『高本に粘着する粘着暇人は死ねや』

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3603年春音更in埼玉・第一回
音楽現代に載った批評

(これは前住所音更氏が聞いた音更in音更の前に当やったんだっけ)
◆川上敦子ピアノ・リサイタル
 これはモーツァルト・ピアノ・ソナタ全曲演奏会の第一回に
あたり、第一番から第六番までが取り上げられた。自筆第一稿
に基づいた作曲順ノンペダル奏法というのがキャッチ・フレー
ズであるが、版の問題については本誌四月号に掲載されている
高本秀行氏の文章を参照されたい。そこではまたブルックナー
やバッハでは初稿譜(原典版)が重視されるのに対してモーツ
ァルトの場合最終稿偏重であることに疑問が呈されているが、
それはモーツァルトにとって楽譜が持つ意味を考えれば自明の
ことだろう。
 それよりもノンペダルがもたらす演奏効果を考えた場合、モ
ダン楽器の選択(スタインウェイ使用)によるモダン奏法が本
当にふさわしかったかどうかが問われなければなるまい。版の
選択と演奏スタイルの間のギャップを拭いさることが出来なか
った。結論としてはたしかにある種の興味をかきたてられた演
奏会ではあったが、同時に研究過程の中間発表を聴かされたよ
うな未消化な要素がつきまとっていた。(4月12日、彩の国
さいたま芸術劇場)