「家を出たら、おやおや、変なこぶ平がいるよ。
こいつの家で棲み込み仕事をする事になったよ。
死んだ息子の部屋があるってさ。
あれれ?部屋の本が出っぱなし。
亡くなったにしても時間に余裕があれば
本ぐらい片付けるよね?
後日、こいつうまく隣の田んぼの主人まるめこんだな。
とぼけてるようで、中々の策士だったんだな。
それに『頭から石油につけられたら人だって死ぬ』?
まるで誰か殺した事があるような言い草だな。
その後、また飢饉がきたら追い出されたよ。
なんだ、飢饉が来た程度で
扶養人ひとり養えなく生活レベルだったのか?
息子がいた時、もし飢饉が来たら
きっと養えなかったろうな。
ところで、息子さんはなんで亡くなったの?」