01年12月26日 リストの演奏会印象 リンクは貼らない。
(その1)
# 2001年12月26日
「川上敦子 ピアノリサイタル」
(東京オペラシティー リサイタルホール、18:30〜 )
プログラム
ヴェルディ=リスト リゴレットパラフレーズS.434
ベートーヴェン=リスト 交響曲第9番「合唱付き」S.464−9
〜〜休憩〜〜
ベートーヴェン=リスト 交響曲第9番「合唱付き」S.464−9より 第4楽章
ヴェルディ=リスト リゴレットパラフレーズS.434
アンコール
リスト 超絶技巧練習曲集(1837年版)より第1番「前奏曲」
ベートーヴェン ピアノソナタ第8番「悲愴」作品13より 第1楽章
ベートーヴェン バガテル作品119の9
リスト 愛の夢S.541−3
一言「遅い」。
1楽章で20数分。2楽章も長い。3楽章だけ、知人がホールから逃げるのを目撃(苦笑)。4楽章は30分。合計も80分CDに入るのかしら?
声楽が入ってるところ以外はタルかった。リゴレットの声楽は楽しかったですよ。
アンコールは超絶2版の1番と悲愴とバガデルと愛の夢3番。十八番のはずの超絶はヤバイです。バガデルは10秒の曲。愛の夢はためすぎだしこれを弾けばというのも安直な気が・・・
前回の超絶2版が1990円。今回は5000円。まぁ声楽のせいかと思った。
だが次回パガニーニ初版2版カンパネラ大幻想曲も5000円。そりゃないだろ・・・しかも1番2番と初版2版と連続で同じ曲を聞くされ続けるのは地獄かと・・・
(その2 1/2)
自分の周りではそこそこ名の知られている川上敦子の2度目のリサイタル。
1回目の超絶技巧の回については所用で聴くことが出来なかったために今回、初めて彼女の生の演奏を聴いた訳だが、
全体の印象としては技術はそこそこ高い方だが、その持てる力をどのようにコントロールし、どのように発揮して聴衆に訴えかけるか?
という演奏家としては基本的かつ致命的なところが出来ていない人という感じだろうか。
まあ、考え方としてピアニストのコンサートに行ったのでは無くて、発表会というか学芸会に行ったという感じで受け止めればいいのかもしれないが・・・。
といいつつ印象を書き連ねてみると、リゴレットについては最初のオクターブのフレーズを両手で取るなど少々疑問は残るものの、まあそこそこの出来。
ただ、ペダルの使い方は正直上手ではなく、リストが折角楽譜に書いた「響き」というものを感じさせてくれるものではなかった。
例えば楽曲の最後の小節、ベースのDesを左手オクターブで弾いた後に両手で和音を弾いて終わるところも、なぜ和音を弾く前でペダルを踏みかえて響きを減衰させるのかなど、自分の感じ方とはかなり違った解釈では有った。
もしかするとホール自体の残響が多かったことによるのかもしれないが、ドライ過ぎる「編曲もの」演奏は正直自分としては味気ない。
(その2 2/2)
第九にしてもペダルを抑えたドライな響き、かなりおそめのテンポ設定、盛り上がるところでもいまいち盛り上がらないという状況で、正直疲労感を以って聴き終えたという感じ。
それでも3楽章辺りはそこそこの出来だったかもしれないが、全体としてはどういう音楽を作ろうかが伝わってこないというのが正直な感想。
後半は歌の4名を加えての合唱とリゴレット。第九の方は4名の非常に声量も有る声は楽しめたが、リゴレット自体はどういう扱いだったのかちょと不明。
リストのオリジナルではないと思われるが(そもそも譜面台上の使用楽譜がDover社のイタリアオペラ編曲集というのも不明)、ソリスティ4名は殆ど出番無しという感じではう〜むという感じでは有る。
アンコールについては長く書かないが、愛の夢で大胆な譜読み違い(なのか?)をするなど、そもそも他人の演奏を聴いているのか、自分の音を聴いているのか疑問に思うような箇所が散見せられた。
いずれにせよ、選曲の目の付け所は非常に興味深い彼女なのだが、演奏家としてはまだまだと感じた夜であった・・・。