ママ、俺さ、前から不思議に思っていたんだよ。女の人って本当に分からないんだよ。だってさ、
電車の中で尻を触られたくらいで、やった男の人生が台無しになるのもお構いなく、
この人痴漢です、なんて訴えるじゃない。そんな女もいれば、ソープランドに勤めて、1人あたり
ほんの1万円くらいの収入で、素っ裸を男に晒して、椅子洗いやマット洗いや、手コキ、フェラチオ、
パイズリ、本番までしてくれる女も一方ではいるんだよな。痴漢で騒ぐ女がソープ勤めをしているって
ことはないにしても、同じ女って生き物なのにこの違いは何なんだろう、と思うんだよね。中には
1億円積まれても好きでもない見知らぬ男とセックスするのは絶対にイヤって女もいると思うんだ。
別に頭がいい悪いとは関係ないよな。スケベか淡白かとも関係ないような気がするんだ。セックス
なんてどうでもいいと思っている女が、ソープとかの風俗に勤めていられるのかな。吉原の会員制
の高級ソープには、東大だの慶応医学部だのって女がいるんだってな。そいつらにとっては、金の
魅力の方が、見知らぬ男とおまんこする嫌悪感よりも優っているってことなんだな。
ママは客と寝るのはどんな基準なんだい。常連で、いつもお金を落としてくれるお客への感謝の
気持ちで寝てあげるってことかな。ママ、俺はソープランドで鍛えているから、いつでも声かけて
くれよ。ママを半狂乱にさせるだけのセックスの自信はあるからな。
ママ、俺がソープランドに初めて行ったのは、正直に言うと24歳のときだったんだ。童貞だったんだ。
俺は見ての通りチビで不細工
で暗い雰囲気だろ。女に対して自信がなくて、それまで女とつき合ったことなんて1度もなかったんだよ。
でも、性欲だけは人一倍強くてね。エロ本やアダルトビデオを山のように持っていたな。でも、怖くてさ、
どうしても当時のトルコ風呂には
行けなかったんだ。こんな俺でも何とか就職できてさ。最初は何かと物入りでソープ代なんて
出せなかったけれど、冬のボーナス頃には余裕が出て来てね。よし、もう24だしそろそろ思い切ってソープ
に行こうと決心したんだ。居酒屋でビールを1本飲んで気を大きくして、総額3万円って職場の先輩に教わった
店に行ったんだ。相手は大場久美子に似た感じの子だったんだ。「俺、女は初めてなんだ」 って言ったら
「そうなんですか」 って何の感慨もない様子だったな。ひと通り椅子洗い、マットプレイとやってもらった
けど、酒で麻痺していたせいか、想像していたほどビンビン来る感動はなかったね。で、ベッドで本番をした
んだけど、ほら、もうオナニーで手コキばかりしてから、おまんこの感触じゃあ物足りなくてね。なかなかイ
かなくてさ。でも、何とか歯を食いしばってイったんだ。正直言って、ホント、つまらなくてあっけない
筆下ろしだったよ。やっぱり風俗なんかじゃなくて、学生時代にマトモに女とつき合ってするとか、バイト先
の色っぽいお姐さんに導かれるとか、そんなのかいいと思ったよ。とは言え1度行ったら度胸がついて、
次からは
酒も飲まずに行けるようになってね。何十人、何百人と相手をしてもらううちに段々とソープの醍醐味が
分かって
来たね。普通の女が眉をひそめて軽蔑するようなソープ遊びをしているんだと思うと、それがかえって俺の
快感になって
いったんだよな。ママ、そろそろ50歳近い俺はもう800人くらいの女とソープで一戦交えているんだよ。どうだい、
イヤ
らしいわ、スケベだわ、汚らしいわ、って思うかい?思わないよな。男にとってソープはパラダイスなんだよ。
増してや
俺のような独身男にとってはな。これからもバンバン行くからよ。またソープの帰りには寄らせてもらって、
ビールを飲ましてくれよな。