天才ピアニスト岡田克彦を語るスレッド

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135名無しの笛の踊り
岡田先生、丁寧なご回答感謝です。

>転調その他を考え合わせてもA管とピアノのカップリング
>では、ギリギリの限界に至っています。

クラリネットのフィンガリングなど、演奏法については御存知の上で
書かれたんですか?Webで流れるあの跳躍は無謀だと思いますが。
ほとんど素人がやる吹奏楽の編曲ものに近いですよ。(w
136名無しの笛の踊り:03/08/02 00:00 ID:???
高本の補筆(モナリザのヒゲ)よりはマシだろう(w
137岡田克彦:03/08/02 00:07 ID:???
>>135

ぼくの作品「クラリネットとピアノのためのドメスティックなラプソディーOP.61」
についてお答えします。フィンガリングについても献呈者の春日君にチェックして
いただいています(ぼくはクラリネットは吹きませんので)。ただ、おっしゃる
とおり、第一主題の跳躍等は非常に難しいと思いますが、この指定テンポでのこの
跳躍がこの作品の大きな特徴なのです・・・・・。
ホームページに作品の解説を書いていますが、ぼくは、クラリネットの長所を次の
3点だと思っています。

1.オーボエのように美しく一つのフレーズを歌ったり、フルートのように明瞭で
知的な音は出せないけれども、音の突然の跳躍に対して威力を発揮する管楽器だということ。

2.演奏者の息使いが無理なく一番音に反映される管楽器なので、音域の狭い鼻歌
のような旋律を歌っても十分な表現力を発揮できる管楽器だということ。

3.つやのある低音の響きに大きな魅力があり、バスの一部を託することのできる管楽器だということ。

特に、第一の点は重要だと思っています。従って、ブラームスのようなクラリネットの
使い方はしたくないという観点で書いた作品です。

素人のやる吹奏楽の編曲ものは聴いたことがありませんので、何ともお答えいたしかねます。

あなたもクラリネットなさるのですか?
ただ、ぼくにとっては、献呈者の元、筑波大学オケのクラリネット首席の春日君も、
ウェブに掲載している演奏者の、東京の新交響楽団クラリネット首席の品田君も
とても気に入って演奏してくれていますのでそれで充分なのですよ。
138名無しの笛の踊り:03/08/02 00:20 ID:???
岡田克彦先生へ

http://society.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1049429165/283
↑こちらに岡田先生が高本秀行先生を脅迫したとありますが本当でしょうか?
139名無しの笛の踊り:03/08/02 00:36 ID:???
>>137
岡田先生、非常に早いご回答に驚きました。多謝です。
>1.オーボエのように美しく一つのフレーズを歌ったり、フルートのように明瞭で
>知的な音は出せないけれども、音の突然の跳躍に対して威力を発揮する管楽器だということ。

これについては、私はクラリネットもオーボエのように一つのフレーズを
歌える楽器だと思っています。ドヴォルザークの「新世界」の終楽章中間部の
ソロですとか、シベリウスの交響曲第1番の冒頭などに美しく息の長いフレーズが
ありますから。先生がよく名前を挙げるドビュッシーの作品では、あまりクラリネットの
ソロがオーケストラ曲で使われることがなく、Fl、Obについても先生の指摘通りなので、
私の見解との相違はそこから生まれるんですね、きっと。

2,3については全く同感です。ブラームスのようなクラリネットの使い方は
されたくないとのことですので、プーランクやラヴェル、そしてドビュッシーの
「第1狂詩曲」を意識されたのだと納得できました。彼らのClの使い方もそうですから。

私はオーボエとクラリネットを演奏したことがあります。好きな音楽もドイツロマン派が
中心になりますので、先生の音楽観と私の音楽性とは全く異なるのでしょうね。

つまらない質問に、真面目に答えてくださり、ありがとうございました。



140岡田克彦:03/08/02 01:00 ID:???
>>139
早速のご丁寧なレスありがとうございます。
そうですか、オーボエとクラリネットを演奏され、ドイツロマン派がお好きなのですね。
よくわかりました。
ちゃんと楽器やっている方はこういう場所でもちゃんとしたご質問をなさるのだ
と思いました。
クラ板は、楽器を演奏出来ない、頭でっかちの音楽評論家の卵やら、
ニ流音楽業界人の、演奏や作曲の出来る人達に対するコンプレックスの
汚物処理場だと思っていましたので、あなたのようなまともな方がいたことは
本当に意外でした(笑)。
それにしても、ぼくは音楽観というような偉そうなものは持っていないですよ。
ただ、自分の好き嫌いや感性をじっくりと客観的に見つめていないと作曲なんか
やっても意味ないですから・・・・・その結果、ぼくは、ドビュッシーの室内楽
は大好きなのです。一番好きなのは、フルート・ハープ・ヴィオラのソナタかな。
ピアノが入ってないので、演奏できないのは悔しいけどね・・・・・。
141名無しの笛の踊り:03/08/02 01:24 ID:???
>>140
岡田先生、こちらこそいつも御丁寧なお返事をありがとうございます。

先生も2ちゃんねるを御覧になっておられたんですね。驚きました。
オーボエのほうは6年ほど吹いていたので、ある程度の演奏法については
それなりに知っているつもりです。クラリネットについては、木管五重奏などで
編曲を担当した事があったのと、自分も1年程度趣味で吹いていたことが
あったので、フィンガリング、楽器の特性など、少しは知っています。

自分の好き嫌いや感性をじっくりと客観的に見つめること、それはそのまま
その人の音楽観につながるのではないかと私は勝手に思っています。
私はブラームスの「クラリネット・ソナタ」が大好きなので、先生の作品に
違和感を感じてカキコをしていたのですが、まさかご本人からこんなに
詳しくレスを返して頂けるとは思っても見ませんでした(w

いままでの先生とクラ板@2chとのやりとりを過去ログで読んでいたもの
ですから、その先入観が強かったんですね(w

これからもクラ板に遊びに来てくださいね。それでは。
142山崎 渉:03/08/02 01:52 ID:???
(^^)
143岡田克彦:03/08/02 02:50 ID:???
>>141
いやいや、ぼくもブラームスのクラリネットソナタは2曲とも大好きですよ。
OP.117以降の晩年のブラームスは大好きなのです。
ホームページに晩年のブラームスのエッセイも掲載しています。
だから、クラ五は好きじゃないんだけど、クラリネットソナタは2つとも、
ドメスティックラプソディーを献呈した春日君と演奏しましたよ。
いいですね、晩年のブラームスの響きは。

まあでも、これまでぼくが来たクラ板では、室内楽の話ちゃんとできる演奏家は
いなかったようで、いつも、ショパンとかピアノ曲の話題が多かったように
思っています。やっぱり、室内楽演奏するほどの人は少ないみたいですね(笑)。
でも、ピアノソロオンリーで指が動くことを自慢したいような阿呆ピアニストは
この世にワンサカいて、まったくウザいのですよ。リストの超絶技巧なんて
バカな作品ですよね。
また、時々、クラ板はのぞきに来ますよ。
それにしても、オーボエは、息を詰めないといけない楽器ですから、クラリネット
とはまたまた全く違いますよね。ぼくは中学の頃、ペットをやっていたので
管楽器には特別な思い入れがあります。特に、オーボエの音色は一番好きで
プーランクの晩年の管とピアノのための3つのソナタでも、オーボエとピアノの
ソナタが一番好きなのです。一度、東京の東久留米市社会福祉協議会のチャリティ
コンサートで、都響のオーボエの虎谷先生と(バロックだったけど)合奏して
あまりにもオーボエの音が美しくて、ピアノパートを落としそうになったこと
があります。本当に懐かしい思い出です。

まあ、今後ともどうぞよろしく。