指揮者サヴァリッシュ氏が死去
11月サントリーホールで開催予定のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会
に出演を予定していた指揮者ウォルフガング・サヴァリッシュ氏が31日、肝臓ガン
のためミュンヘンの病院で死去した。80歳。1923年ミュンヘン生まれ。53−60年に
アーヘン市立劇場で、当時ドイツ国内で最年少の音楽総監督に就任。また同年ベル
リン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮し大きな話題となった。57年には34歳の若
さでバイロイト音楽祭に出演。高い評価を受け、その後毎年のように出演し高名を
はせた。60−70年ウィーン交響楽団音楽監督、61−73年ハンブルク・フィルハーモ
ニー管弦楽団音楽監督、73−80年スイス・ロマンド管弦楽団芸術監督をへて、71年
にミュンヘンのバイエルン国立歌劇場音楽総監督に任命され、さらに81年からは同
歌劇場総監督も兼任。93年からはフィラデルフィア管弦楽団音楽監督となり、同管
弦楽団の再評価をもたらした。2003年までは同ポストを継続し、その後は同管弦楽
団桂冠指揮者として共演していくことが決定していた。日本では、67年からNHK交響
楽団名誉指揮者として同楽団を世界的レベルのオーケストラに育て上げ、その功績
により94年に同管初の桂冠名誉指揮者の称号が贈られた。世界の主要オーケストラ
への客演も多く、常任指揮者をおかないウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とは
長年にわたり共演。レコーディングも数多く、55年からEMIと契約を結び、R.シュト
ラウスのオペラ『影のない女』全曲をはじめ優れた録音をおこなった。ミラノ・スカ
ラ座との35年以上にもわたる協力関係に対してトスカニーニ・ゴールド・バトンが
贈られているとともに、86年勲三等旭日寿綬章も受けている。
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