【初心者へ注意】この人たちはジャズではありません

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その日オレ(ジャズ)は、けたたましい笑い声で目を覚ました。
例によってスイングが勝手に部屋に入り込んで、テレビを見てやがった。

                           ______∫
                          [__l二l| ∬ ブハハハハ
                          ミ>∀<ノ,っ━~
    ミヾ~,,~彡              _と~,,,  ~,,,ノ_. ∀
    ( ´д⊂ヽ゛                 ミ,,,/~),   | ┷┳━
    / 】 【 ノ⌒⌒ヽ.          ̄ ̄ ̄ .し'J ̄ ̄|... ┃
./( ̄⊂人  //⌒   ノ.. ̄/        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ┻
⊂ニニニニニニニニニニニニニ⊃
                                     \/
                                  | ̄| ̄ ̄ ̄|
                                  |  |      |
                                  |_|___|
8012/11:02/10/26 19:54 ID:???

「いい加減に、勝手に人の部屋に上がり込むのは止せよ。
 あと勝手にテレビ見るな。勝手に酒を飲むな」
「それよか、今日暇か?
  ジャパニーズのバックバンドの仕事があるんだが。。。
  手伝ってくれれば貸してる家賃、チャラにしてやってもいいぜ」

            ______
  ミヾ~ ,,彡     [l二l__|   ←帽子
  ( ´д`)     ミ゚ー゚,,彡  ←もみあげ
  ( 】 【 )つ   ミ  ⊂ミ   ←もわもわした服
  | | |     ミ   ミ
  (__)_)     し'` J
8023/11:02/10/26 19:55 ID:???

┌─────────────────────────┐
│☆☆☆☆☆☆☆―おいらの胸の心の愛 ―☆☆☆☆☆☆☆│
│☆    ┏━┓┏┳┓      ┏┳━━━┳━┓┏┓    ☆│
│☆    ┣━┫┃┃┣┳━━┛┣━┳┓┣━┛┃┃    ☆│
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│☆       ┏┳┓┏┳┓    ┏┳━━┳┳┓         ☆│
│☆       ┃┃┣┛  ┗┳━┛┃ ━ ┃┃┃         ☆│
│☆       ┃┃┣┓┃┏┻┓┏┫┏┓┃┃┃         ☆│
│☆       ┗┫┃┗┫┃  ┃┃┗┛┃┃┃┗┓       ☆│
│☆         ┗┛  ┗┛  ┗┛    ┗┻┻━┛       ☆│
│☆                             ▼▼▼▼   ☆│
│☆ 本日 PM19:00 開演   場所クラブXX      ・__・    ☆│
│☆             来ないやつは殺す    〇      ☆│
│☆                            3     .☆│
│☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆│
└─────────────────────────┘

「。。。来ないヤツは殺す? こいつはサムライか?」
「まぁ少し凶暴だけどよ。根はいいヤツなんだ。で、どうする?」
「気分が乗らねーな。悪いがパスだ」
「そうか。じゃあ二ヶ月分の家賃、耳そろえて返してもらわねーとなミ ´ー`彡y-~~」
「Σ(゚д゚lll)」
8034/11:02/10/26 19:55 ID:???

「チッ、スイングの野郎、人が金がないのにつけ込みやがって」

             (      ______  マ、ガンガッテ
              (     [l二l__|  カセイデクレヤ
  ミヾ~ ,,彡    O   (    ミ゚ー゚,,彡
  ( ´д`) o      (  ⊂       ア、アトコレ ヤルワ
  (  】 【)
  人 γヽ 
  (__人__ノ  

「しかしなんだ? これ。耳栓なんて何に使うんだよ」
スイングがオレをからかったのだろうと思い、オレは耳栓を
遠くに投げ飛ばした。思えば、それが運の尽きだった。
8045/11:02/10/26 19:56 ID:???

「おお! 心の友よ!」

           / ̄ ̄ ̄ ̄\
           l ∨∨∨∨∨ l
           |  ′    ` |      
           (|  ´   `  |) 
           |    ⊂⊃   |  
          | .| ⌒ \.l/ ⌒ |  
        / |. 丶____ ノ |\  
       /   \_____/  \ 
   / ̄|                   | ̄\
  |  |                   |   |
  |  |                   |   |
,―    \                  |   ―,
|_)    |                 |   (_|
|_)    |                 |   (_|
|_)    |                 |   (_|
ヽ_)_/                    \ (__ノ

「。。。アンタがジャイアンか? さっそく曲の摺り合わせをしたいんだが。。。」
「そんなのは適当で構わねぇ! みんなはオレの歌を聴きにくるんだからな!」
「。。。そうか。じゃあ適当にやらせてもらう」
「たのんだぜ。じゃあ少し喉慣らしでもするから、併せてみてくれ」
「あぁ」
「逝くぞ!」
?
??
ホゲーーーーーーーーーー
>>800-804
地味に続きを待ってたりするんだが・・・
酷い放置っぷりだ……
8106/11:02/11/01 22:34 ID:???
       /∧       ≡   |||| ||||
     ;,_;i||  |_   /// ̄└―‐┐  
   ≪ ≪    ≫  ノ/ ┌┐ ┌  __ 
      ̄~~|| | ̄   └‐┘ /  / ::;i|_  _|||| 
   |;ii||  || | |||||     ||/  /    _|||||_   ≪≡≡≫
   |||||  |||||  ゞヾ     ~~~~    |___| 
   /ソ   ∨   |||||||||||
    mm        __‐⊂⊃‐__
   ||| 川 |      ⊂     l    ⊃
    ||   |      ||| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ||   ||||||
    L__」     || | || ∩_∩|| | |||
    ||    | |||||| || |  | ⊂___⊃ | |   ||
   ||||   |    | |L__―――――_」|||    ||||||||
    《|    L____/\_ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/\||
    |||            ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   \≫
    |||       |         ∩  |  \》
    ||L____|       ∈三 \_|   |||
      ≡   |||        ∈三  |    ||
           ||            \|____/||
           ||                ||||
「うぉっ!」
オレは思わず叫んでいた。これまでどんなプレイにもビビったことなどなかった
というのに、その強大な声量、得も言われぬ不快な共鳴、まるで鼓膜を通り
抜けて脳髄まで揺さぶるような深い唸り。耳元で道路工事でもされているかの
ように、頭の中にガンガンと突き刺さるような高音まで現れはじめた。
楽器を握りしめる指が震えてきて、まるで伴奏など思いもつかない。
今どのコードを辿っているのかもわからなくなり、額から脇にかけて冷たい汗が
噴き出してくる。
だというのに、他のメンバーたちは淡々と演奏を続けている。いや、続けて
いるように見えた。彼らは涼しい顔をして演奏をしていたが、その音は
ジャイアンの声に全てかき消され、まるでオレの耳には入ってこない。
8117/11:02/11/01 22:35 ID:???

「くそっ、今どこなんだっ! うぅ、耳が、耳が。。。」
拷問でも、これ以上の音を聞かされた人間は。そういないだろう。
譜面を捲る指の震えを止めることができず、視界は汗で濁り、
次第に意識が薄れてくるのを感じていた。

            ,, ,  ヘヾ丿彡彡 彡
          ヾゞ` ヾ, \ ,,,   彡
            ヾミ::::::::..     ○ \ 
            /:::::::: ○    .   |. 
            |::::::::..     厂|   | 
.            |::::::::    /\.|  ,ノ
.             \::::::::   l--ーl.. (. 
              )::::::::::::      |.. 

「くそっ、なんてこった。耳栓、耳栓は。。。」
最後の気力を振り絞ってオレはポケットに手を突っこんだが、
それはとうに投げ捨ててしまっていたことを思い出すと、
そのまま力尽きて倒れ込んでしまった。
8128/11:02/11/01 22:35 ID:???
「ジャズ。。。ジャズ、どうしたの?」
薄れ行く意識の中に、酷く懐かしい声が聞こえてきた。
「あぁ、ボサノバ。。。ようやくお前の所に行けるよ。。。
  オレはもう駄目みたいだ。。。」

            
                   ,;';,.,, : ;.,., ,,.. ,.:,
                    ; ,__.  ,__. .;  ;   
                   ':、 -  *;;, ; ;  
               / ̄ヽ,:´,― 、 ;' o。。。 
               | ||三:,.;.●)三;':';Ε∃.
                  \_,へ--イ  :' ゚ ゚ ゚
                ;'"゙゙':、;'"゙゙':、 ,:'
                 ゙':、.,:' ゙':、,.,:'"
          ○
         O
        o
   =■● ←ジャズ

「何云ってるの。ジャズはどんな音楽でも楽しめる人じゃない」
「いや、アレは音楽なんかじゃねぇ。。。殺人音波だ。。。」
「馬鹿云ってないで。さぁ、私がギターを併せるから」
「いや、けど。。。」
「いい? ♪おーれーは ジャイアーン がーきだいしょー
 てんかむてきの おとこだぜー」
8139/11:02/11/01 22:35 ID:???
「はっ! ボサノバッ!」

   、、,,    
   (;゚jコ゚)ミ 
⊆ ̄ιノu 

もちろん、ボサノバなんて何処にもいるはずがなかった。だが
オレの耳には確かに彼女の歌声が響いている。
「♪何だよ、何だよ ぬかみそにふたしとけだって そりゃないよ母ちゃん」
「聞こえる! 聞き取れるぞ!」
それまでノイズにしか聞こえなかったジャイアンの発する音。
僅かに耳に残っているボサノバの歌声のおかげで、それが
かろうじて織りなしているメロディがわかるようになっていた。
81410/11:02/11/01 22:36 ID:???
「なるほどなぁ。ボサノバに助けてもらったか」
「まぁそうなるのかな」
むろん、あのジャイアンの声を普通の人間が耐えられる訳がない。
ライブは散々に終わり、オレは逃げるようにしてクラブから帰ってきた。

日    U 
≡≡≡≡≡     
 U ∩ []      (´;;;;;` )イイカゲン
_[ ̄ ̄| __ミヾ~ ,,彡   __ ) ツケハラエヨ ヲマエラ
  ミ~~~~彡ヨ(    .)ロ 凸
― ミ   ミ― ( 】  【 )―――
  ミ__ミ.    ━┳━)
 ━┳━  └ ┃―・゛

「まぁ、とりあえず無事に終わって良かったじゃねぇか」
「あ?」

    ヘ   彡彡彡 ......,,.       ,,.......,,,
 ミヾ  ヽ 丿    i   ヽ     /    ヘ
. ヾ   ;; ソ.,,,,,,,ソ  i   `、⌒ヾ⌒ヽ ミ  丿
 ヽ ~        , ... ; ... (.....ノ(....ノ...;;;:::::/ ヽ イ、イチャイ
 .l::::ノ(       |   ι      ι::(....ノノ
 |:::::⌒ -=・=-  / ̄ ̄ヽ      ::::::::::::::/`ヽ
 .|:::::::::::::::::  \_(___..ノ     :::::::::::::::::::(....ノノ
  ヽ:::::::::::::::::::  \/ヽ   ι ::::::::::::::::::::::::::ノ

「それで済むと思ってんのかコノ野郎!」
「ぼ、帽子が潰れる。。。」
「とにかく、これで借金はチャラだからな! 二度とオレの部屋にくんな!」
81511/11:02/11/01 22:36 ID:???
しかし次の日も、きっちりオレはスイングの笑い声で目を覚ました。

                           ______∫
                          [__l二l| ∬ ブハハハハ
                          ミ>∀<ノ,っ━~
    ミヾ~,,~彡              _と~,,,  ~,,,ノ_. ∀
    ( ´д⊂ヽ゛コ、コイツハ           ミ,,,/~),   | ┷┳━
    / 】 【 ノ⌒⌒ヽ.          ̄ ̄ ̄ .し'J ̄ ̄|... ┃
./( ̄⊂人  //⌒   ノ.. ̄/        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ┻
⊂ニニニニニニニニニニニニニ⊃
                                     \/
                                  | ̄| ̄ ̄ ̄|
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                                  |_|___|

おわり