※ドビュッシー・ファンの集うスレ※その3.2くらい

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281名無しの笛の踊り
ドビュッシーファンがメシアンを聞くなら、青年時代の「前奏曲集」をはじめ、
「世の終わりのための四重奏曲」、「幼子イエスにそそぐ20のまなざし」あたりから入ると
とっつきやすいかな。オルガン曲も1930年代は“分かりやすい”と思う。
「トゥランガリーラ交響曲」はむしろ後期ロマン派のマッシブな交響曲が好きな人向けかも。
1950-70年代はひとまず飛ばして、最晩年の「彼方の閃光」も第二段階としてはとっつきやすい。
そうなると「峡谷から星たちへ」「鳥たちの目覚め」なども“美しく聞こえる”ようになり、
そしたら最も実験主義的な「クロノクロミー」「我らの主イエスキリストの変容」「鳥のカタログ」
あるいはオルガン曲なども“ついていける”ようになる。
282名無しの笛の踊り:04/10/12 02:49:14 ID:I+CwOb7Z
フランス音楽入門の一例として。>>267の彼女の話とも絡めるが、
>>267はまずドビュッシーに親しんでもらうとして、その段階を経たら、
周辺作曲家へ目を向けると良いと思う。彼女にも薦められる。
まずは同時代のラヴェル。これはオケもピアノ曲も室内楽も歌曲も幅広く攻められる。
ちょっと戻ってフォーレ(相手がフランス語専攻ならぜひ歌曲を推すべし!ヴェルレーヌなどで必ず触れる)、
ショーソン(「詩曲」「コンセール」など)、フランク、サン=サーンスなど。
その後イベール(「寄港地」や「フルート協奏曲」などオケ物、「フルートとピアノのためのソナチネ“遊戯”」など室内楽)
へ行くと違和感無くとっつけるし、そうするとプーランク、さらにミヨーやオネゲルなどフランス六人組へもいける。
女の子への推薦ならマイナーだが六人組唯一の女性タイユフェールを推したい。
全体的にカスミソウの花束のようなふんわりとした雰囲気がたまらない。
キリスト教的雰囲気を加味しても良いならフォーレのレクイエムから入って、
絶対触れておきたいのはデュリュフレ。「レクイエム」、オルガン曲集も良いし、唯一の室内楽
「フルート、ヴィオラ、ハープのための前奏曲・レチタティーフと変奏曲op.3」は“絶品”。
他にプーランクの「グローリア」「スターバト・マーテル」も無視できない。
オルガン曲に興味がわいたら、デュプレやトゥルヌミール、ヴィドールも良い。
時代は最近だが作風はイベールなどに近いジャン・フランセもここで押さえておける。
(好きな人はレイベルやダマーズも好きというかも。共に現在も現役ながら作風は近代。
僕はちょっと趣味から外れるが)
そうするとだいぶフランス近代の音に慣れてくるので、ここでデュティユー初期かメシアン初期を聴く。
ここまでくると“美しい”と感じられる耳になっていると思う。
283名無しの笛の踊り:04/10/12 03:04:14 ID:I+CwOb7Z
あ、シャルル・ケックランとガブリエル・ピエルネを忘れた。
時代としてはドビュッシーやラヴェルより一世代後になるがイベールよりは前世代寄り。

ここはドビュッシースレなのであえて書くけど、
ドビュッシーが好きな人でも歌曲にはあまり触れていない人が多い。
ファンサイトへ行ってもその傾向は散見されるしウィキペディアでも歌曲については書きかけだった。
しかしフランス語に触れるとてもよいきっかけになるし、その頃のフランスの詩人に興味が沸くと
そっち方面の関連も探りたくなる。フォーレやラヴェルが同じ詩に別の曲をつけていて聞き比べたりとか。
>>248-249をはじめ過去ログにも文学に触れている書き込みがあるようなので詳しくはそちらを。

フランス文学専攻の若い女の子はヴェルレーヌ、ランボー、ユーゴーなどに興味を持って、
フォーレからドビュッシーやラヴェルへという道筋でクラシックに手を染めるというパターンも多いみたい。
(男でそういう趣味ってあまり聞かないんだけど。)
284名無しの笛の踊り:04/10/12 03:15:02 ID:I+CwOb7Z
>>267はバッハ好きとの事で、ドビュッシーはともかくとして
フランス近代のオルガン曲なんかも興味ありませんかね?
バッハとはまた違った色彩的でなおかつ敬虔な音楽世界を味わえると思うのだけど。
漏れはドバーーッと書いたけど、女の子に薦めるときは一気に大量ではなく
あくまで「さりげなく」少しずつね。何にせよ。
285名無しの笛の踊り:04/10/12 03:39:29 ID:I+CwOb7Z
というか文章からして>>267はあえて紹介としてここに列挙せずとも
結構聞き込んでいるんじゃないかと見た。

現代音楽の話で>>279の補足(ドビュッシーのような感性の現代音楽いう文脈で)としては、
フィンランド出身でフランス在住の女性作曲家カイヤ・サーリアホが挙げられる。
女性ならではの繊細な感性と、電子音や音響分析を駆使し違和感無く自然に楽器音と電子音響が溶け込んだ
絶妙なハーモニーの世界がたまらなく美しい。
彼女のCDのうち日本版の帯についていたコメントが「新印象派とも言える」と書いてあって笑ってしまったが。
入門はフィンランディア・レーベルから出ている2枚組を推したい。
最近作ではオペラ「遥かな愛」が素晴らしいが残念ながらまだCDが出ていないので、
ギドン・クレーメルが弾いているヴァイオリン協奏曲その他と、カミラ・ホイテンガ演奏のフルート協奏曲を挙げる。