ターザン山本のシネマイッキ塾

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27名無シネマ@上映中
「ぐるりのこと。」を観た先生の感想

でも正直いって私は上映後、10分がたった時、席を立って映画館を出ようとした。
登場している人たちのおしゃべり、会話のやりとりそして行動が下品かつオーバーアクション。
それがハナについたというか感覚的にああいうのって私はまったくダメなのだ。
監督があえて人物たちをマンガチックに表現しているのはわかる。
しかし私はどうにもそれについていけないのだ。
彼らが使っている日本語がとにかく「きたない」「よごれている」「にごっている」。
それって耐えられないことである。
私にとって何がこの世の中で最も神聖なものかというと、それは絶対に日本語なのだ。
日本語は心地好いものでなければならない。
日本語にはいつも品位と民意が問われている。
この映画に出てくる日本人は全員、日本語失格だ。
唯一、リリー・フランキーだけが映画の中で日本語の品位を守っていた。
この映画の中心テーマは私的にはそこにあるとみた。「ぐるりのこと。」
のもう一つのテーマは日本人にとっての日本語のことである。
日本語が今、危機にひんしている。日本語がスクラップ状態になっている。
日本語がくず鉄になってしまった。
がらくた日本語のオンパレード。もうやめてくれである。だからリリー・フランキーはずっと沈黙の人的イメージを貫いていた。
日本語がアチャーなのだ。やっぱり課題映画を日本映画にしたのは失敗だったと私は後悔した。
3時間近い上映中、私は苦痛だった。