>>544 万年筆は、ペン習字の初級のかたにはやや扱いにくい筆記具で、練習には必ずしも
万年筆を使う必要はありません。
ただ、持ち歩き用に欲しいとか、デスクペンとはバランスや書き味の異なる万年筆
での筆記にも慣れておきたいとか、そういうお考えなら持っておいてもよいでしょうね。
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デスクペンなみに均一な極細線が書ける万年筆ということで、持ち歩き用に私は
プラチナの♯3776極細をしばらく前に買いましたが、ふだん書きには使うものの、
ペン習字の場ではほとんどまったく出番がないのが現状です。デスクペンの長さ、
持ったときのバランス感に慣れているので、どうしてもデスクペンの方に手が
伸びてしまいます。
万年筆は初級者には使いにくい道具だというのは…、
万年筆となるとどうしてもデスクペンより書き味を気にした造りになるため、フロー
(インクの出)のよい製品が多くなりますが、フローがよいというのは、手本を見ながら
ゆっくりじっくり書くペン習字の初級者にとっては良し悪しなんですね。わずかな力の
入れ具合や書く速度の違いに反応して、線質が変わりやすくなるためです。
――よく、初心のかたからインクがにじんでうまく書けない、と相談
されることがありますが、使って入るペンのフローの問題が関係
していることが多いです(インクそのものや紙の方の問題だったり、
原因が複合していることもある)。
――その中で、前述の♯3776極細などはデスクペンに近い線が書ける、
かなりペン習字向けの万年筆ではあると思います。
(他にパイロットやセーラーも少し持っていますが、F以上のもの
ばかりなのでペン習字用としてお勧めできるものがありません。)
もちろん、その「線質の変わりやすさ」こそが、ボールペンなどにはない、万年筆
の味であり魅力であるわけですし、中上級になれば作品に奥行きを与えるために
そういう「味」を利用するということも当然あるわけですが、字の形を覚えることに
集中したい初級者にとっては、はっきり言ってちょっと邪魔な性質でもあるわけです。
万年筆は一般的に、初級者にはあまり向かない筆記具だといえるでしょう。
続きます。