そりでは、今日はラフマニノフの正教会の聖歌「生神女賛詞」について。
「生神女」は「しょうしんじょ」と読みまつ。「テオトコス」を表す語で、
「神を生んだ女」という意味でつ。
セルゲイ・ラフマニノフ 生神女賛詞(神の御母よ、歓べ)作品37
恩寵に満てるマリアよ、
主は汝と共にいませり。
汝は女の中にてたたえられるべき御方。
汝が御腹の御子もたたえられるべし。
そは、我らを救いたまいし主を汝が生みたもうゆえなり。
正教会の「大晩課式」によりますと、該当の祈祷文は次のようになっています。
[詠隊]
生神童貞女や喜べよ、恩寵に満たさるるマリヤや主はなんじと共にす。
なんじは女の中にて賛美たりなんじの腹の果も賛美たり。
なんじは我らの霊を救うの主を生みたればなり。(三次)
願わくは、主の名はあがめほめられ今より世々に至らん(三次)
[司祭]
願わくは主の降福はその恩寵と仁愛とによりて常に汝らにあらん。今もいつも世々に。
[詠隊]
アミン
福音書の天使のお告げの個所をお祈りにしたものでつね。
カトリックでは「お告げの祈り」(天使祝詞)というお祈りで、朝夕晩に打ち鳴らされる
天使の鐘とともに行うお祈りになっていまつ。
正教会では「生神女福音」のお祈りとして、マリヤ様をたたえるお祈りの一つに
数えられ、この、大晩課式で行われまつ。
正教会の聖歌は楽器を一切使用しません。
神を賛めたたえるのは人間の声だけで、「直接に」
というのがその理由でつ。
ピアニシモがとてーもきれいでつよ☆