川崎市と千葉県木更津市を結ぶ東京湾アクアライン(一般有料道路、97年1
2月開通)の累積赤字額が00年度末で約669億円にのぼっていることが、
20日、日本道路公団の内部資料で明らかになった。累積赤字は99年度と
比べて1年でほぼ倍増しており、収入で金利分すらまかなえない状態となっ
ている。政府の「道路関係4公団民営化推進委員会」は、4公団を複数の民営
化会社に再編することを検討する方向だが、不採算路線の象徴ともいえるアク
アラインをどこが抱えるかが大きな問題になりそうだ。(中略)
アクアラインの開通から00年6月まで約2年半の間で、1日の平均交通量
は1万台と当初見込みの2万5000台を大きく下回り、赤字が拡大した。こ
のため、道路公団は00年7月、アクアラインの収支を黒字路線の京葉道路、
千葉東金道路と一緒にする料金プール制(千葉プール)に組み込んだ。千葉プ
ールは、東名、中央などの利益を赤字路線の穴埋めなどに回す全国の高速道路
の「プール制」と同様の仕組みだ。
しかし、アクアラインが組み込まれた00年度には、千葉プール全体でも1
87・7億円の赤字を計上し、計画通りの償還(47年度完了)は困難な状況
になっている。
千葉プールに組み込んで以降、道路公団はアクアライン単独の収支状況を公表
していない。