の代役を何と クレンペラーが務めたこともあるほどで、英国でも結構活躍していたようなので、 BBC辺りが音源を出してくれないかな〜と待ち続けている。
私は1970年ウィーン音楽祭ライブ
ロベルト・ヘーガー指揮ウィーン響
R・シュトラウス.英雄の生涯.ティル・オイレンとプライ独唱.歌曲
のテープを持っている
ヘーガー渋い
>>201 クレツキのマーラー.スタジオ録音で第5のアダージェットもあるよ
>202 クレツキはアダージェットありますね。全曲じゃないからいいかな、と 割愛してしまいました。 しかしヘーガーはないなぁ。FMライヴ自体ないかと思ってました。珍しい。 ウィーンの「パレストリーナ」のCDくらいしか持ってません。
因みに1970年ウィーン音楽祭ライブ.ロベルト・ヘーガー指揮ウィーン響 当時、日本のFMで放送されたもので無論ステレオ ヘーガーはフルベンと同じ年に生まれ92歳まで長生きした名指揮者 バイエルン・オペラではクナより古く長く活躍したはず オペラのスタジオ録音は多いが、世間的な評価が低いのは残念
205 :
190 :04/08/14 23:55 ID:CInad7bI
190 です。65年スラブ・オペラ公演をFM(「音楽クラブ」という番組での音楽
時評)で絶賛していた評論家の名前と字に誤りがあり、失礼しました。野村光一、
大木正興、菅野浩和、中島健蔵といった面々で、ダノンやホルヴァートをことの
ほか立派!といっていた菅野浩和氏の声が耳に残っています。
>>199 さん。書かれた66年ザルツブルクのカラヤンの「ボリス」は(同じ公演日
かどうかは別にして)同年12月にNHK-FMの「音楽のおくりもの」という45分番組
で3回にわたって放送(ただしモノ)されていますが、配役中のマスレンニコフ
はグリゴリー役も歌っているようです。スラブ歌劇団公演とザルツブルク公演に
共通するザグレブ歌劇場合唱団の件は大変興味深い話題です。65年ザルツの直後
に東京でマタチッチやチャンガロヴィチと共演し、66年ザルツの直前にカラヤン
が東京でそのVTRを見た・・・。66年ザルツの演奏に何らかの影響があったか?
私は正直なところ、特に66年来日時のベート−ヴェン以降、カラヤンから遠ざか
っておりますが、その能力や研究熱心な面に異論はなく、ギャウロフの声の成熟
(おそらく表現力の成熟も)を待つ・・・という話には並々ならぬものを感じます。
昨今は駆け出しの若い指揮者も簡単に第9等を録音してしまいますが、録音自体
の意味合いが様変わりしつつあるとはいえ、何か次元が違う様です。大変興味深
いご指摘ありがとうございます。
206 :
190 :04/08/15 00:31 ID:Gw4B6qfw
>>197 >>200 放送技術史等を記載した年鑑によれば、FMステレオの実験放送が始まった
のは、63年12月に先ず東京、翌年2月に大阪、名古屋・・・といった具合なので、
63年春のモントゥー/ロンドン響の演奏が早速その実験放送にのったとは考え
難いのでは。ただし、マイスタージンガー前奏曲とシベリウス第2は4月14日
にラジオ第1・第2による「立体音楽堂」で放送された(新聞縮刷版番組表
にある)ので、「ステレオ放送」されたことは確か。しかしベートーヴェン等
はラジオ第2でしか放送されていないので、「ステレオの謎」は残る。(そう
いえば、エルガーの「なぞ」もラジオ第2で放送されたが・・・)
>190 ご意見番さん やはりNHK-FMでも放送されていましたか!「音楽のおくりもの」ですか。 70年代にザルツのリート・リサイタルなどもやっていましたね。 ギャウロフの成熟を待った、という件は私の推測ですが、可能性はあると思い、 書きました。ザルツのプロダクションが67年に終わってから、録音まで不自然に 2〜3年空いていますし。そうまでしてカラヤンがギャウロフにこだわったのは 何故でしょうかね?やはり育て上げようとしたからでしょうか。ユリナッチは 逆に録音から降ろされており、ガッカリしたそうですが。 合唱だけでなく、配役も(65年のみのギュゼレフ、G・ラデフなど)被ってる人が いるようです。 また、マタチッチとカラヤンは仲が良かったそうで、その意味でもエエ話聞かせて もらったですよ。日本でニアミスとかしてないですかね。 あと、配役をご存知でしたら、白痴役は誰かご教示下さいませんか。クレジットが CDになく、声質的にシュトルツェっぽいのでそう書きましたが、オズボーンの伝記に よるとこの「ボリス」の唯一のロシア人キャストによって歌われたらしいんです。 それにしても、この件についてはまだまだ興味が尽きません。こちらこそいろいろと ありがとうございました(その日は「ボリス」漬けでした…。疲れた^^)。
>206 ご意見番さん これは私の単なる勘違いかも!?何分年代モノの音源なので、判定が難しいorz…。 でも微妙にステレオ感はあるんだよなぁ…。音信不通の知人から譲ってもらったものなので、 今や何とも、すいません。
1988年8月15日、カラヤン&ウィーン・フィル(独奏ムター) チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 シューマン/交響曲第4番 ザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場。 カラヤンとウィーン・フィルの、ザルツブルクでの最後のオーケストラ・コンサート。 ムターとのチャイコフスキーはDGから出ており、シューマンは裏青のみのようだが、 87年5月24日の楽友協会でのライヴがDGから出ている他、73年8月13日のドレスデン 国立歌劇場管との演奏(ザルツ)もある。 このシューマンは素晴らしい。最近やはりカラヤンは大指揮者だった、と強く思うのだが、 やや崩れが聴かれるとはいえ、音の力は並外れており、凄い。 テンポや息の長さは遅〜く深〜くなっており、金子健志さんも言っていたがまさに オペラティックかつ荘厳な歩みの大演奏で、異常にスタイリッシュでガチガチな演奏の ドレスデン盤とは、その意味で全く別人のように聴こえる。 ウィーン・フィルも残り少ない逢瀬、とばかりに必死さがあり、ムターとのコンチェルト 共々ライヴの熱さ、というか暖かさが感じられる。
>>206 1963年春に録音した物を、その年の12月か翌年に放送したと考えられませんか?
私もモントゥーの来日公演をステレオでエアチェックしたという噂を耳にしています
1966年8月16日、ヴェルディ/シモン・ボッカネグラ タッデイ(シモン)トッツィ(フィエスコ)チェザーリ(パオロ) サルディ(ピエトロ)ステッラ(アメリア)チェッケレ(ガブリエーレ) パタネ&ミュンヘン・フィル ミュンヘン、会場不明。 GDS(Giuseppe di Stefano Recordsの略だが、彼は登場しない)のCD。 おそらくスカラ座の引越し公演なのだが、オケが何故かミュンヘン・フィルで、 合唱がスカラ座。ステージノイズがあるので、舞台上演と思われる。 パタネの、歌手に寄り添うようでいて、熱くうねる指揮が素晴らしい。 タッデイとトッツィの、二人の低音主役も実に心情にあふれており、特に トッツィは渋い絶唱で役柄にぴったりだ。ステッラはややおとなしいが、 チェッケレは若々しく輝かしい。
1969年8月17日、セル&クリーヴランド管 モーツァルト/「フィガロの結婚」序曲 ピアノ協奏曲第21番(独奏アンダ) ブラームス/交響曲第4番 ブロッサム音楽祭。 FM横浜の音源。このFM局は数年に渡り、「アメリカン・オーケストラ・スペシャル・ ライヴ」という番組でセル、小澤などといった指揮者のライヴ録音を立て続けに 放送してくれた。特にNHK-FMだけでは全貌の分からなかったセル(とクリーヴランド) について、多くの演奏会ライヴを流してくれたことは感謝感謝だ。「厳格」「冷徹」 などと言われたセルだが、例えばクーベリックなどのように、ライヴとスタジオで あまりにも極端に様相が変わるようなことはないが、それでも後に一気に出た欧州での 演奏会(ザルツでのライヴなど)とも併せて、やはり鉄面皮セルといえどライヴでの 多少の感興の高まりはある(当然だが)のは確認できた。このブラームス4番なども、 筋肉質で実に剛毅。超名演だ。
手持ちのCDなんかだと、 どうしてもザルツブルクやらバイロイトやらのになってしまうな・・・
1978年8月18日、コンドラシン&スイス音楽祭管 ケルビーニ/「メディア」序曲 ブラームス/ピアノ協奏曲第1番(独奏ツィンマーマン) ルツェルン音楽祭、クンストハウス。 コンドラシンがあと数年でも長生きしてくれていたら…、バイエルン放送響の 指揮者として、また、各地の西欧のオケへの客演指揮者として、もっと多くの 爆演がFMで流れたろうにと、惜しまれてならない。亡命後の余生がたった二年弱 だったことを思うと、いまだに残念なのだ。 この演奏会は亡命直前にルツェルンに客演したもの。やはりオケの響きが独特で、 コンドラシン流のささくれた急くような演奏に、ツィンマーマンの力強いが やや叙情的なピアノとが、好対照を成している(ホールトーン的にはコンドラシンに 分があるが)。しかし、決して破綻を見せないのが彼の合わせモノ上手たる所以か。 第2楽章などは耽溺するツィンマーマンに、ひし、と付けているし、表立つことがない。 なお、この演奏会は上記2曲のみが紹介された。
1971年8月19日、ロッシ&ケルン放送響 ブゾーニ/組曲「トゥーランドット」 ラヴェル/シェーラザード(独唱マティス) シューマン/交響曲第3番「ライン」 ルツェルン音楽祭、クンストハウス。 マリオ・ロッシ(1902−?)のほとんど唯一の日本で放送された演奏会ライヴ録音。 他にミュンヘンでのリスト(死の舞踏+ダルコ)があるくらいで、実に珍しい。 ロッシは46−69年までトリノRAI響の指揮者を務め、同オケやナポリでのオペラ指揮者と してもいくつかの録音があるなどこの当時までは精力的に活躍している。 演奏はオペラ指揮者らしく情動的なもので、シューマンなどかなり激しいテンポの揺れがある。
チャイコフスキー/エフゲニ・オネーギン ヴィシュネフスカヤ(タチヤーナ)シニャフスカヤ(オリガ)アトラントフ(レンスキー) マズロク(オネーギン)オグニフツェフ(グレーミン)トゥガリノヴァ(ラリーナ)他 ロストロポーヴィチ&ボリショイ劇場管 大阪万博記念、フェスティヴァル・ホール。 ボリショイ劇場の初来日。他に「ボリス」がシモノフ、「イーゴリ公」がシモノフと エルムレル、「スペードの女王」がロジェストヴェンスキーにより上演された。 65年のスラヴ・オペラ公演から5年を経て、ようやくロシアの真打ちが登場。「スペードの 女王」は日本初演だった。 ロストロポーヴィチの「オネーギン」は61年に指揮者デビューした時の曲でもあり、 全曲録音もあるので十八番なのだろう。随所で気合の入った音楽を聴かせ、この演奏に ついてはまったく素晴らしい。ヴィシュネフスカヤも癖はあるが、最盛期の歌唱で見事。 ちなみにこの両者は、77年にベルリン・フィルに客演した際の「手紙の場」の演奏もある。
1975年8月21日、ケンペ&ストックホルム・フィル シベリウス/ヴァイオリン協奏曲(独奏クレーメル) ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」 ヘルシンキ音楽祭、フィンランディア・ホール。 ケンペの晩年の演奏会。ストックホルム・フィルとは最近の自主制作盤に ブルックナー7番があった。 ここではシベリウスの伴奏は若手のクレーメルに合わせたものだが、 「エロイカ」がオケをよく歌わせたバランスのよい名演。
1990年8月21日、ショルティ&ウィーン・フィル ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付」 (独唱ニールセン、クィヴァー、コール、へイル) ザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場。 カラヤン没後のザルツだが、まだまだこの人存在が強く感じられる演奏会。 ソリストにはカラヤンの息のかかった人がおり、合唱も関係の深かった 楽友協会の合唱団が担当している。 演奏はといえば、ショルティの直情的指向とオケに若干の齟齬も聴かれ、 金管が突出しすぎなのも気になるが、総じて緊張感のある好演になっている。 ソリストはヘイルが美声でよいが、コールはイマイチ。
1991年8月23日、M・ショスタコーヴィチ&フィンランド放送響 ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番(独奏ムローヴァ) 交響曲第7番「レニングラード」 ヘルシンキ音楽祭、フィンランディア・ホール。 大作曲家の息子マキシムによる演奏。マキシム指揮のショスタコーヴィチは、 スプラフォンからチェコでのライヴ録音が(たぶん全曲)出ている他、73年に N響客演時の7・9番と「森の歌」が放送されており、その直前のブレゲンツでの 5番もある(VSO)。また、ロンドンでの5番の映像も昔市販されていた。 協奏曲ではムローヴァとオケとが丁々発止の壮絶な演奏を繰り広げ、特にフィナーレへ 向かう長大なヴァイオリンのモノローグの集中力は素晴らしく、ムローヴァの 最盛期の名演を聴ける。マキシムの指揮もフィナーレで異常な躁状態になり、 ムローヴァを食うほどの熱気を孕ませる。交響曲も全体として荘重なムードだが、 緊張が緩まず爆演的な凄まじさも十分。シャープなスヴェトラーノフといった趣で、 親の七光りとは思えぬ実力が感じられる。
220 :
名無しの笛の踊り :04/08/23 03:22 ID:8lSl4yMR
ムロー婆のヴァイオリンは自分勝手で嫌い。 プレヴィンとのこの曲のCDはサイテーだった。
>>220 r;ァ'N;:::::::::::::,ィ/ >::::::::::ヽ
. 〃 ヽル1'´ ∠:::::::::::::::::i
i′ ___, - ,. = -一  ̄l:::::::::::::::l
. ! , -==、´r' l::::::/,ニ.ヽ
l _,, -‐''二ゝ l::::l f゙ヽ |、 ここはお前の日記帳じゃねえんだ
レー-- 、ヽヾニ-ァ,ニ;=、_ !:::l ) } ト
ヾ¨'7"ry、` ー゙='ニ,,,` }::ヽ(ノ チラシの裏にでも書いてろ
:ーゝヽ、 !´ " ̄ 'l,;;;;,,,.、 ,i:::::::ミ
::::::::::::::::ヽ.-‐ ト、 r'_{ __)`ニゝ、 ,,iリ::::::::ミ
::::::::::::::::::::Vi/l:::V'´;ッ`ニ´ー-ッ-,、:::::`"::::::::::::::;゙ , な!
:::::::::::::::::::::::::N. ゙、::::ヾ,.`二ニ´∠,,.i::::::::::::::::::::///
:::::::::::::::::::::::::::::l ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /
::::::::::::::::::::::::::::::! :|.\;::::::::::::::::::::::::::::::/ /
222 :
名無しの笛の踊り :04/08/23 20:44 ID:qjw26VZq
>>219 マキシムのN響客演は74年4月だった。5番も演奏され、放送もされた。
7番の日にはポリーニとプロコフィエフのP協3番もやったが、生は聴けず、
5番、9番と「森の歌」の日を聴いた。当時は神経質そうな若者に見えたが、
翌年に父ドミートリーが亡くなるとは想像もしなかった。
>221 訂正ありがとうございます。 最近データを調べ直すのに身が入らず、 うろ覚えで書いてしまいましたm(_ _)m
1986年8月24日、ポリーニ(Pf)リサイタル シューマン/アレグロ、ダヴィッド同盟舞曲集 ショパン/ノクターン第17・18番、舟歌、子守歌、 ポロネーズ第6番「英雄」、エチュード第13番「牧童」・24番 スケルツォ第3番 ザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場。 凄いテンションでバリバリ弾き進む演奏。熱気もあり、ポリーニの面目躍如たる 演奏だ。前掲のウィーンでのライヴと同様、シューマンでは唸りをあげて没入する ポリーニが聴かれる。ショパンは力強く、ギラギラした英雄ポロネーズなど見事。
続きまだ〜(AA略
1996年8月25日、ハーガー&ザルツブルク・モーツァルテウム管 (独奏フェルナー) モーツァルト/交響曲第34番、ピアノ協奏曲第19番 ハイドン/交響曲第92番「オックスフォード」 ザルツブルク音楽祭、モーツァルト・マチネー、モーツァルテウム大ホール。 ザルツのモーツァルト・マチネーは、ここ最近NHK-FMでは放送されていないが、数年前までは 海外ライヴ番組(オペラ・アワーなど)の余白に、正月三が日の早朝にと、盥回しに されながらも何とか放送されていた。これをやらなくなってから、NHKが海外ライヴの放送は 減ってないと言うのを信用できなくなった。今週の「海外の音楽祭」などカット・編集三昧 だが、昔はどこかの枠でちゃんとフォローしてくれていたのだが。残念なことだ。 このモーツァルト・マチネーは、音楽祭中に週に一度、午前中に開かれるモーツァルトを 中心とした軽めのコンサートだが、モーツァルトでも渋めの曲や、同時代のマイナーな 作曲家なども取り上げられ、演奏家も新進気鋭の若手や、実力派中堅が配されており、 オケはモーツァルテウム管とカメラータ・アカデミカが担当する。前者では常任の ハーガーやグラーフが多く指揮しているが、後者のヴェーグ指揮は「ハフナー・ セレナード」や、後期交響曲、特にハイドンは忘れ難い名演揃いだ。柔軟で自然で、 呼吸感のある素晴らしいものだった。 上記のハーガー指揮も、意外と活気に溢れ、なかなかの演奏を聴かせてくれる。
1985年8月26日、ラトル&ロンドン・シンフォニエッタ (独奏ブラウティハム) コープランド/アパラチアの春 ガーシュウィン/ラプソディ・イン・ブルー アイヴズ/宵闇のセントラルパーク、答えのない質問 ニューイングランドの三つの場所 ガーシュウィン/ストライク・アップ・ザ・バンド バーンスタイン/プレリュード、フーガとリフ ホワイトマン/サン プロムス、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール。 盛りだくさんのアメリカ音楽プログラム。ラトルは95年のヴァルトヴューネや、 昨年のジルヴェスターなどでもBPO相手にこれらの音楽を取り上げていたが、 これはその萌芽となる演奏会だろう。アイヴズは最近そんなにやってないような 気もするが。 また、ラトルはこうしたアンソロジー的なプログラムを組むのを好んでいるようにも 思える。86年にはケックランなどといった珍しい作曲家の作品を含むフランス音楽プロ で二回の演奏会が放送されたりした。 演奏はオケがやや弱いようにも思うが、ヤンキー気質の中でのアイヴズの異質性が はっきりと浮かび上がり、面白い。コンサート自体は、バーンスタインやホワイトマンの 曲で最高潮に盛り上がっており、ライヴ録音ならではの熱さも十分。
1977年8月27日、カラヤン&ベルリン・フィル マーラー/交響曲第6番「悲劇的」 ザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場。 重戦車の爆進のような演奏。しかし冷徹で、意外と熱さは感じられない。 また、マーラー特有の毒もそれほど感じないので聴きこむことはなかった。 歌も十分あり、演奏レヴェル自体は高いのだが、イマイチ魅力に欠けるのは そのせいか。カラヤンでも耽美に徹した4番などは好きなのだが。 カラヤンがこの曲をライヴで指揮したのは77年2月(BPO定期)〜78年5月(ザルツ) の間だけのようだ(DGへの録音は75年だが、演奏会で取り上げていない)。また 78年5月のザルツブルクでは、それまでにレパートリーにした5番と「大地の歌」も 連日取り上げており、それから一年半ほど置いて4番(とその後9番)に着手している。
1974年8月28日、ジュリーニ&ウィーン響 J・C・バッハ/協奏交響曲イ長調 ヒンデミット/交響曲「画家マティス」 ブルックナー/交響曲第2番 ヘルシンキ音楽祭、フィンランディア・ホール。 ウィーン響首席時代(73〜76年)のライヴ録音。短かったが、両者にとって実り多い 仕事だったようで、FMライヴとしては他に荘厳ミサ、ヴェルディのレクイエム、 マーラー9番などが放送され、いずれも豊穣な名演だ。 また、ブルックナー2番は最近TESTAMENTから同年の録音がCD化され、未聴だが評価は すこぶる高いようだ。こちらのライヴも冒頭から引き込まれ、ジュリーニの暖かい 指揮が全曲を満たしている。ブルックナー休止の意味深さ、音楽の優しさ(決して ナヨっていないのが凄い)は同曲でも屈指の素晴らしさ。 ヘルシンキの音楽祭はあまり知られてはいないが、FMライヴを聴く限り、名演が多い。
230 :
名無しの笛の踊り :04/08/28 17:15 ID:/mjKRMGF
↑確認しました。すいません。 80年代にも一度だけやってますね。
1979年8月29日、ドホナーニ&ウィーン・フィル (独奏ゲルバー) プロコフィエフ/交響曲第1番「古典」 ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第2番 ドヴォルザーク/交響曲第8番 ザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場。 ドホナーニのライヴは、84年からはクリーヴランドの仕事がメインになったため、 実力に比べて放送が少なかった。 このザルツでのライヴは、溌剌とした勢いのあるプロコフィエフ、ゲルバーとの 小気味よいベートーヴェン、完全にウィーン・フィルをコントロールした ドヴォルザーク(特に終楽章の煽りが強烈なのに下品になってないのは見事)と、 壮年期のドホナーニの最も熱い記録だと思う。
>>231 1979年の来日公演でマーラー第6をカラヤンは演奏していたと思うが
234 :
hs :04/08/29 09:02 ID:JT4SMQwG
私はスワロフスキーについて調べているのですが、 放送されたもの、お持ちの録音などのデータを お教え願えないでしょうか。 メールでも構いません。
235 :
名無しの笛の踊り :04/08/29 09:12 ID:E1cuFU9P
>>233 確かに79年10月17日、普門館でやりましたね。
しかし、この日は放送も録音もなかった。
236 :
名無しの笛の踊り :04/08/29 09:34 ID:X4o2+sjp
1997年8月30日、フロール&フィルハーモニア管 (独奏ラクリン) チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 ショスタコーヴィチ/交響曲第10番 ルツェルン音楽祭、モースシュタール・ハレ。 東独出身のクラウス・ペーター・フロール(1953-)指揮の演奏会。 フロールはルツェルンで行なわれているクーベリック指揮者コンクールで 最優秀の成績を収めたようなので、これは凱旋公演とも言える。 また、彼はベルリン響の音楽監督時代の87年に初来日公演を行なっており、 私は前橋汀子とのブラームスとベートーヴェン7番を聴いていて、素晴らしく 活き活きとした名演奏だった(FM東京で放送された7番と同時期)のを覚えているが、 それから東独崩壊などもあり、それ以来あまり演奏に接することはなかった。 90年代後半になって、ようやく彼の演奏会ライヴが立て続けに放送されたのは 喜ばしいことだった(この他ベルリン・ドイツ?とのショスタコ9番、コンセルトへボウ との「新世界から」など)。 CDでも6番など録音していたので、ショスタコーヴィチは得意なのかな、と思っていたら この10番はもう凄まじい演奏だった。躁鬱のコントラストが絶妙で、第二楽章の狂騒ぶり (ティンパニの強打が凄い)や第一・三楽章の暗さ、凄絶に煽りまくる(オケは少しへタリ 気味だったが)第四楽章と、言い過ぎかもしれないが、音楽の巨大さは師匠ザンデルリンク にも迫る勢いだった。 この頃のNHK-FMは、海外ライヴの質が下がり始めていた時期だったが、これには大いに 溜飲を下げた記憶がある。しかし、フロールはこれ以後また放送されなくなった。
1978年8月31日、ショルティ&シカゴ響 ティペット/交響曲第4番 チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」 ザルツブルク音楽祭、祝祭大劇場。 ティペットは77年にショルティ&シカゴ響により初演され、これは翌年の再演。 私にとってティペットは「我らの時代の子」が全てなのだが、この曲も聴き直すと それほど難解な感じはしなかった。 この頃はショルティとシカゴの全盛期であり、アメリカのオケのためライヴ録音の 日本への供給はやはり少なかったが、毎年のようにザルツに登場、「オケ・コン」や 「展覧会の絵」、「巨人」などでエアチェック・マニアたちを震撼させた。 この演奏会もそのひとつで、「悲愴」はパワフルで豪快、まさに彼らの力の程が 感じられる演奏だと思う。ただ、今聴くとショルティの音楽はストレートで 一本調子すぎる感もあり、微妙だ。むしろ後年のベルリン・フィルとの演奏(94年、 WOWWOWとNHK-FMで別日の定期が放送)のものが、引き締まって力強く、繊細さにも 意を払い、大変な名演だった(これは今でも私の「悲愴」ベスト演奏)。
239 :
名無しの笛の踊り :04/08/31 17:58 ID:AXyjc1Vh
>>238 WOWWOW以外にもNHK-FMで同じ定期の別演奏が放送されてたのですかぁ。
持ってる人探すか。
1973年9月1日、第20回オリンピック・ミュンヘン大会芸術展示 オペラ・コンサート ヴェルディ/ドン・カルロ〜「ひとり寂しく眠ろう」、「むごい運命よ」 リゴレット〜「悪魔め、鬼め」 椿姫〜「ああ、そはかの人か」〜「花から花へ」 ヴァーグナー/オランダ人〜「何度も海の底深く」 ベートーヴェン/フィデリオ〜「悪者よ、何処へ急ぐのだ」 モーツァルト/フィガロの結婚〜「とうとう嬉しいときが来た」 プッチーニ/蝶々夫人〜二重唱「夕暮れは迫り」 ロッシーニ/セビーリャの理髪師〜「わたしは町の何でも屋」 R・シュトラウス/ばらの騎士〜終幕の三重唱 グノー/ファウスト〜「門出を前に」 ヴァーグナー/マイスタージンガー〜「朝はばら色に輝き」 モーツァルト/魔笛〜二重唱「恋を知るほどの殿方には」 ロルツィング/ロシア皇帝と大工〜「わしのすることはみな正しい」 ヴェルディ/オテロ〜「無慈悲な神の命ずるままに」 アイーダ〜二重唱「父上よ」 独唱リッダーブッシュ、P・ジョンソン、カップッチルリ、モッフォ、 ステュアート、G・ジョーンズ、ローテンベルガー、キング、プライ アイヒホルン&ミュンヘン放送管 ミュンヘン、ドイツ博物館大ホール。
242 :
名無しの笛の踊り :04/09/01 02:35 ID:xMZZ9kJf
>>240 WOWOWのタコ5の時の定期もFMで別の日の音源って放送されたんですか?
>>241 続き
ミュンヘン・オリンピックは十一日目に起こった最悪のテロ事件(パレスチナ・ゲリラ
の選手誘拐、17人死亡)のために「血塗られた祭典」と呼ばれたが、これはそのテロの
起きる四日前に、競技と並行して開催された芸術展示の一環として行なわれたガラ・
コンサート。当時の売れっ子オペラ歌手たちが金メダル級の競演を聴かせてくれる。
皆が甲乙付けがたい素晴らしさで、聴衆の雰囲気もよく、ガラ・コンサートの二時間近い
長さもあっという間だ。
プライのヴァランタンは珍しく、意外にもキングのヴァルターも全曲はないようだ
(バイロイトでも歌っていない)。このほかはいずれも、それぞれの十八番のアリアから
美声を披露している。
また、二日後の3日にアッバードとスカラ座が芸術展示の引越し公演(「アイーダ」、これは
複数のレーベルから海賊盤が出ており、今も入手可)を行なっており、カップッチルリの
ドスの効いたアモナスロを両日に渡り聴けた訳だ(アイーダ役はガラはG・ジョーンズ、
スカラ座はアローヨが担当)。
>240 NHK-FMが8日の演奏なので、それと同じものでしょう。あれから私も久々に ビデオ見ましたが、いいですね。仰るとおり澄み切ってます。 >242 タコ5はどうでしたかね?これはWOWWOWのしか持ってないからなぁ。
1975年9月2日、ギレリス(Pf)&アマデウス弦楽四重奏団&ツェぺリッツ(Cb) ブラームス/ピアノ四重奏曲第1番 シューベルト/ピアノ五重奏曲「鱒」 ヘルシンキ音楽祭、フィンランディア・ホール。 ブラームスはシェーンベルクによるオケ版もメジャーだが、原曲の独特な憂愁の美も 素晴らしく、よく聴く。ライヴ録音はあまりないのだが、カガンとグートマン、 ロバノフらが組んだLiveClassics盤、IPPNWのベルリン・フィルのカルテットの ものなどがある。 このギレリスとアマデウスの組み合わせも、DGに「鱒」も含めスタジオ録音している。 またギレリスにはベートーヴェン四重奏団と組んだ49年盤もあるようだ。 演奏はギレリスのピアノが主体となって歯切れよく、アマデウスも寄り添うように 付けており、ガチンコというよりも調和型の名演だ。
1984年9月3日、ビエロフラーヴェク&プラハ響(独奏シェリング) ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 ヤナーチェク/タラス・ブーリバ ドヴォルザーク/スケルツォ・カプリツィオーソ モントルー音楽祭、メゾン・デ・コングレ。 9月はモントルー音楽祭とベルリン芸術週間の季節だが、各地で秋の音楽シーズンも 始まるのでライヴ録音には事欠かない。 モントルー音楽祭はスイスの音楽祭で、60年代から音源をNHKに提供してくれている。 ここでは端正な音楽を作るビエロフラーヴェクが、伸びやかでライヴらしい名演奏を 聴かせてくれる(ドヴォルザークのこの曲のライヴは珍しい)が、圧巻はやはり シェリングのベートーヴェンだろう。激しくはないが、美音の洪水だ。
1976年9月4日、パブロ・カザルス生誕100周年記念コンサート セイシャス/シンフォニア変ロ長調 トゥリーナ/闘牛士の祈り ハイドン/チェロ協奏曲ニ長調 モーツァルト/ピアノ協奏曲第13番 バーメルト/オル・オクン カザルス/鳥の歌 フルニエ(Vc)ホルショフスキ(Pf) バーメルト&ルツェルン祝祭弦楽合奏団 ルツェルン音楽祭、クンストハウス。 偉大なチェリスト・指揮者のカザルスを記念したコンサート。 演奏は弦楽合奏団とあるが、ハイドンなどで管も参加しているようだ。 フルニエ、カザルスと縁の深いホルショフスキのコンチェルトがやはり最大の聴き物。 フルニエは味が濃く、ホルショフスキも淡々としているが、いずれも両者ならではの 音楽を聴かせてくれる。 しかし何故に指揮者がバーメルトなのか。スイス出身だからだろうがカザルスとの 接点はよく分からない。最近のN響との実演も聴いたがセカセカしていていいトコなし。
NHK-FMてクラシックばかりなので中学のころは民放FM局のあるとこが うらやましかった。なんてことを思い出しました。以上。
1976年9月5日、ジュリーニ&ベルリン・フィル (独奏ワイセンベルク) ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 交響曲第7番 ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 脂の乗り切ったジュリーニとベルリン・フィルの演奏会は、この時期辺りから 目立ってFMでも紹介され始めた。シューマンの「楽園とペリ」など珍しい曲も 取り上げている。 ここでのジュリーニは、曲の歌心を出そうとするあまり、全体としてキレをやや 欠いている。しかし第二楽章などはそれがうまくいっており、美しい。 ワイセンベルクとの「皇帝」はジュリーニとは水と油な感じかと思ったが、逆に 素晴らしい。ジュリーニの合わせ物はやはり上手い。
>>245 出遅れたけど、81年のスカラ座来日公演での「オテロ」、
放送されたのは9月2日のものでしたね。
251 :
名無しの笛の踊り :04/09/05 18:48 ID:Fj757oko
>250 忘 れ て ました。というのはウソですが、テープのトラブルで、 今私が聴けるのはアッバードのヴェルディレクイエムのみ…orz。 塔に買いに走ろうかと思いました。
1983年9月6日、シャイー&ベルリン・フィル (独奏アルゲリチ) チャイコフスキー/マンフレッド交響曲 プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第3番 モソロフ/鉄工場 ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 シャイーがFMで注目されだした頃の演奏。曲順は多分これで合っていると思うが、 ずいぶんアンバランスだ。しかし演奏自体はベルリン・フィルの胸を借り、 超名演を繰り広げている。「マンフレッド」、「鉄工場」ともに後年コンセルトへボウと 録音しているが、比べ物にならない熱さがある。これぞライヴ録音ならではだろう。 「マンフレッド」では冒頭からアンサンブルが明らかに不安定だし、第三楽章の鐘の音 などは失笑するほどの音程の悪さだが、全編に渡り洗練された響きながら揺れが激しく、 フィナーレの煉獄的な苦しみの後の取って付けたような高らかな救済の動機も、 真に迫るほどの素晴らしさだ。 モソロフでもCDにはない異常快速とアッチェレランドで物凄い熱狂ぶりで、スヴェトラ ーノフの有名なライヴに引けを取らない(だいぶ方向性は違うが)。それにしてもこういう 曲ではベルリンの管・打セクションの底力は本当に驚異的だ。随所でフォーグラーらしき 勘所のよいティンパニの打ち込みがモノを言っている。 アルゲリチのプロコフィエフについてもやはり同様の熱さで、目くるめくタッチにドスも 効いており、豪快かつ繊細。終演後の大ブラヴォーも、さもありなんだ(ネコケン風)。
>251 ちなみに私のクラ入門演奏はドホナーニのスタジオ盤「悲愴」です…。
255 :
名無しの笛の踊り :04/09/07 20:55 ID:/jCwgC2d
>>253 70年代から90年代にかけてFMで放送されたBPOのマラ6は
誰が振ったのがありまつか?
シノーポリあたりのライブもあったような・・・
1962年9月7日、ロジェストヴェンスキー&フィルハーモニア管 (独奏D・オイストラフ) ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番 交響曲第4番 エディンバラ音楽祭、アッシャー・ホール。 ショスタコーヴィチの交響曲第4番が復活初演されたのが1961年12月30日。 コンドラシンが指揮したが、彼のライヴ演奏はまだ確認していない。初演者 だからではなく、純粋に15曲の中で最も彼向きだと思うのが4番なので、昔の ロシアン・ディスクのようなレーベルが発掘してくれないものか。 上記はその初演から9ヶ月後に英国で行なわれた演奏会。FMでは全プロ放送されたが BBC LEGENDSからはまだ協奏曲しか出ていない。やっとこさジュリーニのドヴォ8も 出ることだし、いずれ4番も発売されるだろう。ちなみにこの演奏会と、スヴェトラ ーノフの「死の島」、オイストラフとのショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第2番 の演奏会、マルケヴィチとLSOの「春の祭典」とムソルグスキー歌曲集による演奏会の 放送は、すべて演奏日時が8月22日となっていて(FMfan発表NHK番組表による)、訂正が 必要だ。スヴェトラが正しく、マルケヴィチは8月26日、ロジェヴェンは9月7日である。 これもBBC LEGENDSのリリースのお陰だ。 演奏は協奏曲は言うまでもなく緊張感に溢れた名演(ただオイストラフとしては ミトロプーロスNYPとのあまりにも切迫した超名演を採りたい)で、4番は初演直後のためか 指揮者とオケに消化不良的なぎこちなさがあり、アンサンブルも相当に危なっかしい。 ソロにもミスが頻発している。しかし、そのせいか余計にフィナーレの大カタストロフが 異常に野蛮に聴こえ、実に生々しいものがある。 また、ロジェストヴェンスキーのショスタコ4番にはソ連文化省響とのスタジオ盤がある他、 ウィーン・フィルにただ一度だけ客演した演奏会の録音(78年、CINCIN)が残っており、 こちらもある意味凄く強烈なものだ。
>255
ttp://www.aria-cd.com/live/vol4.htm ↑
これの下の方にあるラトル&ベルリンフィルをエアチェックしたテープが
倉庫のどこかに眠っているはず。たしか、2楽章と3楽章を逆に演奏してい
た。1987年9月14日の演奏だけど、印象にはあまり残ってないので、1週間
後、この日のライヴ録音氏に取り上げられる可能性は低いと思われます。
258 :
名無しの笛の踊り :04/09/07 22:16 ID:ivfe5yoZ
>>249 当時TDKのSAカセットに録音して愛聴していました。懐かしい!
ベト7の1楽章で第2ヴァイオリンの音が目立っていますが、
今でも演奏自体がそうだったのか、録音のせいなのか謎の
ままです。
>255 多分>257さんのラトル(87年)、シノーポリ(86年、SDRの方が素晴らしい)、90年代に ハイティンク(CSだけかもしれませんが)、くらいかな?やっとこの前放送したけど アッバードも在任中何度か取り上げてますね。あと91年のテンシュテッ(ry ・・・ないないw >257 う!再来週分までに取ってあったテープの中に…w >258 私も久々聴きました。この前はサラ〜っと流して聴いてたので、 も一度確認してみます。
>>257 ラトルがベルリン・フィルと初共演したときのライヴですね。
漏れは、知人がPCMプロセッサでエアチェックしていたものをダビングさせて
もらいました。裏青も所有していますが音質は同等です。
最近になって、国際マーラー協会版の2楽章・3楽章が入れ替わり、結果的に
ラトルがそれを先取りする形になりましたね。
>>253 うぅ・・・。すっごく聴きたい・・・。
たしか、同じコンビでマーラーの9番もあったような気がしましたが、お持ちですか?
261 :
名無しの笛の踊り :04/09/08 02:30 ID:m6Apk1RK
>>255 >>257 >>259 70年代にはカラヤン/BPOのマーラー#6もあった。
1977年8月27日ザルツブルク音楽祭、1977年12月14日放送(NHK-FM)。
カラヤン・ファンでもなかったが、2トラ・19センチのオープンで録って
そのまま残っている。現在の感覚ではさすがにS/Nがよくないが、まあ
それなりに・・・といった感じ。演奏には賛否がありそうだ。
262 :
名無しの笛の踊り :04/09/08 02:56 ID:70fOng8c
1982年9月8日、アツモン&ベルリン・フィル (独唱ヴァラディ、E・ハインズ、ヴェヌーティ、ヴェンケル、エンゲルト・エリ、 ラウベンタール、フィッシャー・ディースカウ、トマシュケ) マーラー/交響曲第8番「千人の交響曲」 ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 82年のベルリン芸術週間はマーラー特集が組まれ、以下のプログラムがFM放送された。 5日 嘆きの歌 ツェンダー&BPO 6日 6番 ギーレン&ベルリン放送響 8日 8番 アツモン&BPO 11日 子供の不思議な角笛 シノーポリ&BPO 12日 10番(クック版) シャイー&ベルリン放送響 13日 3番 ハイティンク&ACO 24日 4番 デュトワ&ユンゲ・ドイチェ・フィル この8番も当初はテンシュテットが指揮することが決まっていたが、キャンセルし アツモンに変更になった。テンシュテットの指揮だったらと思わずにはいられないが、 結果的にアツモンの指揮もそれほど悪い訳ではない。全体的な印象としてはむしろ壮観な ソリストや合唱陣をよくまとめている。しかし、彼がマーラー指揮者ではないためか、 やや大味に聴こえてしまう。要するに祝祭的だがマーラー的な要素は薄い演奏になっている。
264 :
名無しの笛の踊り :04/09/09 01:23 ID:NhVdaMny
>>263 この時の17日の6番の録音残っておらんかなァ・・・
>263追加、 20日にカラヤン&BPOで9番もやっています。
>260 シャイーとBPOのマーラー9番、確かにありましたね。 私は何故か録っていませんが、このコンビなら88年のベリオ、「新世界から」 で組んだプログラムがよかったですね。ヤルド・ファン・ネスの歌った 「フォーク・ソングス」は素晴らしかった。
1983年9月9日、インバル&フランクフルト放送響 ドビュッシー/カンマ スクリャービン/交響曲第1番(独唱ポドゥレス、テンツィ) フランクフルト、アルテ・オパー。 インバルとフランクフルトによる近代音楽。いずれの曲もライヴ録音が少ない。 この頃はだいぶ彼らの知名度も上がっていて、マーラーやブルックナーのライヴ録音も ボチボチ放送されだしていた。また、インバルはベルティーニと並び秘曲の演奏も キャリアの始めには多少あって、ゲルハルトの「ペスト」なんていう大曲が放送されたり している。 フランクフルトは昔から放送頻度が比較的高く、前任のディーン・ディクソン!の演奏会も 数多く放送された。バイエルンやシュトゥットガルト、北ドイツ、ベルリンはNHKでは多かった ように思う(ケルン、南西ドイツはやや少ないような気がした)。
>263 デュトワ&ユンゲ・ドイチェのコンビでは1986年9月2日のショスタコの 第8番を持ってます。アッケラカンとした第2楽章が気に入って、繰り返 し聞いたもんです。芸達者な管楽器のソロを含めて、とても上手いオケ ですね。これはベルリン芸術週間での演奏会だけど1986年はショスタコ 特集でもやってたのかな?同じ頃エアチェックしたと思われるロジェス トベンスキー&ソビエト国立文化省響の第10番も同傾向の爽快な演奏で 好き。これもベルリン芸術週間。当時使っていた「ぴあ」のFM番組表に は演奏日の記載が無くて日付不明。どなたか詳細をお教えいただければ 幸いです。ちなみにロジェベンの演奏会の前半は@ドミトリエフ/凍っ た河、解け出した河Aグバイドゥーリナ/12楽章の交響曲「声が…止ん で…」というもの。今に思えばこの2曲も録っておけば良かったな。あ の頃はこういうワケワカラン曲は原則パスしていたから。残念、残念。
269 :
名無しの笛の踊り :04/09/10 01:23 ID:3sg8n62B
>>253 このライヴの放送(1984年9月3日NHK-FM)をPCMプロセッサーでエアチェック
したテープが出てきた。放送での順番は鉄工所、プロコP協#3、マンフレッド
となっている。終わりに、シャイーが1984年2月27日にベルリン放送響を振った
ストラヴィンスキーのカンタータ「星の王」が放送されていたが、「星・・・」という
曲名が何となく記憶に残っていた。なつかしい・・・。
268です。いまロジェベンのテープの最後の方を聞いたら、1986年9月4日 にベルリンフィルハーモニーで演奏されたとアナウンスがはいってました。 やはり、この年はショスタコ特集だった模様ですね。全容、知りたいな。
271 :
名無しの笛の踊り :04/09/10 01:48 ID:zhffS2QD
>>269 PCMプロセッサってどういうものなのですか?
テープレコーダーでもなさそうだし。
私はカセットからDATに飛んだので知らないのです。
>270 この年は2日にデュトワ、4日にロジェヴェンが仰るとおりやってます。 あと17日にテミルカーノフがBPOと5番などやってますね。 他にチェリとミュンヘン・フィルの芸術週間来演もこの年です。 あとはロシアの現代物(デニソフ、グバイドゥーリナなど)で室内楽演奏会も ありますし、ショスタコ特集というよりその辺のロシア特集みたいな感じですかね。
273 :
名無しの笛の踊り :04/09/10 03:49 ID:WDJHfGQC
>>271 ビデオデッキに、映像信号の代わりにデジタル音声信号を記録する。 一昔前のPCM(つまりデジタル)録音機はビデオレコーダーを 利用していた。それと同じことを民生用のビデオデッキでやれるような アダプターをソニー(他社もか)がだしていたのよ。
275 :
名無しの笛の踊り :04/09/10 10:49 ID:+9b3V8Vw
>>273 .274
なるほど!同軸の映像のコードを使えばできますね。
スペックはどんなだったんですか?
再生する時はビデオから出力された音声信号をPCMプロセッサに通して
アンプに繋げればよかったのですか?
>>275 スペック的にはプロも使っていたくらいだから、かなり良好だったはず。
具体的な数字を調べるのは面倒なのでスマン。
再生の際は、録音の逆。
PCMアダプターとは別に、ソニーのベータに「ハイバンドベータ」が
出来た時、その音声トラックの特性が良いので、ハイバンドベータで
FMのエアチェックをしてた人もいたな。
1994年9月10日、コープマン&アムステルダム・バロック管 ハイドン/交響曲第55番「校長先生」 オルガン協奏曲ハ長調 交響曲第85番「王妃」 モーツァルト/交響曲第33番〜第三楽章 ハイドン/交響曲第85番「王妃」〜第三楽章 '94ハイドン週間、アイゼンシュタット、ハイドンザール。 コープマンはこのちょっと前に二度に渡る来日公演でモーツァルトの交響曲全曲演奏を 行い、全てFM放送されるなど、注目度は高い。その後も一、二年に一度は海外ライヴが 放送されている。最近の「リンツ」をメインとする演奏会もなかなかよかった。 彼らには古楽演奏にしては自由な空気が感じられ、独特の呼吸感もあるのがよいと 思う。上記ハイドン・プロもそうした傾向で、ギスギスしないのがハイドンぽくていい。 アンコールにモーツァルトのメヌエットとメイン・プロのメヌエットを対比するかのように 演奏しているのも心憎い。 なお、協奏曲のオルガンはコープマン自身が弾いている。
1982年9月11日、シノーポリ&ベルリン・フィル ヴェルディ/「運命の力」序曲 シュニトケ/合奏協奏曲第2番(独奏カガン、グートマン) マーラー/歌曲集「子供の不思議な角笛」(独唱ポップ、クラウゼ) ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 シノーポリが頭角を現しだした頃の演奏会。鮮烈なウィーンでの「アッティラ」の演奏で 出世のきっかけとなったヴェルディの序曲、得意の現代曲、それにマーラーと 彼の指揮芸術を堪能するに十分なプログラムだ。 シュニトケはギーレンのルツェルン・ライヴ(若い!テツラフとシフが独奏)の映像が 記憶にあるが、カガンとグートマンを得てこちらも気合が入りまくっている。オケは ギーレンのシャープさに比べるとやや混沌としている気もするが、これは好き好きか。 マーラーの歌曲集は、ポップにとっては十八番でBBCの二枚のライヴ盤にも収録されており、 FMでも何度も放送されている(バーンスタインとのライヴは忘れ難い)。クラウゼも ハイティンクのクリスマス・マチネー・ライヴ(フィリップス)に何曲か入っていたと思う。 シノーポリのバックは実に素晴らしく、何と言うかマーラーに必須の要素である、 明暗のコントラストと毒のある乱痴気騒ぎが詰まっている。同時期に小澤とBPO、F・ ディースカウのライヴもあるが、同じオケながらまるで方向性が違う。F・Dに比べると クラウゼもやや分が悪いが、それでも伸びやかな声で朗々としており、ライヴらしい 感興の高まりもあり、素晴らしい。また、ポップは本当に絶品。何も言うことなし。 それにしても超豪華キャストの演奏会だ。
曲順は逆でしたか。失礼しました。 「星の王」はあまりやりませんが、ブーレーズの デビュー・コンサート?で取り上げているのが生々しくて好きです。
↑は269さんへのものです。
1972年9月12日、ベーム&ベルリン・フィル シューベルト/交響曲第2番 交響曲第8番「グレート」 ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 ベームのベルリン芸術週間来演はこの年と翌73年にベートーヴェン4番と「エロイカ」、 78年のシューベルト5番と「グレート」、80年のモーツァルト後期三大交響曲のプロが 放送されている。また、ベームの大ハ長調の録音は、ライヴだけでも相当な数に上る。 ここでは雄渾な表情で実に厳しい造形のシューベルトを聴かせてくれる。特に 大ハ長調は、ヴァントの神がかった超名演を聴いたあとではやや鈍重な印象も残るものの、 和音を叩き付けるような独特の激しい迫力は忘れ難い。
282 :
名無しの笛の踊り :04/09/12 09:52:22 ID:Cet2hP8Q
今日11時40分WOWOW3でメータ6ウィーンフィルのマラ6放送。
wowow3ってどうやったら見れるの?
284 :
名無しの笛の踊り :04/09/12 12:25:40 ID:Cet2hP8Q
BSハイビジョンチューナーを買って、デジタルWOWOWに加入すれば 見れまつ。
>281 1980年の三大交響曲のうち、ジュピターだけ私のテープライブラリに残っている。 これの終演後のブラボーが凄まじくて、ベルリンのお客はスゴイなあ、と当時思った。 フライングでもなく、遅れるでもなく、絶妙のタイミングで数十人数百人が一斉に声をあげる、 と言った感じです。日付は1980年9月13日。これがベーム最後のベルリン客演だったのかなあ?
ではリクエストにお応えしまして…。 1980年9月13日 ベーム&ベルリン・フィル モーツァルト/交響曲第39番、 交響曲第40番、 交響曲第41番「ジュピター」 ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 ベーム最後のベルリン・フィル客演。1976年の芸術週間(14,15日、14日の公演は ブルーノ・ヴァルター記念演奏会と銘打たれた)でも両者はこの三大交響曲を取り上げて いたようだ(>281で紹介漏れ)。 さすがにこの硬骨漢も老いたのか、リズムに若干の硬直が聴かれ、全体的なテンポも 全盛期に比べればやや安全運転気味に聴こえる。スリリングでないのは確かだ。 しかし、これを老耄というのはいささか言い過ぎだろう。逆に言えばその四角四面ぶりが、 39番のメヌエット楽章などで大きな効果を上げている。これまでよりもいっそう柔和で 円満な表情なのだ。ここまで天国的なベームの演奏は初めて聴いた気がした。 また、劇的な表現にも決して欠けてはおらず、特に「ジュピター」結尾などにおける 英雄的な決然とした締め方は、この人もやはり巨匠時代の末裔の一人だったのだな、と 感慨深いものがある。 あと、ベルリンのお客はやっぱりスゴイ。
287 :
名無しの笛の踊り :04/09/13 23:06:25 ID:GfjF38ek
>>276 PCMプロセッサって何時頃から売り出されたのですか?(1980年頃とか)
288 :
名無しの笛の踊り :04/09/14 00:16:58 ID:hJ167/9j
ベームの英雄をザルツブルクのウィーンフィルとベルリンのベルリンフィルの ライブを同一日に放送したことがありましたね。軍配はどちらに?
>>287 VTR自体の普及が先だから、83,4年ころじゃなかったかな。
1993年9月14日、ノリントン&ヨーロッパ室内管 (独唱ハルギムソン、A・ジェームズ、エンスレー、ジョージ) モーツァルト/フリーメイソンのための葬送音楽、 交響曲第25番、 レクイエム ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ(LCP)との英国での活動を一段落させ (癌を克服したのもこの頃だったか?)、欧州で活躍の場を広げていた時期の演奏。 FMではロンドンでのLCPとの「田園」などが86年に放送されたのが初めてかと思われる。 これは山ア浩太郎氏もコラムか何かで取り上げていた。 上記ライヴは、サラッと流れるような流麗さがあり、古楽演奏にありがちな押し付け がましさがないのがよい。レクイエムも絶叫とは無縁で、高踏的で超然とした感さえある。 なお、一曲目の「フリーメイソン…」は、何らかの理由で二度演奏されている(確か 素晴らしい演奏だったのでもう一度、的な感じのノリントンのスピーチがあり、解説の 丸山圭介氏がそう紹介していたような)。
291 :
名無しの笛の踊り :04/09/14 23:28:19 ID:yNHsf7R4
1981/3/6〜7にRIASがショルティ指揮ベルリンフィルのブラームスSym4と バルトークの管弦楽の為の協奏曲を収録しているのだけど、 これって放送されてないよね? オケコンなんかシカゴとの聴き比べができておもしろそう。
292 :
名無しの笛の踊り :04/09/14 23:36:55 ID:yNHsf7R4
1981/12/14〜16に収録され、1982/1/10にRIASが現地で放送している テンシュテット指揮ベルリンフィルのベートーヴェンP協2とブルックナーSym4の ライブってNHKは放送した?
ショルティBPOはNHKではやってないと思う。初耳だし。 テンシュテットBPOは多分同時期のバッハVn協2番とブル8ならやりましたが。 どこでそんな情報を得ましたか?RIASのHP??
294 :
名無しの笛の踊り :04/09/15 01:23:29 ID:TWkkwdLl
ベルリンフィルのプログラムを沢山持っている友人に見せてもらったら、 書いてありますた。
>294 おお、そうですか。 ショルティのオケコンはザルツでCSOとVPOのライヴが10年間隔でありますね。 テンシュテットのブル4はFM横浜?でCSOのがあったかなあ。
296 :
名無しの笛の踊り :04/09/15 20:56:59 ID:YqkaeXVD
WOWOWで90年代にやっていたBPO定期を再放送してほすぃ!
>>296 「ランスへの旅」がセミ・ステージ形式だったんで面白かったな。
ソニーからCDだけは出てるが。
298 :
名無しの笛の踊り :04/09/15 22:30:36 ID:YqkaeXVD
今ならハードディスクレコーダーでばっちり録画録音できるし。
1970年9月15日、リヒテル(Pf)、バルシャイ&NHK響 モーツァルト/ピアノ協奏曲第22番 ピアノ協奏曲第27番 東京文化会館。 リヒテルの初来日。9月3日から10月22日まで(10月に何日か病欠)という非常に長期間に 渡る滞在だった。曲目はそれこそ多彩で、まさに「リヒテル・フェスティヴァル」のような ものだったのではないか。リサイタルは初日の演奏が放送され、協奏曲ではバルシャイの 伴奏によるN響とのモーツァルトが放送されており、3日後の18日にもバルシャイ&読売日響と ベートーヴェン3番を弾いているようだ(音源未確認)。 上記演奏は、愉悦の中にも一本の強い芯があるのが聴かれ、曲の美しさに耽溺しない硬派な 演奏になっているが、決して辛口でもない。緩徐楽章の音の行間の充実は凄い。 余談だが、筑摩から出ているモンサンジョンの「リヒテル」の彼自身のメモは、素直な視点で 同僚演奏家の批評(感想)みたいなのが載っており、非常に面白い。特にトゥールでの、 彼の音楽祭に客演するソリストたちへの評価は歯に衣着せぬもので、参考になる。 ロシアの指揮者に関しては、バルシャイはやはり信頼も厚かったようだ。この時期 室内オケばかり振る(振らされる?)彼に同情を寄せていたり、ヴァーグナーに似てると 言ったらかなり喜んでいたという話など、興が尽きない。この演奏はその二人の結び付き の強さを確認させてくれるものでもある。
1989年9月16日、ザンデルリンク&ベルリン・フィル ブラームス/ヴァイオリン協奏曲(独奏フリード) ラフマニノフ/交響曲第2番 ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 ザンデルリンクの芸風が、突如巨匠的に巨大になったのを実際に確認した演奏会。 FM放送だが、これ以前には彼の海外ライヴはあまり紹介されず(80年代などは特に 酷く、東ベルリンでのベートーヴェン5番とベルリン国立歌劇場のガラでの「魔弾」序曲 と合唱くらいだった)、芸風転換期がいつからか特定は出来ないが、82年頃のベト5が まだセカセカしていて厚みも薄い凡演だったのを鑑みると、80年代後半辺りにこの 「ザンデルリンク・ルネッサンス」が始まったのではないかと思う。 上記のこの演奏を聴いてみると、音楽の流れを重視しながらも、実に呼吸が深まっており、 強弱のメリハリが際立っている。要するに自然で雄大でドラマティックなのだ。 BPOの底力も凄まじいものがあり、低弦の強いゴリゴリ感や、ティンパニの強烈な打ち込み、 金管の統制の効いた咆哮、高弦のシルクのような美しさなど、(最後の?)黄金時代に 相応しい素晴らしさで、ザンデルリンクこそ次期音楽監督にして欲しいなあと本気で 思ったものだ。 ただ、ザンデルリンクの場合は、例えばブルックナーだと7番はスケールが小さいが、3・4番だと 素晴らしい巨大さであり、曲との相性がかなり演奏の出来にも影響してくるので、特定のオケの ポストに就かなかったような気もする。 それにしてもこのラフマニノフの素晴らしさよ!
「スケール」とか典型的コーホー語を使われると萎える・・・ 「スケール」など何も意味しないのだから。
>>301 通りすがりで、揚げ足を取りなさんな。
おれは「スケール」と言われてそのイメージするところは理解出来る。
この貴重なライブの記録を乱すような、下らないチャチャは入れないでくれ。
これは、読者からの声だ。
|∧∧ |・ω・`) そ〜〜・・・ |o旦o |―u' | ∧∧ |(´・ω・`) |o ヾ |―u' 旦 <コトッ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ミ ピャッ! | 旦
304 :
名無しの笛の踊り :04/09/16 21:45:59 ID:oZtJ3qqn
このラフ2は終楽章の終わりの方なんか色香を感じた。>読者の声でつ。
>300 そうそう。私もこのときのラフマニノフのド迫力にはぶったまげたクチ。 その後、同年4月に録音されたフィルハーモニア管とのCDが発売されて2度ビックリ。 当時はこのスタジオ盤のあまりの弱々しさに憤慨したものだが、いまではこのナヨナヨ ヘナヘナ感が逆にタマラン。ついでに言えばレニングラードpoとの旧盤も憧れの名盤だった。 CD復刻がなされるまで、東京文化会館の資料室に行っては日本初出のLPを何度となく聞いたもの。 なお、ベルリンpoのライブには些細なカットがあるが、スタジオ新録音の方は確かノーカット。 このあたりの変幻自在ぶりは、三種三様の演奏内容とともに謎です。 ところで「東ベルリンでの82年頃のベト5」というのは、ひょっとして90年代初頭に 駅売りCDとして一世を風靡したLASERLIGHTレーベルから出ていたザンデルリンク&ベルリン響 のベト5と同じ演奏なのでしょうか。フレージングに独特の味があって結構好きな演奏なのですが、 録音データがLive Recordingだけで何もワカランのです。(カプリングはケーゲルの田園) ↑ いま、ひさびさに聞いてますが、このベト5。確かに小ぶりだけど飄々としててイイですよー。
>305 ザンデルリンクのラフマニノフ、スタジオ盤持ってないので参考になります。 POはナヨってるんですか。あの名演奏はやはりオケの力も相当あるんですね。 ベト5のデータは正確には84年10月1日、シャウシュピールハウスでの演奏会の ようで、さっきまで聴き直してました。10年ぶりに聴いてみて、正直評価が 変わりました。なんちゅう耳をしてるのか私は…orz。 その日に取り上げようと思いますのでちょっとお待ち頂けますか。 あと、LASERLIGHTは聴いてないですが、リリース当時これは同一音源臭いな、 と思ったのは覚えています。中古屋回ってみようかなあ。 あと、遅くなったが302どの、痛み入ります。何となく茶を入れてみた。
>304 私もそう思いまつ。弦がとにかく美しくよく歌う。 サロネンの95年のシベリウスでも同様のことを感じますた。
308 :
名無しの笛の踊り :04/09/17 02:41:08 ID:XkkrOt7p
80年代のザンデルリンクでひとつありました。 1985年2月25日、ザンデルリンク&北ドイツ放送交響楽団 ムソルグスキー/ホヴァンシチーナ前奏 シューマン/ヴァイオリン協奏曲ニ短調(ズヴァイ・サイトリン) ショスタコーヴィチ/交響曲第15番 (ハンブルク、ムジークハレ)
309 :
名無しの笛の踊り :04/09/17 02:50:12 ID:XkkrOt7p
↑ NHK−FMで、金子さんの解説でした。解説まるまるテープに録ろうとして、 気がついたら90分テープの裏面10分くらい過ぎていて、肝心の15番を全曲録り損ねて しまいました。悔しくてB面は消してしまいました。 今でも心残りで、青裏でも探しているんですが、発見できません・・・
1985年9月17日、テミルカーノフ&ベルリン・フィル チャイコフスキー/ロメオとジュリエット プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第1番(独奏クライネフ) ショスタコーヴィチ/交響曲第5番 ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 テミルカーノフが客演した珍しいライヴ録音。ロシア系の指揮者がこのオケに 客演すると、嬉しくて?鳴らしまくってしまうのか、ほぼ大爆演が期待できる。 スヴェトラーノフしかり、シナイスキーしかり、ゲルギエフもそう言えるだろう。 ここでもその期待は裏切られず、更に音の異様にギラギラしている黄金時代の頃の BPOだけに、やはり凄まじい迫力がある。 テミルカーノフも心得たもので、いずれの曲も思い切りオケを歌わせており、大事な 切所ではキュッと手綱を引いている。ショスタコーヴィチの5番では、それだけに 第三楽章の静謐さが秀逸。フィナーレでは常識的なテンポだが、冒頭から徐々に 加速する際の自然さ、コーダ直前での弦のややポルタメントがかった美しさなど 聴かせ所も多い。 テミルカーノフは出来不出来にムラのあるタイプの指揮者(ロシアンディスクの古い 10番ライヴは売ってしまった)だと思うが、これは成功しているのではないだろうか。 クライネフのプロコフィエフも、95年に北原幸男&N響で演奏しているが、目くるめく タッチで細かく立ち回っており見事。この曲はガヴリーロフも91年にアッバード&BPOで 弾いていて、どちらもリリカルで力強く、甲乙付けがたい出来だ。 なお、解説者(土田英三郎か渡辺和彦)が実際にこの演奏会を聴いたそうで、最高席で 5,600円くらいだったそうだ。うらやましい話だ。
>308,309 そうそう、忘れてました。タコは80年代後半からよく放送されてましたね。 すみません。 15番は挙げておられるNDRのほか、CSO、BPO、変わったところでは確か セントルイス響なんてのもありました。5番もバイエルンとやっていて いずれも80年代後半、それまでが放送少なかった。 5番も物凄い演奏で、ラフ2の前にも巨匠的な風格は出ていましたね…。
312 :
名無しの笛の踊り :04/09/17 12:24:18 ID:XkkrOt7p
>>226 これをやらなくなってから、NHKが海外ライヴの放送は減ってないと言うのを信用できなくなった。
今週の「海外の音楽祭」などカット・編集三昧だが、昔はどこかの枠でちゃんとフォローしてくれていたのだが。残念なことだ。
>>237 この頃のNHK-FMは、海外ライヴの質が下がり始めていた時期だった
この日のライヴさん、お世話になってます。上記の件、まったくその通りですね。
なんたって、土曜日の19:15からのベストオブクラシック(当時の番組名なんだったっけ)がなくなって
しまったんだから。土曜は平日より5分早く始まったが、この5分が貴重で、平日ではおさまりきらない長い
プログラムをやってくれました。
その昔はたしか2時間枠だったのが現在の100分になったとき、コンサートのこま切れが多くなり憤慨したもの
です(FM東京の「ザシンフォニー・・・」も、2時間が1時間になり、そして消滅)。
今の日曜も2公演分完全にやってほしい。カットのフォローが最近ないですね。
313 :
名無しの笛の踊り :04/09/18 01:35:31 ID:VrvXfCWA
今日は何のライブですか?
ベストオブクラシック 〜ベルリン・フィル・シリーズ(1)〜 <カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)> @チャイコフ スキー/交響曲第2番ハ短調Op17「小ロシア」(38′50″) Aラヴェル/組曲「マ・メール・ロワ」(19′35″)Bスト ラヴィンスキー/バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)(24′ 10″)(1991年9月14日 シャウシュピールハウスでPCM 収録=自由ベルリン放送協会提供の録音テープ) <ダニ エル・バレンボイム(指揮)> ○ロッシーニ/歌劇「絹 のはしご」序曲(5′40″)(1992年2月29日 シャウシュピ ールハウスでPCM収録=ベルリン・リアス放送協会提供 の録音テープ) 話:黒田恭一 日にち違いご免です。この日さんの選から漏れたジュリーニ の大演奏会を、黒田恭一氏の放送後のコメントとともにご紹介。 @いかにもジュリーニらしい、歌い流すことを慎んでひとつ ひとつの音に独特の説得力を感じさせる素晴らしい演奏でした。 Aさすがにジュリーニ。音楽的透明度の高い素敵な演奏でした。 Bコメント、ありませんでした…。 それにしても、ベルリンフィル。鳴りっぷり、良すぎです。
315 :
名無しの笛の踊り :04/09/18 10:15:47 ID:wNw0aRls
この日さん以外の人も良い演奏紹介キボーン
1978年9月18日、ラインスドルフ&ベルリン放送響 (独唱ピーコック、S・ヴァーグナー、ユング、シュタム) ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付」 ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 ベルリン放送響首席時代(1978-81)の演奏会。 このコンビは80年には来日し、ベートーヴェンの「エロイカ」、7番などをメインとした プログラムを披露したが、結局短命に終わっている。 ラインスドルフは晩年、録音に恵まれなかった代わりにライヴで数々の名演を残しているが、 この「第九」は妙な部分もあり、比較的オーソドックスな存在だったイメージとのギャップを 感じさせる。第一楽章では楽譜にかなりの改変があり、よく分からないが誰かの編曲版の ような乱痴気騒ぎぶりだ。また、それ以後は普通に進めており、演奏自体はトスカニーニばりの 猪突猛進型で、まともな好演だけに余計に気になる。 彼はVPOとの80年代のシューマン2番でも似たような妙な改変を行なっている他、映像にも なっているシューマン4番でも初稿を使い、欧米各オケで「ばらの騎士」、「リング」など 自らの編曲によるオペラ抜粋版を指揮するなど、この時期のラインスドルフは意外にも 一筋縄ではいかない。ただの好々爺ではなかったことは確かだ。 独唱ではシュタムが美声で威厳もあって非常によいが、ユングはこれで何故ジークフリートを 歌ったの?と言われても仕方ない。
>313 そうですね。土曜のべスクラがなくなった時は本当にがっかりしました。 もう今やCSとかネットラジオの方が面白そうなのをやってますし、 FM海外ライヴは瀕死の状態ですね。 >314 これを忘れるとは…。ジュリーニヲタとしては痛いなあ。8日の モントルーのベト4、5、「エグモント」(スカラ・フィル)も忘れていたorz。 皆さん9月は何かいろいろグダグダですいません。
チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 マルタ・アルゲリッチ(p)シャルル・デュトワ指揮ベルリン・フィル (1980.9.18 ベルリン・フィルハーモニー) このスレが軌道に乗り出してから、棚で眠っていたカセットテープをあれこれ ひっくり返して聞いてます。9月って欧州のシーズン開幕月だからなのか、いろいろ と面白いソースがありますね。これは私がまだFMエアチェック駆け出しの頃に DOLBY-B録音したものです。同じ日に演奏されたのは「ペトルーシュカ」だった気 がしますが、確認できません。演奏は、有名なコンドラシンとの「そのときピアノが 火を噴いた」激演(80年2月7,8日)とは異なり、指揮者とピアニストが対話を交わす ような親密さが感じられ、過度な爆発はありません。第一楽章など、ちょっとした オケの艶やかな表情付けにハッとさせられます。アルゲリッチには、94年12月8日に アバドと共演したものもテープがあり、今回聞き比べてみました。新しい方はどうも イマイチ表情が硬い風に感じるですが、こちらはCDにもなっているようです。 >317 9月のジュリーニには、あとひとつ。1990年9月8日のベルリンフィルとの「田園」 「聖歌四編」(シャロン・スウィートSop/エルンスト・ゼンフcho)がありました。 91年の演奏会と違い、こちらはひたすらに静ひつな、祈りの時間が流れて行きます。
319 :
名無しの笛の踊り :04/09/18 18:22:57 ID:9oYrn71d
>>318 確かにペトルーシュカでつ。
確か渡辺学而氏が「この2人別れたのにどうしちゃったんでしょうね」と
コメントしてますた。
1986年9月19日、シノーポリ&ベルリン・フィル マーラー/交響曲第6番「悲劇的」 ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 シノーポリのマーラー6番ライヴは、他に85年のシュトゥットガルト放送響との ものもある。また、他の交響曲では、1番(クライバー代役・VPOとイタリア国立放送響)、 2番、8番(いずれもPO)がFM放送されている。97年のイタリア国立放送響の「巨人」は しばらくぶりの彼のマーラーだった記憶がある。 少ないがいろいろと残されたライヴ音源を聴くと、シノーポリの全盛期は80年代中盤だった かも知れないと思う(ミレニアム・リングはあと一度だけでも聴きたかった)。 演奏はマーラー指揮者に必須であると思う、ギアチェンジの巧みさ、強弱や明暗の対比の 鮮烈さが十二分に感じられ、何より思い入れが伝わってくる激しいものだ。アンダンテ楽章 (楽章入れ替えはなし)の演奏は19分弱ほどもかけ、慈しむように踏みしめて進むのが 印象的だし、最終楽章はまさに英雄の闘争、といった趣で実に劇的だ。 なお演奏後の解説では、これほどの演奏が新聞評では全くの賛否両論だったと紹介している。 最近は小澤、アツモン、デュトワにカラヤンなど非マーラー指揮者のマーラー演奏ばかり 聴いてきたので、久々にマーラーを満喫できた。
>318 おお、それ18日でしたか。でも私のは受信状態がイマイチで音が悪いんだよな〜。 ジュリーニは仰るとおり「田園」「聖歌四篇」も忘れてましたね…。
322 :
名無しの笛の踊り :04/09/19 13:55:08 ID:Xinovy9c
シノーポリのマラ6は裏青出ているんですか?
モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466 ショスタコーヴィチ/交響曲第15番イ長調op141 マリア・ティーポ(p)クルト・ザンデルリンク指揮ベルリン・フィル (1988年9月19日 ベルリン・フィルハーモニー) 早朝4時からのFM東京ザ・シンフォニー・ホール・フロム・ヨーロッパの放送をエアチェックしたもの。 この番組だとNHKFMより響きが柔らかく、残響も豊かに聞こえるような気がします。 2曲とも慌てず騒がずの、落ち着いた味わい深〜い名演奏で、ベテラン女流ティーポのえも 言われぬ哀しみを湛えたソロが、綿上花を添えています。大人の音楽ってところでしょうか。 ベルリンのお客は、15番が静かに終わり、ひと呼吸置いてからの指笛一発。洒落てる。 ところで、ザンデルリンクとベルリンフィルの演奏会の放送記録を知りたいんです。 88年、89年の他、FMでは93年のラフマニノフ3番。映像ではWOWOWで92年のチャイコ4番、 BS2で97年のショスタコ8番といったところが、私の確認できるところです。 ひょっとして88年が初共演ではないかとも思っていますが、んなことはないか…。 ちなみに私は、受信状態の悪化と番組の質の低下で、97年頃にFMエアチェックを止めて しまいましたし、裏青事情には疎いです。
324 :
名無しの笛の踊り :04/09/19 23:12:36 ID:tl8eZWbU
シノポリのマーラーはこんなのもあります。 1987.12/20.東京,両国国技館/World Phil. ヴェルディ/シチリア島の夕べの祈り序曲 ラヴェル/ダフニス第2組曲 マーラー/巨人 この演奏会はLDでも出てました(NEC:A78L3001)
>322 どこかで見た記憶がありますね。ア○アかどこかだったかな。 >323 おお〜来ましたねぇ。 あの指笛は当時悩んだなあ。褒めてんのか貶してんのか分かりませんでした。 ザンデルリンクとBPOの放送記録ですが、やっぱり少ないですよ。多分その ショスタコーヴィチ15番のプロが初めてではないかと思うのですが。 挙げておられる他には以下のものが。 90年10月2日 モーツァルトVn協4番(ツィンマーマン)、ブルックナー3番 92年6月16日 コリオラン、モーツァルトVn協3番(ツィンマーマン)、 ブラームス3番 00年6月17日 モーツァルトVn協4番(スタブラヴァ)、シベリウス2番 あと、放送は未確認ですがBPOのシーズン・プロによると 98年3月16/17日 シューマンPf協(ブレンデル)、ショスタコーヴィチ15番 が予定されていたようです。この時期は確かSDRとの演奏会が放送されて、 ロンクウィヒとのシューマンと15番があったと思います。 また、97年6月のBS2のハイドン82番とショスタコ8番のプロも、当初はヴァントが シューベルト5番とブルックナー3番をやる予定での代役だったようです。 私の知る限りこれくらいなのですが、どなたか追加・補足できる方、いませんか。
>324 これは懐かしいですね。すっかり忘れてた。 結局ジュリーニ、マゼール、シノーポリの三回だけでしたね。
327 :
260 :04/09/20 03:17:21 ID:u8k7bWsD
>>323 自分は逆にその辺りから本格的にエアチェックを始めたんですが(現在30歳)、
ザンデルリンクとベルリン・フィルの共演は、以下のものもあります。
シューマン/ピアノ協奏曲(ピアニスト失念)
ショスタコーヴィチ/交響曲第15番
(1999年3月17日 ベルリン・フィルハーモニー)
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第4番(Vn:スタブラヴァ)
シベリウス/交響曲第2番
(2000年6月17日 ベルリン・フィルハーモニー)
それにしてもショスタコの15番が多いな・・・。
328 :
260 :04/09/20 03:21:30 ID:u8k7bWsD
あ、
>>325 さんとかぶった。
シューマン・ショスタコは、自分のリストが1年間違っていたらしいですね。
ピアノはブレンデルでしたか。
>328 いや、私の方が違います。99年です。 シーズン・プログラム(98/99シーズン)から抜粋して書いたから 98年にしてしまった。録音したのすら忘れてた…。 それにしても15番、多過ぎw
330 :
名無しの笛の踊り :04/09/20 05:20:54 ID:azb/fGaj
まとめ ザンデルリンク/ベルリン・フィルの放送記録(会場はベルリン、フィルハーモニー) 1988.9/19.(ベルリン芸術週間)FM東京 モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466(P:マリア・ティーポ)、ショスタコーヴィチ/交響曲第15番イ長調op141 1989.9/16.(ベルリン芸術週間)NHK-FM ブラームス/ヴァイオリン協奏曲(独奏ミリアム・フリート)、ラフマニノフ/交響曲第2番 1990.10/2.NHK-FM モーツァルト/Vn協4番(フランク・ペーター・ツィンマーマン)、ブルックナー/交響曲第3番(ノヴァーク版) 1992.6/6,7.FM(NHKか東京か不明。日にちは両日表記で、どちらの演奏か不明。WOWOWと同一か?) サンサーンス/P.協奏曲2番ト短調 op.22(P:イエフィム・ブロンフマン)、ショパン/練習曲op.10から第12番ハ短調(革命)(アンコール、ブロンフマン) チャイコ/交響曲4番 1992.6/16.NHK-FM ベートーヴェン/コリオラン序曲、モーツァルト/Vn協3番(フランク・ペーター・ツィンマーマン) ブラームス/交響曲第3番 1993.9/30.NHK-FM モーツァルト/ピアノ協奏曲24番K.491 P:ラドゥ・ルプー、ラフマニノフ/交響曲第3番 1997.6/8,9,10.NHK-BS(10日の演奏会を生放送) ハイドン/82番熊、ショスタコ/8番 1999.3/16,17.NHK-FM(放送は17日の公演) シューマン/ピアノ協奏曲(ブレンデル)、ショスタコーヴィチ/交響曲第15番 2000.6/17.NHK-FM モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第4番(Vn:ダニエル・スタブラヴァ)、シベリウス/交響曲第2番 こんなところですか。本当は放送以外の全日程を知りたいところですがね。
>325、327~330 皆々様、どうもありがとうございます。 ブル3、ブラ3はひょっとしたら倉庫で眠っているかも。 98/99、99/00が最後の客演なのでしょうかねえ。 どうやらシベ2は裏青がありそうなので、地道に探してみますか。 ところで、私、大嘘こいてました。305でラフ2のPO盤はノーカットとかほざいてました が、カットありますた。第一楽章(25′09″)と第三楽章(5′32″)と第四楽章(11′32″)。 しかも、全然些細じゃないときたもんだ。また、当然ながらBPOライブとの基本的な解釈も 大差ないみたいでつ。あぁ、やはり聞き直すべきだった。思い込みはイケマセンね…orz。
1992年9月20日、アシュケナージ&ベルリン放送響(現ベルリン・ドイツ響) ストラヴィンスキー/ピアノと管弦楽のための「カプリッチョ」 メンデルスゾーン/真夏の夜の夢 (独唱ドーソン、シェフター、語りモルゲンロート) ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 アシュケナージのN響音楽監督就任にちなんで。 数年前の「バビ・ヤール」や「ペレアスとメリザンド」などを取り上げた一連の定期は なかなか聴かせてくれたが、果たしてこれからはどうだろうか。就任記念に披露される ベートーヴェン・プロは、いきなりの実力テストみたいな感じで、楽しみだ。 ベルリン放送響(改称は確か93〜94年頃だったか)の音楽監督のポストはシャイーの 後任で、いろいろとライヴも放送されたが、結果的には前任者を凌ぐインパクトは なかったのではないか。 ただ、上記のこういうプログラムだと、アシュケナージも悪くないと思う。特に 「真夏の夜の夢」は、真面目な演奏だが響きを重視した美しいもので、独唱や合唱 (ベルリン放送)も含めて室内楽的な親密ささえ感じられる。 語りのモルゲンロートがややその方向性にそぐわない気がしたので、 DATで編集して語りと挿入曲をカットしたテープを作ったりしたものだ。
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調op26
ラフマニノフ/交響曲第2番ホ短調op27
樫本大進(vn)エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮NHK交響楽団
(2000年9月20日 サントリーホール BS2録画)
最後の来日のときのB定期。発表会みたいなvnには役不足芸不足を感じるが、
大河の流れのような交響曲の方は、晩年の無為の境地が感じられて素晴らしい。
当時は大爆演を期待して23日の鎌倉公演の方に出掛けたが、いまいち迫力
不足に感じられ、肩透かしを食ったような気がしていた。月日を経て聞き直すと、
感じ方も変わるものですね。無為の境地なので、汗はかかず、扇風機もナシ。
ところでこのとき、チェロ4プルトのウラで弾いていたのは藤原真理さん?!
あと、別スレを見ていたら、こんなの発見。N響でも、こういうの、やってほし
かったなあ。(曲順は想像です)
↓↓↓↓
Gershwin:Cuba Overture
Gershwin:Piano Con F major
Gershwin:An American in Paris
Gershwin:Porgy and Bess suite
Evgeni Svetlanov/Swedish Radio so/Jeffrey Siegel(pf)
(96/9/20 Berwaldhallen)
出典:
ttp://homepage3.nifty.com/svetlanov/SR.htm
1973年9月21日、ロス・マルバ&ローザンヌ室内管(独唱クエノー) パーセル/妖精の女王〜組曲第1番 J・S・バッハ/カンタータ第161番「来たれ、汝甘き死よ」〜 レチタティーヴォとアリア ラモー/カストールとポリュックス〜 自然の神、愛の神、汝ら我が心を分かつものよ ハイドン/交響曲第82番「熊」 モントルー音楽祭、会場不明。 ローザンヌ室内管のライヴ録音は、90年代何故か極端にNHK-FMで放送され始め、音楽監督の ロペス・コボス指揮の演奏会は多数紹介された。また、客演ではヴェルザー・メストや広上 淳一などが放送された。 これはスペインのアントニ・ロス・マルバ(1937-)の客演指揮によるもので、この年代での 同室内管の放送はかなり珍しかった。また、INAからトリビュート盤の出ている、スイスの 大ヴェテラン・テノール、ユーグ・クエノー(1902-?)の格調高いアリア二曲が好事家には 聴きものか(80代で「トゥーランドット」の皇帝アルトゥムを歌ったらしい)。 ハイドンは薄い編成で最初おとなしいが、徐々に熱を帯び、フィナーレは溌剌としていて 若手らしいよさがある。 ロス・マルバの演奏会は、この他ベルリン・フィルに客演したモーツァルト40番、ファリャの 「三角帽子」などがある。
>>333 >役不足芸不足
力不足芸不足でしょ、と突っ込んでみる。
336 :
名無しの笛の踊り :04/09/21 19:58:38 ID:kBXM/ivS
>332 アシュケナージ指揮の海外ライヴで好きだったのがシューベルトの2番。 録音したときこれいいじゃん!いいじゃん!って何回も聞いた。 いまはテープどっか逝っちゃって聞きたくても聞けない。 オケはもしかしたらベルリン・フィルだったかも知れない。
>336 それは記憶にないですね〜。探してみたけどなかった。 シューベルト2番ですか。 アシュケナージには何となく向いてそうですね。
>336-337 とうとう倉庫のダンボール箱(3箱!)をFM引退以来7年ぶりに引きずり出した。倉庫行きはセカンド チョイス以下としたつもりだったけど、トンデモなかった。クライバー&VPOの88年3月20日公演が FM放送されてて録ってたなんて、完全に忘れていた。ザンデルリンク&BPOのブル3も発見(このとき余り の時間でアバド&BPOの「星の王」が放送されている>279)。シャイー&BPOのマラ9もあった。さらに、 テープのラベルに《シノーポリのマーラー交響曲第6番「悲劇的」》とあったから、うほ〜っ、>320で高評 価のBPOとのものか!と狂喜したら、87年7月26日アルバートホールでのPOとのライブだった(FM東京)。 それから、>257で87年9月14日と書いてたラトル&BPOのマラ6。ラベルに挿んであった当時の新聞の切れ 端を見ると、87年11月14日とある。これ、ア○アのhpの日付が間違っているの?この日さんは、それを 承知で、あえて9月14日を外したのか。うーむ。それはともかく、あとで15年ぶりに聞いてみよう。 すっかり本題が消し飛んでしまった。はい、これ、ありました。あとで、聞きまつ…。 ↓ ザ・シンフォニー・ホール・フロム・ヨーロッパ ウラディーミル・アシュケナージ指揮ベルリン放送響/Ob:ゴードン・フント @シューベルト/交響曲第2番変ロ長調D125(32′57″) AR・シュトラウス/オーボエと小管弦楽のための協奏曲(24′15″) Bモーツァルト/交響曲第40番ト短調K550(31′00″) (1991年1月12、13日 ベルリン・グローサーゼンデザールで収録)
>338 おお〜、やる気ですねぇ〜。何年かに一度はありますよね。 ひっくり返してみて、こんなん録ってたんかいな、おほっ、てのが。 しかしそのアシュケナージのプログラムは初めて見ましたね。 ラトルのマーラー6番は11月14日で、>279のレスは勘違いして19日のシノーポリ のと間違えてたんですよ。すいません。それで外したんですが、ジュリーニを 忘れちゃイカンですね。
↑>279じゃなくて>259のレスです。
1984年9月22日、グシュルバウアー&ストラスブール・フィル (独奏デュメイ) ショーソン/詩曲 サン=サーンス/序奏とロンド・カプリチオーソ ベルリオーズ/劇的交響曲「ロメオとジュリエット」 〜@愛の情景Aマブ女王のスケルツォBキャピュレット家の大宴会 モントルー音楽祭、メゾン・デ・コングレ。 テオドール・グシュルバウアー(1939-)が83年から音楽監督を務めるストラスブール・フィルの 演奏会は、他に80年代末の来日公演?もあったと思う。確か「幻想交響曲」などだった。 正直グシュルバウアーのライヴは、N響やモーツァルト・マチネーを聴いても安全運転すぎて 面白みはなかったが、上記ライヴは頑張っている。 ベルリオーズは「愛の情景」でしっとりと弦を歌わせていて好感が持てるし、「大宴会」の騒ぎも 大爆発はしないが丁寧に聴かせる。響きはスカスカで、あまり雰囲気があるとは言えないが、 フランスの地方オケにしては健闘だろう。 むしろ雄弁なソロを太い毛筆で聴かせるデュメイが、一番の聴きものだ。
1960年9月23日、ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル モーツァルト/交響曲第33番 ショスタコーヴィチ/交響曲第8番 ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール。 ショスタコーヴィチは英国初演。放送初演は44年にヘンリー・ウッド&BBC響が行なった。 ムラヴィンスキーの同曲ライヴは、フィリップスから出ていた82年ウィーン・ライヴを血眼に なって探していたので、BBC LEGENDSの初回発売リストを見て、モントゥーの「ファウストの 劫罰」と並んで狂喜したものだ。 この曲は今の所コンドラシンにライヴがないので、このムラヴィンスキー盤が最高のライヴ 演奏であると思う。比べるものがない。これほどの緊張感のある8番のライヴは聴いたことも ない。まず音の強弱の差が凄まじく激しく、集中力の高さは並ではない。第一楽章や 終楽章の異常な静謐さと突然の大爆発は、聴き手にも集中力を要求するほど。 また、ライヴにもかかわらず、ほとんど瑕疵がない。第三楽章冒頭の進軍ラッパと小太鼓の 絡む辺りなど、大体のライヴ演奏では外したり少しトチッたりしてしまい、上手くいっても やっとこさ的な難所なのだが、これがリズムに乗って実に素晴らしい。第二楽章の木管なども、 入り乱れず整然としており、響きも冷徹な雰囲気に統一されていて本当に凄い。 これだけの大演奏の後では、終楽章コーダのほんのひとさしの希望が、特に強く胸を打つ。 日頃は煩わしいくらいうるさいロンドンの聴衆の拍手が、珍しくおずおずなのも頷ける。 併録のモーツァルトも、愉悦とは遠いが冷え冷えとした美しさで、C・クライバーと並ぶ異色の 名演。
343 :
名無しの笛の踊り :04/09/23 10:17:05 ID:z1HuQHbb
344 :
名無しの笛の踊り :04/09/23 12:24:57 ID:TGo0JW0c
>>342 >この曲は今の所コンドラシンにライヴがないので、
アルトゥスから日本公演のライヴが出ていますよ。
録音は時代相当だけど、おおいに聴く価値ありだと思います。
345 :
338 :04/09/23 13:04:58 ID:v/ewDF8q
アシュケナージのシューベルト2番。残響過多の録音のせいなのか、モッサリした感じがしていまひとつ 楽しめなかった。ゆっくりの楽章はキレイに歌って聞かせるんだけど、両端とかはどうも…。同じ年の 6月、ベルリン室内楽ホールでアバド&BPOがやったものが溌剌としていてイイ感じでつた。この曲に関し ては、アバドを残して、アシュケナージをダンボール行きにしたのは正解だったかも。
346 :
名無しの笛の踊り :04/09/23 21:34:16 ID:lnY9nYHi
>>334 ロス・マルバのベルリン客演の放送ってあったのでつね?
347 :
名無しの笛の踊り :04/09/23 21:40:24 ID:lnY9nYHi
>>338 裏青のジャケット表示が9/14になっているからだと思いまつ。
ドヴォルザーク/ヴァイオリン協奏曲イ短調op53 ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調op55「英雄」 豊嶋泰嗣(vn)朝比奈隆(指揮)ベルリン放送響 (1989年「ベルリン芸術週間」9月24日 ベルリン・フィルハーモニー) FMエアチェック歴(81〜97年)のなかで朝比奈の海外ライブを録音したのは、確かこれ一回だけ。 朝比奈らしい堂々としたテンポで悠然と進んで行くが、音楽が四角四面に聞こえてしまうのは 他流試合のゆえなのだろうか。今改めて聞き返してみると、放送、実演等で慣れ親しんだ朝比 奈&大フィルの演奏とは印象が違って聞こえる。朝比奈の指示を几帳面にやり遂げるとこの演 奏のように「まんまぶっきらぼう」となり、大フィルはそこんとこ上手く中和して聞きやすく してくれていたとか。そんな無用な勘繰りを入れたくなるほど、とことん頑固一徹なベルリン の朝比奈。畏れ入りましたです。ん?終わった瞬間にブラボーかましたの、さては日本人だな。 なお、朝比奈は2000年9月24日にベートーヴェン7番8番、2001年9月24日にはブルックナー9番を、 ともに大阪ザ・シンフォニー・ホールで演奏しており、前者がNHKBSのチクルス放送、後者がテ レビ朝日の正月番組(ただし、全曲ではない)で放映された。
>343 ステレオです。 >344 はあー鬱だ。持っていました…。今月はグダグダやなぁ。 >346 82年11月30日フィルハーモニー。曲はモーツァルト40番、 フルート協1番(独奏ツェラー)、ファリャ「三角帽子」(独唱なし)です。 翌83年8月30日NHK-FM「クラシック・アワー」のBPOシリーズで全曲放送。
>>348 80年代に朝比奈.ウィーン・トーンキュンストラー管でブル6も
FM放送されたよ
1986年9月24日、チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル ブルックナー/交響曲第5番 ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 86年のベルリン芸術週間ではこの両者の登場がクライマックスだったようだ。 前日の23日にはシューマン4番と「展覧会の絵」が演奏されている。 私はエアチェック・マニアのチェリ・ブームに乗り遅れたためか、それほど彼を聴いて いるわけではない。23日のシューマン4番など、曲の持つエネルギーを拡散させたような 茫洋とした演奏で、独特の低弦の強調や、終楽章への導入部の高揚など素晴らしい部分も あるのだが、もうひとつ好きになれない。 ただ、このブルックナーはチェリならではの名演奏。曲への没入はやはり凄い。また、 チェリの督励の気合の叫びも、随所で聴かれる。
352 :
名無しの笛の踊り :04/09/24 09:51:55 ID:BS8EB86W
>>349 当時のプログラムからメモったのを見るとラヴェルの「高雅にして感傷的なワルツ」
が前半プロのようだったのでつが、曲目変更があったのでしょうか?
>352 それは番組表ではなくてBPOのプログラムですね? この演奏会は記憶では、三角帽子の歌手が直前キャンセルのため、 やむなく歌手抜きで演奏されたと解説の渡辺学而さんが紹介していたのは 覚えていますが。私も今手元にあるのはファリャだけなので…。
354 :
名無しの笛の踊り :04/09/24 15:34:35 ID:Q2G3uirh
80年代の地元ライブの多さはベルリンがウィーンを圧倒的にリードしているように 見えます’ザルツは対象外)。最近はウィーン優勢だと思いまつが・・・。 70年代〜80年代のウィーンの定期なんかもっと放送してくれれば良かったのに と思いまつ。そしたらクライバーのライブなんかももっと聞けたに違いない・・・ 数は少ないけど。
355 :
名無しの笛の踊り :04/09/25 01:10:09 ID:YDPxyQx3
>>354 確かに70年代〜80年代はウィーン芸術週間やザルツブルク音楽祭、それに
何か特別な記念演奏会といったところが中心で、VPOの定期などは放送されま
せんでした。ORFがVPOの定期の録音を提供するようになり、NHK−FM
の海外ライヴにVPOシリーズというのが加わったのは、ずっと後になってから
ですね。さらに定期の生中継となると、ORFがヨーロッパ向けにごく最近始め
たものを東京へも、ということだから、何にしても現地局のメニュー次第。まあ
残念でも仕様がないのでは。
356 :
名無しの笛の踊り :04/09/25 01:33:20 ID:wg1voXjX
自分が一番強く印象に残ったのは、 レナード・バーンスタインがイギリスのプロムナード・コンサートを振った 時の演奏だった(管弦楽はもちろんBBC交響楽団)。特に威風堂々第3番 の大拍手の中、なだれ込むような終わり方は凄く印象的だった。 当時はFMラジオで録音したが、残念ながらテープは紛失、CD−Rも 探してみたがどうも見つからなかった。 あの演奏を超える威風堂々第3番は未だに聴いたことがない。
1988年9月25日、バーンスタイン&ウィーン・フィル マーラー/交響曲第6番「悲劇的」 ウィーン、ムジークフェライン大ホール。 DGによる80年代の全集に編集されて収録されている演奏。映像も入れると60,70,80各年代の マーラー全曲が聴ける訳だ。この頃のバーンスタインはデフォルメがきつくなり、極度に 遅いテンポを採用し始めていて、数はそれほどでもなかったが放送ライヴでも幾つかの 凄まじい演奏を残している。また、彼ほどになると裏青もその大半が出ているようだ。 このマーラー6番も、同年8日にルツェルンでVPOと演奏した「レオノーレ」、「ハリル」、 ブラームス4番(これは凄い)のプロも既に出ている。 この6番はテンシュテットのEMIライヴ盤もそうなのだが、6番と言えばこの演奏だけしか 聴かなかった時期があるほどで、もう言葉もない。やはりこの時期でもマーラーだけは 別格だ。 本当に素晴らしい。
1993年9月26日、シュタイン&バンベルク響(独奏ツィンマーマン) ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 イザイ/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番〜第一楽章 ブルックナー/交響曲第1番(リンツ版) リンツ・ブルックナー音楽祭、ブルックナー・ハウス大ホール。 シュタインのブルックナーは、N響とのものを除き、他に2番と5番(いずれもバンベルク、 5番はCSのみか)が放送されている。スタジオ録音でも2・4・6番しかやっていないようだ。 演奏はシュタインらしく手堅く、この演奏機会の少ないゴツゴツした作品のファースト・ チョイスだ。 また、ベートーヴェンはツィンマーマンがテイトとのスタジオ盤と違い、第一楽章の カデンツァをクライスラー版ではなくレオポルド・アウアーのものを使っていると解説の ネコケンが紹介し、CDを使っての恒例の比較が行なわれている(ライヴの本編は珍しく やっていないが)。演奏そのものは独奏、オケ共に物凄く充実しており、特にオケの 音の厚みは素晴らしい。アンコールもイザイでは3番の「バラード」がよく演奏されるが、 2番の第一楽章というのは他にないのではないか。
359 :
名無しの笛の踊り :04/09/26 10:12:13 ID:ZBIYROLe
>>357 このマラ6はFMでも放送されたのでつか?
>359 はい。翌89年8月22日、NHK-FMです。 多分VPOシリーズかな?
1983年9月27日、ブロムシュテット&ドレスデン国立歌劇場管 ヴァーグナー/「マイスタージンガー」〜第一幕前奏曲 ベートーヴェン/交響曲第8番 ブラームス/交響曲第1番 ヘント(ベルギー)、オペラ・ハウス。 ブロムシュテットの地方?公演はよく放送される。最近では95、6年くらいに サンフランシスコ響とのワルシャワでの演奏などもあった。ポスト的に旧東独や 米国など、FMに乗りにくい国のオケでシェフを務めている割に、N響名誉指揮者なので NHKが紹介しなければならないこともあるのではないだろうか。 このベルギー公演は、前日26日のブリュッセルでの公演(ブルックナー6番など)と併せ 放送されている。 ブロムシュテットについては、FMライヴでも熱い演奏はそれほど聴いた記憶がなく、やはり イメージ通りの穏健派だと思う。ただ妙な勇み足はないので、安心して聴いていられる。 この80年代中盤の時期も、今で言うとハイティンクのように淀みなく、しかししっかりと オケを歌わせて理想的なドイツ音楽をやってくれるのが嬉しい。 また、この日は井上道義が73年に南ドイツ放送響(シュトゥトガルト)と「幻想」を、 若杉弘が79年にバイエルン放送響とハイドン88番、「春の祭典」などを演奏しており、迷った。
362 :
名無しの笛の踊り :04/09/27 09:48:59 ID:i6f3cxtl
>>360 そうでつか。DG盤は持ってるんだけどFM版を聞いてみたいっす。
>>362 両方もってるので第一楽章だけ聞き比べてみました。やっぱ、音はCDの方が迫力あります。
出だしから張り手バンバンかまされるようで、圧倒されますた。マイクの位置が違うのか、
受信状態が悪いのか、FMの方はなんか抜けきらない感じがして、聞き劣りがするのですが、慣れ
てくると、こっちもいいなあと思えてくる。たとえば、第二主題の唸り声は両方聞き取れまし
たが、聞こえ方がCDの方が鮮明。CDの14分57秒に該当するところでFMの方には
バーンスタインが指揮台を蹴る足音がかなり大きく入ってますが、CDの方では聞こえない。
CDの22分13秒に該当するところでFMの方はトランペットがずっこけてますが、CDの
方は当然カンペキ。そんなとこでしょうか。CDのあまりにも鮮烈な音質は、人工的でウソっぽい
という言い方が出来ないこともなくて、裏青に走っちゃうヒトの気持ちもなんとなくわかる気
がしますた。それにしてもこの第一楽章、晩年のバーンスタインとは思えない快速でつね。
1991年9月28日、アルノンクール&ベルリン・フィル モーツァルト/セレナード第9番「ポストホルン」 交響曲第38番「プラハ」 ベルリン、フィルハーモニー室内楽ホール。 フィルハーモニーが改修工事に入った時期の演奏会。丸一年くらいはこの室内楽ホールや、 シャウシュピールハウスなどで演奏会を行なっていた。 アルノンクールのBPO登場も、この頃はまだ新鮮で、後には毎年のように客演しており、 FMでもよく放送された。「プラハ」など反復しているため40分以上かけていて、今聴くと くどさ満点だ。
1980年9月29日、テンシュテット&北ドイツ放送響 (独唱マティス、ゾッフェル) マーラー/交響曲第2番「復活」 ハンブルク、ムジークハレ。 テンシュテットの北ドイツ放送響首席時代(1979-81)の演奏。非常に短命に終わった 両者だが、芸術的には素晴らしいまでのラヴ・アフェアーぶりだ。FMでは多少の ライヴ録音が残されており、おそらくほとんどが裏青になっているものと思われる。 この演奏は以前から評価が高いが、それも当然と言っていいほどの圧倒的な出来。 「復活」の第三楽章は、なかなか納得できる演奏が少なく、マーラー指揮者としての 真価が問われる楽章だと勝手に思っているが、ティンパニの鋭い打ち込み、魅惑的に 蠢く弦の刻み、響きの暗さ、そして何よりもあの指揮ぶりからは想像し難いほどの、 リズム処理の的確さは本当に素晴らしいものだ。 また、全曲についても、漲る緊張感と言うか、何か起こるぞ的な物々しさが十二分に 感じられ、響きもくすんだようなモノ・トーンな雰囲気に包まれていて実に神秘的だ (特に終楽章、合唱の入りとその前後)。 それにしても凄い。これぞマーラーだ。 演奏後に解説のネコケンが、同年5月のロンドンでの「復活」ライヴ(LPO)の熱狂についても 紹介しているが、これは裏青はあるのか?
うわあ。365の書き込みを読むと、これは聴かなきゃ死ねない!と 強く思いますね。 演奏の素晴らしさの表現が、これまた素晴らしくて、読んでいて 感動します。 これからも健筆、待っております。
>>365 こんなに凄い「復活」なのに、拍手はだいぶ間を置いてから。
あまりの名演に腰を抜かしたの?これがハンブルクの流儀なの?
初めて聞いたときは不思議に思ったけれど、これでいいのだ。
EMIのスタジオ盤(81年5月録音)も決して悪くないんだけどね。
1988年9月30日、カラヤン&ベルリン・フィル (独唱ヴァラディ、クィヴァー、コール、トムリンソン) ヴェルディ/レクイエム ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 88年の芸術週間最終日の公演。10月2日にも同公演は行なわれているが、放送はこの日の ものが使われた。カラヤンにとっても最後の芸術週間出演となった。カラヤンは晩年も この作品は愛していたようで、翌89年のザルツブルク復活祭でも取り上げられている。 また、この演奏会では予定のソリストが全然揃わず、ダミーゴという若手ソプラノの 代わりにヴァラディが、ヴァレンティーニ・テッラーニの代役にクィヴァー、 カレーラスもコールに変更されている(音楽の友社のムック本では9月30日のテノール のみカレーラスと誤記されている)。 80年のザルツブルクでの大演奏と比べると、さすがに緩い箇所もなくはないが、8月15日の 項で述べたシューマン4番などと基本的には近い、オペラティックな見事なものだ。やや パワーは後退しているが、その分悠然とした足取りで、沸々と内から湧き上がってくる ものが感じられるという意味では内容の濃さは増している気もする。何にせよ素晴らしい 演奏であることに異論は全くない。 ソリストでは代役を見事にこなしたヴァラディが、リアルで情熱的に感じられてよい。 クィヴァーも深い声で目立たないがしっかりと支える。トムリンソンはようやくこの頃 認知されだした(この年バイロイトにいきなりヴォータンでデビュー)と思うが、 相変わらずのアクの強さは好き好きだろう。 しかし88年という年は、先日のバーンスタインも含めてまさに「巨匠神話」の最後の年、 だったような気もして感慨深い。日を置かずにウィーンとベルリンで両雄がしのぎを 削ったという意味で。この時期ヨーロッパにいた人がうらやましいものだ。
ワーグナー/「パルシファル」第一幕への前奏曲 プーランク/2台のピアノの為の協奏曲(Pf:ラベック姉妹)(未所有。聞きたい) ブラームス/交響曲第4番ホ短調op98 ヘルベルト・ケーゲル指揮NHK交響楽団 (1983年9月30日 NHKホール) ケーゲル&N響のサーカスポルカとブラ4が入ったテープを友人から譲り受けていたが、 長らく演奏日が不明だった。最近「海外オーケストラ来日公演記録抄」というhpで公演 記録が紹介されていて当夜の演奏だと判明。ブラ4は楽章が進むにつれて熱気を帯びて くる好演だ。一曲目のワーグナーは92年頃にN響アワーで放映されており、ケーゲルの悠 然たる指揮ぶりが堪能できる。当時のN響の金管は音を外すのが当たり前の時代で、21日 のサーカスポルカが面目躍如?の怪演。あとhpでは紹介されていないが、私にはこのコン ビで演奏されたショスタコの5番をリアルタイムでエアチェックした記憶が、微かにある。
370 :
名無しの笛の踊り :04/09/30 23:20:17 ID:JIyZySTM
>>368 10月2日はマニアルートで生録が流通していまつ。
1984年10月1日、ザンデルリンク&ベルリン響 ベートーヴェン/交響曲第5番 シャウシュピールハウス落成記念、ベルリン、シャウシュピールハウス。 ドイツ統一後、コンツェルトハウスと呼ばれているこのホールの落成記念公演。 当時の東独首脳が西のフィルハーモニー(ワインヤード型)に対抗して、シューボックス型の 本格的なコンサートホールを建てたのがこのシャウシュピールハウスで、落成した10月の頭に 記念公演が数日に渡り行なわれている。NHK-FMではこの模様が放送されているので、今日から 三日間はそのライヴをご紹介したい。 まず1日は記念のガラ・コンサートだったようで、ザンデルリンクと当時ベルリン響監督の フロールが登場し、ザンデルリンクはベートーヴェン5番を、フロールは現代曲を振った ようだ。また、シュライアーがリートをレーゼルのピアノで何曲か披露している(尤も私は そのシュライアーの歌ったシューベルトの「セレナード」とベト5しか持ってないが)。 ベートーヴェンは最近聴き直して評価を改めた。ホールの録音のせいか、ザンデルリンクの 音響バランスのせいか(おそらく両方か?)、弦楽器重視の演奏になっており、金管や ティンパニの威力がやや後退しているため今ひとつに聴こえたのだ。 しかしこの弦の力はどうだ!ザンデルリンクもフレージングこそ独特な箇所が多少目立つとは いえ、よくオケを歌わせながら統率の腕も見事なものだ。第一楽章でのオーボエのソロを、 随分と引き伸ばして吹かせ、その後を一気呵成に聴かせる辺りの演出の巧みさ、第三楽章の 低弦のいぶし銀の響き、第四楽章での悠然たる歩みと輝かしい弦は全く素晴らしい。 特にたっぷりとした響きで呼吸の深い、美しく優しい第二楽章は出色の出来だ。 なお、ザンデルリンクのサイトで確認したところ、この演奏はLASERLIGHTから出ている 音源と同一のもののようだ。
そのlaserlightのCD、音質激悪でガカーリしたなぁ・・・。
1984年10月2日、レーグナー&ベルリン放送響 デッサウ/バッハ変奏曲 チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲(独奏I・オイストラフ) ヘンデル/デッティンゲン・テ・デウム(独唱ローレンツ) ベルリン、シャウシュピールハウス。 落成記念公演の二日目。この日は旧東ベルリン第二のオケ、ベルリン放送響が演奏会を 持った。指揮は当時の音楽監督レーグナーで、彼らしい渋いプログラムだ。 余談だが、西のベルリン放送響がベルリン・ドイツ響と改称するまでは、東と西で二つの ベルリン放響があり、非常に紛らわしかったものだ。まあ東西冷戦時のことだから、振って いる指揮者の名前を見ればすぐにどちらか分かったのだが。 演奏は、小オイストラフのチャイコフスキーが丁寧に美しく弾くソロと、溌剌としたオケの 対比が素晴らしい。ヘンデルはローレンツがいい声で、オケも世俗を離れたかのような何とも 言えぬ美しさで、暖かくも繊細な肌触り。レーグナーはやはり名指揮者だ。
1984年10月3日、スイトナー&ベルリン国立歌劇場管 モーツァルト/交響曲第38番「プラハ」 R・シュトラウス/ドン・キホーテ(独奏シュレーター、シューマン) シューベルト/交響曲第8番「グレート」 ベルリン、シャウシュピールハウス。 落成記念公演三日目。スイトナーとSKBのライヴは、来日公演以外では珍しい。 この時期のスイトナーは、シューマンやシューベルト、ブラームスにベートーヴェンなどの 交響曲全曲録音を次々にSKBと出しているが、ライヴではN響への客演が大半だった。 この演奏会は、大ハ長調のセカセカ加減が微妙。ドン・キホーテは落ち着いた雰囲気で 素晴らしいし、モーツァルトも愉悦の感じられる好演だが。
ビゼー/歌劇「カルメン」より前奏曲〜おまえが投げたこの花は ヴェルディ/歌劇「リゴレット」第1幕より あれかこれか ヴェルディ/歌劇「アイーダ」第1幕より 浄きアイーダ マスネ/歌劇「ウェルテル」第3幕より 春風よなぜ私を目覚ますのか プッチーニ/歌劇「マノン・レスコー」第3幕間奏曲 プッチーニ/歌劇「トスカ」第3幕より 星はきらめき プッチーニ/歌劇「トゥーランドット」第3幕より だれも寝てはならぬ カルディルロ/つれない心(*) ペッチャ/ロリータ(*) クルティス/帰れソレントへ クルティス/忘れな草(*) ラーラ/グラナダ カプア/オー・ソレ・ミオ ドゥシーク/世界で一番素敵な所(*) ペテル・ドヴォルスキー(テノール) オンドレイ・レナルト(指揮)チェコスロヴァキア放送ブラティスラヴァ響 (1987年「ブラティスラヴァ音楽祭」10月3日 パシエンキ競技場) 放送後、黒田恭一氏が「絶頂期のテノールの歌うこのような歌を聞きますと、 喉が渇いているときに新鮮なジュースを一気に飲み干したような気持ちにな りまつ」と一言。三大テナーのような華やかさは無いが、こういう哀愁を帯 びた秋色の東欧系テノールもいいものだ。実は、この演奏会はCDになってい る(NAXOS 8.550343)が、FMで放送されていないアリアと前奏曲が9曲余分に 入っているかわりに、上記(*)印のアンコール4曲が入っていない。特にお客 のノリが最高潮な最後の曲が入っていないのは、いかがなものか…。
1979年10月4日、バーンスタイン&ベルリン・フィル マーラー/交響曲第9番 ベルリン芸術週間、フィルハーモニー。 バーンスタイン唯一のベルリン・フィル客演。CDでDGから出ているが、そちらは 編集されているようだ。しみじみと始まる熱烈な拍手もない。また、当然ながら 裏青はFMのエアチェック音源が使われているようだ。 バーンスタインは70年のNYP、85年のイスラエル・フィルとの来日公演でもマーラー 9番を取り上げているが、放送はなかったようで、海外ライヴでもこの曲のこれ以外の 演奏は放送されていないと思う。ただ85年の来日公演のものと思われる録音の存在は 未所持だが確かなようだ。また、BPOにとってはバルビローリ以来16年振りのマーラー 9番だった。 演奏については散々語られているが、まさに一期一会の奇蹟的なものだ。久々にこんな 夜中に聴いていて背筋が寒くなった。カラヤンとの確執とかBPOとの軋轢、などそんなことは もうどうでもよく、これほど指揮者とオケがテクストを音化するのに必死になっている 演奏はもう他にないのではないか、という位の凄まじい没入と表現。あらゆる意味で次元の 違う演奏。あまりにも凄過ぎて何か特別な時にしか聴けない。 ネコケンも放送で解説を担当し、後に自著「マーラーの交響曲」で分析的且つ感慨深げな 一文を寄せているのが心憎い。
1975年10月5日、バーベリアン(独唱)ミハーイ&ブダペスト室内合奏団 ベリオ/フォーク・ソングス ブダペスト音楽週間、リスト音楽院大ホール。 「現代音楽のマリア・カラス」バーベリアンの、彼女のために作られた曲の演奏。 FMでは75年のアスコーナ音楽週間とこの78年にブダペストに客演した際のライヴが 残されており、前者の幾つかの曲はERMITAGEから出ていた。また後者の放送は上記の 演奏と、7日のリサイタルの模様、それにバーベリアン自身のインタヴューと併せての ものだった。 このクラシックの範疇にとらわれない異色のヴォーカリストの魅力には一時期、ハマり まくったものだ。7日のリサイタルでも夫ベリオはもとより、モンテヴェルディや ペルゴレージ、ヴァイルやケージにドビュッシー、果てはビートルズのナンバーまで 披露している。声量はないが、表現の多彩さと独特の退廃的なムードは、やはり偉大な 歌手と呼ぶに相応しい。特にブダペストでもタヴェルナでもアンコールで聴かせる ガーシュインの「サマータイム」は絶品の素晴らしさで、オペラ歌手による同曲は いまだに聴けないほど見事。 ベリオのこの曲も後にファン・ネス(強烈だ!)&シャイー、リポヴセク&M・ヤンソンス でライヴが放送されていて、それはそれで素晴らしいが、こちらの方もミハーイの アンサンブルに何とも言えぬ鄙びた風情があり、バーベリアンの歌も劇的に肥大化せぬ 語りかけるようなよさがある。
1998年10月6日、ビシュコフ&ケルン放送響 R・シュトラウス/英雄の生涯(独奏四方恭子) ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」 東京芸術劇場。 ビシュコフが音楽監督に就任しての来日公演。最近亡くなったフォンクの後任だった。 東京での三つのプログラムがまとめて放送され、他に樫本大進とのメンデルスゾーン、 ブラームス4番のプロ、マーラー5番のプロ(いずれもサントリーホール)がある。 当時はベルティーニの威光も消えたかな、と思ったが今聴くとそうでもない。「エロイカ」は 冒頭から漸弱と漸強を細かく演奏している割りに、金管の音響が突出しているために バランスがよくない。しかし第三楽章辺りから改善され始め堂々とした好演。「英雄の生涯」 の方もそうしたアプローチだが、曲が後期ロマン派だけに上手く行っており、特に 「英雄の戦い」の辺りでのオケの見事さは特筆ものだ。英雄の主題が高らかに鳴る辺では、 ビシュコフも乗りに乗って唸りながらオケを煽っている。 結論として、ベルティーニ時代の透徹した響きもまだ残っていて、オケ自体の技量も全く 色褪せていない。
ベートーヴェン/交響曲第2番 ベートーヴェン/交響曲第7番 カール・ベーム(指揮)ウィーン・フィル (1980年10月6日 昭和女子大学人見記念講堂) 日本でのベーム最後のオーケストラコンサート。この年国立オペラは9月30日〜 10月28日に東京、大阪、横浜で引っ越し公演をやっていて、当コンサートはその 合間をぬって行なわれた。ベームは同年6月21、22日ニコライコンサート、8月17 日ザルツブルク音楽祭で同一プログラムを指揮しており(FM放送されたかは不明)、 気心の知れたVPOに対し手綱を緩めたのか、開放的で恰幅の良い鳴りっぷりが特徴 的だ。東京のお客の反応は、それはもうベルリンをも上回る熱狂ぶりでございます。 後にTV放映されたときは、ベームの指揮姿だけを延々と映しつづける特異なカメラ アングルだったはず。NHKは75年のブラ1、77年の「運命」「田園」はここ数年の 間に教育TVで再放送した。残るは、これだ。
380 :
名無しの笛の踊り :04/10/06 21:45:27 ID:/TnVooao
>>379 おつかれです
TV放映は1回目は通常バージョン、2回目が指揮者アップのみでした
381 :
名無しの笛の踊り :04/10/07 01:03:13 ID:YotDGaER
おお、IDがTV
382 :
名無しの笛の踊り :04/10/07 01:04:58 ID:YotDGaER
おれはDGになった。しかしエラーか。
1980年10月7日、テンシュテット&ベルリン・フィル プフィツナー/ハイルブロンのケートヒェン〜序曲 モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番(独奏ヒアホルツァ) ドヴォルザーク/交響曲第8番 ベルリン、フィルハーモニー。 テンシュテットのドヴォルザーク8番は、ライヴ録音ではFM放送された上記の演奏と 78年フィンランド放送響があり、裏青で89年フィラデルフィア管、BBCから91年の ロンドン・フィルとのものが出ており、都合四種を聴くことが出来る(いずれも裏青 あり)。 89年の演奏は聴いていないが、ベルリン・フィルとのものがやはり抜きん出ているように 思う。91年の演奏も深い演奏だが、ややホールトーンが風呂場的なのがあえて言えば マイナスだ(その意味でマーラー6番も聴き比べたいが…)。80年ライヴはとにかくオケが 滅茶苦茶上手い。テンシュテットの集中力も半端ではない。うねりにうねっていて、その 音楽のリアルさ、激しさ、呼吸の深さといったらもう凄いものだ。第二楽章の休符の間、 第四楽章中間の寂しげな弦とフルートのやりとりの呼吸、第三楽章の後ろ髪を引かれるように 弾むリズムの微妙な危うさ、全合奏の決して野放しにならない暴れっぷりなど、すべてが 聴き所。 前半のプフィツナーも曲自体が美しく、聴きものだ。
>>379 この演奏会は昭和女子大学人見記念講堂のコケラ落としでNHKからFM生放送された
東京地方では演奏中.始終ジーという蛍光灯ノイズのような高周波ノイズが混入して
おり、放送当時、私が知るだけでも数人のエアチェックマニアがNHKに抗議したが
NHKは、そんなことは有り得ないとシラを切っていた。
ついでに書くと、このコンサート主催の音楽事務所は直後に経営が破綻しベームへの
ギャラは未払いになったという
ん?個人録音スレじゃないのか?
ちゃいまんねん。
ヒンデミット/交響曲「画家マチス」 ブルックナー/交響曲第9番ニ短調 セルジュ・チェリビダッケ(指揮)ミュンヘン・フィル (1981年10月8日 ベルリン・フィルハーモニー) 私の「画家マチス」の入門演奏で刷り込み演奏。繰り返し聞いたので、 テープの劣化でだいぶ音がざらついてしまった。かなり緊張感を強いる演奏 で、固唾を飲んで聞いている聴衆の息遣いが感じられる。今聞くと、全体と してはやや堅苦し過ぎのようにも思え、シュタイン&BPOやジェルメッティ& シュトゥットガルト放送響のLIVEの方が伸び伸びしていて好きだ。 ブルックナーは録音を失敗して、あとでEXCLUSIVEレーベルのCDを買ったが、 音悪杉でいつも途中で聞くのを止めてしまう。我慢して聞けば、巨大化 する前のまっとうなテンポ設定の中での濃厚な表情付けが楽しめるのだが…。
1979年10月8日、ヨッフム&ベルリン・フィル モーツァルト/フリーメイソンのための葬送音楽 ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」(独奏アルテンブルガー) 交響曲第41番「ジュピター」 ベルリン、フィルハーモニー。 ヨッフムのモーツァルトのライヴは、古くは48年にベルリン・フィルと共演した33番の 演奏(TAHRA)がある他、60年の東京響とのライヴ(東芝)も出ており、晩年の幾つかの ライヴでも取り上げているなど、得意としている。 「フリーメイソン」「ジュピター」は、ALTUSからもウィーン・フィルとの81年のライヴが あるので、贅沢な聴き比べができる。いずれも堂々として活気に溢れた素晴らしいものだが、 ウィーン・フィルとの方が客演が少ないにもかかわらず、自由度が高く聴こえて面白い。
1980年10月9日、クーベリック&バイエルン放送響 モーツァルト/交響曲第36番「リンツ」 ブルックナー/交響曲第3番 ミュンヘン、ヘラクレスザール。 クーベリックは首席を退いてからも頻繁にバイエルンに客演し、名演奏が次々にFMで 流れているが、これもそのうちの一つ。ブルックナーは78年頃の6番と、84年頃の9番が ある(9番は同時期にベルリン・フィルともやっている)。 3番はスタジオ盤とも同じエーザー版を使っていると思われる(最終楽章結尾など確認)が、 演奏の熱血漢ぶりは素晴らしく、燃えている。しかし羽目を外しすぎてはいないので、 音楽のフォルムは乱れることなく曲自体が浮かび上がる。 モーツァルトも同傾向で、典雅で美しい。
1989年10月10日、ラインスドルフ&ベルリン・フィル ブラームス/大学祝典序曲 シューマン/交響曲第1番「春」 ブゾーニ/ファウスト博士〜サラバンドとコルテージュ ラヴェル/ラ・ヴァルス ベルリン、フィルハーモニー。 ラインスドルフの晩年はやはり素晴らしい。全プログラムがただの交通整理屋では ないことを証明する張りのある大演奏。この上手すぎるオケを相手に一歩も引かず、 十全にドライヴする様は見事だ。キッチリと手綱を握り、音が飽和状態になるのを 抑えているために実に格調の感じられる、緊迫した演奏になっている。ラヴェルでは 興奮した客の声にならぬ「ヒョオ〜」という歓声が聞かれる。 リヒテルのメモによると、ブラームスの2番の協奏曲を録音した時は散々だったそうだが、 後に聴き返すと良くなっていたとラインスドルフについて語っているのが興味深い。
1991年10月11日、ヤノフスキ&フランス国立放送フィル モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第4番(独奏ツィンマーマン) ブルックナー/交響曲第5番 パリ、バスティーユ・オペラ。 ヤノフスキのブルックナーのライヴは、6番がけっこう前にライヴ集成の形で出ていた。 これは未聴だが、ここでの5番はかなり異質な感じだ。オケもそれなりに鳴っており、 相当劇的な表情を聴かせていて、面白い。
プロコフィエフ/ロミオとジュリエット(抜粋) ガーシュウィン(ドクシツェル編曲)/ラプソディ・イン・ブルー ショスタコーヴィチ/交響曲第5番ニ短調op47 チモフェイ・ドクシツェル(トランペット) ユーリ・シモノフ(指揮)ボリショイ劇場管弦楽団 (1979年10月12日 東京文化会館) 聞き物はガーシュウィン。とぼけた編曲で中間にあるファゴットソロの ポーカーフェイスぶりが可笑しい。と言ってもソ連時代のガーシュウィン なので、スウィングの欠片も無いかなり糞真面目なシロモノ。シモノフも 後年の千両役者ぶりはまだ発揮されておらず、特段強い個性は感じられない。 どちらかというとオケに好きにやらせている感じだ。なお、5番のコーダは遅い。 所持しているテープには10月19日と記されているが、頼りにしてます「海外 オーケストラ来日公演記録抄」にならって本日のご紹介です。
393 :
名無しの笛の踊り :04/10/13 15:59:59 ID:TkI/I1GJ
以前話題になった1987年11月14日のラトルのマラ6のコンサートでは 前プロはあったのでつか?それとも一曲だけ?
シューマン/交響曲第4番ニ短調(1841年版) マルク・アンドレーエ(指揮)スイス・イタリア語放送管 (1980年10月13日 ロカルノ・聖フランチェスコ教会) 素朴でガサツで薄っぺらいけれど、心温まるイイ演奏です。こういうのヘタウマ と言うんでしょうか。当時、フルベン&BPOのDG盤に慣れ親しんだ耳には、この 演奏の第3〜4楽章移行部分はなかなか笑撃的でした。ウワサによると第2楽章 にギターが入った版もあるらしいのですが、この演奏では確認できず。 この版のこれより前の演奏記録を探せないので、ひょっとしてこれが、蘇演の 初演ではないかと疑っている。日本初演は1986年8月14日、G・シュメー&群響。
>393 私の記憶ではFMではNHK、東京の両局で放送されたと思いますが、 NHKの方は1988年8月17日にベルリン・フィルシリーズとして放送されて います。放送後の余白にバレンボイムの2月のモーツァルト・プロから セレナータ・ノットルナが放送されていて、他の日にもラトル指揮の 前プロらしきものは放送されていないと思います。 多分マラ6だけだったのではないでしょうか。 さて、プレーオフショックから復帰せねば。
1967年10月12日、セル&クリーヴランド管 マーラー/交響曲第6番「悲劇的」 クリーヴランド、セヴェランス・ホール。 セルのマーラーは、この他交響曲で4番、10番のアダージョとプルガトリオ、「子供の 不思議な角笛」(シュヴァルツコップ、F・D)のスタジオ盤があるだけだと思う。 6番は14日の演奏がSONYから出ていて、つい最近VIRTUOSOレーベルから12日の演奏が出た。 私の所持しているのは12日の音源で、CS放送のものだが、もしかするとFM横浜あたりで 放送済みかもしれない。SONY盤より12日の演奏の方が、第二楽章で30秒、第三楽章では なんと二分も遅くなっていて、テンポにも揺れが聴かれるそうだ。楽章の入れ替えはない。 また、マーラー的な毒というか、刺激は薄い演奏になっていて、第一楽章のティンパニの 遠さには唖然としたが、第二楽章辺りから精緻なアンサンブルを十全に楽しめるようになる。 ただ、完璧過ぎる合奏とセヴェランス・ホールのデッドな録音のために響きが薄いのは残念 だが。 独特の静謐な美しさが感じられる第三楽章は全曲中最も見事。フィナーレも阿鼻叫喚の 地獄絵図、というわけではなく、一歩引いた冷静さがあるのでこれは好き好きだろう。 それにしても変わった箇所での局所爆発が結構面白く、飽きない演奏だ。
>396 セルのマーラーはFM横浜で以下のものが放送されています。 1969年2月6日 交響曲第9番 1970年2月5日 交響曲「大地の歌」 ただし、私のテープは遠距離受信で受信状態激悪なので…。6番の放送はたぶん なかっただと思います。あと、9番は他に1968年5月9日のものがMEMORIESレーベル から出てました。4番のCBS録音が1965年10月だから、晩年の5年間に突如として マーラーを積極的に取り上げ始めたのでしょうか。他の曲も聞きたかったな。
>397 失礼しました。肝心のライヴ録音紹介が抜けてました。 9番も大地の歌もありました。棚の奥深くに眠っています。ご指摘感謝です。 セルには7番あたりやって欲しかったと思います。
1985年10月13日、ヴァルベルク&ウィーン・トンキュンストラー管 ベートーヴェン/エグモント序曲 ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(独奏ブフビンダー) 交響曲第5番 松戸、聖徳学園川並記念講堂。 少し遅いがヴァルベルクを偲ぶ。 FM東京のTDKオリジナル・コンサートの最後期の録音。他にクルト・ヴェスなどと 初来日したトンキュンストラー管の公演。会場はTDKの放送リストでは世田谷区民、 私のテープには簡易保険ホールになっているが、全公演を記録している「海外オーケストラ 公演記録抄」というHP(私もいつもお世話になってます)によるデータに従った。 ベートーヴェンは交響曲第5番しか持っていないが、演奏は堂々として厚みもあり、 素晴らしいものだ。このオケはあまり放送がなく、前年84年のリンツ・ブルックナー フェスティヴァルの朝比奈指揮の演奏会(マガロフとのリスト、ブルックナー6番)が ある程度。
400 :
名無しの笛の踊り :04/10/14 00:38:46 ID:fE6dgx8N
>>396-398 セルのスレで最近話題になったことですが、その他にもセルの大地、9番は
いくつかあるようです。私の手元には
第9の「Cleveland, 9 maggio(5月?) 1968」という伊Stradivarius盤と
大地の歌の「21.4.1967, Berlin」という伊Arkadia盤があります
ただし同一の録音の可能性もあるわけですが…
ハイドン/協奏交響曲変ロ長調 バーンスタイン/オーケストラのためのディベルティメント シューマン/交響曲第1番変ロ長調op38「春」 キュッヘル(vn)バルトロメイ(vc)レーマイヤー(ob)ヴェルバ(fg) レナード・バーンスタイン(指揮)ウィーン・フィル (1984年10月13、14日 ウィーン楽友協会大ホール) FM放送ではないけど、今日が命日ということで…。バーンスタイン&VPOのコンビは 1970〜80年代に多くのTV用特別公演を設けて、主要作品の映像化を進めた。マーラー に始まり、ベートーヴェン、ブラームス、シューマン等の貴重な演奏記録は、商品化 されていないものもBSやCSであらかた放映されている。中でもシューマンの交響曲 全曲演奏は指揮者とオケの燃焼度が高く、かなり「いっちゃってる」演奏だ。この 「春」も濃厚な歌い込みと爆発的な突っ走りが物凄いエネルギーを生み出している。 真ん中におかれた自作では2曲目をアンコールしており、両手を降ろし、目に涙を 浮かべながら顔で指揮するレニーの表情が捉えられている。なお、演奏曲目演奏日等 は、音友「ウィーン・フィルハーモニー」本(昭和62年刊行)の山崎睦氏による「ウィ ーン・フィル公演記録1975〜87」を参考にした。
402 :
名無しの笛の踊り :04/10/14 01:44:44 ID:JPG/fAk+
>400 ご指摘ありがとうございます。 私のテープも多分397さんと同じデータですね。9番はちなみにワシントンDC での公演のようです。大地の歌は本拠地です。 >402 いえいえ、もう難波時代からのオールドファンですよ。在京です。
1990年10月14日、ノイマン&ウィーン・フィル ドヴォルザーク/交響的変奏曲 ベートーヴェン/交響曲第7番 ウィーン、ムジークフェライン大ホール。 ノイマンはこの時期ウィーン・フィルの常連で、毎年一度は定期に呼ばれていたようだ。 翌91年にも10月13日のライヴが放送されている(パルジファル〜聖金曜日の音楽、 マルティヌー/野外のミサ、ヤナーチェク/グラゴル・ミサ)。 この90年のライヴも精気に満ちており、素晴らしい。ドヴォルザークは活き活きと して見事だし、ベートーヴェン7番もじっくりとテンポを取り、各奏者をよく歌わせて オケの魅力を存分に引き出している。
405 :
名無しの笛の踊り :04/10/15 21:38:36 ID:XWNEk8Av
裏青のカタログ見てたら、今日はクーベリックがお姉さんを やった日じゃん。僕のテープは太古の昔にお亡くなりなってるんで、 レポよろしことおねがいしたいです。クーベリックとバイエルン のライブは散々エアチェックしたはずんだけど、ご存命は先日紹介 されていた「リンツ」だけなんだなあ。かなしいよ〜。
406 :
名無しの笛の踊り :04/10/16 03:55:08 ID:em+Tm5uX
お姉さん、て何?
1981年10月15日、クーベリック&バイエルン放送響 ヤナーチェク/シンフォニエッタ ドヴォルザーク/交響曲第6番 ミュンヘン、ヘラクレスザール。 翌16日のライヴがORFEOから出ている。15日の方はNHK-FMで紹介されたものだが、 これらが同一音源かはCDを持っていないためよく分からない。また、FMでは三週間前、 9月24日のオネゲルの3番と幻想交響曲のプロも同時期に放送されている。 ライヴによる海賊盤が出だしてからというもの、クーベリックの芸風についてはとかく 煽ったような文言で言われることが多く思うが、私はあくまでスタジオ盤と比較しての 話だと思っている。そこまで猛烈に爆発せず、良識的なアプローチを見せていることも ライヴを数多く聴いているとままあるのだ。ちょっと前にWOWWOWで放送されたVPOとの 「プラハ」やブルックナー4番なども熱してはいるが、大爆発しているかと思えば そうでもなく、結果としてただ作品のよさが浮かび上がる。その意味では例えば、 フォルムが崩壊してさえも熱さを残すシェルヘンなどとは格が違うと思う(もちろん シェルヘンも好きだけれども)。 ヤナーチェクは粛然としてかっちりとまとめられ、威厳さえ感じられる。演奏後は 聴衆の大ブラヴォー大会になっているのも頷ける。 ドヴォルザークは一転、自然な描写で溌剌としていて、実に気持ちがいい。第三楽章の 終わりなど突如アッチェレランドして急激に追い込み、まさに舞曲的でライヴならではの 感興の高まりが素晴らしいものだ。
>405 ↑のことですか? お姉さんて何?私も分からん。
409 :
405 :04/10/16 11:50:07 ID:zOF4gKdN
>>408 リクエストにお応えいただいてありがとうございました。
カタログには裏青FKM-CDR062がクーベリック&バイエルンのシンフォニエッタ、
オネゲル3番で1981.10.15となってたもんで。そうでつか、オネ3(お姉さん)は
9月24日でしたか。早とちり、失礼しますた。でもこの2曲プロだと短いでつね。
>409 オネゲル3番のことでしたか・・・。 確かにクーベリックのサイトでは10月15日になっていますね。裏青が間違いなのか、 実はオネゲルも15日にやっているのか、この時期の番組表が今手元にないので 実際はよく分かりません。
>>400 そういえば先日、9,May,1968とクレジットされたセル&クリーヴランドの
モツレク裏青(MONO)を見つけた。まさかマラ9と同じ日に演奏されたとは思え
ないのだが、本当だとしたら凄いプログラムだ。買いませんでしたけど…。
1968年10月16日、フェレンチーク&日本フィル バルトーク/管弦楽のための協奏曲 管弦楽のためのディヴェルティメント 中国の不思議な役人(組曲版) 日本フィル第166回定期、東京文化会館。 CD初期の「カペレ不滅のライヴ・シリーズ」からの一枚。他にストコフスキー、 ミュンシュ、マルケヴィチなど、錚々たる顔ぶれの日本フィルのライヴがリリース されていた。なお、「ディヴェルティメント」は時間の関係か収録されていない。 また、この当時辺りの「オケ・コン」といえば、67年5月のフィラデルフィア管の オーマンディとの初来日公演が、忘れ難いゴージャスな名演だ。 フェレンチーク(1907-1984)はハンガリー楽壇の大立者で、ハンガリー国立歌劇場、 国立響にブダペスト・フィルなどのポストを一手に握っており、74年と76年の来日 公演(国立響)も放送されている。ハンガリー国外のオケへの客演公演ライヴは ほとんど放送されなかったので、これは貴重だ。 演奏はライナーやショルティ、ドラティなどの同国人指揮者に近いもので、直截的な 表現を軸に、エモーショナルな熱さにも欠けることはない。日本フィルも金管に粗さは あるものの非常に誠実に、よく答えていると思う。
1973年10月17日、小澤&ベルリン・フィル ハイドン/交響曲第73番「狩」 石井真木/ポラリテーテン (独奏琵琶:鶴田錦史、尺八:横山勝也、Hp:篠崎史子、Fl:ゴールウェイ) ラヴェル/ダフニスとクロエ ベルリン、フィルハーモニー。 73〜4年シーズンでは小澤唯一の客演となった公演。なお石井作品は第二稿の世界初演で、 ノヴェンバー・ステップスのコンビが駆り出されている他、当時ベルリン・フィルに在籍 していたゴールウェイと、豪華な布陣だ。また、ダフニスとクロエはカラヤンに録音が ないこともあり、この時期のベルリン・フィルの実演は貴重だ。小澤のダフニスは、75年の サンフランシスコ響との来日ライヴもある。 当時の小澤は若く溌剌、ライヴではなかなか力のある演奏を聴かせている。他にも75年の ベルリン・フィルとの「千人」、LSOとのザルツでの「火の鳥」やチャイコフスキー4番、 同じくザルツでのドレスデンとのブラームス1番など、国内でも旧日本フィル解散コンサート での「復活」は何かがビンビン伝わる素晴らしいものだった。70年代までの小澤はパワーが あった。 この演奏会もその力強さは感じられ、且つ繊細さにも配慮し、後年の「蒸留水みたいな云々」 と揶揄された覇気のなさは皆無だ。東洋人の振る西洋音楽へのジレンマなど考えても しょうがない、オレはオレの音楽をやるんだ、的ないい意味での開き直った爽快さがあると 思う。ラヴェルは異常な興奮が全篇を支配する。それにしてもベルリン・フィルの各ソロの 上手さには脱帽だ。聴衆の盛り上がりも尋常ではない。 この演奏会の放送にはゲストで石井真木が呼ばれており、在住していたベルリンの音楽 事情をホストの柴田南雄翁と熱く語り合っているのも聞きもの。
1989年10月18日、ケーゲル&ドレスデン・フィル ベートーヴェン/エグモント序曲、交響曲第6番「田園」、交響曲第5番 東京、サントリーホール。 1988年10月18日、テンシュテット&ロンドン・フィル ヴァーグナー/タンホイザー〜序曲とヴェーヌスベルクの音楽、リエンツィ〜序曲、 神々の黄昏〜ジークフリートのラインへの旅、葬送行進曲、マイスタージンガー〜 第一幕前奏曲、ヴァルキューレ〜ヴァルキューレの騎行 東京、サントリーホール。 旧東独出身の指揮者二人が、一年を隔てて同日にサントリーホールで織り成した音楽の綾は、 今も聴く者を虜にしているようである。彼らの音楽と同等に、彼ら自身がその前後に辿った 人生の綾の軌跡にもまた、強く訴えるものがあるからかも知れない。 ケーゲルの演奏は東独崩壊と頃を同じくして行なわれていて、オケ団員との不仲説などもあった ようだが、そんなことに関係なく音楽は力強く展開してゆく。「田園」の奇数楽章での優しいと さえ言える細やかで丁寧な表情、「エグモント」や「5番」でのテンポの遅さにもかかわらず 持続する緊張と決然とした響きは、忘れ難いものだ。 一方のテンシュテットの来日演奏も、癌を克服した直後のものとは思えぬ実に快活にして懐の深い 音楽で、まるでオケ・ピットで奏でているかのような実在感を感じた。「タンホイザー」での 音の厚み、「黄昏」の葬送での怒涛の大爆発の凄まじさ、ヴァルキューレの熱狂など、ライヴの テンシュテットならではの素晴らしさだ。 国内にとどまって自決した者と国外に出てその真価を発揮した者、歩みは全く違うが両者とも、 音楽を慈しむように噛みしめて演奏しており、そこに強く心動かされた次第です。
415 :
400 :04/10/18 10:33:36 ID:HBgpPIdK
>>411 おそらく同じ録音であろうものをCDで持っています(伊Stradivarius10006)
日付も同じなので、案外裏青がCDの焼き直しだったりするかもしれませんね
1986年10月19日、ヴァント&ベルリン放送響 シューベルト/交響曲第3番 ブラームス/交響曲第4番 ベルリン、フィルハーモニー。 ヴァントのFM東京で放送されたライヴ録音。 シューベルト3番は他に80年代初頭にNHK響に客演した際のものがあり、ブラームス4番も 北ドイツ放送響と85年頃の演奏(拍手なし)がいずれもNHK-FMで放送されていた。 ブラームスでは、ヴァントのあまりにも引き締まった解釈故かオケが付いて行き切れない 箇所もあるが、総じて枯れた所のない名演。その上で芯に熱さが感じられライヴの感興も 十分なのが凄い。シューベルトも愉悦とは無縁の峻厳な響き。
1993年10月20日、ジョルダン&スイス・ロマンド管 バルトーク/ピアノ協奏曲第3番(独奏アルゲリチ) ショスタコーヴィチ/交響曲第10番 ジュネーヴ、ヴィクトリアホール。 ジョルダンはレパートリーの広い人のようで、他にマーラーの3番なども録音していたように 思うが、正直ショスタコまでやるのかと当時は驚いたものだ。 演奏は正攻法で丁寧なもので悪くなく、スイス・ロマンドの意外な重心の低さや局所爆発も 聴きものだ。バルトークはやはりアルゲリチにオケが散々煽られており、非常にスリリング な演奏になっている。 この日は来日チェリのブルックナー8番の大演奏の日なのだが、どこをどう捜してもテープが 見つからない・・・orz
>417 >この日は来日チェリのブルックナー8番の大演奏の日 1990年の「アカサカ・ライヴ」ですね。この年の秋は90年代の二大ブルックナー 指揮者が赤坂で8番をニアミスし、シノーポリが池袋でマラ全一気を敢行し、 ベルティーニがマラチクをしたりしたんです。まさに、バブルでしたねえ。 そういえば、この10月20日のブル8は、18日のブル7とともにソニーからLDで出て ましたよ。その後、DVDとかで再発されたりしてないんでしょうか。 ちなみに私は、NHK-BSで放映された8番の録画テープを持ってます。実演のときは、 あまりの遅さにこっちの集中力が切れてうとうとしてたら、例の4楽章のティンパニ 連打で叩き起こされた、という苦い思い出の演奏会です…orz。
>418 そうです。アカサカ・ライヴです。ナマ行かれたんですか。羨ましいですね。 あの映像は私も見ましたがザードロには物凄い衝撃を受けました。 DVD、再発はされてないと思います。 ヴァントも8番が放送されてましたが、これもテープが行方不明…。何故か 同行したペンデレツキのはあるのになあ。
1996年10月21日、C・クライバー&バイエルン国立歌劇場管 ベートーヴェン/序曲「コリオラン」 モーツァルト/交響曲第33番 ブラームス/交響曲第4番 レオ・キルヒ生誕70年記念コンサート、ミュンヘン、ヘラクレスザール。 11月末に遂にDGからDVDが出るこの演奏会は、NHK-BS放送されたもので、録音録画にあたっては 普段は収録さえできれば何でもよい私が、S-VHS標準とDATSPモードで万全の準備をして臨んだ もので、このような時にはいずれ発売されるだろうと踏んでいたが、それにしても感慨深い。 確か当時はバレンボイムとベルリン・フィルの定期と並んで放送され、エラく指揮に力こぶの 入りまくっているバレンボイムと比べて、やはりクライバーの自然さ、流麗さが際立っていた のを思い出す。 演奏に関しては「音楽の友」にこの放送についての詳細分析がネコケンによって行なわれて いるのが興味深く、面白い。ただの演奏会の映像が雑誌で6ページに渡って取り上げられるに 値する事件だった訳である。そんな指揮者は最早どこにもいないと思う。 演奏自体は、「コリオラン」でのまるで殺気立った侍のような袈裟懸けの凄まじさと緊張感、 モーツァルトでの流れるような典雅と優美(実に繊細に、触ると壊れてしまうガラス細工を 扱っているかのような指揮ぶりだ)、ブラームスは力感、寂寥、憂愁などの全てが詰まって おり(第三楽章の終結近くで振るのを止め、オケに任せている辺りは少し枯れたかな?と 当時思ったりもした)、本当に全く素晴らしい。 惜しむらくは発売が追悼によるものであることか!嗚呼!
サン=サーンス/交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」 ハインツ・レークナー(指揮)読売日本交響楽団、林佑子(オルガン) (1986年10月21日 サントリーホール) 日テレ「読響オーケストラハウス」でTV放映されてたものを、FMチューナーで音だけ 録った。後半途中までは音符を短めに刈り上げてさっさと進め、土壇場の急加速と 急ブレーキでお客を興奮の渦に巻き込む。この曲で、これほど最後のギアチェンジが 決まってる演奏を私は知らない。当然音質はイマイチだが、愛聴してます。
1969年10月22日、ヨッフム&フランス国立管 ブルックナー/交響曲第5番 パリ、シャンゼリゼ劇場。 ヨッフムはライヴでは現在三種類の5番を残しており、ACOとの悠然たる86年盤(TAHRA)、 同じくACOとの64年のオットーボイレン・ライヴがある。また、フランス国立管とは他に 80年の7番が日付違いながらPEKO、INAから出ている。 FMでもかなりの量のブルックナーが放送されていて、記憶だけでも3番(76年ケルン放送響)、 7番(74年VPO、80年フランス国立、86年ACO)、8番(77年BPO、82年バンベルク)、9番(84年 ベルリン放送響)などがあったと思う。また、85年ウィーン芸術週間ではフランス国立と 6番をやる筈だったが、病欠のため代役サロネンが振り、そちらが放送された。FMでは6番が ついぞなかったのは残念至極だ。 このフランス国立との5番は最近PEKOから出ていたもので、昔ディスク・モンテーニュからも 出ていたかも知れない。 演奏時間が86年のラスト・ライヴよりも7〜8分短くなっており、 オットーボイレンのものと共に盛時のヨッフムを偲ぶことができる。ただ、第一楽章の出来は 全く不完全燃焼で、音響バランスも悪く駄目駄目だ。第二楽章から別人のように持ち直すが、 これもライヴの故か、ある意味でヨッフムらしい。瞬間の音の響きなどにハッとさせられる、 巨匠的な凄みが感じられる演奏だと思うが、総じての印象ではオットーボイレンのライヴのが よくまとまっているようだ。PEKO盤では楽章間の間をほぼカットしているのも遺憾だ。
ブラームス/交響曲第3番ヘ長調op90 ブラームス/交響曲第4番ホ短調op98 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)ベルリン・フィル (1988年10月22、23日 ベルリン・フィルハーモニー) FM東京。カラヤン&BPOの最後の定期演奏会という触れ込みで放送された。カラヤンびいき ではなかった私も、磨き上げられたゴージャス&豊潤なブラームスの行間に、晩年の深い 境地を見たような気がして、熱くなったものです。この演奏会の後のカラヤン&BPOライヴ は、12月4日の「古典」&「運命」と年末ジルベスターでのキーシンとのチャイコンを知って いますが、1989年の共演はなかったのだろうか。いずれにしても、9月30日のヴェルレクを 含めて1988年のカラヤン&BPOライヴは、どれもとても良い。
1986年10月23日、C・デイヴィス&バイエルン放送響 ベルリオーズ/トリスティア、水浴びするサラ トロイ人〜王の狩と嵐 チャイコフスキー/交響曲第4番 ミュンヘン、フィルハーモニーガスタイク。 C・デイヴィスのFMライヴは、やはりバイエルンの監督を務めていた80年代が 最も多かったように思う。得意のベルリオーズはバイエルンよりむしろ、たまさかに 客演していたウィーン・フィルとのものが多く放送され、「ロメジュリ」や「幻想」 などがある。ここでの合唱曲二曲はライヴも少なく、珍しい。 チャイコフスキーはC・デイヴィスとしてはこれまた珍しく、重心が実に低く劇的で 熱い演奏だ。
1987年10月24日、バーンスタイン&アムステルダム・コンセルトへボウ管 マーラー/歌曲集「子供の不思議な角笛」(独唱ポップ、A・シュミット) シューベルト/交響曲第8番「グレート」 ベルリン市制750周年記念コンサート、フィルハーモニー。 ベルリン市の市制750周年記念の演奏会は、東西問わずかなりの録音がFMでも紹介されたが、 このバーンスタインとACOの25日と併せた両日の演奏会がクライマックスだったと言える だろう。日本ではNHK-FMがまとめて海外クラシック・コンサートで放送している。 シューベルトとマーラーを組み合わせたプログラムで、24日は角笛と大ハ長調という重量級の 曲が並べられており、演奏もなかなか気合の入ったものだ。特に角笛のオケの伴奏が実に 素晴らしく、ポップも美しく絶品。A・シュミットはやや勢いに任せた若い歌で、レヴェルゲ などはベリーやF・ディースカウに一歩も二歩も譲るが、ライヴらしいノリは感じられる。 大ハ長調は意外にも肥大化せずに、この時期のバーンスタインらしからぬストレートな演奏。 しかし全編愉悦に満ち、天国的な名演だ。
426 :
名無しの笛の踊り :04/10/25 01:28:30 ID:9RbvEb4c
age
1987年10月25日、バーンスタイン&アムステルダム・コンセルトへボウ管 シューベルト/交響曲第7番「未完成」 マーラー/交響曲第1番「巨人」 ベルリン市制750周年記念コンサート、フィルハーモニー。 西ベルリンでの二日目。夕方四時からのマチネーだった。「海クラ」ではネコケンが ホストで、ゲストにこの演奏会を直接聴いた渡辺和彦が呼ばれていたが、伝説の9番以来 ベルリンはとにかく凄い熱気だったそうだ。この人が興奮して喋っているのも珍しい。 「巨人」はDGから同時期のライヴが出ているが、やはりこちらの方が何倍も素晴らしいのは 先月の9番と同じだ。全てがバーンスタイン節である訳だが、晩年の異常デフォルメで有名な モーツァルトのレクイエムや「悲愴」、「トリスタン」などと違い、マーラーの場合はそれが 見事にハマっているのが凄い。聴衆の盛り上がりも最高潮で、ブラヴォー大連発大会だ。 「未完成」はやはり昨日と同じく、彼にしては大人しいと思えるほど曲のよさをストレートに 引き出そうとしており、意外だった。 また、この時期の「巨人」ライヴでは翌11月にニューヨーク・フィルを振った定期の録音も あり、そこではシューベルトの5番もやっていて、いずれも素晴らしい。 他に25日のフィルハーモニーでは、日曜だったためかアルノンクールがベルリン放送響の 定期を振った演奏会がダブルブッキングされていて、クレーメルとのベートーヴェン、 ハイドン103番を演奏、こちらもFM東京で放送されているのが珍しい。
1973年10月26日、カラヤン&ベルリン・フィル バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番(独奏カラヤン、小林道夫) ブルックナー/交響曲第7番 東京、NHKホール。 73年の来日公演二日目。前日の初日はベートーヴェンの5番と6番で、「君が代」と 西独国歌も演奏されている。マズアとゲヴァントハウス、ロジェストヴェンスキーと モスクワ放送響などもこの頃の慣例?に従い国歌を演奏しているが、現在の外来オケ 飽和状態に比べ、この頃の有名オケの来日が今よりもずっと重く受け止められる事件で あったことを示す慣例だと言えるかも知れない。ちなみにベルリン・フィルの「君が代」は 弦が濃厚に歌う美しい演奏だ。 このときの来日は人気作曲家の代表作をズラリと並べたもので、ベートーヴェンと ヴァーグナー以外は一曲ずつ取り上げられている。 カラヤンのブルックナーはなかなか端正で崩れが少ない。その意味で忌避されることも ままあったように思うが、ここではライヴの感興にも乗って雄大さも十分、激しさでは 66年の8番に分があるものの、素晴らしい演奏だと思う。
429 :
名無しの笛の踊り :04/10/26 08:17:27 ID:wdeBP5wy
>>423 この演奏って当時NHK−FMでも放送されませんでしたか?
自分はその時の放送のテープを持ってます。
いかんせん、実家にあるので演奏会の日付は確認出来ないのですが・・・
たしか土曜日の海外クラシック・コンサートで放送されたヤツです。
学校に行ってたのでタイマー録音して、後で聴いてビックリ!
3番の第1楽章に何かうめき声のようなものが入ってるんです・・・
当時カラヤンが亡くなって間もない頃の放送だったために、
「もしかしてカラヤンの死に関係あるの?」なんて
一人怖がっていた記憶があります。
ま、放送事故みたいなものでしょうけどね!
430 :
423 :04/10/26 21:07:24 ID:O/P4AyC1
>429 たしかに聞こえました。第1楽章のなかごろ、Vnが「チャカチャカ」やってるときに、 ダミ声っぽい異様なうめきが。この演奏好きで何回も聞いてきたのに、いままで ぜんぜん気がつかなかった。ホント、これは怖いですね。でも演奏は最高なんです。 こんなに自由自在な3番って、なかなか無いよなあ、と思ってます。なお、テープに 貼り付いてる番組表は「シンフォニック・ステージ」となっていて、こんな番組は NHKにはなかったよなあ、ということでFM東京にしました。丹羽正明が解説です。 あと427の「巨人」の僕のテープはFM東京の朝番組です。この頃はNHKFMとFM東京 で同じ演奏会の放送をよくダブってやってました。だいたい片方ので録ると、もう 片方の放送はスルーしちゃってたので、ネコケンvs渡辺和彦の対談も聞き逃してし まったようです。
431 :
名無しの笛の踊り :04/10/26 22:19:57 ID:5hgLwYLE
>>430 、431
やはり入ってましたか。
気のせいにするにはあまりにも明確な声?だったので、なんだろうなぁ〜と思ってるんですが。
正直、アレはカラヤンの声と解釈してもいいんですかね。
でも演奏自体は3番&4番とも素晴らしい名演奏!オレは3番がお気に入りです。
433 :
名無しの笛の踊り :04/10/28 02:38:54 ID:nphfIRhf
>>423 >>429-432 この演奏の「声」は未確認ですが、演奏中にうなることがある指揮者
は少なくないです。遠い記憶では、生を聴いた66年来日公演の一つでも
カラヤンは力んだようなうなり声を連発していた。
FM東京の週末早朝のクラシック番組は「ザ・シンフォニーホール・
フロム・ヨーロッパ」と称していたが、NHKと同じ演奏会を放送する
場合、NHK−FMが初日の演奏に対して、FM東京が2日目の演奏を
放送するというパターンが多かった。演奏は微妙に(時としてかなり)
ニュアンスが違うはずだが、それ以上に違いがあったのがNHKとFM
東京の送信時のリミッターのかけ方。FM東京のはある時期から、低い
レベルをかなり上げて高いレベルを潰すような方式になったので、カー
ラジオ等では聴きやすい反面、オーディオ的には苦情が少なくなかった
といわれが、営業サイドからの意見が強く、そういう圧縮にも耐えうる
ようなポップス中心の路線を進んだ。NHKのは逆に、演奏上のダイナ
ミックレンジはある程度保たれるものの、弱音が聴き取りにくいという
批判があったようだ。実際、一日違いの同じ演奏なのに、FM東京では
p(ピアノ)がNHKのf(フォルテ)くらいに聴こえることがあった。
1985年10月27日、ジンマン&ベルリン放送響 ムソルグスキー/禿山の一夜 プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第1番 チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第3番(以上独奏ブロック) ストラヴィンスキー/火の鳥(組曲、1919年版) ベルリン、フィルハーモニー。 ジンマンがロシア音楽の小〜中篇を特集した興味深いプログラム。ジンマンは意外にもNHK-FM への登場が70年代のオランダ音楽祭(オランダ室内管の常任の頃)にまで遡れる。 チャイコフスキーの3番のコンチェルトは他に放送がない(と思う)くらい珍しい。 なお、「禿山の一夜」は偶然だろうが初演からちょうど99周年目の演奏。 ジンマンがまさかああいう形のベートーヴェン全集で一気に名を売るとは思ってもみなかった。 FMではモダン・オケを指揮したライヴがいくつか放送されており、なかなかの実力派だとは認知 していたが、いやはやベートーヴェン(でブレイク)とは、と驚きだった。97年頃の来日公演で ボルティモア響とのチャイコフスキー4番も聴いたが(ラフマニノフ2番のプロは放送された)、 基本的に師匠のモントゥーと似てフレージングの捌きというか処理が実にサクッと明快で、 気持ちのよい音楽を聴かせてくれる人という印象は昔から変わらない。そのためか音色の美しい ボリス・ブロック(78年ブゾーニ国際コンクール一位)との協奏曲は聴きものだ。 また、この年10月14日にギレリスがモスクワで亡くなっていて、チャイコフスキーはその追悼 として演奏する旨のスピーチをブロックが行なっており、そのまま放送された。
>430 FM東京でもやっていましたか、巨人。 しかし今話題のカラヤンのブラームス3番4番は私持ってないんですよねぇ。 >431 66年の来日は大昔に古老の方に聴かせてもらいました。東京でのブル8やベートーヴェン、 大阪公演のブラ1、ドン・ファンなどもありましたがレンジも狭く、経年劣化で音は 激しく悪いです。 でもブル8は凄かったですよ。 >433 なるほど。音に関してはFM東京とNHK-FMで微妙に違うとは思っていましたが 納得です。私はガサツな性格でどちらかの方だけを録音して残しているので、 参考になりました。あと結構ライヴでは唸り声とか気合の雄叫び入りますよね。 チェリもカラヤンもバーンスタインも皆それぞれに、聴かせ所では何らかの 喝が収録されてます。↑のジンマンも「火の鳥」の最後の最後で「フンン!」 言うてますし。
指揮者の唸り声は、LP時代には判らなかったけど CDになってから結構聞こえますね。 スタジオ録音でもそうなんだから、ライブだと……。 バーンスタインなんか、かなり唸ってるし。
437 :
名無しの笛の踊り :04/10/28 12:34:04 ID:MNbXrX7f
>>433 >FM東京の週末早朝のクラシック番組は「ザ・シンフォニーホール・
>フロム・ヨーロッパ」と称していたが、NHKと同じ演奏会を放送する
>場合、NHK−FMが初日の演奏に対して、FM東京が2日目の演奏を
>放送するというパターンが多かった。
全部聴いたのではないですが、私は同じ演奏だと思いますた。
出来れば具体的な演奏日と曲目を教えてもらえないですか?
聴き比べたいっす。
1973年10月28日、カラヤン&ベルリン・フィル モーツァルト/交響曲第41番「ジュピター」 チャイコフスキー/交響曲第4番 東京、NHKホール。 東京公演四日目。「ジュピター」では始めどうも座りがよくなくもう一つ乗っていない 感じだが、段々と精気を取り戻し第三楽章からは生き生きした名演奏になっている。 また、第二楽章の途中でドアの閉まるような大きなノイズがあり、ややフライング気味の ブラヴォーが掛かるのはご愛嬌か。 チャイコフスキーはカラヤンの同曲演奏中、屈指の出来だと思う。整然とした響きで 進みつつも、各所でライヴの感興にも大いに乗っており、激演の部類だ。特に第四楽章の 最後は徐々に加速し白熱する。最後の音にシンバル追加(結構いろんな指揮者がやって いるが)しているのも効果を上げている。総体的に、73年の日本でのライヴ録音としては 聴衆の盛り上がりが凄くて珍しい。
ウェーベルン/パッサカリア チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲(Vn:ヴァーツラフ・フデチェク) パガニーニ/ネル・コウ・ピウによる変奏曲から(Vnアンコール) ラヴェル/道化師の朝の歌 ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ ラヴェル/ボレロ シューベルト/ロザムンデ間奏曲(アンコール) ジャンルイジ・ジェルメッティ(指揮)シュツットガルト放送響 (1990年10月28日 サントリーホール) NHKBS2。この演奏会も1990年。奇才ジェルメッティの初来日公演。ラヴェルが素晴らしい。 中間部でぐぐ〜っとテンポを落として濃厚に歌い込む道化師の朝の歌。淡々としながらも 味わい深いパヴァーヌが終わるや否や、アタッカでボレロの小太鼓が鳴り始める離れ業。 ボレロは途中まで指揮棒なし、全身をくねらせるような振り付けは一種の狂気を感じさせる。 アンコールのロザムンデもシューベルトらしからぬ濃い味付けで、ラテンのパッションが爆発。 数年前、日フィルに客演した時のラヴェルもやはり素晴らしく、パヴァーヌとボレロのアタッカ 演奏も再度披露してくれていたと記憶する。昔はFMで大活躍だったが、最近は放送されているの だろうか。今年からシドニー響の音楽監督を務める異能指揮者の、今後の展開や如何に…。
グラズノフ/ヴァイオリン協奏曲イ短調 藤川真弓(Vn)テオドル・グシュルバウア(指揮)NHK響 (1983年10月28日 NHKホール) 今日はもう一本。地味な曲なんだけど、好きなひとは好きなんだよね。グラズノフ。 私はチャイコンの次に知ったVn協奏曲で、刷り込みはストコフスキーのライヴLPでの シルヴィア・マルコヴィチ。マルコヴィチは岩城&N響と1980年に演奏していて、録音 したはずだが紛失…。藤川さんの演奏は第1楽章がロマンチックに歌わせていてイイ。 N響はこの曲、けっこう頻繁に演奏してて、レーピン&プラッソン、諏訪内晶子&スベ トラ、奥村智洋&シモノフを所持している。
1973年10月29日、カラヤン&ベルリン・フィル ブラームス/交響曲第3番 ドビュッシー/海 東京、NHKホール。 東京公演五日目。ここでも聴衆の熱狂振りが凄まじく、ほんの僅かだが手持ちの60年代NHK ライヴ音源ではこうした異常な大騒ぎが少なく、どうもこの辺りから日本の聴衆が演奏会に 対してこなれてきた感じがする。それにしても普通の指揮者とオケなら、もう一曲追加だろう 的な薄い選曲だ(最後にボレロあたり入りそうな)。晩年のジルヴェスターコンサートの 「古典」・ベト5は歳のせいもあろうが、カラヤンは基本的にこうした「薄い」プログラミングが 好きだと思われる。 しかし演奏は最初から飛ばしている。ブラームスは低音のゴリゴリ感といい、ティンパニの 打ち込みの激しさといい、壮絶なアンサンブルの上手さといい、物凄い。ところがコーダ寸前での 聴衆のフライング拍手が著しく興を殺ぐ。すぐに止むものの、あの静かに終わる諦念の美が 台無しで勿体ない。「海」は、芯の一本通った力強い演奏。終曲のペットのソロの、何と上手い ことか。しかしこの73年ライヴは演奏中にいろんなことが起きている。それだけ期待も高かったと いうことか。
442 :
名無しの笛の踊り :04/10/29 03:30:03 ID:PI/5Y9ih
>>437 全部聴いたのではないですが、私は同じ演奏だと思いますた。
僕もそれこそ10年以上疑問に思っていたのだが、ベルティーニ/ウィーン響のマラ8、
1990年6月7日と8日、ウィーン楽友協会大ホールでウィーン芸術週間の実況。(FM誌の記述による)
7日がベルティーニのインタビューと黒田さんの解説なのでNHKだと思います。8日はFM東京。
(黒恭さんがFM東京に出演してたなら逆です)
日にちは1日違いなのだが、どうも聴衆ノイズが同じなのです。演奏も同じに聴こえるが、
明確な落っこちでもあればはっきりするのだが、見つけられないのでなんとも。
たまにFMファンなんかの番組表にも2日間の演奏日が表示されているものもあった
(たとえば「2004年10月29,30日 ムジークフェライン」のような)ので、
必ずしも別の演奏会とは言い切れないと思います。
もちろん違う演奏を放送してたこともあると思いますが。
漏れの十数年来の疑問。ユニテルの映像で明らかに違う日の演奏会を継ぎ接ぎ編集して いるのが、聴衆の様子などで見え見えなのがある。音声も含めて相当な編集をしている のだろうが、ときたま絵と音がズレていることがあるんだな。欧米の映像ディレクター は無頓着なのだろうか?と…。気にするな、と言われそうだけど、Vnのボウイングが音 に半歩遅れたりするの見てるとキムチ悪くなってきちゃうよ。クライバー&ウィーンpo のリンツは冒頭の部分に不自然な編集があり、萎える。96年6月7日のレヴァイン&ベル リンpoのBS生中継では宗教改革の途中で配信障害か何かで滅茶苦茶になりかけたが、数 分後に復旧。再放送ではちゃんと修正されてますた。さすが、NHKってか。
>>441 ホント短いな。2曲で60分切る。でもアンコールやったんじゃないの?
ジルベスタは古典+運命ってのもあったんだ。NHKで放映したキーシンとの
チャイコPcon1番の前にも古典やってたよね。どっちにしても60分切りだね。
漏れはDVDにもなってる70年代のジルベスタが好きだね。ウイリアムテル序曲
とかBPOがガンガン鳴りまくって凄いのなんの。今、BPOを豪快に鳴らせられる
指揮者って、誰だろう?と考えると、カラヤン時代が懐かしくなってきまつ。
445 :
名無しの笛の踊り :04/10/30 09:52:35 ID:jYlY8bp8
>>443 確かに、バーンスタインとVPOのシューマン交響曲全集など、何日か分の演奏会
の映像と音声をツギハギしているので、ある部分でバーンスタインのポケットチーフ
が赤だったのに、何十秒か後の同じショットでは緑に“変色”していたり、指揮者越
しに見える聴衆のオジさんがいつのまにか婆さんに替わっていたりしていた。しかも
音声も「その映像本来の」ではない、別の演奏の音声をはめ込み編集していたりする
ものだから、映像と音声が同期しない部分がけっこうあった。まあ制作する側にして
みれば、「映像も音声もベストのもので・・・」という思いがあったのかもしれないが、
そういう部分はやっぱり気持ちが悪かったな。
録音セッションならともかく、ライブで、違う日の演奏を編集しても 繋がるものですか? テンポとかいろいろ違っていて、特殊な加工をしなければ 繋がらないように思えるのですが。 画面が繋がらないのは当然として、音本位の事でお訊ねします。
1955年10月30日、ミトロプーロス&ニューヨーク・フィル ヴァーグナー/ジークフリート〜森のささやき 神々の黄昏〜第三幕 ヴィナイ(ジークフリート)ヴァールナイ(ブリュンヒルデ)ハーヴォット(グンター) ヴィシェゴノフ(ハーゲン)アマーラ(グートルーネ)グラッツ、エリアス、 ヴァーカナジャン(ラインの乙女たち) ニューヨーク、カーネギーホール。 DISCANTUSのCD。最近まで出回っていた廉価のミトロプーロスのライヴの中の一枚。 他に57年METでの「ヴァルキューレ」全曲も出ていた(NUOVA ERAなどで概出だったが)。 また、ヴィナイのジークフリートはここでしか聴けないので非常に貴重だ。グラッツと アマーラの二人は、ちょっと前のGEBHARDTから出たシュティードリーとMETの「リング」でも ラインの乙女を歌っている。NYP絡みでは、自主制作盤によるバーンスタインのボックス・ セットに70年の「黄昏」抜粋(ファレルとトーマス)があるが、あまりにも高価なため 手が出せずにいる。 音質はそれなりだが同時期のライヴ録音と比べても遜色ないもので、意外だった。演奏は ミトロプーロスなので、やはり熱気と粘り気が感じられるが、思ったほどの爆発でもない。 これはヴァーグナーに関しては、バイロイトの同年代のライヴが余程凄過ぎると言うことも あるのだろうか。しかし葬送行進曲や終曲での興奮は十分で、傾聴に値するものではある。 ヴィナイのジークフリートもバリトナルな肉厚の声で力強さがあり、やはり素晴らしい。 ヴァールナイも全盛期の凄みがある。残念なのはハーゲンが弱いのと、合唱と一番最後の ハーゲンの台詞がカットされていることか。
1975年10月31日、ギーレン&シュトゥットガルト放送響 ドビュッシー/夜想曲 ホリガー/七つの歌 バルトーク/弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 シュトゥットガルト、リーダーハレ内ベートーヴェンザール。 ギーレンは既に70年代からFMの常連で、通常のオーケストラ・コンサートや音楽祭客演、 現代音楽ライヴ(ドナウエッシンゲンなど)と非常に多くの演奏会が放送されている。 N響にも(サヴァリッシュの口利きだったそうだが)75,77年に客演し「幻想」や シューマン2番、伝説的なマーラー7番など指揮している(シェーンベルクの「変奏曲」が N響伝説のライヴで聴ける)。 ここでのシュトゥットガルトとの演奏会は、客演としてよく放送されていたものの一つで、 この時期のシュトゥットガルトの指揮者陣はチェリを始めとして錚々たるもので、 ライトナー、セガルやギーレンにベルティーニなど実力者たちののお宝ライヴが続々で あった。シュトゥットガルトの自主制作盤によるC・クライバーのボロディンも確かこの頃の 演奏で、ギーレンでは「優雅で感傷的なワルツ」が入っていた。 演奏自体は意外にもテンポを遅めに取り、各楽器のテクスチュアを明快に分離させている もので、予想通り熱さはこれっぽっちもない。夜想曲は静謐さが全編を支配し、ある意味 神々しいほどの出来で、バルトークも先日のフェレンチークとは全く異なるタイプの 演奏だが、透き通るような清涼感があるのはチェリ客演によるオケの影響かもしれない。
449 :
名無しの笛の踊り :04/10/31 01:05:06 ID:OJ2rk5KH
1977年4月3日 カラヤン&ベルリン・フィル マーラー交響曲第6番 1977年4月4日 同上 ブルックナー交響曲第5番 ザルツブルク祝祭大劇場 時期全然違うけど、最近入手してぶっ飛んだ演奏だったので挙げますた。 共に1977年ザルツブルクイースター音楽祭の演奏。両曲とも全盛期のカラヤン& ベルリンの爆発的豪快演奏が楽しめる。ベルリンフィル関連掲示板あたりでラッパ の話題で盛り上っている方々が聞いたら、涙を流して喜ぶに違いない。 演奏は同時期にNHKで放送されたものと同じような内容だが、マーラーの第1 楽章のリピートがこの演奏では為されている。カラヤン時代のイースター音楽祭 のFM放送は殆ど無かったが、何故無視したのだろうか。NHKは何とも惜しい ことをしたものだと思う。
450 :
名無しの笛の踊り :04/10/31 01:10:10 ID:KJNXUi5y
カラヤンは、休憩後にボレロ1曲だけ、という公演も日本でやったそうですね。
>439 その「ボレロ」、よかったですね〜。ただジェルメッティのあの奇矯な踊りにはワラタ。 >444 すいませぬ、そのキーシンの方がジルヴェスター。ベト5の方は定期でした。 >446 >ライブで、違う日の演奏を編集しても繋がるものですか? >テンポとかいろいろ違っていて、特殊な加工をしなければ >繋がらないように思えるのですが。 繋がったように聞こえるだけで、やはり偽者っぽく聞こえるものもあるでしょうね。 演奏会の例えば定期二回のうち出来の良いテイクの楽章丸ごとをを採ることもあれば、 部分的な箇所のミスなどを別のテイクに差し替えることもあるでしょうから一概には 言えませんが、自然さは失われますね。でもそれを言い出すとナマ演奏に勝るものは無い 訳で。 古老の話だとフィリップスから出ているベームの「リング」も、発売前に毎年バイロイトを 聴いているマニアの試聴会で散々批判されたそうです。ツギハギだらけだ、と。
452 :
名無しの笛の踊り :04/10/31 03:37:35 ID:57/ESGvG
>>449 海外ライヴは、現地の局が(日本、他での放送権も処理して)提供可能なもののメニュー
から選び、カラヤン関係はリクエストも多いので手をつくして全部、というような話を聞いた
ことがある。イースターものはなかったのではないかな。よく知らないのだが、現地での
放送はやはりORFがやっていたのだろうか。イースターはカラヤン自身のプロダクション
だから、勘ぐれば相当な高額・・・のような気がしなくもない。これとは違うが、70年代末
(80年代に入っていた?)だったか、海外ライヴの番組終了時の予告で、カラヤンの演奏
がだんだん収録し難くなってきたらしくてなかなか提供してくれなくなってきた・・・といった
コメントが放送されたことがあった。
453 :
名無しの笛の踊り :04/10/31 12:46:52 ID:OXf1V+Hp
>>452 >イースターはカラヤン自身のプロダクション
>だから、勘ぐれば相当な高額・・・のような気がしなくもない。
カラヤン自身のプロダクションの具体的な名前はなんて言うのですか?
イースター音楽祭の興行会社?テレモンディアル?
454 :
名無しの笛の踊り :04/10/31 22:08:19 ID:Dwz5fBb7
449でつ。 カラヤンのライブでは76年のフィンランディアの金管も凄いでつが、 この2つの金管の爆発ぶりも際立ってまつ。 日常茶飯事にこのようなものが聞けたベルリンが裏山すぃ。
455 :
名無しの笛の踊り :04/10/31 23:24:35 ID:r8QZyGSq
朝比奈隆&大阪poのブルックナ4番(ポニー)の録音データは'93・7・21,22 大阪 フィルハーモニーホール&'93・7・23 サントリーホール,東京&'93・7・25 大宮 ソニックシティ,埼玉となってまつ。東京公演はTV放映されていますた。後で このCDが発売されたときにこのデータにビクーリ。また、新日本poとの4番(フォ ンテック)も'92・5・13,15 東京文化会館&オーチャードホールとなってまして、 響きの異なるホールで収録した音源をツギハギして良いものかと。デジタル 処理でノイズ、音像等いかようにも加工出来るのだろうが、自分はこのよう な如何わしい?データのCDは買う気がおきませんですた。
456 :
名無しの笛の踊り :04/10/31 23:40:12 ID:KJNXUi5y
大阪フィルハーモニーホール、てどこ?
457 :
名無しの笛の踊り :04/11/01 00:38:23 ID:OT/WurPz
↑大フィルの事務所兼練習所“大阪フィルハーモニー会館”の中にある ホール状の練習スタジオ。大阪市西成区岸里。
>454 確かにその「フィンランディア」は強烈ですね。冒頭の金管のファンファーレ直後に フライングブラヴォーしてる人がいて、とにかく凄い。 >455 そんなツギハギじゃさすがに聴く気が起きませんね。 しかしこのスレ、自分で言うのも何ですが、長文が多すぎて1000行かない悪寒…。 900くらいで容量オーヴァーしそうですね。
1992年11月1日、ヴァント&ベルリン放送響 ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」 交響曲第5番 ベルリン、シャウシュピールハウス。 ヴァントのベートーヴェンは、N響客演時の5番などがあり、95年くらいにキールでの 6番・5番もある。FMでは都合1・3・4・5・6・9が放送されているが、7がないのが痛い。 上記のオケは、よく客演していた旧西側の現ベルリン・ドイツの方だと思うが、何故か 本拠のフィルハーモニーを使っていない(90年からの改装は終了していた)ので、 もしかすると旧東側のオケかもしれない。 演奏はヴァントらしい非常に歯切れのいいもので、弾力性があり噛み応え十分だ。普通の この歳の巨匠に比べ、実に若々しい。ただ演奏精度に関しては、後年の北ドイツとのキールでの ものの方がこなれていて、以心伝心な優れた演奏だと思う。
460 :
名無しの笛の踊り :04/11/01 19:28:21 ID:K5DNNa+n
ロベルト・ヘーガー指揮のライブの詳しい日付判明 1970年6月6日.ムジークフェライン ウィーン響.バイオリン独奏ズトラトコ・トボルスキー. リヒャルト・シュトラウス ティルオイレン.「英雄の生涯」 それにヘルマン・プライの独唱でヘーガー編のシュトラス歌曲 これは、その年の暮れにNHK.FMで放送されたそうな
>>379 1980年ザルツブルグ音楽祭のベーム/VPOによるベト2&7は
FM放送されました。1980年12月12日。
遅レス、スマンかったです。
462 :
名無しの笛の踊り :04/11/03 01:05:54 ID:EQ08Q+Yd
2004年11月2日 札幌コンサートホール ラトル指揮ベルリン・フィル リンドベルイ:AURA ドビュッシー:海 ラヴェル:ダフニスとクロエ第二組曲 (アンコール)ラヴェル:マ・メール・ロワから第8曲「妖精の園」 なんていうライブ録音が将来出てくるのだろうか?
1991年11月2日、クーベリック&チェコ・フィル スメタナ/わが祖国 東京、サントリーホール。 クーベリックの「わが祖国」は数多い。 @52年シカゴ響 MERCURY スタジオ盤 A58年ウィーン・フィル デッカ スタジオ盤 B71年ボストン響 DG スタジオ盤 C75年バイエルン放送響 NHK-FM 来日公演ライヴ録音 D84年5月3、4日バイエルン放送響 ORFEO ライヴ盤(NHK-FMで3日のライヴあり) E90年チェコ・フィル SUPRAFON 涙のチェコ復帰公演ライヴ盤 F90年チェコ・フィル、スロヴァキア・フィル、ブルノ国立フィル混成 BS放送のみ? G91年チェコ・フィル FIRST CLASSICS 海賊ライヴ盤(NHK-FM、BS放送あり) 以上のものがあり、スタジオ盤は71年盤以外未聴だが、それぞれに素晴らしい演奏で クーベリックの故郷への気持ちが十全に出た泣かせるものになっている。自らの引退と 郷里チェコへのダブル復帰公演となったEも感動的だが、日本人としては昨日のGが、 ちと忘れ難いほどの公演となっている。「シャールカ」での舞曲に変わってからの荒れ 狂わんばかりの強烈な表現、「ブラニーク」の格調高い響きと爆発せんばかりの歓喜の 歌など、あまりにも凄い。某HPで52年盤の素晴らしさに触れていたので、聴いてみたい。
ブリテン/鎮魂交響曲op20
ヘンデル/合奏協奏曲ト短調op6-6
ラヴェル/組曲「クープランの墓」
ルーセル/交響曲第3番ト短調op42
ラファエル・クーベリック(指揮)シカゴ響
(1983年11月3日 オーケストラホール)
クーベリック最後の「我が祖国」は昨日だったのですね。NHKBSの録画テープは大切な
宝物です。また、84年5月のヘラクレスザールでの公演も以前CSで放映されてまして、
こちらも髪振り乱しての大熱演でした。そんなライヴで燃えるクーベリックを期待する
と、このシカゴ響との演奏会は物足りなく感じるかも。ルーセルの3番などミュンシュ
による乱痴気騒ぎのようなエジンバラライヴ(64年8月19日)にくらべると、まるで別の
曲のようにきっちりしている。ひょっとしてシカゴでのクーベリックはヒトが変わる
とか、あるのだろうか。だとしたらちょうどこの1週間前83年10月27〜29日にシカゴ響
と演奏した「我が祖国」も聞いてみたいものです。なお、クーベリックの演奏会記録は
ttp://www.kubelik.org/にあり 、これによると鎮魂交響曲は唯一の演奏のようですが、
これはかなりの名演だと思う。この演奏しか聞いたことないけど…。
1969年11月3日、ベーム&ウィーン・フィル ベートーヴェン/「エグモント」序曲 シューベルト/交響曲第8番「グレート」 ブダペスト音楽週間、エルケル劇場。 ベームとウィーン・フィルのブダペストへの客演。NHK-FMが音源だが、この日のもう 一曲は不明。ベームは70年代に入ってからも、大ハ長調は何度も取り上げるほどお得意で、 それらに比べてもこの録音は精気に満ちている。かなり若々しくオケを煽り、気合い十分な ため指揮台を踏みしめる靴の音がかなり入っていて、演奏も叩き付けるような強烈なものだ。 ただ、個人的には後年の幾分マイルドな熱さが好きではあるが。「エグモント」は上手く 行っており、実に白熱の名演奏になっている。
1992年11月4日、C・デイヴィス&ドレスデン国立歌劇場管 ブラームス/交響曲第3番 交響曲第1番 ドヴォルザーク/スラヴ舞曲Op46-1 東京、サントリーホール。 名誉指揮者だったC・デイヴィスとの来日ライヴ。NHK-FMで放送された。 ドレスデンの美しく深々とした弦の音色もまだこの頃は生きていた。コリンとの相性は 抜群で、何も足さず、引かずにただブラームスのメロディが美しく奏でられる。3番は 緩徐楽章が絶品で、時折のポルタメントがかった弦が何とも言えぬ素晴らしさを 演出し、耳に心地よい。その分最終楽章での切迫感にはやや欠けるが。 1番は矍鑠とした出来だが、ここでもやはり弦は見事で、全体の音色にも大きく影響している。 終楽章では多少の疲れが聴かれるが、総じて好演。スラヴ舞曲もオマケとはいえ、躍動的な 名演奏だ。 このオケがブロムシュテットやフォンク、C・デイヴィスなど中庸な職人的指揮者たちと仕事を してきたのは、長年培い、育んできたオケの音色のためなのかも知れないとふと、思った。
1982年11月5日、ノイマン&チェコ・フィル スメタナ/わが祖国 東京文化会館。 マタチッチ&オーストリア放送響 スメタナ/わが祖国 ウィーン、ムジークフェライン大ホール。 いずれも「わが祖国」初演百周年目のライヴ。マタチッチの同曲のライヴは、69年9月のN響、 79年のザグレブ・フィル(KUROACIA RECORDS)、84年5月のチェコ・フィルとの「プラハの春」 開幕公演がある。ノイマンは70年代からの国内外問わずのライヴが数多放送されているが、 上記の演奏は公的には最後のレコーディングとなったDENONのCD。 両者とも曲に対するアプローチは全く異なるが、気骨あるフス教徒やブラニーク山の英雄たちの 末裔とも言えるノイマンらが、何故か遠く離れた極東の異国で歌い上げてくれるこの演奏と、 辺境とはいえ貴族の血を引くマタチッチが、帝都ウィーンで被支配階級であった作曲家の作品を 取り上げているこの演奏には、「わが祖国」初演百周年というフィルターを通して歴史の皮肉と いうか、何か共通の感慨深さが感じられる。 演奏自体はそれぞれ熱いもので、(紹介済みのクーベリックと併せて)この曲の最上のライヴで あることは間違いないくらい素晴らしい。ノイマンは小細工せず正攻法の音楽だが、オケに流れを 委ねつつも、小気味良いほど躍動的で、活発で精気に満ちており思わず嬉しくなる演奏だ。後輩格 のビエロフラーヴェクやヴァーレク、ペシェクなどとはやはり、格が違う。 一方のマタチッチも巨匠然としたドッシリした構えながら、叩き上げのオペラ指揮者らしい自然な 劇的高揚に溢れ、切所での剛毅な気概にも圧倒される。「モルダウ」における息の詰まりそうな 繊細な歌わせ方や、「ブラニーク」コーダの巨大な咆哮など独特の面白さもあり、何より全篇に 渡る息の長いフレージングは非常に魅惑的だ。 それにしてもこの歳にして「わが祖国」の深遠さにハマリつつある…。
468 :
名無しの笛の踊り :04/11/05 13:18:22 ID:5d6maD20
1995年11月6日、ロジェストヴェンスキー&ベルリン・ドイツ響 R・シュトラウス/インテルメッツォ〜交響的間奏曲 ヴァイオリン協奏曲(独奏A・ロジェストヴェンスキー) チャイコフスキー/交響曲第4番 ベルリン、フィルハーモニー。 FM東京の音源。ソ連文化省のオケが解散同然になってからのロジェストヴェンスキーは、 客演に力を入れていて、いろいろなオケとの共演が楽しめる。ベルリン・フィルは元支配人の シュトレーゼマンの回想によると78年にショスタコーヴィチの4番を振っている(ウィーン・ フィルへもこの曲の一回こっきりだ)らしく、ベルリン芸術週間への来演も頻繁に行なわれて おり、ベルリンとは浅からぬ縁があるようだ。 ベルリン・ドイツへはこの一度きりしか知らないが、嫁ではないがまたぞろ血縁者っぽい ソリストを迎えている辺りが曲者芸人の面目躍如か。R・シュトラウスは8月に紹介済みの ドレスデンとの「ティル」、「ブルレスケ」があるが、ROSSIAN REVERATIONやYEDANGなどの レーベルにもしかしたら録音があるかも知れない。ヴァイオリン協奏曲のライヴは他に79年の マタチッチとフォンタナローザ、フランス国立管があるくらいで珍しい。 チャイコフスキーは意外にもやや慎重でおとなしく、最近DVDも出た70年頃のプロムスでの爆演 (レニングラード・フィル)に比べると薄味だ。
>468 それほどの歳ではありません、とだけお応えしておきます。
471 :
468 :04/11/06 11:04:28 ID:SoBEGfO1
>>467 野暮レスだけど、僕の持ってるマタチッチ/オーストリアのテープは演奏日が
1982/1/15になってます。ただし手書きなので、/の位置が一個左に寄っちゃった
のかも知れません。初演百年のエピソードははじめて知りました。N響の演奏も
確かFMの過去の名演奏シリーズかなんかで放送されてました。正規CD化希望です。
>472 いや〜、失礼しました。1/15で正しいようです。最近は大体書き込む前にデータとか 調べるのに、私のワープロ打ちのデータが「/」一個右に寄っちゃっていたかもで、 鵜呑みにしてしまいました。 なんか「わが祖国」にハマリ過ぎて冷静さを欠いてましたね…。すいません。
474 :
名無しの笛の踊り :04/11/06 22:36:06 ID:QdZKMh91
1986年11月7日、サロネン&バイエルン放送響 リゲティ/メロディエン ショパン/ピアノ協奏曲第1番(独奏ジメルマン) シベリウス/交響曲第5番 サロネンのシベリウスは、響きの透明さとフレージングの切れ味がよいので、非常に合って いると思う。ネコケンの紹介によると、尊敬する指揮者はブーレーズとC・クライバーらしいと いうことで、バーンスタインやカラヤンなどの巨匠たちを挙げないので感心していた。 デビューまもなくのエディンバラでの1番も相当な演奏だったが、5番は何故かよく放送され、 このバイエルンの他スウェーデン放送響との来日公演や、95年にベルリン・フィルとの演奏も WOWWOWで放送された(テツラフとのバルトーク2番も含め、これには度肝を抜かれた)。基本の 解釈はいずれも近いが、バイエルンとの演奏は落ち着いた中にも内なる叫びが強く聴き取れる。 シベリウスはFMライヴではちょっと冷遇されており、地味な3、6番などかなり好きなのだが ほとんど放送されない。20年前のカムと渡辺先生によるヘルシンキ・フィルの来日公演放送は 快挙であり啓示だった。今の所サラステにやや抵抗があり、ヴァンスカにライヴがないので! シベリウスのライヴ録音はサロネンとカムをよく聴く。
サロネン&南西ドイツ放送響という組み合わせで1986年4月11日にハンス・ロスバウト・ スタジオで演奏された「海」が強烈。解説のネコケン氏が「一言で言うともんのスゴイ明快 な演奏ですね」と言う通りなのだが、よく聞くと微妙なテンポの揺れやデフォルメがあって 引き込まれる。それよりも何よりも、このオケの金管楽器のむんむんするようなビブラート をはじめて認知してハマってしまった。同時期、同コンビでミンツをsoloにしたシベコンも、 テレビ東京の謎の深夜番組「ミッドナイトクラシック」で流れていて、これも強烈。 指揮棒ブンブンでがんがん鳴らしまくるシベコン伴奏なので、シベリウス・ファンには 嫌われてしまうかも知れませんが…。なお、シベコンはドリームライフのDVD有り。
>476 そうですなあ。「海」、シベコン、レーガーのモーツァルト変奏曲のプログラムですね。 よかった記憶あります。特にシベリウスは何度も聴きました。ただそのシベコン、 日付が同じなんですがFMではマーク・カプラン独奏なんですよ。どっちなんやろ…。 サロネンはずっと追っかけてますが、いい意味で芸風が変わらなくて若いのにたいした人ですね。
1972年11月8日、シュミット・イッセルシュテット&ベルリン放送響 ハイドン/交響曲第96番「奇蹟」 ロルツィング/ホルンと管弦楽のための小協奏曲(独奏ハウプトマン) R・シュトラウス/組曲「町人貴族」 ベルリン、RIAS放送大スタジオ。 S・イッセルシュテット(1900-1973)のFMライヴは非常に珍しい。私もこれ一本のみしか 持っていない。ちょっと前にTAHRAから放送録音が出始め、最近はEMIが遂に動き出して ようやくこの正統派の指揮者にも光が当てられて来ている。喜ばしいことだ。 彼は64年に読売日本響と大阪フィルに客演、70年にも読売を指揮しており(この時の 「第九」と「荘厳ミサ」だけでも聴きたいのだが)、独墺ものに名演を聴かせている。 このライヴは亡くなる半年前にベルリン放送響に客演したもので、曲目が異常に渋い。 三曲ともこの演奏で初めて聴いたものだ。 しかし音楽と聴衆の距離が近く感じられ(音響的に大きいハコではないようだ)、珍しい ロルツィングでは聴衆にスピーチしてから(多少の笑いも誘いながら)始めるあたり、 非常に親密な雰囲気が漂う。渋いながらもライヴ的な空気に満ち、素晴らしい。 CDとして出すならただの放送録音ではなく、こういういいライヴを出して欲しいが、贅沢 だろうか。
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番ニ短調op30 ショパン/ノクターン嬰ヘ長調op15-2(アンコール) ホルヘ・ボレット(Pf)デイヴィッド・アサートン(指揮)NHK響 (1988年11月9日 NHKホール) FMエアチェック時はヘタレ演奏と思い込み、すぐ消してしまっていた。わりと最近、 N響アワーで再放送されていたのを見て驚愕。決して力ずくにならない枯れきった タッチから紡ぎ出される音楽は、豪胆にして自由闊達、天衣無縫。滅多に見ない ボールドウィン社のピアノも、深い音色で存在感を示していて興味が尽きない。 さらに言えばバックのアサートン&N響もニュアンスにあふれていて絶品。こんなに 条件の揃った名演奏をヘタレだなんて、私は何と言う間違いを犯していたのだろう。
1994年11月9日、バルシャイ&東京フィル ショスタコーヴィチ/ピアノ協奏曲第1番(独奏ヤブロンスカヤ) 交響曲第7番「レニングラード」 東京、オーチャードホール。 東フィル定期から。バルシャイは90年代には単身での客演や、リヒテルとの協奏曲の指揮も 引き受けたため、頻繁に日本のオケと共演しており、放送もFMシンフォニーコンサート枠で ベートーヴェン4番など多少放送された。何にせよこの人も放送の少ない御仁であったので、 国内オケとはいえ聴ける喜びはあった。 「レニングラード」はBISからユンゲ・ドイチェ・フィルとモスクワ・フィルの合同演奏が 91年の独ソ開戦記念日のライヴで聴け、基本的にイン・テンポで過度な表情付けを慎むが、 非常に壮大な響きと弛緩せぬ緊張感のある名演だと思う。 東京フィルとの演奏も、オケがよく健闘しており、なかなかの演奏だが、ブラヴォー馬鹿の 品のない叫びが著しく興を殺ぐ。BISのライヴと比べるとどうしようもなく酷い。まあ現在も 含め、この国のライヴ録音はこの手のブラヴォーばかりなので仕方ないと言えばそれまでだが。
↑は昨日のライヴ録音でした。
1995年11月10日、インバル&フランクフルト放送響 シューマン/交響曲第4番 マーラー/交響曲第1番「巨人」 東京、サントリーホール。 インバルの来日公演では、TV放送もされた87年のものが特に強烈に印象に残っていて、 「幻想」やマーラー5番(後年の来日公演より凄い)、ブルックナー5番は素晴らしかった。 フランクフルトのポストは89年で辞任しているが、後任のキタエンコ、ウルフが全く 冴えないのに比べ、いまだにフランクフルトとライヴで名演を残し続けているこの人の 実力は凄い(最近はベルリン響が多いようだが)。また、インバルはマーラーの交響曲 全曲がFMライヴ録音で聴ける数少ない指揮者だ。来日時もかなりのマーラーを演奏して おり(1〜6は放送され、9は日本フィルとのCDあり)、ほぼフランクフルトとのものだが、 「大地の歌」だけはフランス国立放送フィルとのルガーノ・ライヴしかなく貴重だ。 私も唯一の8番はテープトラブルで聴けず、4番の90年来日公演(オージェの最晩年)も 録り逃したが…。他に全曲聴けるのはケルンと来日ツィクルスを敢行したベルティーニ くらいだろうか(バーンスタインは「大地の歌」と3、7番がついぞ放送なし。3、7番は NYPとの海外エアチェックがあるが)。その意味ではインバルとベルティーニこそわが国に おけるマーラーの伝道者だったと言えるのではないか。 この95年の「巨人」も完成度が高く、充実した演奏になっていて、87年の若々しいものと 比べても熟したマーラーになっている。聴き物は前プロのシューマンで、コーダの強烈な リタルダンドの大見得など一筋縄では行かぬが、音の厚みが凄い。
1978年11月11日、ヨッフム&ベルリン・フィル ブルックナー/交響曲第8番 ベルリン、フィルハーモニー。 ヨッフムのブルックナー8番は、ライヴでは82年のバンベルクとの来日公演が圧倒的な 出来で、他にTAHRAから84年のものも出ている。スタジオ盤では有名なEMIのドレスデンの 演奏と64年のベルリン・フィル(DG)がある。また、ベルリン・フィルとは77年の9番の ライヴがPALEXAからちょっと前に出ていた(拍手はカット)。 この78年の演奏は翌年のモーツァルト・プロと共にNHK-FMで放送されており、終楽章結尾の 壮大さなどは、チェリやBBCのグッドールなどに譲る面もあるものの、悠然たる構えで呼吸の 深い大演奏に仕上がっている。随所で瞑想的な唸りも聴かれる。
毎日、違うものを聴いて感想を書いているのですか?
486 :
名無しの笛の踊り :04/11/11 19:22:01 ID:hM//CJgk
1982.11.11 ブラームス:交響曲第4番 ベートーヴェン:「コリオラン」序曲 チェルビダッケ/シュツットガルトRSO. このオケとの最後の演奏会のライヴで、DG盤とは別演奏。 集大成とも言える見事な演奏。
>485 そうです。修行のつもりで一年は書き通すつもりです。 これまで如何にちゃんと聴いて来なかったかと反省しまして。 でも勤め人なので帰宅してから一通り聴いて書いてると 寝る時間がなくて、最近休み前後にまとめてという手も…。
1983年11月12日、ハーガー&ベルリン・フィル ハイドン/交響曲第100番「軍隊」 ピアノ協奏曲ニ長調 交響曲第104番「ロンドン」 ベルリン、フィルハーモニー。 レオポルト・ハーガーの珍しいベルリン・フィル客演。ハーガー(1935-)はザルツブルク 生まれの指揮者で、ご当地のモーツァルテウム管などの指揮者を務めており、夏の音楽祭の モーツァルト・マチネーはよく放送された。また、ウィーン・フィルの指揮台にも上がって いて、FM東京ではヨッフムに随行したバンベルクとの82年の来日公演(「魔弾」、 「ジュピター」、ドヴォルザーク8番)がある。 この83年辺りは古楽器指揮者台頭直前で、まだハーガーのような古雅な味わいの演奏が大半、 ハッとさせられることはないが颯爽とした小気味良いものだ。
>332 >アシュケナージのN響音楽監督就任にちなんで。 >数年前の「バビ・ヤール」や「ペレアスとメリザンド」などを取り上げた一連の定期は >なかなか聴かせてくれたが、果たしてこれからはどうだろうか。就任記念に披露される >ベートーヴェン・プロは、いきなりの実力テストみたいな感じで、楽しみだ。 随分前の話しで恐縮ですが、アシュケナージさんの実力テストはどのような感じられた のか、お聞きしたいです。ちなみに僕は、締まりのないベートーヴェンは?なのですが、 定期の2公演はユニークで聞き応えあったと思いました。たまには今のライヴの話しも…。
>489 アシュケナージについてはこの板に限らず、ネガティヴな論調が多いようですね。 確かに前任者のデュトワの方が、80年代から客演していましたがドイツものの得意な N響に新しい血を、みたいな主張というかやりたいことがハッキリしていたし、 実りが期待できた部分はありました。 アシュケナージについてはう〜ん、ベートーヴェンはライヴとしては未消化な印象が あって?です。サラッと終わった感じ。録音テープも一度通しただけで消去してしまい ました。なのでチャイコフスキー・プロ(映像で確か東芝?から出ていたロイヤル・ フィルとのモスクワ・ライヴの4番があまりにも酷かった印象もあり)とアルペンのプロは 聴きませんでしたが、まだ放送予定があるようなので録るかもしれません。
1983年11月13日、メータ&ウィーン・フィル ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番(独奏アシュケナージ) シューベルト/交響曲第8番「グレート」 第三回定期、ウィーン、ムジークフェライン大ホール。 メータは70年代からウィーン・フィルの常連で、FMでもかなりの共演が放送されている。 大ハ長調は95年にベルリン・フィルの定期で演奏しているが(WOWWOW)、基本的な演奏解釈は それほど変化ない。ただ、ベルリン・フィルの方はフォーグラーのティンパニによる演奏の リードが素晴らしく、パワー全開で英雄的な毅然とした印象だが、こちらはウィーン・フィル のオケ全体の響きが魅力的で、各声部に時折りハッとさせられる美しい音色も聴かれ、刹那的 且つ天国的な印象だ。いずれにも言えるのは、メータ自体の印象はやや希薄であるということ で、チェリ逝去直後にミュンヘン・フィルとのケルンでのライヴもWOWWOWで聴かれたが(モー ツァルト40番、チャイコフスキー5番など)、やはり巨匠に薫陶されたオケの底力が素晴らしく 際立っていたのを思い出す。曲への集中度は凄かった。 アシュケナージのベートーヴェンは、リリカルなタッチのピアノが美しく、特に第二楽章は 絶品だが、何故か盛大な咳がかなり混入する。終楽章も小回りが効いているが、曲の大きさに 比べてそつのない感じではある。伴奏は厚みもあり、立派だ。
1977年11月14日、フリューベック・デ・ブルゴス&フランクフルト放送響 ベートーヴェン/交響曲第1番 ファリャ/はかなき人生(演奏会形式) 独唱タレース(サルー)ナフェ(サルーの祖母)ノレン(カルメラ)エステベ(パコ) デ・カネル(サルバオール)マイネーラ(フラメンコ歌手)デーミッツ(マヌエル) フランクフルト、ヘッセン放送協会大スタジオ。 フランクフルトの定期から。フリューベック・デ・ブルゴス(以下FDB)の十八番はやはり ファリャで、特に「三角帽子」の抜粋は同年代のフランクフルトとのもの、88年のザルツでの もの(ロンドン響)、95年頃のウィーン響とのライヴが放送されていた。 また、ベートーヴェンはベルリン放送響(旧東)の来日時に5、6番を取り上げていたと思う。 この人もライヴでは血が騒ぐのか、概ね熱い演奏が多い。上に挙げた三角帽子など、いずれも 聴かせ所を心得たゾクゾクするような好演だ。ただ、曲への踏み込みが浅い時はどうしても 大味になってしまうので、曲を選ぶ人ではある。 「はかなき人生」は演奏会形式だが、合唱にエリック・エリクソンとスウェーデン放送の 合唱団が参加しており、気合いが入った名演だ。全ニ幕だが、第一幕はどちらかというと 大人しく、印象派の影響さえ感じられる響きの美しいもの。打って変わって第二幕は血沸き 肉踊り、合唱とフラメンコ歌手のコラボは凄まじい熱気でまさにファリャの音楽だ。主役の タレースはスペイン人で、ライプツィヒ放送響とディーター・ハウシルトが来日した時に 「第九」等のソリストを務めてもいる。ベートーヴェン2〜4楽章をほぼアタッカで開始する など、若書きのよさをそのまま出した勢いのある演奏。 K・ヴァイラーのチェリの評伝によると、FDBはミュンヘン・フィルに79年に客演しているが、 チェリと比較され批評的には散々だったそうだ(明日のドラティと並びこき下ろされている)。 こういうのも逆に是非聴いてみたいのだが。
やはりこの日はこれを取り上げねばならないですね。 1987年11月14日、ラトル&ベルリン・フィル マーラー/交響曲第6番「悲劇的」 ベルリン、フィルハーモニー。 ラトルのベルリン・フィル初客演。NHK-FMとFM東京で放送され、私はFM東京の方を持って いるが、はっきり司会の田中美登里が11月14日の演奏、と言っている。また、来日公演の ラトルの履歴にも87年11月BPO初客演となっていた。しかし以前アリアCDのカタログで9月 14日になっていて、何よりの混乱は私のリストにもそうなっていたことだった。おそらく どちらかの番組表掲載時に誤記されたのが真相のような気もする。今度じっくり調べて みたい(ちなみに9月13日にサヴァリッシュがシューマン「ミサ・サクラ」とメンデルス ゾーンの「讃歌」を振っているので翌日マーラー6番はキツイだろうし)。 演奏は初振りの気負いもなく充実の限りで、現在の両者の関係よりも若干オケの力が勝って いるようにも思われるが、凄まじい演奏であることに変わりはない。ちょっと前のシノーポリの ものよりも情念の渦巻くようなドロドロ感はなく、その代わり実に見通しのよい響きで、 現在の両者の関係を先取りしている感もある。第一楽章の終結など、テンポの激変を物とも せずベルティーニ並みの上手さで処理しており説得力も強い。第四楽章ではコントロールに やや苦心している節もあるが、これだけの演奏を初客演で成し遂げるとは、物凄い若武者の 初陣と言えるだろう。 また、楽章入れ替えが敢行されており、中間楽章がアンダンテ→スケルツォの順に変更されて いる。 来年春にはBPOとVPOの合同演奏!でこの曲を取り上げるようで、今から楽しみだ。
494 :
名無しの笛の踊り :04/11/14 04:44:02 ID:rYh1CokF
週末は音楽三昧ですね。来週も楽しみにしています。では、おやすみなさい。
1986年11月15日、ドラティ&ベルリン放送響 ブラームス/ドイツ・レクイエム(独唱マティス、A・シュミット) ベルリン、自由ベルリン放送協会大ホール。 ドラティも日本では非常にライヴ(録音)の少ない人だった。他に放送されて記憶にあるものと いえば、この前後の「荘厳ミサ」があるくらいか。そもそも来日がモントゥーに同行した63年と 単身来日した82年の読響客演(「巨人」など、TV放送は未確認だが)の二度しかなく、ポストが 米英に限られていたせいもあるだろう(日本でのFM放送が極端に少なかった両国の上、 オーケストラ・ビルダーとして準一級〜二級どころの指揮者ばかり務めていたこともあるか)。 また、膨大なスタジオ録音の割りに、ライヴ録音が省みられずに再評価が進んでいない可哀想な 人でもある。CDではBISから出ているストックホルム・フィルのライヴ集成に、ロジェヴェンや S・イッセルシュテット、アーロノヴィチ(なんと通好みの指揮者選択だろう!)ら歴代の首席 指揮者たちと共に一枚が振られていて、「ダフニス」や「中国の不思議な役人」は一点の曇りも ない名演だった。70年代のライヴでの彼を知るよすがとして珍重している。 この「ドイツ・レクイエム」は最晩年(1988没)のドラティが、直截的でスマートな芸風から、 一転して実に優しい音楽を指向しているのが聴ける。オケも合唱もとても柔らかい表情で、 死を慟哭して声高に叫ぶというより、それを受け入れて安息を求めているかのように天上的だ。 以前挙げたジュリーニの演奏にも近い。素晴らしい。 一刻も早い再評価を望みたい。チェリのお陰でお国ものなのに酷評されたという「オケ・コン」 だけでも聴いてみて確かめたいものだが。
1984年11月15日、レーグナー&ベルリン放送響(旧東) ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(独奏A・シュミット) 交響曲第6番「田園」 武蔵野市民文化会館。 FM東京TDKオリジナル・コンサートから。レーグナーのベートーヴェンは88年頃の 「第九」も放送されているが、これは「音楽の友」の演奏会評で、この板でも人気の 大御所批評家が散々に貶していて非常にむかっ腹がたった記憶がある。この人も曲に よってはレーグナーを褒めていたと思うのだが、批評史上最強の貶しっぷりで愛が 微塵も感じられなかった。それからはこの人を一切信用していない。 ケーゲルやスイトナー、マズアなどの旧東側の指揮者はベートーヴェンの交響曲でも ある程度はライヴが聴けるが、レーグナーの「エロイカ」、5番などは聴けないので どこか発掘してくれないだろうか。「田園」の豊かさ、決然とした伴奏の「皇帝」を 聴くにつけ惜しいと思う。
↑は11月16日の録音です。
>>496 そういえば読響との第九がビデオに録ってあったなあ、と思い出した。
1994.12.20サントリーホール
独唱:渡辺葉子/西明美/若本明志/多田羅迪夫
司会:笛吹雅子アナ
今年7月に亡くなられた渡辺葉子さんが独唱だったので、びっくりした。最後の方だけちらっ
と見たが、う〜ん、これはなかなかの名演かも。ピッコロがやたらと目立っていて、面白い。
>>492 RFBも読響の主力指揮者でしたね。BPOのワルトビューネ野外ライヴをはじめて知ったのが、
1987.7.1のこのひとのときだった。このときの放送ではエンディングが「ベルリンの風」で
なくて「ラデツキー行進曲」だった。十八番「ルイス・アロンソの結婚」でベルリンのお客
を熱狂させるあたり、役者である。スペイン国立との来日ブラ4なんかも、お茶目ですた。
>498 読響はいい指揮者揃えてましたよね。 ヴァルトビューネはどんどんポピュラー化していきましたけど、個人的には仰るように FDBのもの(ボレットとのチャイコは壮絶)やプレートルとの「フレンチ・ナイト」が 好きですね。 87年はメニューインも「悲愴」とかヴァルトビューネでやってるみたいですね。
1993年11月17日、ベルティーニ&シュトゥットガルト放送響 モーツァルト/交響曲第40番 マーラー/子供の不思議な角笛〜@ラインの伝説Aトランペットが美しく 鳴り響くところB原光C高い知性への賛歌(独唱シュトゥッツマン) シェーンベルク/ペレアスとメリザンド シュトゥットガルト、リーダーハレ内ベートーヴェンザール。 ベルティーニはチェリ在任中から既にこのオケに客演しており、付き合いも古い。97年頃に 首席として来日した時も大ト短調(と巨人)を振ったのを大阪で聴いたが、透明で濁りの ない実に美しい響きだった。古楽器指揮者台頭後最も素晴らしいモーツァルトを聴いて、 まさに甘美な体験と言えた。 その記憶はこの録音でも色褪せずに、むしろまざまざと蘇るかのようだ。プログラムは まさにベルティーニらしいと言ってよく、このオケがチェリに厳しく鍛えられたということが、 音色や響きの清澄さによってよく分かる。 マーラーではシュトゥッツマンが最良の深い声で、エルダやってくれんかな、と思うほどの 名唱。「ペレアス」も明快なテクスチュアと、時折りの表現主義的な不協和音の突出が効果的 で素晴らしい。
1959年11月18日、ソフロニツキー(pf)リサイタル シューマン/アラベスクOp8 幻想曲Op17 交響的練習曲Op13 謝肉祭Op9 夕べにOp12-1、ロマンスOp28-1 モスクワ音楽院小ホール。 DENONから出ているCD。ロシアの大ピアニスト、ソフロニツキーのオール・シューマンに よるリサイタル。プログラムの全てをシューマンで飾るのも珍しいのではないか。 それにしてもこのピアニストの強靭さと細やかさの両立は凄い。訥々としているが、 音の力には圧倒される。どれも素晴らしいが特に「幻想曲」は比類なし。
502 :
名無しの笛の踊り :04/11/18 23:46:10 ID:9ZAWu+oX
1989.11.18はサロネン/スウェーデン放送響がベルワルドホールで演奏した マーラー7番のエアチェックテープがある。 でも長時間会議で疲労困ぱいので聞くのは断念。意外とテンポの揺れまくる演奏だった 記憶がありまつ。7番のFMライヴではノイマン/プラハ響の1988.6.15楽友協会ライヴ と並んでお気に入りなので、祝500記念も兼ねて挙げてみた。 この日のライヴさんはまだマーラー3,5,7番を挙げていない。6番が大好きなのね。
>502 この時期辺りのテープは、DAT LPモードに落としてマスターを廃棄したり したので、今聴けないもの多いんですよ。なのでサロネンとノイマンの7番は 聴けません。何故か知人の誰も録ってないし、いいなぁ。 6番大好きなの分かりますか…。仰る通りです。3、5、7はたまたまですよ。
1984年11月19日、ギーレン&ベルリン放送響 マーラー/交響曲第3番(独唱シュレッケンバッハ) ベルリン、フィルハーモニー。 ベルリン放送響の定期。ギーレンのマーラーは、最近Haensslerから多くのライヴが出て おり、この3番も97年の南西ドイツとの録音があるが、以前も触れた70年代のN響客演時以来、 エアチェック・マニアにとって彼のマーラーは「すわ、ギーレンか!」的な貴重感はあった という(ある古老談)。マーラーは3番の他、4番(88年南西ドイツ&ウィトルジー)、6番 (82年ベルリン放響)、7番(77年N響、79年オーストリア放響、96年頃南西ドイツ)、8番 (83年ウィーン響)、9番(74年シュトゥットガルト、87年南西ドイツ)、10番アダージョ (92年南西ドイツ)が放送されている。比較的地味な7番が三度も放送されているのは面白い 結果だ。 3番はFMでは唯一だが、すっきりとした響きでまとめられていて、軍楽もビムバムも天上的な アダージョもストン、と耳に入ってくる感じでくどくはない。それだけに時折りの激発が マーラーらしく非常な説得力だ。沸々と湧き上がるものがある。 また、最近ウィーン国立歌劇場などでベルリーニなど振っていた記事が、レコ芸の海外レポに 載っていたと思うが、結構本人はやる気満々でこの辺のオペラも振りたいと言っていたらしい。 FMではご無沙汰なのでそろそろ放送に乗らんかな、と思うのだが。
1958年11月20日、カラヤン&ニューヨーク・フィル ベートーヴェン/交響曲第1番 交響曲第9番「合唱付」 (独唱L・プライス、フォレスター、シモノー、スコット) ニューヨーク、カーネギーホール。 バーンスタインがベルリン・フィルに客演したのは79年の一度きりで、マーラー9番を演奏した のは以前取り上げたが、カラヤンもバーンスタインの牙城NYPへの客演はこの58年の11月だけで ある(正確には15日にもウェーベルン、「ジュピター」、「英雄の生涯」のプロを演っている ので、二回だが)のは興味深いことだ。当時のNYPはちょうどミトロプーロスからバーンスタイン への政権移譲がなされた時期で、まだカラヤンもBPOを手中にしたとはいえ、レニーともライヴァル 関係になるのは先の話であるため、客演が実現したものだろう。カラヤンの米国オケへの客演は、 この他翌59年7月に一度だけLAPOに登場したもの、ザルツ・イースターの引越し公演でMETへ登場 した60年代末〜70年代初頭のものくらいか。55年以降はBPOを率いて没年(89年)の二月末まで かなり頻繁に渡米公演を行なっているのだから、客演の必要もなかったと言えばそれまでだが。 「第九」のみ所持しているが一応放送のエアチェックらしく、演奏後に演奏者の紹介コメントが 付いている。ただ、第四楽章の冒頭何小節かが欠落している。演奏自体は小トスカニーニ的な 直截な表現が大筋だが、巨匠的な風格も既に感じられ、緊張感にも欠けず見事なもので、熱い。
1997年11月21日、A・シフ(pf)リサイタル シューベルト/ピアノ・ソナタ第5番 ピアノ・ソナタ第9番 ピアノ・ソナタ第18番「幻想」 ピアノ・ソナタ第8番 即興曲D899〜第3番 東京オペラシティ・コンサートホール。 FM放送されたシフのシューベルト連続演奏会から。18日から中二日空けて30日まで 全五晩でソナタ全曲が演奏され、NHKで一週間分のベスクラが丸々この連続演奏会に あてられた。こういうツィクルスの全曲放送をたまにやってくれるのがNHKのいい ところだが(もうすぐ取り上げる予定のベルティーニのマーラー、マズアの ベートーヴェンなど)、オケものでなく一ピアニストのリサイタルでここまで 網羅的に放送した例はかなり珍しい。シフはこのちょっと前にシューベルトの ソナタ全集を録音している。 「幻想」ソナタはソコロフやリヒテルをよく聴くが、体温のぬくもりを最も 感じさせてくれるのがシフだと思う。自然でありながらハッとさせられる名演奏 で、晩秋のこの時期にはよく取り出して聴いている。
ラフマニノフ/交響的舞曲op45 シベリウス/交響曲第5番変ホ長調op82 キリル・コンドラシン(指揮)アムステルダム・コンセルトヘボウ管 (1976年11月21日 コンセルトヘボウ、アムステルダム) 前者がチャイコフスキー/組曲第3番と組み合わせてEMERGOCLASSICSから、後者がブラーム ス/交響曲第2番と組み合わせてPHILIPSからCD化されているもの。従って、演奏順がこの 並びだったか、この2曲で一晩のプログラムだったのかは不明。演奏時間的には確実にあと 1曲はやっているはずだ。2曲ともコンドラシンらしくオケをぐいぐい引っ張る推進力あふ れた演奏で、聞いていて自然と身体が前にのめる。特にシベ5は音符をぎゅ〜っと圧縮した 快速テンポの異色演奏で、初めて聞いたときはものすごい違和感を感じた。コンドラシン のシベリウスはGLOBEレーベルから出ていたモスクワpoとの3番と5番のライヴがあり、これ もいやはや凄い演奏でした。TAHRAの2番(ACO/79年)は高価でいまだに手を出せないでいる。
>507 久々ですね。 コンドラシンとACOは何故か11月の演奏が多いですね。私もどれかやるつもりです。 GLOBEのは3番が特に気持ちのいい名演だと思います。 EMERGO CLASSICSとは、裏青なのですか?
>508
裏青ではないです。たぶん正規だと思います。
↓
ttp://www.emergoclassics.com/3962.html >コンドラシンとACOは何故か11月の演奏が多いですね。私もどれかやるつもりです。
楽しみにしてます。
ちなみに組曲第3番は1974年11月24日、ブラ2は1975年11月29日となっています。
自分の持っている音源には同日のものがないので、組み合わせが何か興味があります。
コンドラシン&ACOの演奏会記録(初客演は1968年の模様)、どこかにないかなあ。
1970年11月22日、チアーニ(pf)リサイタル ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第27番 ピアノ・ソナタ第28番 ピアノ・ソナタ第29番「ハンマー・クラヴィーア」 ピアノ・ソナタ第29番「ハンマー・クラヴィーア」〜終楽章 トリノ、Unione Musicale。 近年復刻が進んでいる夭折のピアニスト、ディノ・チアーニのベートーヴェン・ツィクルス。 最近DYNAMICから出たCDだが、音質が同年代の他のライヴ録音に比べ著しくないためか、 この板の「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ総合」スレなどでもほぼスルーされているようだ。 完全ライヴ収録で全集が出ているのは他にSCRIBENDUMのニコラーエワ(別音源のライヴも OLYMPIAから出ていた)くらいだろうか。 確かに音質は一般的にはよくない(ステージ上のマイクでなく客席録音のような響きだ)が、 この時期のイタリア国内のライヴに限定して考えるとよいほうだとも思う。十数年前の海賊盤 ラッシュの辺りで出たメータの「カルミナ・ブラーナ」やアッバードの「エディプス王」など RAI響の一連のライヴは、これよりも劣る駄目駄目な音だし、フェニーチェ劇場のライセンスを 取得してMONDO MUSICAが出しているライヴも、物によっては響きがスカスカで聴くに耐えぬ物も ある。それらに比べればまだよいと思う。まあピアノのリサイタルとオケやオペラの録音はまた 違うかも知れないが、この若き天才の音楽は十分に味わえる。惜しむらくは聴衆の咳の多さだが、 集中を損ねるものではない。 演奏は溌剌としている中にも独特のナルシシズム(「テンペスト」の冒頭などは儚いほどに 弱奏が際立つ)があり、「悲愴」ソナタにおける思わせ振りな語り口や「間」の絶妙さ、ここぞ での求心的な呼吸の素晴らしさは全曲にも言えることだろう。「ハンマークラヴィーア」冒頭の 眩いばかりな音色は若さに溢れており、精気に満ちている。終楽章をアンコールしているのが 驚きだ。 ライナーに彼の最後の演奏はジュリーニ&シカゴとの74年2月のベートーヴェン3番だったと記載 されていて、是非聴いてみたいと思った。
>509 ありがとうございます。正規盤のようですね、寡聞にして知りませんでした。 私も演奏会記録は知りたいですが、コンドラシンサイトにも情報ないですし、 歯痒いなあ。
1978年11月23日、タルミ&ミュンヘン・フィル シベリウス/ヴァイオリン協奏曲(独奏トレチャコフ) ブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」 ミュンヘン、ヘラクレスザール。 ヨアフ・タルミ(1943-)は76年にヴァントの代役でこのオケを振り、大成功を収めたようだ。 近年では音沙汰を聞かなかったが、N響にスヴェトラーノフの代役で登場した時は懐かしさも あり、期待したものの、どうも音楽の呼吸が浅く今一つだった。 このライヴはFM放送されたもので、当時でもタルミの一晩の演奏会が丸々紹介されるのは非常に 珍しかった。トレチャコフ(味の濃いシベリウスだ)との合わせものはともかく、惜しいのは ブルックナーともなるとややセカセカ感が興を冷まし(N響との8番もその傾向が強かった)、 前半は煮え切らない。第三楽章辺りから突如深みを増してくるのは、ケンペやヴァントに鍛え られていたこのオケの面目躍如ではあるが。また、ミュンヘン・フィルは70年代辺りまでは ごくタマに演奏会の放送がNHKに乗っていた(若杉とのマラ3はかなりよかった)のが、チェリの 音楽監督就任後はだいぶ減った。放送オケとはいえシュトゥットガルト時代の放送は担当の人の 肝煎りでかなり放送されていたので、残念だった記憶がある。
1960年11月24日、フリッチャイ&バイエルン放送響 バルトーク/ピアノ協奏曲第3番(独奏A・フィッシャー) チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」 ミュンヘン、ヘラクレスザール。 ORFEO D'ORのCD。フリッチャイのチャイコフスキーは「悲愴」が53年のベルリン・フィル、 59年のベルリン放送響とのスタジオ録音があるが、ライヴでは当盤のみのようだ。また、5番は ウィーン響に客演した50年代のライヴがORFEOから、ストックホルム・フィルとのライヴ(自主 制作盤で全曲、BISで第二楽章のリハーサル)もある。 フリッチャイの演奏は大病前後ではっきりと芸風の違いが聴き取れる。前者のトスカニーニ ばりの即物的な表現と、患ってからの全てが白鳥の歌のような、それを超えた音楽の巨大さ、 激烈さは全く異なるが、どれも傾聴に値するものだ。この「悲愴」のライヴも、例えば ショルティ晩年の透徹した絶対音楽的な名演奏とは対極にあるもので、表題の通りの 凄まじさがある。全篇テンポを遅めに取り(全体で50分強)、音の強弱など息苦しいほどに はっきりと付けていて、これぞ「悲愴」と言わんばかりの素晴らしさだ。とにかくこの曲に ついてはライヴ、実演でもかなり聴き込んできたが、これに比べればヌルいものばかり。 この演奏は聴後に物凄い疲れが残るが、これだけの演奏をしてくれる指揮者の登場をずっと 待ち望んでいる。
1965年11月25日、R・シュトラウス/サロメ シリヤ(サロメ)シュトルツェ(ヘロデ王)ヴァールナイ(ヘロディアス) ヴェヒター(ヨカナーン)ヴンダーリヒ(ナラボート)リローヴァ(小姓) コシュラー&ウィーン国立歌劇場管 ウィーン、国立歌劇場。 MYTOのCD。ズデニェク・コシュラー(1928-1995)の早過ぎる急逝にはかなり驚いたが、世紀の 変わり目辺りに出たこのCDにも仰天した。シリヤもさることながら、シュトルツェのヘロデ王が ライヴで聴けるというので狂喜して手にしたところがコシュラーの指揮だった。この人はオペラ 指揮者としても有能だったようで、この翌年の66年から68年までベルリン・コーミッシェ・ オパーの音楽監督を務めていて、帰国後もチェコやスロヴァキア国内の劇場でも活躍していた。 N響客演やチェコ、スロヴァキアのオケなどと来日が頻繁で、日本ではどちらかというとコンサート に強い人というイメージがあっただけに意外だった(85年にプラハ国立歌劇場と来日してはいる が)。この録音でも豊潤にして鋭利な響きでなかなか聴かせる。 このCD、音は微妙なのでオケを楽しむのには実は向かない(オマケで付いているもっと古い ヴァールナイやボルク、ヴェリッチュがサロメを歌ったものより悪い)が、歌手それぞれの声は 非常に鮮明だ。ヴァールナイのヘロディアスはかなりのライヴが聴けるが、シュトルツェのヘロデ 王は71年ライトナー&バイエルン盤(MELODRAM)、ヴェヒターは65年のセバスチャン&コロン劇場 盤(ORNAMENTI、いずれも廃盤)とRCAの72年のベーム&ウィーン国立の実況がある。ヴンダーリヒ のナラボートも非常に雄弁で力強いが、今の所おそらくこの盤だけではないか。シリヤも後年の ヘロディアスはあるが、サロメでは多分唯一のライヴだろう。声質は細いが、気の入った歌を 聴かせてくれ、熱演だ。 それにしてもシュトルツェの凄みは!この役を退役ヘルデンなどに歌わすなと言わんばかりの役者 振りだ。退廃的でニヒルな絶妙のヘロデ王だと思う。
マーラー/交響曲第9番ニ長調 ジョン・バルビローリ(指揮)トリノ放送響 (1960年11月25日 演奏会場不明、トリノ) バルビローリの9番といえば有名なBPOとのEMI盤がある。私もLP末期に買って聞いたが、 どうもピンと来なかった。そんなおりに知り合いに聞かせてもらったのが、この怪しげな 装丁のHUNTレーベルのCD。第1楽章など「ここはもっとゆっくりしてほすいなあ」という ところを妙に急いてしまうあたり、EMI盤と基本解釈は変わらないようだが、歌いどころで 目一杯歌いきり、恥じらいをかなぐり捨てたようなポルタメントがライヴ的で、EMI盤で 感じた煮え切らなさが無い。オケが下手糞なのか、指揮者が酔っ払って棒が定まらないのか、 あちこちでアンサンブルが破綻しているのはご愛嬌だが、そういう決して小さくないキズも 払拭するほどの感情のほとばしりが感動的だ。とくに多様な表情を見せる第1楽章がイイ。 難点はただひとつ。私の持っているCDは第4楽章だけモノラルなのです。これさえなければ ホントに文字通り「最高傑作」なんだけど。まさか、私のだけってことはないですよね…。
1974年11月26日、ロッシーニ/セビーリャの理髪師 プライ(フィガロ)グリスト(ロジーナ)アーカン・アーンシェ(アルマヴィーヴァ伯爵) ティプトン(ドン・バルトロ)エンゲン(ドン・バジリオ)ベンツェ(マルツェリーナ) ヴァルヴィーゾ&バイエルン国立歌劇場管 ミュンヘン、バイエルン国立歌劇場。 最近はかなり放送が減ったとはいえ、NHK-FMのオペラ公演のライヴで多かったのがウィーンと バイエルンの両歌劇場のもので、次いで80年代に数多く流されたジュネーヴ大劇場(ピットは スイス・ロマンド)だろう。バイロイトで「リング」が上演されなかった87年に、代替として サヴァリッシュ指揮による同演目が放送されたのがバイエルンで目を引く(CDの音源とは若干 キャストや録音に差異がある)。70年代から監督のサヴァリッシュやC・クライバーの客演も 放送されており、ウィーンに比べるとより雰囲気に富み、オペラのライヴらしく劇場全体が 臨場感に溢れていて聴衆の反応もより面白い印象だ。また、ORFEOから出ているパタネ指揮の 「トラヴィアータ」など一部例外はあるが基本的にはドイツ語上演も70年代までは恒常的に 行なわれていて、この「セビーリャ」の他にも「ファルスタッフ」が(サヴァリッシュ指揮、 F・ディースカウ他)ドイツ語上演で紹介されていた。 シルヴィオ・ヴァルヴィーゾ(1924-?)は監督時代のストックホルムとの「ローエングリン」 が最近PONTOから出ていたが、バイロイトに登場した唯一のスイス人だ。本領は「セビーリャ」 でも十二分に発揮され、序曲は活き活きとして沸き立っていて見事、伴奏も時折羽目を外す 地元歌手たちにも上手く付けている。歌手ではやはりプライが最も喝采を受けており、当時の ミュンヘンでの人気の程がよく分かる。「わたしは町の何でも屋」などNHKイタオペのガラに おける、バスティアニーニの端正かつノーブルな歌が私には忘れられないだけに、プライの歌は やや異質に聴こえるが、これはこれで熱唱だ。グリストも素晴らしく芸達者だし、脇も締まって いるが、真のこのライヴの主役は聴衆の反応で、演出に大ブーあり、逆に爆笑あり、プライへの 大喝采ありで、(特に第一幕)大変な大騒ぎ振りだ。愉しい。
1987年11月27日、レヴァイン&ベルリン・フィル モーツァルト/交響曲第36番「リンツ」 マーラー/交響曲第1番「巨人」 ベルリン、フィルハーモニー。 レヴァインは70年代からベルリン・フィルの常連で、80年代後半のこの時期はよく客演していた 感がある。そろそろカラヤンの後継の噂が出始めていた時期で、個人的にはこの一週間後の マゼールに就任してもらいたかった(私も若かった?)ものだ。レヴァインもその噂の中には 入っていたが、今聴いてもなかなか素晴らしい演奏を聴かせてくれる。基本的に音楽の重心が 重くない人なので、上のようなプログラムでは爽快さが残り、ベルリン・フィルとの相性も悪く ない。 モーツァルトはこのオケと全集を完成しているが、ライヴでは31番「パリ」が他にあるぐらい か。マーラーは結構振っているがベルリン・フィルとは今の所これだけだ。
1993年11月28日、カッツ&ザールブリュッケン放送響 (独奏アレクセーエフ) グリンカ/ルスランとリュドミラ〜序曲 プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番 ショパン/ワルツイ短調(遺作) チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」 ザールブリュッケン、コングレスハレ大ホール。 「シベリアのカラヤン」ことアルノルド・カッツ(1924-)の珍しい客演ライヴ。カッツは既に 五十年近くノヴォシビルスク・フィルの音楽監督を務めている。FM東京の「シンフォニーホール・ フロム・ヨーロッパ」が音源だが、この90年代前半辺りからザールブリュッケン放送響のライヴを いくつか流してくれており、丁度ARTE NOVAがスクロヴァチェフスキや若杉のこのオケとの仕事を リリースした時期と重なったためか、この流れがスクロヴァチェフスキの再評価に繋がっていった と思う(ただFM東京で、ミスターSとザールの放送はなかったが最近の両者の来日で結実した)。 また、ARTE NOVAはカッツの指揮によるショスタコーヴィチ8番も出していた。 グリンカは落ち着いていて熱狂はないが、プロコフィエフはピアノも含め狂おしいほどの名演奏。 この曲はグティエレス+テンシュテット+BPO、ブロンフマン+ゲルギエフ+VPOなど、3番に比べ 演奏頻度は少ないが名演揃いだ。「悲愴」も間をよく取った呼吸の深さが魅力で、ほの暗い音色の 好演になっている。
テープの保管はどのようにしてますか?カビとか生えてないの?
1975年11月29日、コンドラシン&アムステルダム・コンセルトへボウ管 プロコフィエフ/交響曲第3番 ブラームス/交響曲第2番 アムステルダム、コンセルトへボウ。 PHILIPSのCD。プロコフィエフがショスタコーヴィチ9番、ブラームスがシベリウス5番と組み 合わされている。コンドラシンのプロコフィエフは1番とスキタイ組曲(モスクワ・フィル、 GLOBE)、5番とキージェ中尉(キング「N響伝説のライヴ」)があり、ブラームスは1番が同じ PHILIPSのシリーズで最近再発された。合わせものでは来日時のD・オイストラフとのVn協、 RCAのクライバーンとの2番があり、ジメルマンとの1番はFMで放送された。 このライヴはどちらがメインか分からないが、いずれもコンドラシン節は健在だ。プロコ フィエフはなかなかライヴのない曲だが、音色の乱舞を物ともせずサクサク進行し、この曲の モダニスティックな面が強調され説得力が強い。ブラームスはこのシリーズでは音色の饗宴とも 言うべき「ダフニス」全曲・終楽章サルタレッロの激した表現があまりにも凄まじい「イタリア」 と並び白眉で、独墺系の演奏とは一線を画すが、弦のフレージングが実に清新で気持ちよく、 意外と音の斬強斬弱、テンポの緩急を細かく付けているがそれが自然で、私のツボにはまっていて 心地よい。第一楽章など特に素晴らしい。 しかし未だに「パリのアメリカ人」とラヴェルの入った一枚だけ見つからない…。「ツィガーヌ」 だけはGLOBEのCDにも収録されてはいるが。
>519 保管にはあまり気を使ってないですね。テープものはキチンと巻き戻して いるくらいかな。経年劣化で歪んだり駄目になったのも若干ありますが、 カセットで残したものは意外に強いですね。 関係ないけどテンシュテットスレで一時話題になった6、7番のライヴが白濁した話 というのはビックリして調べたけど問題なしでした。
>6、7番のライヴが白濁した話 EMIのマーラーのCDの話、です。
>520 予想が外れたす。1979年11月29日のマラ7(ターラ)が来るのかなと思いました。 私はPHILIPSライヴは一枚も持っていなかったので、HMV再発三枚を大慌てで購入しました が、「イタリア」のチョー・ロマンチックな歌いぶりに驚嘆しました。 この「イタリア」も1979年11月17日なんですね。 ショスタコ9番、プロコ3番、ダフクロ、パリのアメリカ人…。 聞きたい聞きたい聞きたい。ACOライヴコンプリートBOX発売キボンヌであります。
>523 正直マラ7と迷いました…。 私もPHILIPSには再発して欲しいと思ってます。アレは名演揃いですしね。 単発ならヤフオクとかにたまに出てますよ。ただ大体法外な値が付くことが多いよう ですが。夏前に「パリのアメリカ人」出ててかなり高値だったので諦めました。 「イタリア」はホントにコンドラシンの芸風にあそこまで適合した曲だったかと、 聴いたあとまざまざと感じました。
1997年11月30日、ゲルギエフ&ロッテルダム・フィル シベリウス/ヴァイオリン協奏曲(独奏シャハム) ショスタコーヴィチ/交響曲第4番 ウィーン、ムジークフェライン大ホール。 ゲルギエフとRPOのウィーン来演。CSで放送されてからFMでも流れていた。いずれも物凄い 名演で、この両者の良好な関係をうかがわせた。この両者は来日公演も放送されており、 ベートーヴェンとプロコフィエフの5番が取り上げられていたが、ベートーヴェンがかなり 面白く、プロコは91年頃にバイエルンと演奏した巨大な演奏との落差に失望した記憶がある。 シベリウスは、オケの爆発振りが凄まじく、突出する金管とティンパニ強打が強く目立ち、 シベリウスとしては相当異質な感もあるが、シャハム(93年頃のザンデルリンクとのプロコ 2番は忘れられない)の線が細いながらも芯の強さと歌いまわしの絶妙さもあるソロが超絶的に 素晴らしく、名演だ。 ショスタコーヴィチはライヴでのこの曲のファースト・チョイス(スタジオ盤は当然コンドラシン) で、ライヴにもかかわらず機能性も十分、強奏での迫力も弱奏の集中力も素晴らしく、あまりの ことに聴衆が静まり返っているのがよく分かる。終楽章の大暴発も凄まじいばかりだ。ゲルギエフは 最近新譜でこの曲を出したばかりだが、聴き比べる気がしない。2、3番や14番など録音する気はある のだろうか、この人は。
1984年12月1日、ラインスドルフ&南西ドイツ放送響 シェーンベルク/室内交響曲第1番 ヴァーグナー(ラインスドルフ編)/ニーベルングの指環〜抜粋 バーデン・バーデン、べナツェットザール。 晩年のラインスドルフによるオペラの抜粋は、他にシカゴ響との定期で「ばらの騎士」を取り 上げていたものがFM横浜で放送されている。この南西ドイツとの「指環」抜粋は少し前にDVDで 「神々の黄昏」の分のみが出ており、「パルジファル」もあった(含リハーサル)他、得意の シューマン4番も出ていた。「黄昏」と「パルジファル」は収録時間から考えておそらく別の日の 演奏だろうが、HANSSLERからもCDが出ていて、いずれも84年11月録音だという。これらが全て 同一音源かは定かではない。また、「パルジファル」抜粋は北ドイツ放送響との77年ライヴも 裏青で出ていたようだ。 「指環」からの音楽はラインスドルフ自身の編曲だが、全て「指環」本編からの接続曲などを 巧みに繋げたもので、中身は少し違うが近年マゼールとBPOが録音したもののさきがけとも言える。 演奏は叩き上げのオペラ指揮者らしく、勘所をよく押さえた老朽なものではあるが、会場のやや デッドな響きとオケ独特の透明な音色が、ヴァーグナーらしくなく聴こえてきて実に面白い。 また、「黄昏」で私がかなり好きだが地味な、第一幕の場面転換の音楽(ハーゲンの夢魔的独白) も何気に挿入されておりポイントが高く、ただの名曲抜粋でないところがラインスドルフらしくて 渋い。ブリュンヒルデの自己犠牲のシーンも、独白の始めからいきなりカタストロフに飛ぶので、 全曲版で聴きなれた耳には少し違和感もある。いずれにせよこの老指揮者の不遇な晩年を語る上で 外すことのできない録音だ。
527 :
名無しの笛の踊り :04/12/02 09:22:41 ID:Us2Hchhq
age
528 :
名無しの笛の踊り :04/12/03 00:47:34 ID:WPT6cvxL
今日の演奏、マダーーーーーー? 日付変わっちゃった…。
スイマセンスイマセン。今週はこのスレ始めてから最も忙しい週で、会議が二度あるわ、 社長の職場チェックが急遽入るわでてんやわんやでした。 これからやりますです。
やれやれ寝てしもうた…。orz 1987年12月2日、マゼール&ベルリン・フィル メンデルスゾーン/真夏の夜の夢〜序曲 ベートーヴェン/交響曲第8番 プロコフィエフ/交響曲第5番 ベルリン、フィルハーモニー。 マゼールとベルリン・フィルが決別する前の演奏会。カラヤン後継問題でアッバードに敗れた ため、以後十年程はここの指揮台に立っていなかったが、それまでの両者は頻繁に演奏会を持ち 面白い演奏をいろいろ残している。 プロコフィエフ5番が物凄く遅いテンポで、しかし緊張感を維持した巨大な演奏になっている。 おそらくマゼール当人も次の音楽監督は自分だと思っていたのではないかと推されるくらいの 力演で、辺り外れが意外に激しいマゼールの面目躍如だ。傷心でバイエルンに移ってから更に デフォルメの限りを尽くした爆演を数多く残したが、この時期に既にその萌芽とも言うべき演奏 を成し遂げている。特に第一楽章など凄まじいパワーで、真に迫る。 ベートーヴェン8番もオケをよくコントロールした名演で、音響バランスが絶妙だ。近い時期に 小澤(6月に取り上げた)もこの曲を振っているが、オケに振り回されている彼との力量の差は 明白だ。 「今聴き」スレでこの演奏をよく聴いている人がいた。
>>530 無理だけはいかんよ。
年末で忙しいのだろうから。
>>530 マゼールのプロコ5。
漏れは91年9月5日のVPOとの演奏を所持してまつ。
第1楽章の肥大ぶりはチェリビダッケもビツクリですよね。
無い物ねだりを言わせてもらえば第4楽章も肥大テムポで演って欲しかったと…。
BPOのもVPOのも裏青で出てるし、BRSOやNDRとのものもあるみたいだし、
こんなに十八番なのにスタジオ録音してないのは何故だろう。
連休なので渋谷塔に久々行きました。Wポイントセールやっててラッキー。 収穫はMYTOの「連隊の娘」サザーランド、クラウス、レズニク(大好き)とボニング &シカゴ・リリック・オペラ。 「ラ・ファヴォリータ」クラウス、コルテス、ブルゾン、シエピ、M・プラデルリ& ジェノヴァ・マルゲリータ劇場。 「ドン・パスクァーレ」タッデイ、フランチ&ウィーン響のブレゲンツ・ライヴ(タッデイは 70年代前半にブレゲンツで毎年歌ったようで、71年の「連隊の娘」はアマドゥッチ指揮で FM放送されてます) ORFEOのライトナー&バイエルンのR・シュトラウスのライヴが叩き売りで\590!即買い。 あと何故か今更M&Aのバイロイト・リング、クナ56年を勢いで買う。二千円ほど最安値の 頃より高くなってましたがこれも衝動買い…。さていつ聴けるのやらw >531 お気遣い感謝です。ありがとうございます。飲み会が多くなってきた…。 >532 スタジオ盤ないんですか。確かに十八番なのにねぇ。第三楽章もジックリ歌い込んでて、 それであの不協和音なのでビックリですが、終楽章は禿同です。
>>532 マゼールのプロコ5はいいよね。20年以上前にフランス国立と
やったエアチェックテープを持ってたが,いまだにあれ以上の
演奏に出会ったことがない。テープをなくしてしまったので
美化されてるのかもしれないが…。
1981年12月3日、テンシュテット&シカゴ響 ブルックナー/交響曲第8番(ノヴァーク版) シカゴ、オーケストラホール。 テンシュテットのブル8は、ロンドン・フィルとの正規スタジオ盤のほか、海賊・裏青でなんと 五種類もある。NDR、BPO、ボストン響、フィラ管とこのシカゴ響のものだ。テンシュテットが 如何に素晴らしい指揮者だったかを裏付けると共に、彼のこの曲が当時、一般的評価のあまり高く なかったこともうかがわせる。これは90年頃にFM横浜で放送され、後にCSでも再放送された。 データを見るとベルリン・フィル客演と日が近く同じブル8を振っている(NHK-FMで放送され、 ブランディスとのバッハの2番の協奏曲が前プロ)。 演奏はテンシュテット好きにはこたえられない名演だが、ブルックナー好きにはどうかという 感じか。響きがホールのせいで薄いのが難点で、アダージョは頂点に向かって急くのが彼の ブルックナーの流儀らしく微妙とはいえ、実に美しくしみじみとしてよい。終楽章も力感の ある大演奏だが、どちらかというと荘厳な趣で、爆発よりもむしろ静けさの凄みの方を強く 感じさせる。全体的にシカゴのパワー(特に金管)は強烈に出ている。
1987年12月4日、ヴァント&北ドイツ放送響 ブルックナー/交響曲第6番 ハンブルク、ムジークハレ。 NHK-FM「海クラ」から。この放送の日はNDR特集で、メインはジェルメッティが客演した際の 演奏会(ティーポ独奏モーツァルト20番、ベートーヴェン6番)で、ヴァント指揮はこの曲のみ だった。ヴァントの6番は90年代にベルリン・ドイツとのライヴ(+ハイドン76番)もある。 また、BMGから出ているNDRとの一度目の録音は、この日と翌5日の演奏の編集のようだ。放送も 楽章間の休憩の間隔が短く、カットされている可能性もある。拍手は入っているが。 それにしても編集の必要もないほど見事な演奏だ。6番はやはり地味で、ライヴがあまり放送 されていないが、この演奏と77年のクーベリックのものは甲乙付け難い。第一楽章は粗野でなく 率直だが引き締まっており、アダージョは深い響きで祈りの雰囲気に満ちている。第三楽章も 運動性が強く、強弱の対比が上手い。終楽章も整然としてライヴの勢いがあり、呼吸感のある 名演。総じて無機的に響くことの多い曲だが魂の入った素晴らしい演奏だ。
537 :
名無しの笛の踊り :04/12/04 17:04:00 ID:+SOqKiaw
>>530 >「今聴き」スレでこの演奏をよく聴いている人がいた。
↓
それ私です^^;
私が持ってるのはCD-R盤ですけど、その日はべトとプロコだけのプログラム
かと思ってましたけど、その前にもう一曲あったんですね。
>537 おお、やっぱりあなたでしたか。カラベルさん、でしたっけ。 裏青で聴かれてたんですね。いつぞやの他スレでの遭遇以来かな。 では明日もマゼールにしようかなあ。
539 :
名無しの笛の踊り :04/12/04 20:02:56 ID:+SOqKiaw
プロコフィエフ/交響曲第1番ニ長調op25「古典」(14分05秒) ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調op67「運命」(32分21秒) ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)ベルリン・フィル (1988年12月4日 ベルリン・フィルハーモニー) FM東京の朝番組で<カラヤン=ベルリン・フィル最新ライヴ登場!!>と銘打ってのもの なので、辞任発表前の放送だと思う。もうこの頃になると大カラヤンも肩の力が完全 に抜けていて「古典」などは愉悦の極み。大晦日の映像でも「古典」を演奏していて、 しあわせそうにBPOを操るカラヤンの姿が微笑ましかった。「運命」も細かいところで 長年の腹芸みたいのを聞かせて面白い。第一楽章の「運命」の動機が再びホルンで 吹かれるところ、一瞬間を空けてテンポ落とすところなんか、意表をついてくれるし、 第四楽章の堂々の歩みも他ではなかなか聞けない。これらの演奏に最晩年の達観の境地 を感じてしまうのは、そうとわかって聞いているこっちの錯覚なのだろうか?あの 怪獣音楽のようなエゲツナイ「惑星」や「オルガン付」を録音した同一人物とは思えない。
ちょっと明日早いので今のうちに…。 1979年12月5日、マゼール&フランス国立管 レスピーギ/ローマの泉 ローマの松 ローマの噴水 パリ、シャンゼリゼ劇場。 マゼールのフランス国立管時代(クリーヴランドと兼任だったが)の本拠地でのライヴ。来日 公演は以前紹介したが、70年代末からようやくフランスのオケもご当地ライヴがFMで流れるように なった。他にこの組み合わせのライヴには、534さんご指摘のプロコフィエフ1、5番(私も録音 ミスった)や幻想交響曲、グティエレスとのチャイコフスキー1番、マーラー4番(M・プライス) などが放送されている。余談だが現在フランス国立放送フィルと称するオケも、この頃はフランス 放送新管として活動しておりユベール・スーダンやクリヴィヌ、オーガン・ドゥナルクなどの 指揮者と放送され、パリ管もバレンボイム、国立リヨン管もボドとのいくつかのライヴが放送 されるなど70年代末〜80年代初はエアチェック・マニアにはフランスのオケを知るよい機会だった と思う(その頂点がヨッフムとフランス国立、80年2月のヴァーグナーとブル7)。 このローマ三部作による演奏会もそのさ中に放送され、爆演王マゼールらしい大盛り上がりの ライヴになっていて、「祭り」は特に聴衆も大喜びのハジケた名演だ。まさにリズムと音色の 饗宴だ。マゼールはローマ三部作を、クリーヴランドと76年にスタジオ録音しており、来日 公演でも78年に「松」を、82年に「噴水」を取り上げている(放送はなかったと思う)が、 フランス国立とはこれしか残っていないようだ。
↑「泉」って…。「祭り」です。すいません。
>539 また来て下さいね^^ >540 >最晩年の達観の境地 私も感じました。数あるベト5でもこればっかし聴いていた時期があります。 テープがあぼーんしたので今は聴けず、取り上げませんでしたが。
フォーレ/組曲「ペレアスとメリザンド」op80(17分14秒) ラヴェル/ピアノ協奏曲ト長調(21分24秒) コープランド/交響曲第3番(38分50秒) アリシア・デ・ラローチャ(p) エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)シカゴ響 (1985年12月5日 オーケストラホール、シカゴ) この日のライヴ録音;さんお気に入りのラインスドルフ。独墺系以外のこうした レパートリーに心温まる名演を遺しているのは意外だ。3曲ともとてもイイ。 ペレメリ組曲の羽毛のような弦の肌触りは身悶えするほどだし、ラローチャ叔母様 の落ち着いた気品溢れるソロを十全にサポートしたラヴェルも安心して聞ける。 気持ちがホンワカ暖まった休憩後は一転、CSOの強力ブラスを全開させた豪快な コープランドでスカっと爽快。第三楽章では優しくメロディを歌ってしんみりと させてくれる。もう文句ナシだ。シカゴのお客と一緒に私もブラヴォーだよ。 FM横浜のCSOライヴでは、>535のブル8のようにデッドで素っ気無いオーケストラ ホールの響きに口惜しい思いをすることが少なくないが、この演奏会が気持ち 残響豊かに感じられるのはラインスドルフの職人芸の成せるワザか。
>543 >テープがあぼーんしたので今は聴けず 残念です。ところで、どんなふうにあぼーんしちゃうのですか? 私はウォークマンで聞いててローラーにテープが巻き込まれワカメちゃんに してしまったものが何本かあります…。あと二十数年前のテープだと音が ややカスレ気味に聞こえますね。これが経年劣化と言うものなのでしょうか。
フィラデルフィア管・ムーティ来日した当時のNHK-FMの放送を録音したのが 出てきたんでMDに落としたけど意外に良かった。 「火の鳥」組曲1917年版。
>544 イイですよね〜^^ >545 この場合は単に貸したら帰って来なくなっちゃったんですよ。 あと私のテープでも、やっぱり古いのでかすれ気味に聞こえてしまう ものや、ものによりますが歪んで正常に聞こえないのがあります。 >546 ムーティとフィラ管はザルツでもやってますね。>火の鳥 ベルリンでの幻想はよかった。
1990年12月6日、ペーター・シュナイダー&ミュンヘン・フィル ドヴォルザーク/真昼の魔女 マルティヌー/弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲(ケルビーニSQ) ショスタコーヴィチ/交響曲第8番 ミュンヘン、フィルハーモニー・ガスタイク。 もたれるような重量級のプログラム。バイロイトでショルティ代役で三年間「リング」を振った P・シュナイダー(1939-)の珍しいオーケストラ・コンサート。バイロイトの実況が演奏会の 録音より多い人もこの人くらいだが、それだけに叩き上げの生粋のオペラ指揮者だとも言える。 ミュンヘン・フィルとは、バイエルン国立歌劇場の指揮者だった繋がりもあっての客演だと思う が、まるでチェリが指揮しているかのような懐の深いショスタコーヴィチで、意外だ(SDRも そうだが、チェリの響きがオケに完全に浸透しているのが凄い)。どちらかと言うとオペラでは 職人的なそつのなさで、美しさを引き出すのに長けているシュナイダー(80年代末の 「ローエングリン」は忘れ難いものだ)にしては、たっぷりとしたテンポで情感の振幅も激しく コンサートでの彼はまた別物なのかと思った。演奏の方向性は絶叫型でなく、作品に語らしめる ザンデルリンク型か。なお、前プロの「真昼の魔女」、マルティヌーともライヴが少なく、前者に アルノンクールの録音があるくらいか。後者は他にない。
1963年12月7日、マスカーニ/友人フリッツ フレーニ(スゼル)ジャンニ・ライモンディ(フリッツ)パネライ(ダヴィッド) カゾーニ(ベッペ)デ・パルマ(フェデリコ)カルボナーリ(ハネゾー) カヴァレリア・ルスティカーナ シミオナート(サントゥッツァ)コレッリ(トゥリッドゥ)グエルフィ(アルフィオ) カルトゥラン(ローラ)アレグリ(ルチア) ガヴァッツェーニ&ミラノ・スカラ座管 ミラノ、スカラ座。 スカラ座のシーズン開幕日。マスカーニの生誕百年にあたっていたこの1963年は彼の代表作から ニ本の中篇が選ばれている。50〜60年代はジャナンドレア・ガヴァッツェーニ(1909-1996)が この開幕公演をよく振っている。現在はいずれも出ておりOPERA D'OROから「友人フリッツ」、 MYTOから「カヴァレリア」が入手できる。スカラ座の「カヴァレリア」はヴォットーの指揮による 55年のライヴが先にMYTOから出ていて、トゥリッドゥとルチア以外はこの演奏と同じキャストだ。 音友から出ている対訳本の演奏評によると、ディ・ステファノの主役による55年の演奏が非常に 評価が高く、ヴォットーがスカラ座を意のままに操った一夜と絶賛しているが、何分音が今ひとつだ (ただ同年代のものよりも悪くはないと思うが)。この63年盤も、コレッリの情動的な歌が強く心を 打ち(最初の舞台裏の歌唱からして男らしくもう虜だ)、シミオナートも声にやや陰りが出てきた時期 とはいえ、素晴らしい表現力で聴かせる。聴衆のブラヴォーも一身に受けている。グエルフィは粗野な タイプの大柄な歌だが、この役はやはり世評に違わず絶妙なほどハマリ役で、超有名な間奏曲直前の シミオナートとのあまりにも激烈な二重唱には思わず息を呑む。 「友人フリッツ」はまだあまり聴き込んでいないが、「カヴァレリア」とは対照的な牧歌的な作風で、 J・ライモンディの気高い声とフレーニの若々しい魅力的な歌がよい。「椿姫」のヴィオレッタで、 フレーニがスカラ座を降板して一騒動あったのは翌年12月の話(カラヤン指揮)だ。
やっと半年か・・・。
551 :
名無しの笛の踊り :04/12/08 01:21:33 ID:KD8qQJ5L
いや、半年も、脱帽です。 このまま単行本までがんばってください。 応援してます。
ありがとうございます。m(_ _)m
1985年12月8日、ハイティンク&アムステルダム・コンセルトへボウ管 ショスタコーヴィチ/交響曲第10番 アムステルダム、コンセルトへボウ。 NM CLASSICSから出ているハイティンクのライヴ集成から。ACO音楽監督在任中の演奏で、この曲 以外の当日のプログラムは不詳。77年から継続していたロンドン・フィルとのタコ全もこの前年に 全曲完成し、満を持して取り上げたものと思われる。ハイティンクの芸風は、70年代辺りはまだ 音楽の呼吸も浅く未完成だったと思う(71年BPOとのマーラー5番)が、80年代中頃から俄然音の 厚みが増し、大きくなったように感じる。それまではライヴでも時折り熱い演奏を聴かせてくれて いたが(79年BPOとのドヴォルザーク7番)、何か小澤やデ・ワールトにも通ずる、醒めたところと いうか真面目で誠実過ぎるところがあって、もう一つ乗り切れないもどかしさが先に立っていた。 NMCのこの集成には70年代の音源も結構入っており、いくつかの80年代ライヴとも比較が容易なので 芸風の変遷を俯瞰するには好材料で、このタコ10こそはスタジオ盤や若き日の、ある種の噛んで 含めるようなぎこちなさのあるライヴ(NMCに同じく収録の68年マーラー6番は硬直気味)とは 別物の、ハイティンク渾身の力演だ。 彼のショスタコーヴィチのライヴはあまり多くなく、後年のBPOとの非常に機能的な4番(97年BS2) と、80年代後半に集中して放送された8番(バイエルンとボストン)があるのみだが、この10番の 異様な強烈さは群を抜いて素晴らしい。何より音が充実して内声の動きがよく分かり、ACOの響きも 非常に美しい。また、第一楽章や終楽章の聴かせ所で全く意外なことに凄いリタルダンドを掛けて 音楽を巨大に聴かせているのは面白い(特に終楽章、ドラの入る箇所はむしろ加速して一気に聴か せる指揮者が多い)。ハイティンクは最近は録音が減っていて、FMなどでたまさかに放送される ライヴも聴き逃せなくなっている。最近のドレスデンとのブラ1などもとても充実していた。
1991年12月9日、ヴェルザー=メスト&ローザンヌ室内管 ヴェーベルン/管弦楽のための変奏曲 シューマン/チェロ協奏曲(独奏ヘルメルソン) ブラームス/セレナード第1番 ローザンヌ、ボーリュー劇場。 90年代初頭からローザンヌ室内管のライヴが多数FM放送された。同時にスイス・ロマンド管も 放送が増えているのは興味深い。ローザンヌの方は音楽監督ロペス=コボスのライヴが多く、 ショスタコ「死者の歌」なんてのも放送されていた。 これは当時若手のヴェルザー=メストの客演だが、渋い選曲ではあるがとても爽やかな印象を 受けた。ブラームスのセレナードなど、アッバードが偏愛していて二種のライヴ録音がある くらいなので珍しい(2番に至ってはサヴァリッシュとBPOしか知らない)。
1984年12月10日、ロペス=コボス&ベルリン放送響 ユン・イサン/交響曲第2番 ベートーヴェン/交響曲第8番 ベルリン、フィルハーモニー。 NHK-FM「西ドイツのオーケストラ」特集から。この年のこの特集は、指揮者がC・デイヴィス、 ティルソン=トーマス、アツモンとなっていて、ドイツ人指揮者は最終日のギーレンのみで あった。解説のネコケンによると、しかしいずれもドイツ的な、オーソドックスな演奏だったと 評していたのが興味深い。 で、ロペス=コボスだが、この当時はごくたまにベルリン客演の演奏会が放送されていた。 これはベルリン・ドイツ・オペラの音楽監督だったためであろうと思う。彼の指揮による ベートーヴェンのライヴは、他に79年のBPOとのピアノ協奏曲第4番(キャリア晩年のケンプ 独奏)がある。ユン・イサンの交響曲第2番は作曲が84年なので、もしかすると初演の 可能性もある(テープ紛失で確認不可)。ベートーヴェン8番はネコケンの言う通り、実に 正統的な演奏だが、スペイン人らしく熱っぽく、ライヴ的なノリがあり一時よく聴いていた。 フリューベック・デ・ブルゴスやナバロほどの血のたぎりはないが、バランスがよく面白い 演奏をしてくれるので好きな指揮者だ(シンシナティと来日時の「新世界から」も忘れ難い)。
1968年12月11日、ヴェルディ/イル・トロヴァトーレ カバリエ(レオノーラ)マッティウッチ(アズチェーナ)タッカー(マンリーコ) ザナーシ(ルーナ伯爵)ヴィンコ(フェルランド)マッテイーニ(イネス) シッパーズ&フィレンツェ五月音楽祭管 フィレンツェ、テアトロ・コムナーレ。 MELODRAMのCD。現在はOPERA D'OROやLIVING STAGEから出ているほか、古いMELODRAM盤も時たま 見かける。フィレンツェ五月祭のオペラ公演は、FMではほとんど放送がなかったと記憶する。 十年ほど前にサヴァリッシュ指揮による「魔弾の射手」が珍しくあったくらいか。ライヴによる 演奏はミトロプーロス得意の「エレクトラ」50年ライヴなどいくつか出ている。 指揮のトーマス・シッパーズ(1930-1977)は夭折の名オペラ指揮者で、現在でも入手容易な オペラのライヴ盤は多いが、コンサートは極端に少ない。FM横浜でその昔放送されたきりの、 「展覧会の絵」他(ボストン響)と、MONDO MUSICAから出ていたフェニーチェ劇場復興盤に珍しく オペラ以外の音源としてこの人とフェニーチェ劇場管の演奏会ライヴがあった(バーバーの メデアの復讐の踊り、ベト7など。数年前新宿塔で見かけたが、買うの後回しにしていたら もうどこにもなくなっていた。悔しい)。また、歌手ではザナーシやヴィンコなど低声の渋い 二人が素晴らしく、特にザナーシは、バスティアニーニには高貴さでは及ばぬものの熱い歌で、 喝采を集めている。タッカーはメトのテノール主演回数歴代三位で、それ故かヨーロッパでの 活躍もあまり多くなく(このライヴは珍しい)、日本では評価がまだ低いと思うが、「見よ、 薪の恐ろしい火よ」など元気一杯で、個人的にはコレッリやボニゾッリよりも好いている。 カバリエも好唱だ。 全体として音質はややこもり気味だが、シッパーズの弾むようにうねる指揮が素晴らしい呼吸 感を醸しており、聴衆の反応含めライヴ的な霊感に溢れる録音になっている。
マーラー/交響曲第7番ホ短調「夜の歌」(79分50秒) サイモン・ラトル(指揮)ウィーン・フィル (1994年12月11日 ウィーン・ムジークフェライン大ホール) ラトルのマーラーライヴはFM、BS、CSで多くの曲が揃う。1:CBSO(87年 NHKFM)/2:CBSO (98年 CS)/4:BPO(98年 BS)/5:BPO(02年 BS)/6:BPO(87年 NHKFM)/7:これ/8:EYO (02年 BS)/9:VPO(93年 NHKFM)といったところか。あと裏青のカタログにPO、VPOと2種の 「復活」、CBSOとの10番があり、これらはFMで放送されていたのかも知れない。裏青は所持 していないが、日本公演の1番がテープ紛失あぼーんで聞けない以外は、すべて手の届く ところに置いてある。この7番はNHKFM「ベスクラ」のウィーン・フィル特集からのもの。 全体的に細部に凝るラトルらしい伸縮自在の演奏で、響きの質は軽い。弦は耽美的に歌わ せながら、管打楽器を硬く短く切る対比の妙が面白く、はじめて聞いたときはずいぶん 居心地の悪い演奏だと思ったものだが、聞けば聞くほどクセになる麻薬的怪演だ。
1989年12月12日、小澤&ボストン響 ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲(独奏ムター) 交響曲第7番 ケヴィン・ケナー/夜の独り言(独奏ドワイヤー) 東京、サントリーホール。 バブル真っ盛りの頃のボストンの来日公演。この頃を境に煩わしいフラブラが多くなってきた ように思う。 ムターの同曲はカラヤン指揮によるライヴが放送されていた。ここでも伸びやかな美音で 素晴らしい。また、このツアーは長年ボストンで首席フルートを務めていたドワイヤーの サヨナラ公演でもあり、アンコールとして小澤によるスピーチの後、独奏フルートのための 小品が演奏された。ベートーヴェン7番はリズム感が小気味良く、小澤のベートーヴェンと しては合っていると思う。
559 :
名無しの笛の踊り :04/12/13 15:19:09 ID:M9s8qtf1
>>557 それ、会場で聴いたわ。
ORFの録音は、やたら硬質なんだよね。
ムジークフェラインで聴いた響きとは、まるで違う。
放送だと管打がややうるさくなるしね。
1978年12月13日、ブール&南西ドイツ放送響 シューベルト/交響曲第4番「悲劇的」 ラヴェル/ダフニスとクロエ〜組曲第1番、第2番 ニュルンベルク、マイスタージンガーザール。 エルネスト・ブール(1913-2001)は1964年から80年までロスバウトの後任として南西ドイツを 率いている。客演は53年から、というのでこの時点で四半世紀もこのオケと仕事をしていた訳だ。 ブールは日本での評価は来日していないせいかあまり高いとは言えず、せいぜい現代ものの得意な ロスバウトの後継者程度の認識だと思うが、FMでは古くから南西ドイツとの現代音楽の放送が 紹介されており、多くはないとはいえ通常レパートリーの公演もいくつか放送された。また、 意外にもオランダ室内管と共演したベートーヴェンの交響曲も、海外FMで5、6曲紹介されていて、 過度の劇性を排した冷静で緻密な演奏は面白かった。 この演奏はNHK-FMで放送されたもので、解説の渡辺学而も指摘しているが、まったりとした テンポで非常に清澄なスッキリした響きながら、会場の音響が良過ぎて音が少し飽和気味だ。 それでもラヴェルの冷え冷えとした響き(特に木管)や、シューベルトの冷徹な演奏は見事。
ブールはつい最近までご存命だったのね。80年代以降は引退していたんですか。 ライヴ放送は記憶にない。スタジオ録音も有名曲ではインターコードのボレロ、 ラ・ヴァルス、展覧会の絵、ティル、ドン・ファンがあるだけか、と思っていたら、 クワドロマニアのモーツァルト後期交響曲集なんてのが、出ていて驚き。買わねば。
1994年12月14日、ショルティ&アムステルダム・コンセルトへボウ管 (独奏キーシン) ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番 ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 ブラームス(リスト編)/ハンガリー舞曲第6番 バルトーク/弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 アムステルダム、コンセルトへボウ。 ショルティ晩年の演奏から。コンセルトへボウとはこの時期客演の名演奏が多い。FMで放送の オケ・コンとブラームス1番の組み合わせのプロは、引き締まって見事なものだった。また、 DECCAから出た「春の祭典」のライヴも忘れ難い緊張感の名演だった。 それにしてもこの人ほど芸風が変わらなかった人も珍しい。直截で歯切れよい、トスカニーニ 譲りの指揮は既にORFEOから出ている「ヴァルキューレ」第一幕から変わらないし、ロンドン 時代の逸話や録音(ゴールのアムネリスが絶品のMYTOの「アイーダ」やロンドンでの「黄昏」 第三幕、最近出たチェルカスキーとのチャイコなど)も然りで、その剛毅な音楽は変わらない。 CSOと組んでからはオケの強大なパワーのためか、良くも悪くも音楽のうるささに耳が行きがち だが、この名門や他の欧州のオケに客演して悠々自適な身となってからは、基本的な線はその ままに、実に豊かな音楽を奏でている。「レオノーレ」の豪快さ、「弦チェレ」の動と静の 鮮やかなコントラストもよいが、何よりキーシンとの愉悦に溢れた「皇帝」が素晴らしい。
オルフ/カルミナ・ブラーナ アーリン・オジェー(ソプラノ) ジェームズ・ボーマン(カウンターテナー) スティーブン・ロバーツ(バリトン) エルンスト・ゼンフ合唱団 ベルリン市立聖堂少年合唱団 リッカルド・シャイー(指揮)ベルリン放送響 (1986年12月15日 ベルリン・フィルハーモニー) 前にも書かれていたとおりシャイーのベルリン放送響首席時代はFM放送が数多く、 大曲指向の選曲で目立っていたと思う。このカルミナ・ブラーナもオケと合唱を バランス良く鳴らした巧みな演奏で、当時、レコ芸推薦のヨッフム盤を聞いて、 いまひとつ曲の真価がわからなかった私の開眼演奏となった。 余談になるが、だいぶ前にNHKFMの「20世紀の名演奏」枠でカルミナ・ブラーナの 日本初演ライヴ(N・エッシュバッハー&NHK響 55年5月14日 日比谷公会堂)が 放送されていて、こんなものが残っているんだ!とびっくりした。有名曲の日本 初演ライヴはコンドラシンのマーラー9番や芥川のショスタコ4番が、いずれも CDで出ている(いた?)が、他にはどんなものがあるのだろうか…。
1990年12月15日、ハイティンク&ベルリン・フィル(独唱クィヴァー) マーラー/交響曲第3番 ベルリン、フィルハーモニー。 同時期に映像収録されているベルリン・フィルとのFMライヴ。映像の方は編集されている ようだ。ハイティンクのマーラー3番ライヴは、この他PHILIPSから出ていたクリスマス・ マチネー(83年)と、FMで放送されたベルリン芸術週間(82年のマーラー・ツィクルス)の ものがあり、いずれもコンセルトへボウを振っている。また、80年代末〜90年代初のこの 曲のソリストにフローレンス・クィヴァーが度々登場している(他にベルティーニの来日 公演など)のが目を引く。 ハイティンクはコンセルトへボウとはゆったり寛いだ雰囲気の演奏を行なっているようだが、 彼自身最も後年の録音でもあるだけに、ベルリンとはオケ共々力強さが加わっている趣で、 完成度も更に高くなっているように思われる。いずれにせよ情感が内から染み出てくるような この曲の終楽章などは、この頃以降のハイティンクの芸風によく合っている。 クィヴァーも深い響きのある声でよい。
1975年12月16日、ツェンダー&ベルリン・フィル(独奏パルム) モーツァルト/交響曲第25番 ボリス・ブラッヒャー/チェロ協奏曲 ドビュッシー/海 ベルリン、フィルハーモニー。 ハンス・ツェンダー(1936-)のベルリン・フィル客演。この後80年代にも客演した演奏会が 放送され、そちらは現代音楽ばかりであった(含自作)。また、彼のライヴは意外とよく紹介 されていて、ベルリンでの演奏会は放送響(現ベルリン・ドイツ)とのマーラー3番、「嘆きの歌」 なども放送された(3番は放送ライヴのせいか拍手なしだが、名演)。 モーツァルトは全盛時のベルリン・フィルを抑えに抑え、過度の感傷を殺しており、結果非常に 格調の高い演奏になっている。ブラッヒャー(この年没)の協奏曲は、初演者のジークフリート・ パルムがソロを担当しており、初演時には保守的過ぎるためかブーイングも起きたそうだ。絶叫 のない穏健な作ではあるが、終始オケとソロが蠢くように緊張感を持って対峙する。パガニーニ 変奏曲は傑作だがこれはこれで面白い。「海」も全体的に抑制されていて、響きの美しさに重点が 置かれている。
1977年12月17日、ロストロポーヴィチ&ベルリン・フィル チャイコフスキー/フランチェスカ・ダ・リミニ エフゲニー・オネーギン〜手紙の場(独唱ヴィシュネフスカヤ) ショスタコーヴィチ/交響曲第8番 ベルリン、フィルハーモニー。 ロストロポーヴィチのベルリン・フィルとのライヴは、他に82年の定期でベートーヴェン5番、 「魔弾の射手」序曲など振っていた放送がある。彼のショスタコーヴィチの交響曲のライヴは、 86年のベルリン放送響との4番、90年頃の東京フィルとの9番があった。また、最近ANDANTEから LSOとのショスタコーヴィチ・フェスティヴァルでの4、15番が出ているが、こういう企画なら 全曲出してくれれば買うのだが。 この時期はロストロポーヴィチが亡命してから丁度三年目で、翌78年にはソヴィエト市民権も 剥奪されているが、定住先のアメリカで、ワシントン・ナショナル響の音楽監督に就任した年 でもある。 演奏は物凄い緊張感が感じられ、往時のベルリン・フィルのパワーが渾然一体となり、真に ライヴならではの熱狂的な空気に溢れている。「フランチェスカ」などBPOのギラギラした音色 と、切迫感のあるロストロポーヴィチのフレージング(タコ8もだが)が効果的で、前プロにも かかわらず大ブラヴォーが飛んでいる。「手紙の場」はヴィシュネフスカヤもさすがにトウが 立っているが渾身の絶唱と言え、この曲で指揮者デビューしたロストロポーヴィチとの息も ピッタリだ。しかし最高はタコ8で、オケのブラス・セクションの力は絶大で、やや大時代的な ロストロポーヴィチの指揮によく映えていて、いい意味で壮大な叙事詩的スペクタクルになって いる。それだけに終楽章の祈りのようなしっとりした静謐さもまた説得力が強く、いろいろと 考えさせる名演になっている。
1980年12月18日、コンドラシン&バイエルン放送響 ベートーヴェン/交響曲第8番 ショスタコーヴィチ/交響曲第13番「バビ・ヤール」(独唱シャーリィ=カーク) ミュンヘン、ヘラクレスザール。 コンドラシンの「バビ・ヤール」は、初演者だけにライヴも数多い。RUSSIAN DISCから初演翌日の (62年12月20日、グロマツキー独唱)のものが出ており、歌詞改訂稿による63年初頭と思われる ライヴ(GPRなど、今最も入手容易)、EVERESTから出ていた65年9月(表記は11月)20日のライヴと この亡命後のバイエルンとのものだ。この演奏会はコンドラシン没後すぐ、追悼特集としてNHK-FM で三日に渡ってネコケンと渡辺学而のホストで紹介されたものの一つ。南西ドイツとのコブレンツ での演奏会(パウクとのショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲2番、マーラー6番)、ユンゲ・ ドイチェ・フィルとのベルリンでの演奏会(ストラヴィンスキー/四つのエチュード、スペイン 狂詩曲、ブロックとのサン=サーンスの5番協奏曲、ショスタコーヴィチ9番)も他に紹介された。 追悼とはいえNHK-FMがこのような特集を組むのは非常に珍しく、80年1月のN響ただ一度の客演も いささか影響していると思われた(一部の録音がキングから出た「N響伝説のライヴ」で聴けるが、 プロコ5番は素晴らしい)。また、「バビ・ヤール」だけは以前PHILIPSから何かの特典として 非売品のLPの形で出ていたようだ。余談だが、コンドラシンの最後の演奏会はテンシュテット代役 によるNDRとの「巨人」なのは有名だが、このバイエルンとの演奏会も、音楽監督就任を前にして プレヴィンのキャンセルを引き受けたものであった(曲目変更なし)。 RUSSIAN DISCの初演二日目の演奏が、物凄くストレートで生々しい激演であったのに比べて、初演 からちょうど18年後のこの演奏はある種の洗練が認められる。オケ、合唱(バイエルン放送)、 独唱(英国人)のいずれもが西欧の演奏家からなっていることで、音色にやや暖色系の響きが感じ られる故だろうが、演奏そのものは焦燥的で何かに憑かれたような、コンドラシンらしい超名演だ。 聴衆の反応も静かな熱気に包まれており、控え目だがブラヴォーが連呼されている。
1986年12月19日、スラトキン&バイエルン放送響 コープランド/アパラチアの春 モーツァルト/クラリネット協奏曲(独奏ローデンホイザー) ドヴォルザーク/交響曲第8番 ミュンヘン、ヘラクレスザール。 スラトキンの独墺圏でのライヴはあまり多くない。他にベルリン・フィルに客演した「エニグマ」 変奏曲などがあったくらいだった。名曲コンサート的なプログラムだが、前首席指揮者の大得意 曲目をメインに据えているせいか分が悪く、闊達で伸びやかなソロのローデンホイザーに聴衆の 賞賛は集まっている。コープランドが腰の重いドイツ・オケをよくスウィングさせており、 ドヴォルザークも開放的でスタイリッシュな好演だが。
570 :
名無しの笛の踊り :04/12/20 08:15:54 ID:8tOShdYD
age
ヴォーン=ウィリアムズ/タリスの主題による幻想曲 ベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調 シベリウス/交響詩「トゥオネラの白鳥」 エルガー/エニグマ変奏曲 ピエール・モントゥー(指揮)ボストン響 (1963年12月20日 ボストン・シンフォニーホール) 翌年7月に亡くなったモントゥーのBSOとの最後の演奏会。数年間続いたFM横浜朝番組の 白眉とも言える放送で、放送当日はタイマー録音にもかかわらず早起きし、固唾を飲んで 聞き入ったものだ。いずれの曲も心持ち早めのテンポで、余計な感情を一切排した純度の 高い名演だ。とても88歳の高齢とは思えないほどリズムの処理はしっかりしているし、 ちょっとした表情にも指揮者の指示が行き届いているのがわかる。美しいとしか言いよう のないタリス幻想曲、自然体で生気溢れるベートーヴェン、バスドラムのppロールが 静かに響きわたる様が見事に録音に捉えられている感動的なシベリウス。十八番の エニグマ変奏曲では楽団員の万感の想いがこめられているようだ。溜め息の出るような 演奏の連続で、実際ボストンの聴衆からもブラヴォーと溜め息が相半ばしている。 このテープを聞くのはひさびさ(たぶん10年振り位)だが、状態の良いステレオ録音が 40年前の熱い空気を見事に伝えてくれていて、いささか「うるうる」きてしまった。
1976年12月20日、エルデーイ&ブダペスト・フィル ブリテン/ピーター・グライムズ〜「月の光」 ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番(独奏オグドン) ストラヴィンスキー/春の祭典 ブダペスト、エルケル劇場。 ミクローシュ・エルデーイ(1928-?)の地元での演奏会。日本でも読売日本響などに客演して いる。この時期のハンガリー放送のテープはやはり音が妙に乾いておりよくない。非常に土俗的 な「春祭」はいきなり冒頭のファゴットがコケているが、熱のこもった演奏。珍しいのはジョン・ オグドンのベートーヴェンで、ネガティヴな解説の多い丸山圭介に「ロマンティック過ぎる」と して貶されている。槍玉の第二楽章なども今聴くと実に繊細で、終楽章も力強く魅力的な聴き 物だ。この人の放送はほとんどなかったと記憶する。
1984年12月21日、ロイター&バイエルン放送響 ショパン/ピアノ協奏曲第2番(独奏リカド) ショスタコーヴィチ/交響曲第6番 ミュンヘン、ヘラクレスザール。 ベルリン・コーミッシェ・オパーの音楽監督だったロルフ・ロイター(1928-)オーケストラ・ コンサートは珍しい。他に「田園」をメインとする放送が同時期に一度あったきりだった。 CDでもオペラは別として録音自体がそう多くなく、ライヴとなるとほとんどないのだが、残さ れたこの録音を聴くとなかなかの実力者だと思う。ショパンの伴奏もショスタコーヴィチも、 とにかく非常に音のキレがよい。デカイ音の鳴りっぷりは豪快で、弱音の箇所も弛緩せずに 伸びやかに呼吸する(ショパン第二楽章はリカドの美しいピアノとあいまって絶品)。質の 高い職人的なオペラ指揮者たる見事な内容だ。ショスタコ6番もメリハリのある勘所を押さえ たもので素晴らしい。 旧西独の放送オケの紹介は、NHK-FMで盛んに行なわれてきたが、どのオケも指揮者の色が強く 出る。例えばベルリン・フィルやウィーン・フィルなどと比べ、とても分かりやすい。駄目な ときは音楽が死んでおり、無名だとしてもこういう人が振ると熱い演奏になる。バイエルンも マゼール時代に至るまで上手いのにオケそのものの色がそれほどないので、その感は強い。
1976年12月22日、ギレリス(pf)マズア&ソヴィエト国立響 ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番 ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 モスクワ音楽院大ホール。 NHK-FMの放送ライヴ。19日に1〜3番の演奏が行なわれており、全曲演奏がなされた。この演奏は 最近になってBRILLIANT CLASSICSから廉価で出た。また、同年9月16日にラインスドルフとNYPが 訪ソした際の「皇帝」もSCORAから出ている他、全曲演奏ではMULTISONICから「プラハの春」集成 ライヴの一つとしてザンデルリンク&チェコ・フィルとの58年11月のものが出ていた。 演奏はギレリスの60歳当時のものなので、ザンデルリンクとのオケ共々精気漲るものよりも若干の 疲れも聴かれ、より表現に繊細さも増しているが、「鋼鉄のタッチ」と言われた力強い打鍵は生き ており、素晴らしい聴き物だ。4番のヒロイックな演奏は全曲中の白眉だろう。 マズアのベートーヴェンは、ゲヴァントハウスとの89年来日時の交響曲全曲演奏が、BSで放送され ている(若尾文子が何故かゲストで呼ばれていた)など、東独のベートーヴェン解釈の第一人者 だったようだが、ここでは完全にギレリスのピアノに負けている。放送当時は非常に珍しい組み 合わせで興味深かったが、何かとても小味で、ギレリスの集中の塊のようなピアノに押され気味だ。 その点ではやはりザンデルリンクとの58年盤に軍配が上がる。
いつも楽しみにしています。がんばってください。
ありがとうございます。励みになります。
1985年12月23日、フンパーディンク/ヘンゼルとグレーテル エヴァンゲラートス(ヘンゼル)ボニー(グレーテル)ヴァッサール(ペーター) ポール(ゲルトルート)P・ジョンソン(魔女)ガンベローニ(眠りの精、森の精) ヤノフスキ&フランス放送新管。 パリ、シャンゼリゼ劇場。 クリスマスということで取り上げる。ヤノフスキは84年からこのオケの首席客演で、この後 89年から首席に昇格し、オケもフランス国立放送フィルと改称して蜜月の時代を送る。 この関係はいくつかのFMライヴ音源や、Le Chant du Mondeから出ていたライヴ集成の 四枚組で聴くことができる(おそらくこの辺がオケ自主制作盤の先駆けだろう)。ヤノフスキが 就任してから、FMでの放送頻度が増したが、さもありなんだ。ドレスデンとの「指環」など 聴いてもさほど音楽の巨大さはないとはいえ、この人の誠実で職人的な手腕の見事さは スルーできぬものがある。 フンパーディンクの音楽自体はヴァーグナーの影響が如実に感じられ、面白いのでたまに 聴くが、ライヴではあまり音源がなく、FMでも日本語上演のどこかの団体のものがあったと おぼろげに記憶する程度だ。このライヴはドイツ語での原語上演のようだが、歌手たちが皆 それぞれに素晴らしい。まだ二十代のボニー(バルバラ・ボネーと紹介されている)の純な 声が特によく、ヴァッサールやP・ジョンソンも渋いながら光っている。彼らが音友の「栄光の オペラ歌手を聴く」に載ってないのは実に残念だ。ジョンソンは先に挙げたスカラ座の五輪 芸術展示で歌っており、ヴァッサールも仏国内での歌唱がいくつかFMで紹介された。カルラ・ ポールは後年、ミハイル・ユロフスキ指揮の演奏会でブリュンヒルデを歌っていた。 なお、このライヴは珍しくも各幕の入りの拍手がしっかりと入った完全ライヴになっており、 演奏の愉しさも含めてライヴの雰囲気に富んでいる。
1949年12月24日、カンテルリ&NBC響 ヘンデル/メサイア〜序曲 バッハ/クリスマス・オラトリオ〜シンフォニア第2番 チャイコフスキー/交響曲第4番 ニューヨーク、8Hスタジオ。 TESTAMENTから出ているグィード・カンテルリ(1920-56)のNBC放送録音集(四枚組三セット) からの一枚。48年春にスカラ座でトスカニーニに認められてから、NBC響に招かれこの年の1月に アメリカ・デビューしている。これは翌48〜49年シーズンにNBCにより毎週行なわれた放送 コンサートで、ほぼ一時間の放送枠に合わせて一時間弱ほどのプログラムが決められていたよう だ。古い録音だが、まるで50年代後半並みの驚異的な高音質で聴ける。また、放送時の楽章間の 余白もしっかりと収録されており、良心的な復刻になっている。 演奏はやはり非常にストレートで、直情的に突き進んで行くチャイコフスキー4番が熱を帯び なかなかに凄まじい出来映え。ただ第一楽章中間まではオケに興が乗り切れずに、ティンパニ など一部で落ちているのが残念だ。基本的にはザッハリヒな方向の演奏ではあるが、指揮者の 曲運びのノリのよさが、それだけに終わらせない豊かさを感じさせる。終楽章コーダでは ヤンキーの方々によるフライング拍手が入っていてご愛嬌だが、それほどの見事なライヴに なっていると思う。前プロはクリスマスにちなんだものが取り上げられているが、これは カンテルリの指揮を持ってしても、今の耳から聴くとややオールド・スタイルな響きがする のは否めない。
1978年12月25日、マスカーニ/カヴァレリア・ルスティカーナ リザネク(サントゥッツァ)ドミンゴ(トゥリッドゥ)ディ・ベルラ(アルフィオ)R・ファルコン(ローラ) ヴァールナイ(ルチア) レオンカヴァルロ/道化師 ストラータス(ネッダ)ドミンゴ(カニオ)ディ・ベルラ(トニオ)オルト(ベッペ)ブレンデル(シルヴィオ) サンティ&バイエルン国立歌劇場管 ミュンヘン、バイエルン国立歌劇場。 NHK-FM「オペラ・アワー」から。ドミンゴのセンテナリー・ロール(百回以上歌った役)である トゥリッドゥとカニオのダブル公演。アルファベータから出ている持ち役についての本による と、彼も特にこのミュンヘンでの上演を挙げ、この二役は同じ日の公演が多いので、と言及 している。また、70年代のバルセロナではトニオ役が倒れたためこの二役に加え、「道化師」 の前口上まで引き受けたという話はバリトン上がりの彼らしいエピソードだ。他にこの二役の ライヴは、76年のNHKイタ・オペにおけるデ・ファブリティース指揮のものがあり、「道化師」 ではディ・ベルラがカニオ役で共演している。 この日の演奏はLEGATOから「カヴァレリア」のみ海賊で出ていたが、「道化師」は多分出て いない。「カヴァレリア」は女声キャストが目を引き、リザネクがやや衰えを感じさせるとは いえ、「火の玉」と形容されたという芯の強さは十分に出ており、ネッダのストラータスとの格 の違いを見せ付けている。歌ではやはりドミンゴの素晴らしさを聴くべきで、本人は二役では カニオの苦しみの方が強く残ると語るように、正直カニオでの「泣き」の性格表現は、もはや 完全な「芸」そのものであり、ちょっとしたフレージングの溜めや間、抑制されながらもそくそく と真に迫る嗚咽の深さなど、全く凄いとしか言えない。中でも「衣装をつけろ」は絶唱、聴衆 も三度彼を呼び返すほどだ。一方トゥリッドゥでは輝かしい若さも、深いブレスもないため、 理想的とは言い難いものの、ライヴの熱さに乗り、終景の歌は「泣き」が素晴らしい。 また、オケはリズムが重い上に響きが暗く、典型的なドイツ歌劇場の音楽だが、サンティの じっくり歌うおおらかでしみじみとした伴奏は大きくモノを言う。優しくも決して陳腐にならぬ 「カヴァレリア」間奏曲は、この指揮者の実力を物語る。
↑五行目 >ではディ・ベルラがカニオ役で共演している。 トニオです・・・。
1967年12月26日、ヴェルディ/リゴレット リナルディ(ジルダ)パヴァロッティ(マントヴァ公)カップッチルリ(リゴレット) ザッカリア(スパラフチーレ)ラッツァリーニ(マッダレーナ) ロッシ&RAIトリノ響 トリノ、RAI。 FREQUENZから出ていたCD。現在他レーベルからの復刻はないようだ。純粋なオペラ公演では なく、放送用に聴衆を入れてのライヴ収録なので、劇場での聴衆の熱狂の様子的な臨場感は あまり感じられず、各幕の終わりと数曲の見事な歌の後に拍手が入る程度である。それでも 終幕は盛り上がっており、「女心の歌」の直後には盛大なフラブラが入る(拍手なしなのが ある意味面白い)。 歌は当時頭角を現してきていた三人の主役がいずれも張りのある声で力唱。パヴァロッティの 抜けるような高音は伸びやかで素晴らしく、リナルディも抑え目ながらよい。最高によいのが カップッチルリで、既に堂々然とした貫禄のリゴレットを演じており、「悪魔め、鬼め」など 鬼気迫る凄さだ。ロッシも職人的に上手くまとめている。
1973年12月27日、マタチッチ&N響 シューベルト/交響曲第7番「未完成」 ビゼー/組曲「カルメン」、「アルルの女」〜ファランドール ゴドヴァッツ/交響的コロ舞曲 東京、NHKホール。 年の瀬のポピュラー・コンサート。定期ではなく、青少年のためのプロムナード・コンサート と銘打たれている。ALTUSから近年まとめて出たCDにも上の曲が全曲収録されている。 この年のマタチッチは12月に616〜618回目のN響定期を振っている。ブラームス3番、中村紘子 とのモーツァルト、「火の鳥」、「ハーリ・ヤーノシュ」やヤナーチェクの「シンフォニエッタ」 などを指揮した。 この日のプログラムでは断然アンコールでのゴドヴァッツが凄い。スラヴ的な祝祭感のある曲 だが、当時から響かないN響から豪快で色彩的な音楽を引き出していて素晴らしい。
1960年12月28日、リヒテル(pf)リサイタル プロコフィエフ/シンデレラ〜ガヴォット 束の間の幻影〜アニマート ドビュッシー/前奏曲集第一集〜アナカプリの丘 ショパン/エチュードOp10-10、Op10-12「革命」 マズルカ第15番Op24-2 ニューアーク、モスク劇場。 RCAから出ているRICHTER reDISCOVEREDのボーナス・トラックの演奏。26日のカーネギー・ホール でのリサイタルがメインで収録されており、こちらは全米を二ヶ月に渡り公演旅行した最終日の アンコール。10月15日のシカゴ響とのブラームス2番(指揮はライナー病欠でラインスドルフ)で 全米に舞い降りたリヒテルは、協奏曲やリサイタルに飛び回り、その合間を縫いRCAへの録音も いくつか行なっている。この楽日のアンコールは、26日のカーネギーでの緊張感とはまた一味 違い(プロコフィエフのソナタは凄い)、ややリラックスしていながらも素晴らしい余韻を残す。
1959年12月29日、パレー&デトロイト響 オルフ/カルミナ・ブラーナ(独唱バビキアン、J・アレグザンダー、ブートレイ) デトロイト、フォード・オーディトリアム。 ポール・パレー(1886-1979)の数少ない放送ライヴ。アナウンスからして地元放送局収録の ものと思われる。パレーのライヴはついぞFM横浜などでも放送されることはなく、一部マニア の私蔵テープが少量出回っていただけであった。これもその一つ。独唱のバビキアンは58年の ストコフスキーとヒューストン響のスタジオ録音(CAPITOL)に参加していた。 録音は個人のエアチェックらしく古さを感じさせるが、年代にしては悪くなく、生々しい音で 演奏を堪能するには十分だ。演奏そのものはバリトン独唱に力がなく、猥雑な面白みのある 前半が辛いものの、総じて音が明るく金管が突出し、ラテン的で刺激的な好演になっている。
1977年12月30日、ヴェルディ/仮面舞踏会 ヴァーレット(アメリア)パヴァロッティ(リッカルド)カップッチルリ(レナート) オブラスツォワ(ウルリカ)マッツカート(オスカル)ローニ(サムエル)フォイアーニ (トム) アッバード&ミラノ・スカラ座管 ミラノ、スカラ座。 MYTOのCD。ソースは会場膝録のようで、音は悪くないがやや声がオケに押され気味ではある。 「仮面舞踏会」はアッバード得意の演目で、数年前のベルリン・フィルとのジルヴェスター・ コンサートでも、地味だが盛り上がるナンバーを演奏していて、これはアッバードとしても 出色の出来だった。ここでも全盛期の歌手陣を得て、気合の入った好演を繰り広げている。 歌手ではヴァーレットが好調で、潤いのある歌を聴かせ、パヴァロティも抜けるような声で 熱のある歌だ。「あの草を摘みとって」など白熱した二重唱になっており凄い。 レナートのカップッチルリもライヴのノリに威厳も加わり素晴らしい出来映え。
ロッシーニ/「ウィリアム・テル」序曲 スメタナ/交響詩「モルダウ」 シベリウス/悲しきワルツ ヨゼフ・シュトラウス/ワルツ「うわごと」 ヨハン・シュトラウスU世/「ジプシー男爵」序曲 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)ベルリン・フィル (1983年12月31日 ベルリン・フィルハーモニー) ソニークラシカルからDVD化されている演奏会。カラヤンの大晦日コンサートは他に 77年(第九)、78年(管弦楽曲集)、84年(ムター他とのバッハ)、85年(管弦楽曲集)、 88年(キーシンとのチャイコン他)がDVDで市販されている。 この映像では、オーケストラショウピースでも決して手を抜かない、と言われた彼ら の真骨頂が見られる。特に「ウィリアム・テル」の迫力は尋常ではなく、嵐の場面の カラヤンとBPOの全力投球ぶりは一見の価値ありだ。複数日の編集ものが多いカラヤン のライヴ映像だが、これは一発撮りだと思われ、素晴らしい臨場感が味わえる。 なお、この日は前半に「未完成」が、プログラムの最後に「ラデツキー行進曲」が 演奏されていたらしい。
1974年12月31日、J・シュトラウスU/こうもり ヴェヒター(アイゼンシュタイン)ヤノヴィッツ(ロザリンデ)マローン(アデーレ) ブレンデル(ファルケ)クッシェ(フランク)クメント(アルフレート)ファスベンダー (オルロフスキー)フェーエンベルガー(ブリント) C・クライバー&バイエルン国立歌劇場管 ミュンヘン、バイエルン国立歌劇場。 NHK-FMの音源だが、後年HYPNOSやGMから出ていた。86年の大晦日のライヴ映像が現在最も手に 入りやすく、GM盤はモノラルらしいので入手して聴くにはハンデがあるが、若きクライバーの 目くるめく鮮烈さや、聴衆を含めた盛り上がりの素晴らしさではこちらに軍配が上がるかも 知れない。また、ヴェヒターや名物男クッシェ、ファスベンダーにブレンデルなどは86年盤 でも登場しており、バイエルン=クライバー=こうもり、との深い繋がりを感じさせる。他の キャストにも全盛期にローエングリンを歌ったフェーエンベルガー(1939年!デビュー)や ヤノヴィッツが配されていてなかなか豪華だ。 それにしてもカルロスの指揮の鮮やかなことよ!聴衆をも熱狂の渦に巻き込み、ライヴでその 真の力を出し得た彼の逝去が、今年最大の痛恨事だったと思わせる。
588 :
名無しの笛の踊り :05/01/01 00:09:06 ID:NuPTV4NR
この日のライヴ録音さん、あけましておめでとうございます^o^ カラベルです^^ って、自分で名乗るのはちと恥ずかしいですが^^; いつも興味深いライヴ録音の「報告」楽しみに拝見させていただいております(^_-) v これからもがんばってくださいね☆
589 :
名無しの笛の踊り :05/01/01 00:18:45 ID:+io6N7TJ
1987年12月31日のベルリンフィルジルヴェスターコンサート (ワーグナー:タンホイザー、ジークフリート牧歌、トリスタン)の放送録音が 残っていないのが残念。
おお!ものすごく久々に上がったと思えばカラベルさん。 あけましておめでとうございます。 最近は今聴きにあんまり書いてないですが、いつも拝見してます。 今年もよろしくです^^
591 :
名無しの笛の踊り :05/01/01 00:36:02 ID:NuPTV4NR
こちらこそよろしくお願いいたします^^ 今聴き、いつもご覧になってらっしゃるのですね! 恥ずかしや〜^^; でも、この日のライヴ録音さんにはいつもよくしていただいて、 感無量ですT_T by カラベル
いえいえ、こちらこそ。 クラ板は叩き煽りが多いようですが、このスレ来られる少数の方や カラベルさんは親切でホッとしとります^^ 今聴きスレは2chで初めて書き込んだとこなんで気になるんですよ(汗)
この日のライヴ録音;さん、あけましておめでとうございます。 ダンボール箱のものです。 いやいやとうとう年を越してしまいましたねえ。凄い凄い。 この日のライヴ録音;さんの熱いレポートには、触発されました。 3〜4年使ってなかったカセットデッキも、蘇生していただき、感謝しております。 私の場合、手持ちソースが少ないので、十休一勤くらいで行きたいかな。 今年も、ごゆるりとお手柔らかにおねがいいたしますです。はい。
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調op26 アンネ=ゾフィー・ムター(Vn) ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)ベルリン・フィル (1981年1月1日 ベルリン・フィルハーモニー) エアチェック以来、折りに触れ繰り返し聞いてきた愛聴の演奏。ただし、この曲だけ が60分テープのB面に残されたのみで、当日の他の演奏曲目は不明である。 ムターは前年1980年9月にこの曲をスタジオ録音(DG)しており、だいぶ弾き込んでいる のだろう。カラヤンの、まるで大交響曲を演奏するかのようなシンフォニックなバックに 動じることなく、伸びやかに歌い切っている。この瑞々しくピチピチしたヴァイオリンは、 ムター17歳の貴重な青春譜だ。途中、第1楽章と第2楽章の経過部で客席から「新春記念の 鼻かみ」が数発鳴って、やや興を削ぐ。 なお、裏青のカタログには1981年12月31日の日付で、同じコンビのブルッフが存在する ようだ。手持ちはないが、こちらもFM放送があったように薄ら覚えしている。
595 :
名無しの笛の踊り :05/01/01 08:59:07 ID:NuPTV4NR
>>592 なんかホントそうですよね!
このスレってポッカリ孤立してて平和ですよね^^
まるでオアシスのようで^^;
>今聴きスレは2chで初めて書き込んだとこなんで気になるんですよ(汗)
そうだったのですね^^
もしかしたら私もそうだったかもしれないです、あまりよく覚えてないですが^^;;
でも、そんなこの日のライヴ録音さんの思い出のスレに、以前は私が荒らしっぽい
ことしてしまいました。。。
音楽のことに関係ない、食べ物のこととか書き込んだりして・・・
今では調子に乗りすぎてしまったと反省しておりますm(_ _)m
って、アーなんかきりがないですね^^;
チャットみたいになってしまって。。。
なんかこのスレも今聴きと似ているとこありますよね。淡々と書き込んでいくところが^^
>593-594 ダンボール箱さま、あけましておめでとうございます。 私も一人ではここまでやれたかどうか。いい感じで刺激になっていますです。 手持ちソースが少なくていらっしゃる割には、私が録音スルーしたり聴けなく なったものをピンポイントでお書きになってますよ^^20日のモントゥーは 激しくうらやましかったですよ^^ 今年もよろしくお願いしますm(_ _)m
>595 今聴きの件はあまりよく憶えていませんが、最近はマターリして雰囲気いいですね。 実は書き込みはしてないけど、チャーハン作るよスレで和んだりすることも…。
1956年1月1日、D・オイストラフ(vn)ミトロプーロス&ニューヨーク・フィル ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番 ニューヨーク、カーネギー・ホール。 大オイストラフのこの曲の録音は一体何種類あるのか。ライヴだけでもかなりの数に及び、 代表的なものだけでも57年のムラヴィンスキー&チェコ・フィルとのもの(PRAGA)、最近 出たコンドラシンとの67年来日公演(ALTUS)、エディンバラでのロジェストヴェンスキー とフィルハーモニア(62年BBC、FM放送あり)など数多あるが、この演奏のソロが最も激烈 かつ超絶的な集中力で聴かせると思う。第三楽章〜終楽章の長大なカデンツァで、これほど 悲鳴のような痛切なソロを聴かせてくれるライヴ録音は他にない。曲の開始時には聴衆も 落ち着かず、咳やざわめきがいささか煩わしいが、このカデンツァの辺りでは完全に圧倒 されて粛然と聴き入っているのがよく分かる。 オケもオイストラフに必死で付けており、爆発的なコーダでティンパニが一箇所落ちている にせよこの演奏の価値を下げるものではない。それよりもミトロプーロスの、腰を据えた 伴奏がオイストラフの呼吸によく合わせており、この両者の躁鬱のダイナミクスの幅広さと いったらもう凄い。元旦にふさわしい名演奏だ。 なお、この演奏は元々前年26日帰国予定だったオイストラフが、あまりの人気のため追加で 公演したもので、その人気ぶりは全曲終わったあとの大喝采でよく分かる。また、第二楽章 の終わりで聴衆の拍手が入る。今はNYPの自主制作盤で聴けるがFONIT CETRAからも出ていた。
1984年1月1日、グロノスタイ&ベルリン放送響、RIAS室内唱 バッハ/ミサ曲ロ短調(独唱白井光子、ハマリ、ホプフナー、 フィッシャー=ディースカウ) ベルリン、フィルハーモニー。 本職は合唱指揮者のウーヴェ・グロノスタイが珍しくオケの指揮台に上がった演奏会。FMでは いくつかの合唱の演奏会に加え、87年元旦にも「天地創造」を指揮している。また、CDでも CAPRICCIOからモーツァルトのレクイエムがライヴではないが出ていた。 グロノスタイはこの時期、この演奏会で合唱を務めているRIAS室内合唱団の指揮者で、カラヤン 指揮の「惑星」81年盤などでも精妙なアンサンブルを聴かせている。ここでのバッハはやはり 合唱を主体とした美しく爽やかな演奏を聴かせてくれ、実に心地よい。各声部の分離が明晰で、 独唱もレヴェルが高く、これは思わぬ名演であった。耳が古楽器の音に慣れてしまった今では、 こうしたスタイルの演奏が逆に新鮮に感じられるが、それだけに留まらぬ素晴らしさがある。
601 :
名無しの笛の踊り :05/01/01 19:13:30 ID:NuPTV4NR
>>599 N響ライヴですね。
私的には94年だったか、その頃にやったデュトワのショスタコ4とビエロフラーヴェクの
スラヴ舞曲の二つをリリースしてほしいです^^
この二つはとてもイイ演奏だったと記憶してます。
でも今聴いたら印象は違うかもしれませんけど^^;
>599 マルティノンの「悲愴」は技術的にはともかくかなり期待。 マークがヴァントの代役だったのは知りませんでした。
>596 >いい感じで刺激になっていますです。 ありがとうございます。舌足らずで勉強不足ですが、頑張ります。 >20日のモントゥーは激しくうらやましかったですよ^^ これは意外でした。でも、私なんか「涎掛け」を何枚も潰しました。年末のパレーの カルミナなんか、放心状態で…。パレー風に「金管が突出」したカルミナがどんな 按配なのか、ヨダレベロベロでございます。これって、裏青でつか? >598 >もう凄い。元旦にふさわしい名演奏だ。 で、元旦にショスタコVnコンとは畏れ入りました。同じ顔触れで公演の合間をぬった スタジオ録音もあるんですよね。Art of Violinの映像でも「長大なカデンツァ」の 別演奏が紹介されてて、金縛りですた。うーん、元旦ライヴか。あ、またヨダレが…。 >600 おぉ〜、グロノスタイ。モツレクは愛聴盤(CDはLASERLIGHTですが)です。さすが、 痒いところに手が届くなあ。グロノスタイは数年前、ベルリンで「ヴェルレク」を 振ったはずなのですが、放送とかはあったのかなあ。気掛かりを思い出しますた…。
今日は二本立てにしてみました。 >603 オイストラフとミトロプーロスのスタジオ盤はCOLOMBIAでしたね。 グロノスタイの「ヴェルレク」とは聴いてみたいですが私は知らないですね。 この人も音友の指揮者名鑑に載らなかったり、実力者なのに不遇ですよね。 ブルッフは懐かしくなって捜しましたが出てこない…。私のも多分元旦の演奏 だったと思います。確かに別日で二度やってました。カラヤンのあまりにも ゴージャスなサポートはよく憶えています。 パレーは古老より聴かせてもらったもので…。裏青でもないのではないですかね? 古老の話だと二昔前は向こうのエアチェックテープを売る店があって、そこから 大枚はたいて購入したとか。 関係ないけどクライバー以来久々にニューイヤーを見てます。マゼールの ラララ〜♪には思わずワラタ。
1970年1月2日、W・スタインバーグ&ボストン響 バーバー/クリスマスに マーラー/大地の歌(独唱フォレスター、ヴィッカーズ) ボストン、シンフォニーホール。 ウィリアム・スタインバーグ(1899-1978)の数少ない放送の一つ。他にオイストラフとの協奏曲 プロが同じFM横浜で放送され、NHKでも手兵のピッツバーグ響との来日公演や珍しいバイエルン 放送響への客演(十日後取り上げる)があった程度。米国で名を成した名指揮者のライヴは、最近 は各オケの自主制作盤でようやく陽の目を見つつあるが、まだまだ全貌が知れぬ人も大勢おり、 このスタインバーグもそうした一人だ。大量に放送ライヴが流されたセルなどは、かなり恵まれた 方だろう。ちなみに息子のピンカスも指揮者で、オーストリア放送響と十年ほど前来日し、グルダ の息子と「皇帝」など演奏していた。 大スタインバーグのマーラーのライヴは、NYPのマーラー放送録音集でフィッシャー=ディースカウ との「さすらう若人の歌」があるくらいだが、ピッツバーグとの来日で「巨人」を、NYPのCDに付属 のマーラー演奏記録にも載っており、6番など振っていることから得意にしているようだ。この辺は 発掘を望みたい。 このボストンとの「大地の歌」も、僅か数シーズンの在位ながら、しっとりと歌い声高になること なく諦念の美を描き出していて素晴らしい。ヴィッカーズも相変わらず癖は強いが説得力が強い。 フォレスターも終楽章など深い声で吸い込まれそうになるほどの名唱だ。近々M&Aから彼女も参加 したヴァルターとNYPの同曲60年ライヴが再発されるが、是非聴いてみたいと思った。
1967年1月3日、バルビローリ&BBC響 マーラー/交響曲第4番(独唱ハーパー) ベルリオーズ/序曲「海賊」 プラハ、スメタナホール。 BBC響の67年東欧楽旅初日から。BBC LEGENDSから出ているCDで、解説によるとブーレーズに同行 してモスクワで二回、レニングラード、プラハ、ワルシャワでバルビローリが指揮を担当した ようだ。 バルビローリのマーラーは、最近のライヴ発掘によりかなり幻の音源が聴けるようになった。 この4番はその中でも最大の収穫だろう。確か64年頃にベルリン・フィルの定期に客演した際の 4番の演奏(独唱ゼーフリート)も海外エアチェックや海賊盤で聴けたが、音があまりよくなく、 演奏自体も緊張感にやや欠け、今ひとつだったのでこのCDも買い控えていた。ところがいざ 聴いてみると、67年ライヴというのに音が非常によく、同時期のTESTAMENTによるベルリン・ フィル客演の復刻に比べ段違いの解像度で驚いた。 演奏も渾身の力演と言え、冒頭の鈴の音からバルビローリの唸りがいきなり入り(こんな ところで唸る指揮者も彼くらいだろう)、随所で懐かしい感じのポルタメントや自然なテンポ・ ルバートが素晴らしく歌を感じさせ、以前紹介したテンシュテットにも比肩するほどの名演に なっている。特に第三楽章の濃厚なバルビローリ節には打ちのめされる。独唱のハーパーも この時期バイロイトでエルザを歌うなど、盛んに国際的キャリアを確立していた頃で、噛んで 含めるように、だが大らかにバルビローリの遅いテンポに合わせていて好感が持てる。 晩年のバルビローリとしては同じBBCから出ている、最後の演奏会の実に暖かいエルガーと並び 決定的な名ライヴだと思う。
1996年1月4日、ビエロフラーヴェク、G・アルブレヒト&チェコ・フィル チェコ共和国国歌 ドヴォルザーク/スラヴ狂詩曲第3番 聖書の歌〜5曲(独唱ぺチュコヴァー) 序曲「オセロ」 交響曲第9番「新世界から」 プラハ、ドヴォルザークホール。 チェコ・フィル100周年記念の演奏会。CDでもCANYONから出ていたほか、映像でも放送または 出ていた。クーベリック、ノイマンも参加する予定だったがノイマン逝去、クーベリック体調 不良で実現せず、現任と前任の音楽監督で振り分けたもの。前半ニ曲をビエロフラーヴェクが、 後半二曲をアルブレヒトが振っている。チェコ・フィルは正直なところ、ノイマン以来黄金 時代から遠ざかっており、首席よりもこの時期たまさかにFMで流れていたヴァーレクやコウト 客演の演奏会の方が印象が格段によい。「新世界から」など第四楽章のクライマックスで妙に せせこましくなるなど、アルブレヒトの悪い面が出ておりもう一つで、前プロの折り目正しい ビエロフラーヴェクのオケとの呼吸がより合っていて、結果的にぺチュコヴァーの歌った「聖書 の歌」の美しさが最も際立つ。 新任のマカールには期待しているが去年の「第九」を聴いた限りではまだまだか。
1987年1月5日、サヴァリッシュ&アムステルダム・コンセルトへボウ管 マルティヌー/交響曲第6番「交響的幻想曲」 シューベルト/交響曲第8番「グレート」 アムステルダム、コンセルトへボウ。 NHK-FM「コンセルトへボウ・スペシャル」から。不定期に80年代末に二度ほど放送された特番 で、この他まだ無名だったチョン・ミュンフン(プロコフィエフ6番他)、ハイティンク(戦争 レクイエム)、ヤン・クレンツ(火の鳥、トリプル・コンチェルト他)が登場した。この後の コンセルトへボウはべスクラで通常通り紹介されていく。 サヴァリッシュの大ハ長調は、彼自身かなり得意にしておりいくつもライヴがあり、97年のN響 とのシューベルト・イヤーでの名演がまず忘れ難く(84年の+4番のライヴはあるが、前半に ハンプソンとの歌曲をやったこのライヴは録音しなかったが素晴らしかった)、近年ウィーン・ フィルに久々客演した放送もあった。また、97、8年頃にウィーン響とブレゲンツで共演した 放送もFMで流れていた。 サヴァリッシュのコンセルトへボウ客演はFMでもこれ一回こっきりではなかったかと思うが、 威厳に満ち、ライヴの熱も十分に感じられ一世一代の大演奏で、彼の大ハ長調としてはこれが 最も素晴らしい。今聴くと巨匠的な大きさも既にある。近い時期に同じACOでバーンスタインの 87年10月の公演が放送されたが、ことこの曲に関してはサヴァリッシュの演奏の方がメリハリが あり、くどくなく聴かせるので分がある。併録のマルティヌーも彼には非常に珍しい。
610 :
名無しの笛の踊り :05/01/07 00:15:29 ID:wsJwjC5z
ちとお聞きしたいのですが、このスレにカキコするライヴ録音はどういった基準で カキコしてらっしゃるのでしょうか。 その録音を取り出して聴いたあと、感想をカキコしてらっしゃるのでしょうか。
>610 一応手持ちの音源から捜し出して一通り聴いてから書き込みしています。 また、放送時の(録音していれば)解説や雑誌や書籍も参考にしています。 これまで如何に日々の忙しさにかまけ、ちゃんと聴いてこなかったのかと いうことを自省して、この場をお借りして書き込んでいる次第です。
1990年1月6日、ラトル&ベルリン・フィル バルトーク/弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 ラフマニノフ/交響曲第2番 ベルリン、フィルハーモニー。 ラトルの、確か二度目のベルリン・フィル客演。9日にもバルトーク「かかし王子」全曲、 ブラームス4番のプログラムを振っており、いずれもFMで紹介された。バルトークは結構 得意にしていて、「オケ・コン」も84年頃にバーミンガム市響と取り上げていたのが放送 された(エディンバラ音楽祭)。また、ラフマニノフは少し意外なレパートリーであり、 直近に(89年9月)ザンデルリンクがベルリン・フィルと超絶的な演奏をしており、その 影響も響きなどに如実に感じられる(今季も12月にベートーヴェン4番をM・アルブレヒト とラトルが時期を置かずに演奏したようだが…)。ただ風通しの爽やかさとフレージング の歯切れよさは素晴らしく、このオケとラトルの相性は既に抜群のものがある。
613 :
名無しの笛の踊り :05/01/07 01:41:29 ID:wsJwjC5z
1982年1月7日、ヴァント&バイエルン放送響 ブルックナー/交響曲第5番 ミュンヘン、ヘラクレスザール。 ヴァントのブルックナー5番は、おそらく全11曲の交響曲中最多の放送回数で、他に80〜90 年代にかけてN響、ベルリン放送響、BBC響、ベルリン・フィルとのライヴが放送された。 また、バイエルンとは80年のベートーヴェン4番、「展覧会の絵」の客演もあり、FMでは それだけだ。 ヴァントは90年代過ぎ辺りから突如巨匠として祭り上げられ、これはカラヤンやレニー亡き 後の巨匠不在のために押し上げられた感もあったが、既にエアチェック・マニアにとっては 80年代から巨大な存在であったと思う。ヴァントの場合は本邦においては、やはりN響への 客演による海外テープの紹介という形でFMに乗り出した(事実70年代の客演前などほとんど 放送がない)あたり、ベルティーニやインバル、亡命後のコンドラシンにも通ずるFMライヴ による人気と国内オケへの登場という相関関係が感じられる。 このバイエルンとのライヴは、ヴァントの70歳の誕生日の演奏で、既に後年の熟し切った 音楽と何ら変わらずに芸風は完成を見ており、地に足のついた巨大な演奏になっていて凄い。
サン=サーンス/ピアノ協奏曲第5番ヘ長調op103「エジプト風」 田中希代子(Pf)ピエール・デルヴォー(指揮)NHK交響楽団 (1965年1月7日 収録場所不明)(STEREO) ラヴェル/ピアノ協奏曲ト長調 安川加寿子(Pf)ジャン・フルネ(指揮)NHK交響楽団 (1963年1月9日 旧NHKホール)(MONO) パリ音楽院に学び、ラザール・レヴィを師と仰いだ2人の日本人女流ピアニストが 「お国もの」の協奏曲を演奏した記録です。お二人は師弟の関係でもあり、奇しくも 同じ96年に相次いで亡くなられた。まず弟子の田中希代子の演奏は10年程前のNHKFM 「20世紀の名演奏」から。ワルベルクとの「皇帝」、ディクソンとのサン=サーンス 「第4番」も同時に放送されていた。師匠の安川加寿子は亡くなった後の追悼番組 だと思う。井上道義とのショパン「第1番」、上野の小ホールでの81年リサイタルから 「クープランの墓」なども放送されていた。安川さんのおっとりしたラヴェルも良い 感じだが、押っ取り刀で駆けつけたような田中さんの「エジプト風」が素晴らしく熱い。 何かに追い立てられるように烈しく突き進むピアノ。その切羽詰まった迫力は、何度 聞いても衝動を覚える。芸風は違えど、同門の希有な才能が花開いた佳き時代…。
おお、渋い!またしてもピンポイントですね。 ディクソンとのサン=サーンス4番は他にライヴがなくて 録りたかったもんですよ。 ダンボール箱さんは独奏・室内楽系は録音されてました? 私はオケ厨だったので七割はオケものですが。
>616 どうもです。テープ棚見渡してみたら、九割方がオケものでした…。 器楽、室内楽系は好きな曲が組まれていた場合、それこそ超ピンポイントで 録音していた程度でしょうか。NHKFMの土曜リサイタルはマメに録音して いたんですけど、あれはライヴとは言えませんからねえ。
なるほど。私も似たようなもんですよ。 DVDも出てますが、ミケランジェリのライヴを今BSでやってまして この辺りの昔のも録っとけばなあ〜と、少し後悔しています。 今はオケ→オペラ→器楽独奏→オケという感じの無限ループです。
1993年1月8日、アルノンクール&ベルリン・フィル(独唱A・シュミット) シューベルト/魔法の竪琴〜序曲 シューベルト(ブラームス編)/冥府への旅、メムノン、ひめごと、御者クロノスに ハイドン/交響曲第102番 メンデルスゾーン/交響曲第3番「スコットランド」 ベルリン、フィルハーモニー。 アルノンクールのベルリン・フィル客演初期の頃の演奏。初客演は91年だった。かなり盛り だくさんのプログラムで、指揮者の意気込みが感じられる。この時期はアルノンクールの やっている音楽が、ようやく世間にも浸透し出してきており、前プロのシューベルトにも それは明らかだ。「魔法の竪琴」の序曲など強烈なアルノンクール節が炸裂していて、引き 締まった造形で聴かせる。また、ブラームス編の歌曲集でもシュミットの勇壮な声と張り 合うかの如き力強い伴奏で、特に「御者クロノスに」は出色の出来。ハイドンの102番も まさに疾風怒濤というに相応しいが、ハイドン独特の愉悦にも欠けていない。ただ最後の メンデルスゾーンは、詰め込み過ぎたかやや甘く、オケのパワーが勝り後年のブラームス1番 (96年頃演奏)のようなやや煮え切らぬ演奏になっている。
1979年1月9日、ハイティンク&ベルリン・フィル ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」 ドヴォルザーク/交響曲第7番 ベルリン、フィルハーモニー。 ハイティンクは古くからベルリン・フィルとは縁が深く、71年に客演した演奏も放送されている (カサドシュとのモーツァルト、マーラー5番)。ここでも演奏効果の高い二曲を振っているが、 ハイティンクのベートーヴェン交響曲のライヴは実は非常に珍しい。裏青は知らねど放送では この「田園」と、7番が74年来日公演(ACO)と最近のシュターツカペレ・ドレスデンのものしか ない。3番も97年にウィーン・フィルと来日した時取り上げたが、放送はブルックナー7番だった 他、来日ではACOと62、77年に8番を、68年に3番(補佐役ヨッフムが5番)を演ったが放送はない。 これはベト全を録音しているエアチェック全盛期の指揮者としては、すこぶる珍しいことだ。 しかし演奏はハイティンクらしく気負いなく無難な印象で、曲調に合っていると思う。 また、ドヴォルザーク7番は後年のベルリン芸術週間でも同オケと演奏しており、こちらの方が 若いためか猛々しく勇み立っていて、しかもオケのコントロールが絶妙に上手い。見得を切る ところは控え目ながらもしっかりと強調している(←ハイティンクの大事なポイントだろう)。 第二楽章の優しさは類がなく繊細で、先月のタコ10を聴いてからもう一度聴き直したが、ハイ ティンクとしてはなかなかの名演だ。熱い。
1980年1月10日、ドゥナルク&バイエルン放送響 ショスタコーヴィチ/交響曲第10番 ミュンヘン、ヘラクレスザール。 謎の指揮者、オーガン・ドゥナルク(?-?)のミュンヘン客演。FMでは他に80年前後の フランス放送新管へのものがあり、ブルックナー9番や「ドン・ジョヴァンニ」序曲を 振っており、バイエルンとのものではブルックナー1番の放送もあった。しかし、それ 以後プッツリと消息を絶ったまま現在に至っている。 この日のライヴでは、確かシューマンの協奏曲を前プロに置いていたと思う。メインの ショスタコーヴィチは、前進せぬ牛歩の歩みにもかかわらず、呼吸が深く音楽自体は 死ぬことなく聴かせる。ただ、そのせいか表現の彫りが浅くなっているのが惜しい。
>>621 バイエルン放送響の演奏記録によると,メンデルスゾーンの
ルイ・ブラス序曲とシューマンのヴァイオリン協奏曲(シェリング)が
前プロだったようです。綴りは Ogan D-Narc となってましたが,
ぐぐってもほとんど出てきませんね。
情報ありがとうございます。「ドゥナルク」は番組表表記のままです。 オーガン・ドゥリアンなんて指揮者もいて、同一人物かな、とも思いました。 「ルイ・ブラス」はFMでやったかな?シューマンはシェリングでしたか。
>621-623
うっひょ〜っ。謎の指揮者、大好きっす。
Ogan D'Narcでぐぐったら↓とか出てきました。
ttp://www.wdr.de/epg/download/dl/13wdr3.txt Alexander Skrjabin
Le poeme de l´extase, op. 54; Symphonieorchester des Bayerischen
Rundfunks, Leitung: Ogan D´Narc
これはライヴ?
それにしても生年没年出生情報が見つけられないっす。
何人なんでしょう?この方は。
↑見ました。西部ドイツ放送の番組表ですかね? ドゥナルクはしかし、本当に謎ですなあ・・・。
627 :
キュエノー :05/01/13 17:54:11 ID:Ai6AzQfn
「いま聴いている音楽を書き込んでみるスレ」から 誘導されてきました。キュエノーくんです。w スゴイですね。ライブ聴きまくり・・・! では私のお気に入りライブ録音から。 ザルツブルク音楽祭より フィッシャー=ディースカウ&ハルトムート・ヘル ヴォルフのメーリケ歌曲の夕べ (前半) 1.希望の復活 2.朝早く 3.散歩 4.新しい恋 5.心よ、考えよ 6.火の騎士 7.眠りに寄せて 8.真夜中 9.狩人の歌 10.こうのとりの使い (後半) 11.春に 12.旅路 13.愛する人に 14.ペレグリーナ1 15.ペレグリーナ2 16.めぐりあい 17.かりゅうど 18.ある婚礼にのぞんで 19.いましめに 20.別れ (アンコール) 古い絵に 告白 ワイラの歌 少年鼓手 私にはもうこれ以上歌えない (1986年8月30日 ザルツブルク祝祭小劇場) 高校生の時、FMで初めて聴いたヴォルフでした。 もちろんドイツ語なんて全然分からないんだけど、 どの曲も個性タップリで、ディースカウの上手さも手伝って、 あっという間に時間が過ぎました。 プログラムの組み方もすごくイイですよね。大好きです。 CDでヴォルフ全集買って、この曲順どおりのMD作っちゃいました。
マンフレッドは長らく名盤だったがなぁ・・・亡くなってたか。 合掌。。
遂にアーロノヴィチキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!! 私も再来週だけはこの人のために空けています。始めた頃から。
631 :
628 :05/01/14 08:20:36 ID:uSZvjqJi
そのマンフレッド(LSO)とストックホルムpoとのショスタコ5番とラフマニノフコンチェルト全集 だけが、私が知るアーロノヴィチのディスクです。もちろんHMVでさがしてみましたが、 前2者は見当たらないし、ラフマニノフはパガニーニ狂詩曲(録れてますよね)が欠けているので、 買いませんでした。いま、もっとも気になっている指揮者です。 以前、CSでスイス・イタリア放送管?との「十字軍ジーグル」の映像が流れていて、ビデオ に録ったような気がして探しているが、それも見つかっていない…。ハチャトゥリアン似の風貌 で長い指揮棒を悠然と振っていたような印象がかすかに残っているのだが。ふう。
連休なのでためてた分サクサク行きます。 1983年1月11日、ペンデレツキ&ベルリン・フィル ペンデレツキ/チェロ協奏曲第2番(世界初演、独奏ロストロポーヴィチ) ショスタコーヴィチ/交響曲第14番「死者の歌」(独唱ヴィシュネフスカヤ、D・ぺトコフ) ベルリン、フィルハーモニー。 1993年1月11日、ペンデレツキ&ローザンヌ室内管 シベリウス/組曲「恋人」 ペンデレツキ/フルート協奏曲(独奏ランパル) バルトーク/ルーマニア民俗舞曲 ドヴォルザーク/セレナード ホ長調 ローザンヌ、ボーリュー劇場。 ペンデレツキの偶然にもきっかり10年を隔てた演奏会。いずれもFMで放送された。ペンデレツキは 結構FMでも紹介されており、自作自演も数多くある。90年代後半から現在まで、足繁く日本のオケ に客演した演奏がNHKやCSで聴けるので、10年スパンで彼の指揮の変遷を辿ることができる。 ベルリン・フィルを振ったものでは、他に76年に「マニフィカト」を取り上げている。チェロ協奏曲 の方はBPOの創立百周年のためにロストロポーヴィチを念頭に置いて作られたもので、ローザンヌ での名手ランパルとのフルート協奏曲と共に既に穏健な音楽になっている。また、ショスタコでは 6番を振ったライヴ盤が出ていた。 この二つの演奏会では、弦を主体とした作品が多いのが目を引き、BPOとの演奏会は特に張りつめた 緊張と静寂が感じられ、「死者の歌」など独唱も含め重い名演になっている。また、ローザンヌの 方はやや渋い名曲コンサート的な内容だが、弦楽主体なだけにそくそくと訴えかけてくる、味の ある演奏会だ。シベリウスの曲はまったりした癒し系の名曲だと思うが他にライヴがなく、残念。
>626 個人的にはユヴァル・ヤロンとのシベリウスかな…。 >627 歌ものは好きですが、ドイツ・リートは私の一番弱いところでして。 ちゃんと聴かないとなあ。
1978年1月12日、W・スタインバーグ&バイエルン放送響 ブルックナー/交響曲第5番 ミュンヘン、ヘラクレスザール。 大スタインバーグ逝去四ヶ月前の演奏会。スタインバーグの西欧客演はこれしか知らないのだが、 オーマンディの84年モントルー音楽祭出演(ロッテルダム・フィル)と並び、米国で名を成した 巨匠の西欧での活躍を偲ぶものとして感慨深い。ところが演奏は、これがもうすぐ亡くなる 指揮者か、というくらいの激情的な演奏で、熱い。ブルックナー5番という曲でこの「熱い」と いう形容は褒め言葉になりにくく、曲の荘厳さに対する皮肉のような印象もかえってあるが、 これは素直に素晴らしい。バイエルンをまるでアメオケのように豪快に鳴らし、フレージングや リズム処理が極めてスマートで、それでいて音楽の実にも欠けていない。痛快無比な演奏だ。 更に凄いのは、各楽章でティンパニの改変と付加が積極的に行なわれていることで、特に第一楽章 全体と終楽章のコーダでの爆発はむしろ暴発と言ってよい。また終楽章ではティンパニだけでなく、 スコア自体の改変もあるようだ。今手元にないので確認はできないが、これは昔聴いたクナと ミュンヘン・フィルのスタジオ盤に近いような改変ぶりで、おそらくシャルク改訂版による演奏だ と思う。この当時は放送ライヴなどでもほぼ原典版を用いているのでかなり珍しい。 多分この時期既にバイエルンに客演していたヴァントなどは怒り出すのではないか。
1984年1月13日、インバル&フランクフルト放送響 ストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲(独奏マルコヴィチ) マーラー/交響曲第5番 フランクフルト、アルテオパー。 インバルのマーラーは、前述した通りFMでマーラーの全交響曲が紹介されている珍しい指揮者 だ(ただ10番だけはなかった)。5番には他にこの後のフランクフルトとの来日公演で二度(87、 99年)でも取り上げており、いずれも放送された。87年の公演では終楽章結尾辺りでティンパニ が一拍早く出ていて、あまりにもうねりの効いた熱血演奏ぶりのせいもあって、これがマラ5の デフォルトになっていた思い出深い演奏だ。終演後の聴衆は気も狂わんばかりで、その喧しさも さもありなん、だった。 こちらは84年の本拠地でのライヴだが、来日に負けず劣らずの壮絶な熱さが感じられる。興が 乗った時のインバルの唸りが、どちらかと言えば地味な第三楽章で聴かれるのが面白い。演奏も 第二楽章などの、明暗のコントラストの強い楽章はインバルの指向が見事にはまり、刹那の歓喜 の光が差す辺りの劇性の強さは心を打つ。また、アダージェットも実に濃厚な表現にして弦の 重なりの綾は繊細で美しく聴き取れ、この人の「トリスタン」とかないのかと思わされる。終楽章 も異常に明るく、浮ついた気分に溢れ、凄まじいばかりの盛り上がりを聴かせる。 前プロのストラヴィンスキーは、後年N響客演時にも確かギトリスと演奏していたが、艶めかしい ソロと明快な伴奏が素晴らしい。 最近はインバルもN響にはご無沙汰で、ベルリン響の音源もFMに乗らない(最後は01年のブラームス 1番だったか)ので、いよいよネットラジオを聴き始めてみようかと思っている。
>>635 一昨日、スウェーデン放送でインバル/ケルン放送響のマーラー第10番(クック版)
のライヴ録音が流れてましたよ(ネットで調べたら、2003年5月3日の録音のよう
ですが)。意外に遅めのテンポで、第3楽章冒頭ではインバルの唸りというか煽り声も
聞かれ、かなり濃い演奏でした。ただ、例の爆裂を期待していた人間としては、少し物
足りなかったかな。まあ曲が曲だし、オケが手兵でないことも影響しているのかと。
あららら、スヴェトラーノフの「惑星」は聴いたんですけどね…。
1986年1月14日、ナバロ&シュトゥットガルト放送響(独奏ラローチャ) モーツァルト/ピアノ協奏曲第22番 ファリャ/スペインの庭の夜、三角帽子〜第二部 シュトゥットガルト、リーダーハレ内ベートーヴェンザール。 ロペス=コボス、ロス=マルバと並ぶスペイン中堅指揮者三羽烏の一人だったガルシア・ ナバロ(1941-2001)の名演奏(フリューベック・デ・ブルゴスは既に御大なので除外)。 「三角帽子」は全曲の映像(多分ライヴ)が、同じシュトゥットガルトとの98年の演奏で 出ていた。また、他の二人に比べればFMでの露出度もかなり高く、オーストリア放送響 などとの海外ライヴや、来日してのバルセロナ市立管や東京フィルとの共演も忘れ難い。 今聴くとその指揮も、抜きん出てメリハリがあり、圭角のハッキリした音楽で快活さも 十分、惜しい人を亡くしたものだと思う。 特にこの日のライヴは、闊達にして天衣無縫とも言うべきラローチャとのモーツァルトが 大変な出来で、ナバロの歯切れよい伴奏も後の古楽器オケを先取りしているかのような 素晴らしさで聴かせる。更に見事なのはファリャの二曲で、情緒的な濃さもあるが、RFBの 演奏を聴き慣れていた耳にはとにかく若々しさが横溢し、木管の表情やティンパニの一打 に至るまでしっかりと味があり、最後の「全員の踊り」など熱狂のるつぼで、ライヴ感に 溢れた楽しさだ。シュトゥットガルトの聴衆は結構盛り上がるが、ここでも例外ではない。
1981年1月15日、セガル&シュトゥットガルト放送響(独奏ヤロン) バルトーク/二つの肖像 ドヴォルザーク/ヴァイオリン協奏曲 チャイコフスキー/マンフレッド交響曲 1982年1月15日、ギュラー&シュトゥットガルト放送響 マーラー/交響曲第7番「夜の歌」 シュトゥットガルト、リーダーハレ内ベートーヴェンザール。 二人の若い指揮者が第二のクライバー(?)としてシュトゥットガルトに客演した演奏会。 ウリ(エル)・セガルは44年生まれのイスラエルの指揮者で、91年に大阪センチュリー響の 指揮者を務めていて、70年代後半〜80年代当時はこのオケとの共演が多くFMで紹介された。 また、ベルンハルト・ギュラー(1950-)は後年札響や神奈川フィルを指揮しており、元は このオケのチェロ奏者で、ドイツ国内のオケ奏者による指揮者コンクールで一位を取り、 チェリの代役でデビューしている。当時はチェリが常任を離れ、早急な後継者の必要に駆ら れたためにこうした若手が起用されていたと思われる。結局最も感銘深かったのは、後日 述べることになるベルティーニなのだが。 いずれも所持するテープの音が悪く、演奏云々はあまり言えないものの、ギュラーはやや 音楽の流れがよくなく、時折りの思い切りのよさが若手らしい。セガルはなかなか音響の バランスもよく、「マンフレッド」も劇的に聴かせる。ヴァイオリンのヤロンは、75年の シベリウスコンクール一位(他にカガンやムローヴァ、カヴァコス、最近はS・ハチャトゥリ ヤンなどが受賞)だけに線は細いものの芯の感じられる率直さがよい。
ガーシュウィン/「パリのアメリカ人」(24分29秒) ガーシュウィン/交響的絵画「ポーギーとベス」(23分20秒) エフゲニ・スヴェトラーノフ(指揮)ソヴィエト国立響 (1980年1月16日 モスクワ音楽院大ホール) 「爆演」という言葉の生みの親とも言えるスヴェトラーノフの、世にも奇妙、奇天烈な ガーシュウィン。この演奏は、あの有名な「ローマ三部作」の約一ヶ月前に行なわれた。 演奏時間から想像できるように、じっくりねっとり演歌調で歌いまくる「パリの アメリカ人」が聞き物だ。管のソロが出てくる度に、戸惑いながら「えいやの やけっぱち」で吹いてる様が想像出来て、楽しいったらない。「ポーギーとベス」も テンポルバートを多用した入念な表情付けで泣きまくる。いやはや、スゴイの一言。 元々はメロディアのLPだが、こんなに面白い盤が、待てど暮らせどCD化されない…。
1980年1月16日、コンドラシン&NHK響 リャードフ/魔の湖 ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番(独奏中村紘子) ブラームス/交響曲第4番 東京、NHKホール。 コンドラシンは80年1月のN響定期を全て振っていて、三プロのメインに選ばれた曲は今度出る ALTUSのCDで全て聴けるようになる。後はこのラフマニノフと、オルティーズとプロコ5番の 前に共演したバルトーク3番(ボルトからの抜粋も)が残るのみだ。ブラームスは1、2番が コンセルトへボウとのPHILLIPS盤で聴け、最もコンドラシンに合っていると思う3番以外は揃う。 ブラームス4番は、基本的にはいつものコンドラシン節で、急いたような独特のフレージング や立体的な音響で聴かせるが、オケの温度がやや冷たく、全開という訳ではない。出るのなら この後岩城宏之とも熱演を聴かせていた「冬の日の幻想」を買うか(ブラスがやや放漫だが)。
642 :
名無しの笛の踊り :05/01/18 01:13:58 ID:sgamJC7B
>>594 もう一つは確か悲愴だったかと思ひまつ。
1986年1月17日、ツァグロセク&オーストリア放送響(独奏バドゥラ=スコダ) フルトヴェングラー/ピアノと管弦楽のための交響的協奏曲ロ短調 ベートーヴェン/交響曲第8番 ウィーン、ムジークフェライン大ホール。 非常に珍しいフルトヴェングラーの曲のFMライヴ。他にマゼールと確かベルリン・フィルでも 交響曲を演奏していた。曲調は「砂の器」のような超ロマンティックなもので、それが延々と 一時間強続くので、さすがにいつも繰り返し聴くには厳しいところもある。 オーストリア放送響はオーストリア第三のオケとはいえ、近現代ものを最もよく取り上げており 70年代〜80年代初頭の首席指揮者、ホルヴァートやセーゲルスタムもそうであったが、例えば セーゲルスタムのマーラー5番や、インバルの7番、ホルヴァートではベリオの「シンフォニア」、 ショスタコーヴィチ10番などはやはり素晴らしかった。 ベートーヴェン8番はティンパニのバランスが突出して座りがあまりよくないが、それだけに 硬派な印象。
この日のライヴ録音さんっ、こんにちは〜ッ!^^ あちこちで叩かれてるので、ひっそりとカキコさせていただきます。 先日は助言ありがとうございましたm(__)m マゼール・ベルリンのフルトヴェングラー交3はCD-R盤で持っております^^ ただでも雑音が酷くてまともに聴けない録音なんですよね。。。 もしかしてあれは海賊盤なのかな?なんて思っております。
ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲 ハイドン/交響曲第99番変ホ長調 R・シュトラウス/楽劇「サロメ」より七枚のヴェールの踊り ブラームス/交響曲第2番ニ長調 ヨーゼフ・カイルベルト(指揮)NHK交響楽団 (1966年1月19日 東京文化会館) 前年年末の第九演奏会で初来日を果たしたカイルベルトは、間をおかず再び来日(※)。 1月の定期演奏会で重厚なドイツ物を多数聞かせた。私は1月19日の演奏会の曲目のうち、 ブラームス2番のみを所持している。このブラ2は名演だと思うのだがなぜかCD化されて いない。エアチェック当時(放送は1980年11月23日)、滋味あふれる演奏と放送の最後に 語られた死の逸話が強く心に残り、一時期このひとのテレフンケン廉価盤をかき集めたり した。噛んで含めるような燻し銀の味わいで全体が統一され、第2楽章の心に染み入る 旋律の歌い回しと終楽章の自然な盛り上がりが絶品だ。カイルベルトのブラ2はBPOとの スタジオ録音、バイエルン放送響とのライヴ録音(1966年12月8日)ともに素晴らしく、 十八番の曲と思える。私のテープはもう擦り切れ気味なので、この演奏もALTUSの 良質なリマスターで早くCD化して欲しいなあと願う今日この頃である。 ※第九が12/25〜12/27で、年明け最初の公演が1/12なので、この間約2週間日本で ブラブラしていたとは考えられないのでこう書いたが、実際どうだったかは不明です。 いつも通り「海外オーケストラ来日公演記録抄」を参考にしています。
>644 裏青は音悪いんだ…。って名無しに戻っとるやん! ここを亡命先にとも思ってましたが、どうやら「いま聴き」の方は 理解してくださる方がいて、よかったですね。
だってここまで荒らされちゃったら悪いと思って・・・ でも口調でわかっちゃいますね^^;
1981年1月18日、コンドラシン&南西ドイツ放送響 ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第2番(独奏パウク) マーラー/交響曲第6番「悲劇的」 コブレンツ、ラインモーゼルザール。 もうすぐシベリアン・タイガー(裏青レーベル?)から出るとアナウンスされている演奏。 FMではネコケンのホストで、追悼特集中日として放送された。今の所コンドラシンのマーラー では1、6、7、9番が聴ける。特に9番はALTUSの67年東京ライヴの他に71年のプラハの春での 演奏(モスクワ・フィル)と72年のコンセルトへボウ客演と三種類の音源がある。 スタジオ盤は贔屓の演奏家でもほとんど聴かないので、MERODIYAの全集所収の録音と比較は していないが、曲間や拍手を入れても68分ほどの演奏で、これはかなり速い。体感的にも 凄まじいばかりの猪突猛進ぶりで、第一楽章の頭からすっ飛ばすように進軍して行く。それ でもその快速テンポを基調として、細かい緩急や金管を始めとする激烈な表現が効いており、 全曲通してものの見事な荒れ狂った演奏になっている。惜しむらくは客演による技術上の 齟齬が多少聴かれる(特に第一楽章はややヨレる)ことだが、ブールに鍛えられたオケの 無表情ぶりが、コンドラシンによって徐々にロシアン・ヴィヴラートよろしく熱を帯び、 咆哮し始める辺りたるや、まさにライヴならではのスリリングさだろう。第一楽章結尾や アンダンテの頂点における、金管のむせび泣きはそうした異常な興奮が強く感じられる。 終楽章はもはや全てが劇的だが、特に一打目から二打目のハンマーの間の狂騒の凄まじさは 類がなく、例の「巨人」以上に、この演奏がコンドラシンにとって致命的な一撃になった のではないかと思わせる。 マーラー6番はバーンスタインやテンシュテット、ベルティーニなど、少し狂わねば名演奏は 生まれないとも思うが、最近では流れがもう一つとはいえ、BSで放送されたエッシェンバッハ とパリ管の演奏がそうした傾向の大演奏だった。
>648 なるほど、致命的な一撃ですか。そうですね。こんな演奏してたら、寿命縮みますよ。 私は「悲劇的」というより「破滅的」とも言えるこのライヴが、マラ6のマイベスト。 当然ながら、BMGのマーラー選集も最優先で入手済み。6番はレニングラードpoと78年 に録音しており、南西ドイツ放送響と3年しか隔てていないこともあり解釈は全く同じ と言って差し支えないでしょう。オケがオケだけに、78年盤は青白い炎を見るような 冷たく熱い燃えっぷりが聴き所です。参考までに演奏時間を付記しておきます。 1978年 16:28/11:47/12:40/24:50=65:45 1981年 16:19/11:43/12:28/24:10=64:40 あと71年と72年の2つの9番も非常に気になります。9番のスタジオ盤もひそかにマイ ベストだったり、するんですよねえ。ALTUSライヴは音質の点でやや分が悪いだけに、 初耳の2つのライヴがどういったものか、興味津々です。
>649 なるほど。補足レスありがとうございます。 「破滅的」とはまさにその通りの演奏ですよね。 9番の67年以外の音源ですが、コンセルトへボウのは73年11月2日の本拠地 での演奏で、多分海外FMではないかと思います。ただDATノイズが酷くて 聴くに耐えぬ音です。71年の「プラハの春」での演奏はNHK-FMですが、これは 状態よいです。埋もれているので今すぐには確認できませんが、演奏も三種の 中ではベストかと思います。「プラハの春」では75年にも「レニングラード」 とヴィルサラーゼとのモーツァルト25番を演奏しています(NHK-FM)。
>645 カイルベルトが日本の正月を満喫!?と思うと面白いですね。 ちょっと暇があれば調べてみますかね。 今はこの書き込みに触発されてORFEO盤のブラームス2番を久々聴いてますが、 仰る通り、自然な呼吸で実にイイですね〜。
1967年1月19日、セル&クリーヴランド管 シューマン/交響曲第3番「ライン」 クリーヴランド、セヴェランスホール。 セルの偏愛したシューマンの交響曲のライヴ。FM横浜音源だが、「ライン」に関しては 同年2月8日のボストン楽旅での演奏も放送されていた。他のナンバーは放送されることは なかったものの、4番は最初で最後の来日時に一日だけ東京文化で取り上げ(放送はなし)、 ERMITAGEから出ていた2番のルガーノ・ライヴは演奏の壮絶さでは髄一だろう。 この日のライヴは、結局「ライン」が放送されただけで全貌は不明。いかにもセルとCLOの 黄金期らしい見事なシューマンだ。あれだけキチキチに締め上げておいて、音楽が死なずに 雄弁に語りかけるのが凄い。
1983年1月20日、スラトキン&セントルイス響 ブラームス/悲劇的序曲 ベルリオーズ/夏の夜(独唱カールソン) プロコフィエフ/交響曲第5番 セントルイス、パウエルシンフォニーホール。 スラトキンの前半生は、セントルイスと共に歩んだようなものだった。68年、24歳のスラトキンは このオケの副指揮者として棒振りとしてキャリアを開始し、首席客演を経て79年に遂に音楽監督に 至る。故三浦淳史先生がレコ芸の連載で、スラトキンとこのオケが全米でビッグ・ファイヴをも 凌ぐ勢いと報じたのは80年代の末だったか。 今この両者の当時のライヴを聴くと、やはり彼らにとってビューティフルな80年代だったと思う。 演奏は取り立てて奇をてらったものではないが、いずれもほどよく呼吸し、実に満足の行く好演 揃いだ。ブラームスの音の厚さ、ベルリオーズのしっとり感、プロコフィエフの機能的なオケの 上手さなど素晴らしい。 また、この時期はエアチェック・マニアにとっても、NHK-FMにおいて、やおら放送のなかった米仏の ライヴが突如オンエアされ出した、ビューティフルな時代だった。スラトキンとセントルイスの放送 は、この一回だけで、後にFM横浜で「レニングラード」なども紹介されていた。スラトキン自身も 西欧の各オーケストラへの客演やN響への登場で、露出度の最も高かった時期だろう。 スラトキン、BBCを辞任してもまだ還暦。まだまだ老け込む年ではない。頑張ってもらいたい。
1967年1月21日、プッチーニ/トスカ ゴルドーニ(トスカ)コレッリ(カヴァラドッシ)ドラーツィ(スカルピア) マイオニカ(アンジェロッティ)アルティオリ(スポレッタ)カルボナーリ(堂守) モレッリ&パルマ王立歌劇場管 パルマ、王立歌劇場。 BEL CANTO SOCIETYのCD。MYTOからも後追いで出ているようだ。キャスト的にコレッリの他はどちら かと言うと二線級で、まさにコレッリの独壇場公演とも言えるが、脇のカルボナーリやマイオニカ は、この時期のイタリアオペラのライヴでは欠かせぬ人物たちだ。指揮のジュゼッペ・モレッリ (1907-?)は61年のNHKイタ・オペで「カヴァレリア」と「道化師」を振っており、この公演には ドラーツィも参加していた。他にモレッリの指揮では、HREから82年のビルバオでの「アイーダ」 などが出ていた。 演奏はもうコレッリ一色で、聴衆の拍手や歓声からして他の歌手陣とは扱いが違うのが面白いが、 まさにそれに値する凄い声と芸だ。今でも彼の「トスカ」の音源が再発・発掘されるのも頷ける。 「星は光りぬ」など大喝采でbis!の声は鳴り止まず、終演後も「カタリー」などをピアノ伴奏で 披露している凄い公演だ。録音もかすれたりヨレたりする所もあるにせよ、ライヴの精気に溢れる 後世に残すべき偉大な名盤だと思う。
1981年1月22日、アーロノヴィチ&バイエルン放送響 グリンカ/ルスランとリュドミラ〜序曲 チャイコフスキー/交響曲第5番 ミュンヘン、ヘラクレスザール。 いよいよこの伝説的な名演に触れるときが来た。アーロノヴィチのライヴはFMでもほとんど放送 されず、録音も少なかったためわが国での認知度は極端に低いままだった。この演奏会は70年代 中頃の、ケルン・ギュルツェニヒ管の指揮者就任直後の「幻想交響曲」以来二度目のFM登場で、 初めてアーロノヴィチの一晩通しての演奏会が紹介されたもの。残念ながら前プロ二曲目は(確か プロコフィエフのVn協奏曲)聴いていないが、メインのチャイコフスキー5番は縦横無尽にオケを コントロールした大演奏で、今は亡き「最高のチャイ5を問う!」スレでも話題に上っていた。 解説のネコケンによると、チャイコフスキーが細密に指定したテンポの緩急や音の強弱を克明に 追いかけて平坦な部分はなく、更に自分の解釈も加味しているという。 ネコケンお得意の聴き比べも、なんとメンゲルベルクの演奏で比較していたほどだ。 つまりこの演奏は前時代の巨匠的な表現を、現代に移して繰り広げた多分にロマンティックな演奏 で、目くるめくテンポと強弱の変動のために息が詰まるような緊張感が凄まじく、触れれば崩れる ようなチャイコフスキーならではの繊細さに溢れており、こんな凄いチャイコは初めて聴いた気が したし、未だに聴いていない。 バイエルンからそれほどの音楽を引き出した実力者が何故未知の人であり続けているのかと、聴いた 時には相当不思議に思ったものだし、いまもそう思っている。 私事で恐縮だが、実はこの演奏はエアチェックの師匠に出会ってから初めて聴かせてもらったもの で感慨深く、それからアーロノヴィチを追いかけていたのだが、収穫は最後のFM放送になったと 思われる、ベレゾフスキー(+SDR)とのプロコフィエフ1番、パデレフスキーのポーランド幻想曲 と、件の「レニングラード」くらいしかない(CDではBISのストックホルム・フィルライヴ集成の ドヴォルザーク6番他、OPERA D'OROの「カテリーナ・イズマイロヴァ」くらい)のは実に無念だ。 今聴き直してみても、私にとってチャイ5の特別な演奏であることは言うまでもない。
バッハ/クレンツ編/フーガの技法BWV1080から2つのフーガ ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲ニ長調op61 メンデルスゾーン/交響曲第3番イ短調op56「スコットランド」 カヤ・ダンチョフスカ(Vn) ヤン・クレンツ(指揮)シンフォニア・ヴァルソヴィア (1994年1月23日 放送会館コンサートスタジオ) クレンツ(1926-)には協奏曲伴奏指揮者という地味なイメージがつきまとい、長らく注目 するにいたらなかった。実はここで紹介する放送もエアチェック時にマジメに聴いておらず、 今回がほぼ初聴きの始末。ところが、これが実に個性的な名演揃いで、おおいに唸った。 ベートーヴェンは冒頭からはっとするような細やかな表情付けが耳を捉え、この協奏曲の 伴奏部は指揮者の腕の見せ所的な面があると思うのだが、存分な味付けぶりだ。もちろん ソロとの一体感も全編を通じてさすがの腕前。メンデルスゾーンはことさらに素晴らしく、 早めのテンポで一気呵成に描きながら、多彩な表現を随所に散りばめた大演奏だ。第2楽章 などあまりの容赦しない早さにオケが崩壊しているが、それさえも技術を超えた必然の 音楽表現と思えてしまうほど。>619のアーノンクール&BPOで私も感じた煮え切らなさは 微塵もなく、鋭いアクセルの踏み込みから生まれる音楽の奔流に、ただただ圧倒された。
この調子で長文レスを続けると、700過ぎでスレが埋まる予感・・・w
>657 そうですね〜w あと一月持つかな…。
1991年1月23日、アダム・フィッシャー&NHK響 ハイドン/交響曲第97番 コダーイ/ハンガリー民謡「孔雀」による変奏曲 ハンガリー詩篇(独唱近藤伸政) 東京、NHKホール。 アダム・フィッシャーの来日公演から。彼は80年代から何度か日本を訪れているが、まだ この当時はビッグ・ネームでもなく、地味な存在だった。ただ弟のイヴァンよりは知名度 もあり、N響客演も兄の方が早かった。90年代前半〜半ば頃にはイヴァンの認知度が上がり ブダペスト祝祭管のメジャー化などもあって、兄貴の方は影が薄くなっていったようにも 思える(弟がN響デビューした際のブラームス1番は凄まじく引き締まった名演奏だった)。 アダムの上記プロでは、1月の三回の定期に全て彼が登場しており、他ニプロは「新世界 から」や「ドン・ファン」など名曲コンサート的な傾向がどうかな、と思わせたものの、 この月最後の定期になったこの日は大得意のハイドン(ハイドン・フィルとの香川での 公演が十年ほど前放送された)、お国ものコダーイと並べて気を吐いている。 それにしても彼がヴァーグナーをバイロイトで振るとは、全く予想外で面白い。
1973年1月24日、ホルヴァート&オーストリア放送響 ショスタコーヴィチ/交響曲第10番 ウィーン、コンツェルトハウス大ホール。 一時期マーラーでプチブレイクしたミラン・ホルヴァート(1919-)のライヴ。70年代から FMには意外とよく乗っていて、手兵のORFとの現音演奏会や、ザルツでのドレスデンとの 共演なども紹介され、最近まで多少放送されていた。大曲となると80年代後半にFM東京で マーラー8番があるくらいだが(旧東のベルリン放送響)。 この日は前半にリストの「死の舞踏」があったが、テープ行方不明で確認できず。演奏は 実に息が長く、壮大なもの。
1995年1月25日、ガーディナー&ウィーン・フィル シューベルト/交響曲第5番 モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番(独奏A・シフ) ハイドン/交響曲第90番 ザルツブルク、祝祭大劇場。 95年のモーツァルト週間から。この時期はやはり毎年恒例のこの音楽祭の音源が多い。 確かガーディナーはこのライヴがウィーン・フィル初登場ではなかったかと思う。97年夏の ザルツブルクでも両者は共演しており、シューベルトの大ハ長調で古楽器出身に縛られぬ 名演を聴かせていた(+オベロン序曲、水上の精霊の歌、オベロン以外はDGから出ている)。 ハイドン90番では終楽章のフライング拍手が面白く、ライヴではFM東京でのヘンゲルブロック とザールブリュッケン放送響の演奏会でも同様のことが起きている。これはこと90番に限って のことなので面白い。意図的なフラブラなどと違い、ライヴならではの微笑ましさだ(特に ザールの方は笑いも誘い、雰囲気がいい)。 シフとのモーツァルトが世俗的な劇性から離れた、古格な風情漂う素晴らしさで、交響曲二曲 も見事にウィーン・フィルを生かしきっている。
1993年1月26日、ブリュッヘン&ウィーン・フィル(独奏ブレンデル) ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番 ハイドン/交響曲第99番 モーツァルト/ピアノ協奏曲第24番 ザルツブルク、祝祭大劇場。 ブリュッヘンのウィーン・フィル初登場になった、モーツァルト週間での演奏会。当時のレコ芸 「海外楽信」などによると、ブレンデルとの意思不統一や、オケとの不適合が聴かれ、批評は もう一つだったようだ。実際これ以後両者の共演はないようだ。 演奏はブレンデルメインのプログラムなだけに、協奏曲では幾分ブリュッヘンもややおとなしく 聴こえ、ハイドンでも愉悦の爆発には至らず、もどかしさが確かにある。いつもの18世紀オケでの ブリュッヘンとはいささか違うような他流試合ぶりだ。
1975年1月27日、ベーム&ウィーン・フィル モーツァルト/レクイエム(独唱ドナート、I・マイアー、オフマン、ゾーティン) ザルツブルク、会場不明。 FMでは唯一のベームのモツレクのライヴ。これもモーツァルト週間での演奏だが、終演後の 拍手がないため、祝祭大劇場での演奏会ではなく、教会でのライヴの可能性もある。 この頃までのベームは、やはり溌剌として劇的であり、素晴らしく起伏のあるモツレクだ。 独唱ではドナートとゾーティンが出色。
664 :
名無しの笛の踊り :05/01/29 03:02:59 ID:FVOR/y0R
↑ これは、祝祭大劇場での演奏です。ブート盤で以下があります。 CDR:ALL Karl Boehm Fun Club:WALL.7018 CDR:Link:Link 603-1 ちなみに、この日は前半でハフナー交響曲を演奏してますが、こちらはブートでも出てないようです。 どなたかご存知でしたら教えてください。
665 :
名無しの笛の踊り :05/01/29 17:36:35 ID:2eoGctPW
>>655 「この日のライブ」さんのエアチェック師匠の方はいつ頃からエアチェック音源
を持っておられる(た)のでしょうか?昔のお宝がザクザクなのでは?
>664 ご教示ありがとうございます。 「ハフナー」は放送は多分されたと思うんですが、 この時期辺りのFM誌が今手元になく、確認できません。 >665 60年代中頃から、だと思いますが、あまりにもソースが膨大なため 逆に意中のものがすぐ出せないほどの方でしたね。 そのアーロノヴィチも、たまたま聴いてみる?って出されたものでしたし。
1985年1月28日、ドラティ&ベルリン放送(現ベルリン・ドイツ)響
ベートーヴェン/荘厳ミサ(独唱ヴァラディ、フィニレ、ラウベンタール、ゾーティン)
ベルリン、フィルハーモニー。
ドラティは意外に歌ものも得意にしており、「荘厳ミサ」では最晩年のヨーロッパ響との
ドレスデンでのライヴが映像で昔出ていた。これはその三年前にベルリンに客演したもので、
以前紹介した「ドイツ・レクイエム」より前にあたるが、既に音楽は晩年の様式になっている。
すっきりとしながら見通しよく、柔和な表情で実に美しい。ドキュメントとしては後年の
映像を取るべきかも知れないが、こちらの方が寄せ集めのオケでない分水準は高い。
最近BBCからゼーダーシュトレームの伴奏を担当したライヴ盤が出たが、シンフォニー系もこの
調子でお願いしたいものだ。
ググったら↓の過去ログが出て来たが、真ん中辺りにあるベルリンでベト7と「青髭公」を
聴いた人が羨ましい限りだ。
http://piza2.2ch.net/classical/kako/993/993678760.html
668 :
名無しの笛の踊り :05/01/30 00:54:05 ID:DORKRVvG
>>666 60年代中頃だと65年のクーベリック、66年のカラヤンや67年?頃の
コンドラシンあたりの来日公演もお持ちだったんですか?
>668 コンドラシンはまあ、ALTUSから出ましたしね。 66年のカラヤンは大体揃っています。 ただこの辺は年代相応の音ですから、 あまり継承していないところなんですよ。
670 :
名無しの笛の踊り :05/01/30 02:27:55 ID:DORKRVvG
>>669 お持ちの66年のカラヤンのもので演奏時間のデータを楽章ごとに
教えてもらえないでしょうか?
ヴェーベルン 9'50" ドン・ファン ほぼ18'00" ブラ1 12'31" 8'54" 4'44" 16'34" ベト5 6'43" 9'11" 4'33" 8'19" レオノーレ3 13'45" ベト8 8'52"(冒頭欠) 3'56" 5'58" 6'54" ベト9 14'47" 10'03" 16'35" 25'08" ベト1 7'20" 6'00" 3'50" 5'45" ブラ2 15'54" 11'09" 5'22" 9'26" ブル8 16'19" 15'08" 26'32" 25'05" 以上すぐ出てきたものだけ。実測で楽章間は計測せず。 但し終楽章は十数秒の拍手込みと思って下さい。
672 :
名無しの笛の踊り :05/01/30 03:38:06 ID:DORKRVvG
>>671 ありがとうございます。
ベト5の第一楽章なんて激速ですね。
66年は上野でベートーヴェン・ツィクルスやったんだっけ? 今ならベートーヴェン・ツィクルス5回分だけで来日公演やるけど このときは他にも2,3個プログラム用意してんだよな…
>>671 、672
ホントだぁ!
速い(@O@)
聴きたい^^
>>673 1966
4/12東京文化会館:コリオラン/ベト6/ベト5
4/13東京文化会館:ベト4/ベト7
4/14東京文化会館:ベト1/ベト3
4/15東京文化会館:ベト2/ベト8/レオノーレ3
4/16東京文化会館:ベト9
4/17宮城県民会館:ドボ8/牧神/海
4/18(休み)
4/19札幌市民会館:未完成/ブラ2
4/20愛知県文化会:新世界/牧神/海
4/21金沢市観光会:未完成/ベト3
4/22大阪フェステ:ウェーベルン/ドンファン/ブラ1
続き 4/23(休み) 4/24岡山市民会館:ドボ8/牧神/海 4/25高松市民会館:未完成/新世界 4/26松山市民会館:ブランデン6/ハイバリ/ベト7 4/27(休み) 4/28福岡市民会館:未完成/新世界 4/29広島市公会堂:ブランデン6/ハイバリ/ベト5 4/30大阪フェステ:ディベルティ15/英雄の生涯 5/ 1(休み) 5/ 2東京文化会館:ブル8 5/ 3東京文化会館:ディベルティ15/英雄の生涯
677 :
名無しの笛の踊り :05/01/30 16:26:56 ID:s1Ap+463
これ見ると今のベルリンフィルに来日公演ではもっと働け!と言いたい。
地方だけでやって東京じゃやらないプログラムも用意する、ってのも 今では珍しいね。
H・G・クルーゾが監督した1966年制作映像のBPOとのベト5を計ったら @6:51A9:10B4:37C8:13だった。 まさにスポーツカー。66年来日公演ともっとも近いのはコレかな? それにしても髪の毛を逆立てたカラヤンはカッコ良すぎ。
>>679 私も66年映像のべト5、すごくイイと思います!
でも録音がモノラルなんですよね・・・
ステレオ全盛期でなぜ?!と憤ります^^;
681 :
名無しの笛の踊り :05/01/31 01:23:40 ID:tLY7eO4j
>>671 ふと思うんですけど、録音したデッキと再生したデッキのテープスピードの違い、
あるいは何度かダビングを重ねた後でピッチが高くなってしまったっていうことは
ないでしょうか?
>681 その辺はやはりあると思います。 この66年の録音もややピッチが高いものがある感じです。
683 :
名無しの笛の踊り :05/01/31 01:53:26 ID:tLY7eO4j
>>679 あれは明らかにピッチが高いでつ。本来の演奏を味わうには、音声部分はCDRに
コピーして、ピッチコントローラー付CDプレーヤーで少しピッチを下げて聴いた
方がいいでつ。
ブラームス/悲劇的序曲op81 レーガー/ヒラーの主題による変奏曲とフーガop100 カール・シューリヒト(指揮)ロンドン響 (1964年1月31日 ロンドン、ホーンゼイタウンホール) 今から15年程前にFM東京早朝の夏休み特番「幻のライヴ」で放送されたもの。 シューリヒトは往年の名指揮者の中でもライヴの発掘が盛んな方だが、英国の 楽団を振ったものは記憶にない。大変貴重な音源だが、スタジオテイクかと 思わせるほどに完成度が高く、充実期にあったLSOが底力をみせつけている。 演奏は若々しく情熱的で、ロマンに溢れた悲劇的序曲、これに続くレーガー の興に乗った饒舌ぶりは、もはやノリノリと言って良い面白さだ。 拍手がカットされているので放送録音の可能性もあるが、この演奏の熱さは 正真正銘のライヴのものだろう。音質も聞きやすいステレオ録音で万全。
685 :
名無しの笛の踊り :05/02/01 01:12:17 ID:p8M94G+h
>>680 確かに60年代半ば頃までには、レコード会社だけでなく世界中の放送局が
ステレオ録音を始めていたが、テレビの音声のステレオ放送が始まったのは、
早かった日本でも70年代末。その直前にやっと放送用のVTRは2CHの音声
を記録できるようになったが、それまでは映像作品の音声はモノで制作する
のが普通だった。音声だけを別のテープにステレオ録音してあれば、今なら
映像と合成することは不可能ではないが。
NHKが前に放送してた「20世紀の名演奏」ではその技術を使って カラヤンのべト5とかミュンシュの「エロイカ」なんかをステレオ音声に してたよね。あれ、何とかDVD化してくれないかな。
687 :
名無しの笛の踊り :05/02/01 01:46:52 ID:Nxi0a7zw
でも演奏後50年経てば関係なくならないかい?素人考えだが。 1957年の来日公演なんて2008年になれば、NHKさえ本気になれば DVD出せないかねぇ。
1969年1月29日、ヴァーグナー/ローエングリン ノルドモ・レーフベリ(エルザ)ゲッダ(ローエングリン)ルンドグレン(ハインリヒ王) ユピテル(テルラムント)エリクソン(オルトルート)ヴィクセル(伝令) ヴァルヴィーゾ&ストックホルム王立歌劇場管 ストックホルム、王立歌劇場。 PONTOから出ているCD。ジャケットにはゲッダ唯一の演唱とあり、この不世出の大テノールの 神々しい白鳥の騎士が十全に味わえる。キャストもなかなか豪華で、ゲッダとテルラムント 以外はバイロイトにも登場した知名の士で、改めて北欧という土地のどこに大歌手を育む 素地があるのか、と唸らされる。ヴァルヴィーゾはこの「ローエングリン」をバイロイトでも 担当している(71、72年)。 余談だがこのPONTOというレーベルも油断ならない。最近入手したバレンボイムとベルリン・ ドイツ・オペラの「アイーダ」は、どうも拍手を挿入した擬似ライヴのような作りで、久々に 一杯食わされた。萎えて第一幕のみの確認しかしていないが、聴衆入りのライヴらしい風情が 感じられず、明らかに拍手も別音源の後付けなのだ。ご丁寧に「清きアイーダ」の後にも拍手が 挿入されており、ライヴ放送の少ないDOBだし、怪しいと思ったらやはりそうであった。 この演奏はしっかりしたライヴで、ややオケの音が痩せているとはいえ、ヴァルヴィーゾの指揮 も美しく立派、歌手も若いルンドグレンが既にけれんもあり見事。エリクソン、N・レーフベリ、 ヴィクセルも素晴らしい。
689 :
名無しの笛の踊り :05/02/01 02:08:40 ID:sZou/46r
いや、演奏家の死後50年でないかい?
690 :
パウル・ファン・検便 :05/02/01 11:54:33 ID:Al6ZTLrD
やぁ、しばらく見ないと思ったら こんなところで検便してたんだ
アラシは(・∀・)カエレ!!
692 :
パウル・ファン・検便 :05/02/01 15:17:57 ID:Al6ZTLrD
↑お前には用はねぇんだ
693 :
ベイヌム・ファン・親指大 :05/02/01 20:38:57 ID:GEvHsT/G
検便さん、しばらく見ないと思ったらこんなところに居たんですか。 このスレ変なスレですね。 この日の何とかいうコテハンのど暇な爺さんが一人で延々とオナニーし続ける・・・・・
↑なにこれ?荒らしはスルーで。
695 :
パウル・ファン・検便 :05/02/01 21:15:04 ID:MlSnxrbD
>親指大様、お久しぶりです(w >このスレ変なスレですね >この日の何とかいうコテハンのど暇な爺さんが一人で延々と この日のライブ録音という爺さんも変ですが、その他の連中はもっと変です。 何しろ、この日のライブ録音の放出するザーメンを一方的に浴びて 喜んでるんですから、、 何をかいわんや
696 :
ベイヌム・ファン・親指大 :05/02/01 22:05:50 ID:OG39+K87
>694 スルーっていう意味を知らずに使ってる古典的馬鹿がここにも一人 多いですね、こういうやつ
697 :
名無しの笛の踊り :05/02/01 22:45:46 ID:lPtGVUrS
カラベル、女性的とか言われてたけど こんなスレ来て この日のライブ録音のティンコしゃぶってたんだ。
1992年1月30日、ヴェーグ&ウィーン・フィル モーツァルト/交響曲第39番 ピアノ協奏曲第17番(独奏コチシュ) 交響曲第40番 ザルツブルク、祝祭大劇場。 シャーンドル・ヴェーグ(1912-1997)のウィーン・フィル客演。ザルツブルク音楽祭の モーツァルト・マチネーにはよく出演し、放送もされていたが、ウィーン・フィルを振って のモーツァルト週間出演は珍しい。 指揮者としてのヴェーグはザルツブルク・カメラータ・アカデミカを率いて、80年代後半 辺りから急速に評価が高まっていったように思える。特にハイドンやこのモーツァルトは 得意としており、表現が自然で、押し付けがましさが微塵もなく素晴らしい。特に40番は 放送された中でも傑出した名演奏で、同郷コチシュとの協奏曲もしっかり寄り添って見事。
700 :
今日の検便(パウル・ファン・検便改メ) :05/02/02 20:46:47 ID:H+aI1IJj
このスレの前の方も読んでたんですが、やっぱり「この日のライブ録音」氏が 一番変ですね。 普通こういう「評論家ごっこ」って自分でHP立ててやるもんだけど、 この人インターネット掲示板を自分のオナニー告知板と勘違いしてる。 HPの作り方知らないのかね?
↑なんなんだ?このアホは。あとでまとめて削除依頼出しとくか。
702 :
今日も親指大 :05/02/02 21:02:37 ID:IEx8nNF+
>700 確かに指揮真似ごっこと同じで評論家ごっこもやみつきになるのかも知れませんね 「この日のライブ録音」氏、頭の中では山崎コータローにでもなったつもりなんでせう
704 :
今日も親指大 :05/02/02 23:03:44 ID:fEPm392U
検便さん、 なんか我々消されちゃうんですけ?
>>703 >ちゃんとしたカキコもある
って、この日のライヴ録音とかもとてもまともに見えないけどね。
極端な自己陶酔型・山崎浩太郎をはるかにしのぐナルシストであることは
間違いない。
まあ、とてもまともには見えないよ
他人のカキコをどう思うかは勝手だけど、 それが気に食わないのなら、このスレを見なければいいだけのこと。 この日の〜さんは、主にこのスレに書き込んでいる訳だし、 それにトリップも使っているんだから、 トリップをNGワードに設定すれば、もう見ないですむよ。 だから、もうやめような。 スルーできなかった・・・orz
1993年1月31日、クライツベルク&ザールブリュッケン放送響(独奏フレイレ) グリーグ/ピアノ協奏曲 グルック/オルフェオとエウリディーチェ〜メロディ ブラームス(シェーンベルク編)/ピアノ四重奏曲第1番 ザールブリュッケン、コングレスハレ大ホール。 ヤコフ・クライツベルクの若き日の演奏会から。FM東京の放送で、日本ではほとんど最初期の 頃の紹介だったと思う。この時期辺りの「シンフォニーホール・フロム・ヨーロッパ」は相当 充実したプログラムで、ドイツの放送オケを中心に力の入った内容だった。 その白眉がザールブリュッケン放送響の紹介で、NHK-FMで80年代中頃にほんの数回流された だけのこのオケをよく取り上げていた。指揮者陣も若杉、ヘンゲルブロック、カンブルラン、 クレンツ、ベルグルンド、マンデアルなど実力派揃いで、意外なオケの技量にも驚嘆した。 特にこのクライツベルクとの演奏会は素晴らしく、響きは明快でシャープだが、土台の低弦が しっかりしているので軽い感じはなく、けれんのある見得も劇場叩き上げの人らしく、ライヴの 雰囲気をよく出しており注目した。フレイレとの協奏曲も丁々発止でよい。 最近では北ドイツ放送響との「コリオラン」がザンデルリンク、C・クライバー以来の緊張感で 凄かった。
709 :
名無しの笛の踊り :05/02/03 07:26:31 ID:EnAXkwU7
>707 オマエ、何言ってんの? ここは誰でも自分の見たいスレ見て、書きたいこと書いて良いのよん この日〜さん、今日もごくろーさん これだけずっと頑張れば、お望み通りレコ芸編集部から声がかかるですよ もーすぐだから日々はげんでね!
ドヴォルザーク/セレナード・ニ短調op44 モーツァルト/セレナード第10番変ロ長調K361「グラン・パルティータ」 シャーンドル・ヴェーグ(指揮)ウィーン管楽ゾリステン (1996年2月3日 ザルツブルク、モーツァルテウム大ホール) マターリした曲を熱く再現している、ヴェーグ先生面目躍如といった名演。 特にドヴォルザークの管楽セレナードの海外ライヴは珍しく、演奏もつんの めったような前掛かりなテンポが爽快だ。この元気の良さはとても死の一年前 の演奏とは思えない。
なんか最近煽り厨房がこのスレ潰そうと必死こいてて見苦しい。 この日〜さんはまだまだ色んなネタ持ってるみたいだし、 猿のオ○ニーと同じで人が何言っても死ぬまで止めないよ。 無駄な努力だから他の肥だめスレにでも飛んできな
この日のライヴ録音さん、いつも書き込み楽しみに読んでいます。 最近一部闖入者のせいでちょっと雰囲気悪いですが、あんなの気にしないでください。 アーロノヴィッツとか普通の批評家がまず取り上げない演奏家の情報なんて特に楽しみです。 いろんな演奏家を取り上げているのに、切り口が金太郎飴みたいにみんな同じなところは、 素朴な手作りの味わいの評論で好感が持てます。 これからもどうぞ頑張って続けてください。
チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調op93「悲愴」 (18:45/8:10/9:45/11:00) ジョゼフ・ローゼンストック(指揮)NHK響 (1977年2月4日 東京、NHKホール) この「悲愴」はローゼンストックが1985年10月17日に90歳で亡くなった3日後、 NHKFMでの素早い追悼放送をエアチェックしたもの。N響の「悲愴」といえば、 マルケヴィチとのガチガチに緊張した演奏が印象深いが、こちらは厳しさが 大幅に後退し、やや間延び気味に聞こえる。ゆったりした大時代的な間の 取り方が独特で、万感の想いをおおらかに歌い切った終楽章が特に素晴らしい。
>>712 >切り口が金太郎飴みたいにみんな同じ
ってことは無いと思うよ。
この日〜さんなりにいろんな演奏家の特徴を表そうとしてると思うけど。
ただ、語彙や表現力が豊かとは言えないから同じように見えるのかな?
ただのクラヲタですから、私は。批評などおこがましい。 何百日も書き連ねるのは難しいですね…。
バルトーク/ピアノ協奏曲第3番 ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調op92 内田光子(Pf)ジェフリー・テイト(指揮)ベルリン・フィル (1987年2月4日 ベルリン、フィルハーモニー) 内田のモーツァルト、ベートーヴェン以外のコンチェルトは一部例外を除いては、 ライヴ放送に頼るしかない。私の手持ちはこれとラヴェルのト長調(C・デイヴィス &BRSO 89年11月23日)のみだが、他にはどんな曲があるのか興味深い。バルトーク の3番はこのスレでも複数回登場するなど意外な人気曲で、内田の演奏は流れの 良さよりも内実を求めるような腰のすわったユニークな仕上がりである。中でも 中間楽章の静かな孤独感は秀逸で、思わずしんみりしてしまう。
717 :
評論家を街に例えると :05/02/05 10:26:42 ID:T+FCOcca
吉田秀和 中央区銀座 宇野後方 中野(北口) 山崎浩太郎 新宿(2丁目) この日のライヴ録音さん 戸越銀座 って感じかな、、
1993年2月1日、マリス・ヤンソンス&オスロ・フィル(独唱アーネセン) ウェーバー/オベロン〜序曲 グリーグ/「ペール・ギュント」による歌曲集〜@ソルヴェイグの歌Aソルヴェイグの子守歌 歌曲集Op39〜モンテ・ピンチュより、歌曲集Op25〜白鳥、歌曲集Op33〜春 マーラー/交響曲第1番「巨人」 グリーグ/「ペール・ギュント」第1組曲〜山上の王の宮殿で 東京、サントリーホール。 マリス・ヤンソンスとオスロ・フィルの88年に続く二度目の来日公演。放送はこれが初めて だった。今でこそマリスは満を持してマーラーをかなり取り上げていて、放送やCDも多いが、 この時期辺りは珍しかった。コンセルトへボウに着任した際も、前任シャイーのブル・マラ 路線からオーソドックスな独墺レパートリーに戻したと言われているのであるから尚更だ。 ただマリス自身によると、79年のオスロの指揮者就任当時からマーラーは全曲ツィクルスを 始め、結構取り上げていたらしいが。演奏はすっきり、シャッキリとした粘らないもので、 オケをよく鳴らして爽やかな印象。盛り上がりにも欠けず、熱い。 グリーグは放送にもよく乗り、FMでもベルリン・フィル客演時の大爆演(第1組曲)が忘れ 難く、ここでも流れがよく素晴らしい。アーネセンとの歌曲集は、曲自体がライヴでは ほとんどないので珍重している。 戸越銀座…w
1986年2月2日、ビシュコフ&北ドイツ放送響 ベートーヴェン/プロメテウスの創造物〜序曲 モーツァルト/ピアノ協奏曲第9番「ジュノーム」(独奏ゲルバー) ショスタコーヴィチ/交響曲第5番 ハンブルク、ムジークハレ。 ビシュコフが頭角を現した頃の演奏。85年にムーティの代役としてベルリン・フィルに登場し 脚光を浴び、翌86年のベルリン・フィル出演はFMでも紹介された。それが上記と直近の5月7日で 同じショスタコーヴィチ5番がメインに据えられており、レコード・デビューも同曲であった。 ベルリン・フィルの演奏とも通ずる、若い才能が出た際の直截な気負いが感じられてよい。 ビシュコフのショスタコーヴィチは、他にパリ管との4番(93年FM)、ケルンWDR響と7番(03年 BS、FM)、北ドイツ放送響と11番(96年裏青)のライヴがある。
1983年2月3日、ベルティーニ&シュトゥットガルト放送響 ハイドン/交響曲第95番 ドビュッシー/選ばれた乙女(独唱オージェ、シュレッケンバッハ) ラヴェル/ダフニスとクロエ シュトゥットガルト、リーダーハレ内ベートーヴェンザール。 チェリが離任してからのシュトゥットガルトは、指揮者選択に難渋していたように見える。 1月の項で述べたセガルやギュラーも、そうした中で健闘していて、他にマリナーやアツモン、 ヴァルター・ヴェラーなどが指揮台に上っている。ベルティーニもかなり登場して気を吐くが、 実際最も力のある演奏を引き出していたのは彼だろう。まさか後任にマリナーが選ばれるとは、 と当時は驚いたものだ。その反動か、この後はチェリの弟子のジェルメッティが選ばれ、客演 を続けていたベルティーニとは90年代半ばにやっと結ばれることになる。 「選ばれた乙女」は81年の演奏がORFEOから出ている(ライヴではない)。また、「ダフニス」 は87年頃にN響に客演した際のライヴがあった。ハイドンはケルンとの来日公演で53番「帝国」 をやっているくらいだが、モーツァルトと同じく、意外にベルティーニにはその高雅さがよく 合う。 ここではなんと言っても「ダフニス」の静けさが凄い。全強奏とのダイナミクスの差が強く、 更には神が細部に宿っているかのような、怜悧な響きの浮世離れした演奏だ。各楽器のソロや 合唱の生々しさも抜群だ。近い時期のブラームス3番と並ぶ名演奏。
1994年2月4日、ラザレフ&NHK響 リャードフ/ヨハネの黙示録から ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番(独奏ジルベルシュタイン) シベリウス/交響曲第2番 東京、NHKホール。 ラザレフのN響客演。他の二公演はラフマニノフ2番、スクリャービン3番がメインに据えられた。 この年は6月にもボリショイ響と最後の来日を果たしている。ジルベルシュタインはこの時東京 フィルにも出演し、ベートーヴェンの3番協奏曲をグァダーニョ指揮で弾いている。 シベリウスが懐の深い名演奏で、金管の鳴りのよさがN響とは思えない。この後一度も共演して いないが、再登板して欲しい(読響には来ている)。 最近ではフランクフルト歌劇場管を指揮した演奏会が、確かベルリン・ブランデンブルク放送で 流れていた(チャイコフスキーの組曲第3番他)。
ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調op67 (8:35/11:25/6:10/9:40) オイゲン・ヨッフム(指揮)バイエルン放送響 (1982年2月5日 ミュンヘン、ヘラクレスザール) ダビングのダビングのそのまたダビングくらいなので、テープも伸び気味、 ピッチもよれよれ、粗悪な海賊盤のような音。音の悪さに萎える気持ちを、 BRSO金管群が勝負どころの大咆哮で奮い立たせてくれる。第一楽章結尾の 豪快な念押しぶりなど、生で聞いたら椅子からずり落ちただろう。伝え聞 くところによると同じ日の「ドン・ファン」も凄い演奏らしいが、未確認。
ベートーヴェン/ピアノソナタ第21番ハ長調「ワルトシュタイン」 ベートーヴェン/ピアノソナタ第23番ヘ短調「熱情」 ドビュッシー/水に映る影〜「映像」第1集から リスト/エステ荘の噴水〜「巡礼の年」第3年より リスト/バラード第2番ロ短調 ショパン/スケルツォ第1番ロ短調 クラウディオ・アラウ(Pf) (1983年2月6日 ニューヨーク、エイヴリーフィッシャーホール) BS本放送が始まった90年頃は、NHK衛星第二放送のクラシック音楽番組は本当に 充実していた。ザルツブルク音楽祭のオペラシリーズや一連のバーンスタインもの、 日本のオケによるチャイコ全集といったシリーズものを惜しげもなく放映していた。 この「80歳記念リサイタル」は91年7月22日〜26日の特集「クラウディオ・アラウの 芸術」の初日に放映されたもの。オケ厨の自分的には、翌々日放映のサンチアゴ市立 劇場でのブラームスPコン第1番(J・P・イスキエルド&サンチアゴ響)の感動的な演奏 &映像が当シリーズの白眉だが、このリサイタルも訥々とした語り口が魅力的だ。
1982年2月5日、ヨッフム&バイエルン放送響
R・シュトラウス/ドン・ファン
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲(独奏アッカルド)
ベートーヴェン/交響曲第5番
ミュンヘン、ヘラクレスザール。
ヨッフムのベートーヴェンはライヴが少ない。交響曲では5番がずば抜けて多く、フランス国立管
(海外FM、67年頃)、コンセルトへボウ(NHK-FM、68年来日)とベルリン・フィル(NHK-FM、86年)
とあり、他はFM放送されALTUSから出ているバンベルクとの6、7番、TAHRAの録音年不詳の3番(ACO)
しかない。
晩年のヨッフムはFMに乗ることはそう少なくなく、来日公演はほぼ毎回放送されているが、それでも
海外ライヴも含めどうしてもブルックナーが多くなるので、相対的に他の作曲家となると数が限られ
てくる。上記プロの前プロ二曲もこれが唯一のライヴだ。
しかし演奏はまさに堂々然、最早今では聴けなくなった正統派職人の芸が加齢によりいや増しており、
超重量級の大演奏になっている。↑でも触れられている第一楽章結尾や終楽章の念押しの凄まじさは
比類ない。「ドン・ファン」もやはり凄い。
ついでにバイエルン放送のヨッフムの記事を付けておきます(おそらくこの日の演奏のプローべ)。
http://www.br-online.de/kultur-szene/klassik/pages/jochum/index.html
何とかも積もれば、、、、 か
褒め言葉ですので誤解無きよう。
727 :
名無しの笛の踊り :05/02/07 09:33:10 ID:Jk5SNfrb
それにひきかえ
>>703 や
>>701 の自治厨は
正義感振る、大言壮語するだけで
生産的なことは何もなしえない
何とも情けないやつ(ら?)です・・・・
728 :
727 :05/02/08 09:39:08 ID:b+BYX9yV
しかも、私がわざとミエミエの自作自演ごっこやってるのを(他スレのはなしだけど 「お前、ジサクジエンだろ、見破ったぞ!」てなことわざわざ書いてんの。 ほんと、馬鹿丸出し、、
BSに加入したのが、1994なので >723のような話を聞くと羨ましくて・・・ 新聞欄を羨望の眼差しで見てましたよ。
>>718-724 私の高校時代の友人で皆から「モーゼ」と呼ばれているのがおりました。
彼はオナニーが大好きで、ある時一日10回の記録を立てたのでした。
この日〜さんももう少しでモーセになれたのに・・・・・
なんか粘着が居着いちゃったみたいだねえ。気にせずスルーで。
>>731 お前も馬鹿丸出し
夜中の3時にわざわざ書くようなことか?
733 :
名無しの笛の踊り :05/02/09 18:08:52 ID:sBg7ZL8s
>気にせずスルーで。 だいいち おまえら(この日〜さん以外)が時折書き込む 間の抜けた合いの手や 意味のないお追従に比べれば オレのカキコの方がよっぽど面白いだろうが?
734 :
名無しの笛の踊り :05/02/09 18:14:15 ID:xymFYqhV
ちーともおもろないわ
735 :
名無しの笛の踊り :05/02/13 10:14:26 ID:y8YsVjgJ
この日のライヴ録音さん 早くがんがって モーセになつてください。 そして我々を約束の地へと導いてください。
736 :
この日の放送 :05/02/14 10:47:07 ID:tiXb/sP9
1979年2月14日 NHKFM オトマール・スイトナー指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団 厚生年金会館 1978年11月9日 1.ドヴォルザーク:交響曲第8番 2.ブラームス:交響曲第1番 3.モーツァルト:フィガロの結婚序曲 解説:菅野浩和+田中千香士
>>736 オオ!懐かしい!
これホールで聴きました。もう26年にもなるのか・・・
バルトーク/2台のピアノと打楽器のためのソナタ(25分17秒) 木村かをり、ガブリエル・タッキーノ(Pf) ペーター・ウィルバイツキ、岩城宏之(Perc) プロコフィエフ/古典交響曲(14分23秒) エルガー/エニグマ変奏曲(31分34秒) 岩城宏之(指揮)フランクフルト放送響 (1984年2月17日 フランクフルト、アルテオーパー) この放送はNHKFMの特別番組/海外コンサートスペシャル/日本人指揮者シリーズの 第4回目のもの。肝心のバルトークを録音しておらず、今さらながら後悔しきりだが、 他の2曲も丁寧なアプローチで情感豊かな好演だ。特にエニグマの終曲ではオルガン の音がよく拾われていて、なかなか効果的だ。放送では岩城本人が登場し、解説の 船山隆にこの演奏会の思い出などを語っている。このときに話していた「オペラの 台本」の構想はその後どうなったのだろう…。大晦日のベートーヴェン交響曲全曲 演奏会といい、この日の演目といい、変わったことが好きなおじさんだ。
739 :
がんがれ! :05/02/20 11:26:40 ID:r16+k0QN
やもめ男だ 一日五回 月月火水木金金
アイヴズ/交響曲第3番「キャンプの集い」 プーランク/2台のピアノのための協奏曲ニ短調 メンデルスゾーン/交響曲第3番イ短調op56「スコットランド」 カティア&マリエル・ラベック(Pf) セミヨン・ビシュコフ(指揮)バイエルン放送響 (1989年2月24日 ミュンヘン、ガスタイクホール) ビシュコフ&バイエルン放送響のコンビは80年代終わり頃からかなりFM放送で紹介され ていた。手持ちでは上記演奏会の他、ベト2、ツァラ、マラ2などがすぐに思い出される。 また、ラベック姉妹との共演ではモーツァルト/3台のピアノの為の協奏曲で、3台目の ピアノをビシュコフ自身が弾いているものも(オケはBPO)オンエアされていたはずだ。 脱線ついでに3台のPコンでは、安川加寿子、深沢亮子との共演で3台目をやはり指揮者 のローゼンストックが担当したN響のライヴ(1977年2月16日)なんてのも以前流れていた。 この日の演奏は、ラベック姉妹の颯爽とかっ飛ばすプーランクを真ん中に置き、前後を 手堅くも堂々たる交響曲演奏で締める。今でもたまに取り出して聞く、お気に入り。
1985年2月25日、ザンデルリンク&北ドイツ放送響 ムソルグスキー/ホヴァンシチナ〜前奏曲 シューマン/ヴァイオリン協奏曲(独奏ザイトリン) ショスタコーヴィチ/交響曲第15番 ハンブルク、ムジークハレ。 ザンデルリンク得意のショスタコ15番のライヴ。FMでは本邦初の紹介になった。この後 ベルリン・フィルやシカゴ響、クリーヴランド管などとの演奏も放送された。 ザンデルリンクのショスタコ交響曲は他に5番(バイエルン放送響)と8番(ベルリン・ フィル)が放送され、10番にフランス国立管とのCD(NAIVE)がライヴではある。
742 :
名無しの笛の踊り :05/02/26 02:22:56 ID:jbkWLjkb
ついに放送! BS2 2005年 4月2日(土) 00:30〜03:59 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 Bモード・ステレオ 2004年 日本公演 1. ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 作品30 ( ラフマニノフ作曲 ) 2. ソナタ ハ短調 ( スカルラッティ作曲 ) 3. エチュード 作品10 第12 ハ短調 「革命」 ( ショパン作曲 ) 4. 交響曲 第4番 ヘ短調 作品36 ( チャイコフスキー作曲 ) 5. シャンペン・ポルカ 作品211 ( ヨハン・シュトラウス作曲 ) 6. ポルカ「憂いもなく」 作品271 ( ヨーゼフ・シュトラウス作曲 ) ピアノ : イェフィム・ブロンフマン 管弦楽 : ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 指 揮 : ワレリー・ゲルギエフ [ 収録: 2004年11月21日, サントリーホール ] さらに同日BS−Hiで 2005年 4月2日(土) 23:00 〜 翌 02:58 パリ・オペラ座 Bモード・ステレオ バレエ 「ラ・シルフィード」 (原典版) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 Bモード・ステレオ 2000年 日本公演 1. 歌劇「オベロン」 序曲 ( ウェーバー作曲 ) 2. バイオリン協奏曲 第1番 イ短調 作品99 ( ショスタコーヴィチ作曲 ) [アンコール] 無伴奏バイオリン・ソナタ 第1番 から 「プレスト」 ( バッハ作曲 ) 3. 交響曲 第8番 ト長調 作品88 ( ドボルザーク作曲 ) [アンコール] スラブ舞曲 作品72-7 ハ長調 ( ドボルザーク作曲 ) バイオリン : ヒラリー・ハーン (2, 3曲目) 管弦楽 : ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 指 揮 : マリス・ヤンソンス [ 収録: 2000年11月26日, サントリーホール ]
743 :
名無しの笛の踊り :05/02/26 02:29:40 ID:jbkWLjkb
BS2で 2005年 4月16日(土) 00:30〜03:59 ウラディーミル・アシュケナージ Bモード・ステレオ ピアノ・コンサート ザルツブルク・イースター音楽祭 Bモード・ステレオ 歌劇「フィデリオ」 (ベートーベン) フロレスタン (囚人) : ジョン・ヴィラーズ レオノーレ (その妻、男装して フィデリオと名のる ) : アンゲラ・デノケ ドン・フェルナンド (大臣) : トーマス・クヴァストホフ ドン・ピツァロ (典獄) : アラン・ヘルド ロッコ (監獄の番人) : ラースロー・ポルガー マルツェリーネ (その娘) : ユリアーネ・バンゼ ヤキーノ (門番) : ライナー・トロスト 合 唱 : アルノルト・シェーンベルク合唱団 管弦楽 : ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 指 揮 : サイモン・ラトル 演出 : ニコラウス・レーンホフ 字幕 : 天野 晶吉 [ 収録: 2003年4月, ザルツブルク祝祭大劇場 (オーストリア) ]
1980年2月26日、プリッチャード&ミュンヘン・フィル ハイドン/交響曲第80番 プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番(独奏シトコヴェツキ) ブラームス(シェーンベルク編)/ピアノ四重奏曲第1番 ミュンヘン、ヘラクレスザール。 プリッチャードのライヴはNHK-FMでは珍しく、他にクリーンとのモーツァルトなど、プロムスでの ものがいくつかあるだけだと記憶する。ミュンヘン・フィルとの顔合わせも、英国以外での演奏会 自体がこれしか放送に乗っていないので珍重ものだ。 チェリ着任以前のミュンヘン・フィルのライヴでは、ケンペとのプフィッツナーと「新世界から」、 若杉弘とのマーラー3番、72年札幌五輪時のフリッツ・リーガーとの一連の演奏会がある。やはり あまり放送に乗らないオケではある。
745 :
740 :05/02/27 19:19:12 ID:Q999C/52
訂正します。ラベック姉妹とビシュコフのモーツァルトPコン、ライヴで 流れたのは3台ではなく2台の方でした。1989年2月1日、フィルハーモニー。 当日のメインは「悲愴」。Philipsから出ている(いた?)スタジオ録音の CDでは3台も演っていたので、勘違いをしていました。
1994年2月27日、ムーティ&ウィーン・フィル ストラヴィンスキー/ディヴェルティメント ベートーヴェン/交響曲第2番 ドヴォルザーク/交響曲第8番 ウィーン、ムジークフェライン大ホール。 90年代に入り、ムーティとウィーン・フィルは関係を濃くしていった。両者のライヴは この時期辺りから非常に多くなる。オーケストラの150周年を祝す演奏会に(95年)、 またニューイヤーコンサートにと、ムーティは重要な演奏会を任されていた。
747 :
がんがれ! :05/03/03 12:10:54 ID:diGmMZxl
げっつ げっつ かーすい
748 :
がんがれ! :05/03/03 12:12:05 ID:diGmMZxl
もーく きん・きん っと(加藤茶風に腰を前後に動かしながら)
749 :
名無しの笛の踊り :05/03/03 17:55:18 ID:URvMzQsK
750 :
名無しの笛の踊り :05/03/08 12:41:35 ID:Q/2bSVdN
この日のライヴ録音 史上最強のオナニー・マシーン・・・・・・ がんがれ!
ラロ/スペイン交響曲ニ長調op21 ショスタコーヴィチ/交響曲第12番ニ短調op112「1917年」 堀米ゆず子(Vn)井上道義(指揮)東京フィル (1992年3月10日 東京、東急文化村オーチャードホール) 故・山本直純のFMシンフォニーコンサートはチェレスタ?弾き語りの曲目解説がユーモラス でよく聞いていましたが、ときたまびっくりするような名演又は迷演に出くわす侮れない 番組でした。12番についてはムラヴィンのとんでもない演奏があるので、やはり東フィル の金管では…と思ってしまうのはいたしかたない。このテープ、ひさびさに聞いたのですが、 堀米のラロが意外と危なっかしい演奏で、なかなか面白く聞けました。
エルガー/序奏とアレグロop47 サン=サーンス/交響曲第3番ハ短調op78「オルガン付」 シャルル・ミュンシュ(指揮)ボストン響 (1966年3月11日 ボストン、シンフォニーホール) FM横浜。手持ちはこの2曲だけで、当日の他の曲目は不明。このコンビのライヴ 音源では、他にショーソン交響曲やメンデルスゾーン宗教改革などがありました。 意外なレパートリーと思われたエルガー、実はスタジオ録音もある得意曲らしく 熱っぽい演奏。正真正銘十八番のサン=サーンスでは晩年のミュンシュ節全開の 叫びまくる爆発演奏。熱病にうなされるようにテンポが動き、興奮せずにはいら れない。最後はお得意の最終音引き延ばしに我慢が切れた聴衆がフラブラ大拍手 で応えるというおまけ付き。これはもう当地の「お約束」だったのでしょうね。
ブルックナー/交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」 イシュトヴァン・ケルテス(指揮)ロンドン響 (1964年3月13日 ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール) FM東京で放送され、後にBBC RADIO classicsでCD化(現在廃盤中?)されました。 LSOとはスタジオ録音(Decca)もあり、これはテスタメント(SBT1298)からCDに復刻 されている。とにかく思い切り良く鳴る演奏で、私にとってそれまであまり好き でなかったこの曲を、一気に好きにしてくれた思い出深い演奏です。
755 :
名無しの笛の踊り :05/03/15 08:47:05 ID:aEkkm78C
1956年にブリテンとピアーズが来日して、リサイタルなどが放送されたそうなのですが、 この録音が残っているかどうかどなたかご存じないでしょうか?
756 :
名無しの笛の踊り :05/03/15 23:33:48 ID:QwRu7tDK
>>755 1999年8月、2000年1月に放送されたNHK教育TV「20世紀の名演奏」(第5夜)で、
このときのブリテン「ミケランジェロによる7つのソネット」のフィルム映像の断片が
3分程度出ていました。しかし、これ以外には何も残っていないらしいです。
757 :
755 :05/03/16 18:25:02 ID:m0JaV7LN
>>756 情報ありがとうございます。断片だけなのですか...
こんな時代に放送を録音できるようなお金持ちはいなかったでしょうね。
教育テレビの録画を探してみます。
758 :
名無しの笛の踊り :05/03/20 14:16:51 ID:TG7ytPqP
ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)ベルリン・フィル (1978年3月19日 ザルツブルク祝祭大劇場) オペラという点からすると不満を持つ人、ケチをつけたい人も沢山出てくると 思われるが、全盛期のカラヤン/ベルリンフィルの演奏を堪能したい人から すれば、このコンビの縦横無尽活躍ぶりに喝采を上げたい人も多いのではないかと 思われる。特にレオノーレ3番の爆発ぶりは特筆もの。序曲からラストの場面に 連続して演奏を続けず、序曲を完結させるのでこの時点で演奏自体が終わって しまったのかと思わせられる位の聴衆の盛り上がりぶり。ラストの場面がちょっと 「添え物」的に聞こえてしまうのが残念なところ(それでも大合唱で十分に盛り 上がっているが)。ファン・ダムはロッコよりドン・フェルナンドの方が良かった。 マルツェリーネのマティスの声は独特の滑らかさがあって聞いててエロいのがイイ。 より高音質で聞いてみたいものだ。
糸冬 --------------- 制作・著作 NHK
760 :
名無しの笛の踊り :2005/03/27(日) 12:38:50 ID:7tBadrfE
age
糸冬 --------------- 制作・著作 MHK
レスピーギ/交響詩「ローマの噴水」 レスピーギ/交響詩「ローマの松」 レスピーギ/交響詩「ローマの祭り」 山田一雄(指揮)東京都交響楽団 (1989年3月30日 東京、サントリーホール) FM東京「にじいろのひろば」で3回に分けて放送された都響プロムナード・コン サートです。30分番組でしたので「祭り」の「50年祭」がカットされているのは 残念です。亡くなったばかりの頃は新星日響や札幌響のライヴなどが相次いで発売され ていましたが、ここ最近は忘れられた存在になりつつあるようです。この「三部作」を はじめ、晩年のいくつかのライヴ音源は発掘CD化が望まれる名演揃いなのです。 フォンテックさんあたりのもうひと頑張りをお願いしたいところです。
763 :
名無しの笛の踊り :2005/04/06(水) 23:13:43 ID:WHVozMjG
1954年4月5日、クレンペラー指揮ケルン放送響 ブラームス/ピアノ協奏曲第2番(独奏ゲザ・アンダ) ブルックナー/交響曲第4番「ロマンティック」 クレンペラーに限らず、この時期のケルン放送響のライヴや放送録音は 一時期、Hunt/Arkadia盤を中心にかなり出回ったようだ 個人的にはミトロプーロスの指揮によるスコットランド、海、シェーンベルク変奏曲や ベルレク、彼の最後の演奏となったマーラー3番などが忘れがたいが、 他にもベームやシェルヘン、父クライバー、クナッパーツブッシュら、 錚々たる面々の録音が残っているはずだ クレンペラーでも、Frequenz盤のミサソレ、Huntから出ていた ドイツ・レクイエム、Testamentで現在も入手可能なドン・ジョヴァンニ それに彼のおそらく唯一のライヴ録音であるブル8など、いずれも (オケが小さいのでスケール感に欠けるのは事実だが)渾身の名演ぞろいだ この日のライヴであるブラームスとブルックナーも、50年代のクレンペラーらしい きびきびとしたテンポで、けれど歌心を忘れず、感動的な仕上がりになっている アンダには1968年のカラヤン・BPOとのブラームスのライヴもあり、こちらもこちらで 雄大な演奏ではあるが、表現の意欲や親密さでは、この日のライヴ録音が勝っている
力のこもったレポ乙です。
766 :
名無しの笛の踊り :2005/04/10(日) 22:28:47 ID:6czkzLGo
767 :
名無しの笛の踊り :2005/04/10(日) 23:13:48 ID:37wNsenF
この日のライヴ録音氏にとっても良い社会勉強になったのでは?
768 :
名無しの笛の踊り :
2005/04/17(日) 00:56:14 ID:4u7ThIV5 1961年4月15日、シュミット=イッセルシュテット指揮北ドイツ放送響 バッハ/ブランデンブルク協奏曲第2番 ワーグナー/「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲 ヒンデミット/交響曲「画家マチス」 ベートーヴェン/交響曲第7番、交響曲第8番より第2楽章(アンコール) ブラームス/ハンガリー舞曲第1、3番 北ドイツ放送響の訪ソライヴより。会場はモスクワ音楽院。 1日のプログラムとしてはやや長い感があり、あるいはもしかしたら 4月18日のレニングラード・フィルハーモニーでの演奏会の録音が 含まれているのかもしれない。 (レニングラードでの「ジュピター」とは聴感がだいぶ異なるが。) 手許の伊CinCin盤はおそらく露Melodiya盤の板起こしであろう。時折 LP特有のドロップアウトがあるが、サーフェイスノイズもなく、 高音の立ちあがりも悪趣味でない程度に良好な、聴きやすい音質である。 演奏はシュミット=イッセルシュテットらしい、弛緩することのない テンポと、意を尽くされたアゴーギグや楽音のバランスがすばらしい。 下品な盛り上がり方はしないが、どのワンフレーズをとっても のびのびとした広がりをもった歌い方がされており、しみじみと感動的である。 なお全くの余談ながら1959年の4月15日には、シューリヒト指揮の シュトゥットガルト放送響による「英雄の生涯」も録音が残されており、 シューリヒトの「コドモ心」が存分に発揮された佳演となっている。 (DisquesRefrain盤。おそらくは日本の好事家による私家盤であろう。) シューリヒトのシュトゥットガルト放送響との録音の復刻が進んでいるが ぜひこの演奏もCD化してもらいたいものだ。