【女の】セント・オブ・ウーマン【ニオイ】

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798名無しシネマ@上映中
パンフレットから
  PRODUCTION NOTES
【光のない世界へ─アル・パチーノの役づくり】
 スクリーンから溢れる、アル・パチーノの熱意は、観る者を必ず感動感させるだろう。
 彼はこの映画の役づくりのためにニューヨークの盲人援助施設、盲人協会とライトハウスに数ヶ月通い詰めた。フランクの行動の微妙なニュアンスの全てを自分のものにしようとしたからだ。
 彼の目標は『盲人を真似る事』ではなく、視力障害の世界そのものに対する理解を深めようとするものであった。
 「アル・パチーノは、盲人がどう行動するかだけでなく、盲目であるという事が、どんな感覚なのか理解したいと言っていました。」こう語るのは盲人協会のスタッフ、ジーン・アザットさんだ。
 「彼は、特に外傷で視力を失った人達に会いたがっていたわ。目の不自由な方々と長い時間をいっしょに過ごして、彼らが何故盲目になったのか、そしてそれにどう対応したのかを熱心に質問していました。」
 このリサーチで、アル・パチーノは、2度と見ることが出来ないと知った瞬間の絶望感、そして目の見えない現実を受け入れ、適応してゆくまでの感情をしっかりと学びとったようだ。
 また、ライトハウスでは、盲人の暮らし方を身につけることに力を注いだ。杖を使って歩くこと、電話の使い方、椅子を探して座るしぐさや瓶からお酒をコップに注いだり、タバコに火をつけるしぐさ、そんな細かな動作の指導を受けたのだ。
 ライトハウスのスタッフは、「アルは非常に些細な事にまでこだわり、私はその熱心さに感動したわ。彼は盲人をリアルに演じることによって、盲人への心からの思いやりみせてくれました。」と感激する。
 さて、彼は完璧にフランクになりきることが出来たか─それは撮影終了後にアル・パチーノからチャーリーに扮したクリストファー・オドネルに贈られたお祝いのメッセージがいみじくも語っている。
 『私はオドネルが見えなかったが、君が素晴らしかったのはわかっているよ。』