シナファイって、何楽章で何分くらいの曲なんですか?
ピアノコンチェルトのような様式ですか?
770 :
長いよ:02/09/06 00:28 ID:???
単一楽章で、演奏時間は18分くらいだったか。
86楽器とピアノのための協奏曲形式の作品で、その86楽器の内訳は、普通の
拡大3管編成(トランペット、ホルン、トロンボーンが4人づつ、チューバあり、
打楽器3人)といったところ。
ただし、これらのオケ奏者は、何群かのグループにわけられ、群と群とが互い
に干渉し合いながら曲を進めてゆくので、配置は普通のオーケストラ曲とはか
なり違ったものになります。
ピアノは、カデンツァのほんの一部だけに、自由に弾いてよい箇所があるもの
の、あとは全て厳格に記譜されています。ピアノ譜が10段で記譜されている
のは本当で、各段に1声部づつ記譜されているわけでは無いので、最高で13声
部が同時進行するというトンデモないことになってます。しかも、各声部が同
音連打で構成されているんだけど、その連打のスピードやダイナミクスが声部
毎に違うという気が狂いそうな譜面です。
この10段譜では、とても演奏が出来ないので(オーケストラ・スコアをピアノ
で弾いたり出来る人間でも、あの10段譜を読みつつ演奏するのは不可能でしょ
う)、大井氏などは、3段くらいの譜面へと書き直して練習/演奏に使用して
いるらしい。こうすると、1段に叩き込まれる声部の数は増えるんだけど、だ
いぶ見通しが良くなるとのこと。
そんなクセナキスには、その他に2曲(「エリフソン」「ケクロプス」)のピ
アノ協奏曲形式(いずれも単楽章)の作品があります。こちらのCD化(「ケ
クロプス」はウッドワード&アバドの演奏がDGから出ている)も期待したい
ところですね。
>>770 初めてこのスレを覗いた人にもよくわかる、丁寧なレスに萌えた。
シナファイ、ほんとに楽しみだよ。
>>770 各段が各指に対応しているわけではないので、
いったん書き直さないと演奏には使えない
>>772 ???
意味がわからん。
仮に10声部あったとして、各指で独立して弾くようなことを言ってるの?
うーむ。。。
16'26
15'48
11'10
20'22
>>773 常に10声部以上なってるわけではないでしょ
ちょっとずれて鳴る声部が多くあれば、10本で15声部、20声部弾くのも
やりようによっては可能なわけで。
クセナキスが、縦軸=音高、横軸=時間、のグラフ用紙上に、樹形曲線みたいなも
のを書いてみて、その枝分かれや交錯の面白さによって曲を作っていることは有名
ですよね。要するに、クセナキスが書く「声部」というのは、メロディというより
は、時空間に広がる音の束の一つ一つを指していると考えてみて下さい。
で、そういう束は、曲中でいくつにも枝分かれ・交錯を繰返しますよね。だから、
原則1声部1段で書いていても、最初は、スコアに声部の音高順に上から書かれ
ていたが、何回かの交錯の後、途中でスコアの段の順番が音の高さと対応しなく
なる、という場合があるわけです。すると、ピアニストは、譜面に書かれた音達
の高さを、大まかに把握して指の割り当てを決めていくわけ(同じ声部は、常に
同じ指で弾かなくてはならない、ということはありません。ラフマニノフのよう
に蛇のように自在に曲がりくねる指を持っているなら別ですけど)ですから、そ
ういう書き方をされると何が何やらわからなくなるわけです(2段や3段ならと
もかく、敵は10段譜の現代曲ですし)。
だから、書き換えをして、各瞬間における音の高さの順がどうなっているのかを
把握し、それに対応する指遣いを考え出す必要があるのです。それをせずに弾く
のなら、クセナキスが書いた音符の半分も押さえられないのではないかと危惧さ
れます。練習の効率も凄く落ちそうですし。ちなみに、大井氏が7月のイベント
で語ったところによると、氏は「シナファイ」を練習していく過程で、3回も譜
面のリダクションを行ったそうです。
はよCDホスィ。
778 :
776:02/09/06 17:44 ID:???
リダクションじゃないな、書き換えというのが適当か。
リダクションというと声部を抜いているような印象が。。。
#CD手に入れました。現地から送ってもらいました。
#感想は後程。