■東京フィルハーモニー交響楽団■Part2

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929名無しの笛の踊り
焉歌・波摘み(1998)
ソプラノと管弦楽のための「決闘」(1964)
レクイエム(1974)

三善晃が凄いなあと思うのは、「レクイエム」みたいな衝撃作の後にも
どんどん傑作を書いていて、「最高作が処女作」みたいな一発屋ではない
ところ。このさきも最高傑作が出ると思わせる本当の天才。

前回「響紋」(1984)なんて衝撃作がありながら、ベストな演奏は「夏の
錯乱」(1995)と思ったけど、この日のベストは「焉歌・波摘み」と思っ
た。響きが凄く美しい。それも聴いたことがあるとか懐かしいとかってい
う記憶を美しいと混同してるんじゃなくて、聴いたこともない響きなのに
美しい。海の具体的なイメージも浮かぶといえば浮かぶけど、同時に非常
に抽象的な、音だけの世界。ちょー快感。

もちろん音符がすっきり整理されているのかも知れないし、表現自体が透徹
してきたのかもしれないけど、沼尻とオケが一番共感して気合いれてるんじゃ
ないかと思った。

「決闘」もよかった。ベルク(ルル)とかの影響もあるのかと思ったけど、
日本語+朔太郎の雰囲気で、すごくオリジナリティがあると思った。ソプラノ
の天羽の歌すごく良かった。歌っていないときもよかた。
930名無しの笛の踊り:04/10/15 00:54:29 ID:NTnrAsWE
客が多かったけど、多分東大合唱団の関係者だね。息子や孫の晴れ姿を見に
来た、音楽なんて無縁なヤツら。前半聞かずにレクイエムだけ聞きにドサド
サ入ってくるし、香水クサイし、演奏中にパンフとかガサガサうるさいし、
大音量にビクッとするし(w。遂にはノビするし。そのクセ演奏終わったら
ステージに両手振ってるし。

まあ、三善の音楽の前では、そういう地縁血縁の共同体なんざ一旦ふっとん
でしまって、その後で、まともに聴いたヤツラの新たな共同体が形成される
ような気がしたね。興行的な作戦としても成功しただろうけど。なので許す。

そんなことはどうでもよく、「レクイエム」はあたりまえのように衝撃的だ
が、やっぱり本当は素人を混ぜないで、全部完璧プロでやったほうが、言葉
も響きも明確になったと思うけど。素人混じりの方が衝撃度が増すと算段し
たのか? 録音で再度聴きたい。

てゆうか三善晃の世界、全部CDにならぬか。沼尻おつかれ。日本のオケが
こんだけまともに音楽やることなんてまずないだろう。聴いて得した