うーん、朝日新聞、テレビ朝日がかんでるから、変にねじ曲がってたらどうしようかと不安だったけれど、
その展開は無かった。全体として、悪い感じはしなかった。
でも、脚本がぬるいね。イデオロギーを排して、贖罪史観でもなく戦争賛美でもなく描こうとしたのは
理解できるけど、左右各方面からの突っ込みを恐れすぎたのか、きれいごとになってしまって、リアリティーが
薄かった。
ドキュメンタリーのごとく淡々と描写する作り方にしても、乗組員の必死さ、敵の必死さ、それぞれの死力を
尽くした手に汗握る戦いは描けたはずだ。緊迫感、切迫感が足りなかった。
回天の四人の決死の覚悟、今度こそ出撃したい、でも本心では死にたくない、でも名誉のために死にたい
でも死にたくない、心中そういう葛藤があったんじゃないかと思うが、それも描き切れてなかった。
まあ、ぬるい映画ではあったけど、不愉快さが残らないのは救い。容姿の良し悪しを問わず、みんなよい
男っぷりだった。