【宮澤賢治】グスコーブドリの伝記【銀河鉄道の夜】

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>>85
(『銀河鉄道の夜』で)ただ、そこがジョバンニの内面である以上、その外側にも命に満ちた世界があることも
演出的に示す必要があった。そこで投入したのが三角標だった。
原作に登場する三角標は、「天気輪の柱」などとともに、それがどのようなものを指すかわかっていない、
研究者によっても意見の分かれる存在だ。測量のときに使う標識という説もある。
それを僕は、光る辺で縁取られた三角錐として描いた。
僕は、これをジョバンニやカムパネルラが居るところでもない第三の存在と考えて、
そんなニュアンスを出したい時に登場させた。
この三角標は、続いて制作した『源氏物語』(一九八七年)や『グスコーブドリの伝記』にも登場している。
三角形というシンプルで原始的な形を出すことで、心の世界の外側にある生命の力のようなものを
象徴する造形として使った。

(杉井ギサブロー『アニメと生命と放浪と』)