【fiction】闇の子供たち議論スレ【non-fiction】

このエントリーをはてなブックマークに追加
288名無シネマ@上映中
後半の質疑応答より一部抜粋
質問者「とてもシンプルな質問ですが、なぜ舞台がタイなのかという点が私は疑問に感じました。
人身取引報告書という報告書が毎年アメリカから出されています。
これによるとタイはここ数年ずっとTier 2に評価されています。タイより下の
Tier 3には北朝鮮やイラクなど様々な国があります。それなのになぜ、2008年
に上映する映画でタイをピックアップしたのでしょうか。また日本もタイと同
じTier 2に評価されています。それならば日本を舞台にしたほうが良かったの
ではないでしょうか。」

梁石日さん「まず原作がタイですからね。だから映画もタイになったと思う。
なぜタイなのか。もちろんフィリピンならどうか、カンボジアならどうかと
いうことなんだろうと思うんだけど。私は小説家ですので、そう言われる以
前に小説はフィクションだということを理解してもらいたいわけなんですよ。
こういった問題(人身売買問題)はなかなかノンフィクションでは書きにく
いわけですよ。ノンフィクションは事実を追って書いていくわけですけれど
も、その事実の向こう側にある真実というものはなかなか見えてこない。あ
る程度までいくと取材もできない、見えない闇の世界です。そこに飛び込ん
でいけるのが小説なんです。つまり虚構の真実を追い求めていくわけです。
そうなった時に舞台がどこだったとかは大事なことではないんです。この問
題が抱えるもっと普遍的なことが大事であってね。
それじゃあ日本もタイと同じ評価ランクだと言いますが、(日本を舞台に)
書けると思います?書けないですよ。私も小説家として、私が選ぶ主体性とい
うのがあるわけですよ。ですから責任の主体を明らかにせよというのであれば
、原作者にあるわけですけれども、フィリピンならよかった、カンボジアなら
よかったと、そういう風には思っていないです。」
289名無シネマ@上映中:2008/11/18(火) 08:54:12 ID:fuYyO7N0
阪本順治監督「現在においてどこで人身取引が集中的に行われているか
というと、今やタイは警察の取り締まりも厳しくなっています。だけど
他国を舞台にしたフィルム映画を一本完成させるとなった時に何の条件
が大事かというと、他国のスタッフと組まないといけないんですね。そ
うなるとある意味タイは安定している部分があるんですよ。タイの映画
業界というのはそうとう発達しています。要するにあるテーマを挟んで
、資本が動いたり、タッグを組めるという安心感があるんですよ。これ
がドキュメンタリーを作るのであれば、自分一人が危ない目に逢えばい
いだけなんですが、他国に入るスタッフとキャストと組む時に現場の映
画状況がある程度整備されていないと組めないんです。それでどうやっ
たらこれが劇映画として成立するかを考えた時に、やはりタイのスタッ
フとキャストじゃないと組めなかったですよ。 またはどこの国にも言
い訳がつくように架空の国にしたらどうかとかも考えたんですけど、で
も言語はどうすればよいか、全員英語ではなせばよいか、でもそうした
ら日本の近隣で起きているという距離感が遠くなってしまい、アジアの
映画として成立しなかった。何を言っても言い訳に聞こえてしまうかも
しれないけど。」

唐崎正臣さん「私としては舞台がタイでよかったと思う。この映画の撮
影後に人身売買問題の調査をしている一番大きなNGOに話を聞かせてもら
って、データも見せてもらったんだけど、それによるとタイよりもっと
貧しい近隣の国であるベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアから
の不法侵入国者が年間100万人を超えているんです。その中の子供たちが
被害者になっている。それと幼児じゃなくても成長した女性も被害者に
なっていて、タイが取引の中心となって世界中に搾取される人々が送ら
れている状態です。ですので、場所がタイというのは非常に的を得てい
ると思います。」
290名無シネマ@上映中:2008/11/18(火) 17:00:43 ID:ZnmlH3J0
以前はとくに監督のインタヴューとか読んでると
告発してやるんだふじこ!って印象だったんだけど
少し頭冷えた感じだなw
言い訳がましいところあるけど

ネガティブキャンペーンになったのは日本じゃなくてタイだったわけだ
親日国なのにひどい仕打ちw