【嘘の強制連行】プロパガンダ映画!パッチギ! 2【現実の拉致】

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だけど、ここには前作のような爽快感はない。キョンジャの芸能界進出を描く部分は、どこまでが本気なのか、と思わせるくらいにあまりにいいかげんでリアリティーのない描写が目立つ。
70年代の日本のテレビ界、映画界ってここまで酷い状態だったのだろうか。わざとデフォルメしているにしても、あまりに封建的であったり、杜撰な部分が多すぎてついていけない。
いくら芸能界はヤクザな世界とはいえ、ここまで酷かったのか?ここで描かれる大作戦争映画『太平洋のサムライ』ってあきらか東宝の『大空のサムライ』がモデルで主人公のロンゲは藤岡弘だが、ここまでやっていいのか。

アンソンがもと国鉄マン(JRではないよ)の佐藤(藤井隆)と2人で金の密売をするエピソードも描き方が中途半端で、彼らになぜそういう仕事ができたのか、そうすることでどれだけのメリットと危機を背負うことになったのか、が分かりにくい。
 さらには兄妹の父親が済州島から日本にやって来るまでの、戦争を背景にした部分も冗談みたいに、ひたすら激しい爆撃を繰り返すばかりで、イメージとしては分かるがそれ以上のドラマが描かれていない。

 映画全体がまるで書割めいたものになっているのだ。キョンジャの恋人になる西島秀俊のアウトロー・スターなんてこれまた冗談みたいな人物でペラペラな描写しかない。

 日本という閉塞社会にパッチギをかまして、時代に風穴を開けようとする兄妹の物語として見ていけばいいのだろうが、スケールの大きさと描写の卑小さのギャップが大きく、ギクシャクした居心地の悪い映画になってしまったことは否定しきれない。
ラストの映画完成披露試写会場で、暴動が起きるシーンにも爽快さはない。誰と、何のために戦うのかがはっきりしないし、これだけの大事件を起こしたりしたら社会問題になりそうなのに、そういう面でのフォローが描かれてない。

 前作の塩屋瞬のポジションを藤井隆が演じるが、この役をただの脇役に甘んじさせたため、この映画には日本人が在日社会を見るという視点が小さくなってしまった。
前作にはそういうワンクッションがあったから見やすい映画になっていた、ということも改めて感じた
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