>>55、
>>57 ヒマできたんで、説明してみるわ。
まず、この映画がアブストラクトなもんだというのを理解しといてくれな。
次に、特に前半部分では、そこで起きてるすべてのことが
追い込まれて切羽詰った「ダイアンの心理状態の反映」だというのも理解しといてくれな。
たとえ他の人間の言動であっても、それは全部ダイアンの心の声であるということだ。
問題のシーンは、殺し屋が街娼に「黒髪の新入り」がいないかどうか聞いてるシーンなんだけど
「黒髪の新入り」ってのは、つまりリタのことだ。
要するに、表面的にみれば、行方不明になっているリタに対する捜索が行われているシーンなわけ。
しかし、すべてが「ダイアンの心理状態の反映」であるという見方でみていくなら
これはダイアンが、自分が「追跡」「監視」「追及」受けていると感じていることの表れであるんだな。
頭のほうで出てくる「電話連絡リレー」のシーンなんかもその表れだ。
ついでにいうと、あの娼婦の存在自体が「ダイアンの心理状態の反映」でもあるわけで
ダイアンがそれに類する仕事をしていたことの根拠のひとつになり得るし、
少なくともダイアンが「自分が娼婦になったような気分」であることはいえると思うな。
80 :
名無シネマ@上映中:2007/12/08(土) 14:18:48 ID:V5Md6B7l
なるほど
エクセレントな解説ありがと
ついでにダイナーで夢を見たと男が話しているシーン
かいせつしてるとこで、殺しやの手下が警察に聞かれてるとなってるとこ多いけど
なぜ殺しやの手下と警察と想像してるんかね?
普通の友人同士じゃないの?
さっきの解説で心理状態と殺害を依頼した場所だからってのはわかるんだけど、手下ってのがどうもわからん
単純に連ドラ化のための伏線なんじゃねーのという気もするけど。
冒頭のみだった刑事もパイロット版だと再び出てくるしね。
「その後の刑事」は映画版ではカットしたけど撮り足したシーンで殺し屋が要るから
あの娼婦のシーンは生かしておいてそのままキャラを後半に流用したとか。
むしろドラマで見たかったよ。リンチがまた長期ドラマに関わることってもうないのかな。
>>80 他の人がどう言ってるかは知らんけど、あのシーンに限っていえば、ウィンキーズ自体が
ダイアンがハリウッドの映画業界に対してどういう感情を抱いているかの表れであるんだな。
外にある公衆電話は業界に張り巡らされたネットワークだし
立ち入り禁止の扉は、自分が入ろうとして入れなかった業界に入るための扉だし
そのもっとも奥には得体の知れないものが住み着いている。
もちろん、ハリウッドの映画業界に入るのは、ダイアンの「夢」だったわけだ。
眉毛男たちの会話も、結局、ダイアンの心の声なんだよ。