【豪華絢爛】 『大奥』其の二 【百鬼繚乱】

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756名無シネマ@上映中
絵島と生島の絡みについては、話がうまく転がらない。脚本&演出の説得力なさ過ぎ。

山村座での観劇シーンで、なんで絵島は興味なさそうな表情だったの?
ミーハーじゃ、総取締役っぽくないから?
観劇は付き合いで来ただけで、実はミーハーな奥女中のことが理解できていないから? それだと火の中へ戻ったこととイマイチ符合しないよね。
よく分からんかったなぁ。
せめて舞台に生島が登場するところで目を輝かせるくらいした方が、後々の展開が楽ではないかい?

生島はカネで請け負ったはずが、途中からそうではなくなった、というのが(予想が付くとはいえ)サプライズになるのじゃない?
そのことは演技でも見せてほしいところ。宮路の台詞「惚れたか」だけじゃ手抜きでしょ。
絵島にしても、陰謀話を言い当てるだけじゃ物足りない。ワナと知っていながら絡め取られていく葛藤モードに移行しなきゃ。話が面白くならんでしょう。
これって「狂おしいほどの恋」じゃないとマズいわけでしょ?
生島には、もっと畳みかけて迫ってほしかったし、絵島にはもっと首を振りながら切ない表情で逃げてほしかったな。
ほら、あるでしょ。男に迫られての「いけませぬ」「お止めくださいまし」が字づらは否定でも口調が肯定とか、倒錯したシチュエーションが。
否定肯定を混ぜ込むと切迫度が高まるんですよ、浅野妙子さん(←脚本担当)。
というわけで、禁断の恋はもだえ苦しむ葛藤が醍醐味なのに、脚本はみすみす逃している。残念ですねぇ(事務所の意向なの?)。

そいで、のんびり「夢を見させてもらいました」とか言ってたせいで、燃え上がるまでが短すぎ(つうか、あまり炎上しているようには見えんかったが)。
恋は湿気たままだけど、火はボウボウ。これって、火事という「異常な状況で恋に落ちた二人(*)」状態じゃないの? っていうか、単に勢いでナダレ込んでない?
*:映画「Speed」より