ワールド・オブ・ライズ 

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211名無シネマ@上映中
本作でのクローの役回りについては
マット・デイモン主演のボーン・シリーズと対比してみると
面白いと思います。

ジェイソン・ボーン3部作でのCIAって、
エグゼクティブ特有の身振り素振りをことさらに誇張して
演出されてましたよね。
あれって一種のポピュリズム演出だなって思うわけ。

あーゆー昼間っから高級レストランで無農薬の菜っ葉食ってる
エグゼクティブっていうのは
野球帽被って庭でバーベキューやってるアメリカの庶民にしてみりゃ
我慢ならない天敵みたいな存在じゃないかと思う。

だからボーン・シリーズの観客は
ある意味安心してエグゼに立ち向かうマット・デイモン応援出来ちゃうと思う。
俺はあんなのとは違う。層が違う、とね。

でも本作はそういうポピュリズムには陥らない。
本作のラッセル・クロウはもちろん超のつくエリートなんだろうけど、
エグゼクティブのようには演出されない。
むしろ表層的には庶民で、
野球帽被って庭でバーベキュー・・な人物として描かれますよね〜。
きっと意識的にやってます、これ。

観客を安全圏に置かない。
お前にも罪があるんじゃないか、どうなんだ?と問いかける映画だと思いました。