【高橋洋】 恐怖 【Jホラーシアター】

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147名無シネマ@上映中
シルビウス裂がもつ「人に幻覚を見させる機能」は、真実の「発狂した世界」を押し隠し、人の精神の平衡を保つためにある、という解釈だよ。

「人間は認識能力の限界に守られ、真実の世界と直面せずにいられる」という解釈は、19世紀後半の科学の発展から発生した考え方で、別段新しいものじゃない。
古典SFやホラーの世界ではすでに使い古されたネタだ。
アーサー・マッケンの「パンの大神」もこの系譜だし、HPLの短編にもモロにこれが描かれているのがある。
で、この認識能力のリミッターを外科手術とか霊薬の類で吹っ飛ばすとどうなるのかというと、たいていは主人公の発狂か自殺ということになる。
でもこの映画の主人公は、真実の姿を触感から類推しただけなので発狂も自殺もせずに済みましたとさ……っていう話だよ。