愛を読む人

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26名無シネマ@上映中
>>21

裁判ではユダヤ人を護送中に空襲にあい宿としていた教会が火事になったときに
教会の鍵を開けずにそのままユダヤ人の囚人を焼死させた罪がさばかれていた。
ハンナは責任者ではないのに責任者だとされ罪を受けた(冤罪)

しかし、ハンナにはもうひとつの隠しておきたい罪があった。
それは囚人のなかにお気に入りを作っていたことだ。
文盲のハンナはお気に入りの囚人に朗読させていた。

ハンナの最後の朗読者であるミヒャエルにはハンナにとって
朗読者がどういうものか自分の経験と重ねないわけにはいかなかった。
(ハンナにとっての朗読者がただ朗読だけしていたと信じきれなかった)

ハンナは文盲であるといえば、冤罪とわかりその罪は放免されるが
もうひとつの罪が浮上する危険があった。ハンナは罪をかぶっても
もうひとつの罪についてあれこれ人からいわれたくなかたのではないか?

ハンナが亡くなって、遺言で最後の朗読者であるミヒャエルにユダヤの娘
のところにお金を持っていくように頼むくだり、ハンナはその罪をユダヤの
娘に告白するつもりがあったとは思えないが、娘はミヒャエルと会うことで
ハンナの罪を察してしまう。「僕は15のときにシュミッツさんと出会い
彼女の朗読者でした。そして僕たちは関係を持っていました」しかしその
告白はユダヤの娘の知りたいことだった。真実が告げられたことがユダヤの
娘の心のある部分をとかした。ハンナは缶に入れたお金を娘にわたすように
遺言したが、娘の心をとかしたのは、お金(ハンナの命)ではなく、
缶(ハンナの死ではなくそれを伝えにきた朗読者自身)だった。