芸能 大泉洋ら所属オフィスCUE(キュー)15周年 鈴井亜由美副社長
2007.01.03 日刊スポーツ 北海道日刊
人気タレントの大泉洋らが所属する芸能事務所
「クリエイティブオフィスCUE」が今年創立15周年を迎えた。
大泉もメンバーに名を連ねる劇団「TEAM NACS(チームナックス)」
などを擁し、北海道を代表するプロダクションに成長したが、
それを陰で支えてきたのが取締役副社長の鈴井亜由美さんだ。
社長兼タレントの鈴井貴之の妻でもある。所属タレントからも
尊敬される鈴井さんにまつわる秘密に迫った。
テレビ、ラジオなどで所属タレントから副社長を文字って
「フクシャ」と呼ばれている鈴井さんは、いろいろなうわさに
包まれた女性だ。オフィスキューのファンからは大泉洋を発掘
したのはフクシャだ、会社がもっているのもフクシャがいるから
などといわれているが…。
鈴井さん『発掘したというのは大げさですね。当時、モザイクな夜
(HTBの深夜番組)の1コーナーに出演していた役者が辞めるので
新しい人を探さなくてはいけなくなりました。たまたま、自分が
経営していたメキシコ料理店で打ち上げしていた中に大泉がいて、
初めて会いました。髪の毛がウエーブで長くて。変わった子でしたね。
収録まであと1週間しかないのでただ当てはめただけ。
演技とかは全然見ていないんですよ。』
それでも、出会いは偶然だったかもしれないが、テレビの出演を
OKした鈴井さんの眼力がなければ今の大泉はいなかった。
92年に立ち上げた鈴井貴之の個人事務所は、鈴井さんがOL時代に
貯めたお金が充てられた。マンションのワンルームに机と電話だけの
小さな事務所。そこが出発点だった。会社が軌道に乗るまで、夫に代わり、
経営、プロモート、マネジメントと1人で何役もこなした。
鈴井さん『会社を立ち上げる時点で鈴井には覚悟してくれ、私も覚悟するから
と言いました。仕事辞めたときは鈴井とやるしかないと思って
いましたから、その1年前には婚約していました。死ぬ気でやったのは
最初の1年。辞めた会社が雇ってくれて昼間はそこでバイト。
朝9時半から6時までそこでやって夜9時半から夜中まではフランス
料理店でウエートレス。休みのときはリポーターの仕事。休んだら仕事に
ならないので苦にはなりませんでした。休んだほうが怖かった。』
会社が軌道に乗った今でも、イベントの企画、立案に参加する。また、
タレントへのアドバイスも忘れない。事務所の潤滑油としてオフィス
キューへ果たす役割は大きい。チームナックスら草創期からともに
しているタレントも、鈴井さんの苦労を知るからこそ尊敬の念を抱いている。
鈴井さん『いい仕事をいいテンションでしてもらうためにも、タレントの
マネジメントには気を使っています。舞台やテレビに出演したら感想を
伝えることも大事。自分のことを気にかけているんだなと思ってくれれば。
北海道は元気がないと言われますが、旭山動物園や日本ハムのように
活性化させる存在になりたいですね。』【構成・小林明央】
◆チームナックスのリーダー森崎博之
『札幌のお母さん。寝食の心配や、ファッションチェックまで気をもんでくれる。
仕事の向き合い方からおいしい店まで数多く教わった。厳しい人だが、
どんな相談でも話しやすい。涙もろく、NACS初の東京公演初日、
おれたちより先に泣いていて、こっちが泣けなかった。』
◆夫でありオフィスキュー社長でもある鈴井貴之『光が当たれば、必ず影が出来る。
タレントは華やかな光に照らされるが、いわば弊社副社長は、その影の部分を
担っていると思う。影がなければ実体を伴わない。そして影も光が当たる者と
まったく同じ動きをする。ただ副社長の場合、輪郭のはっきりとした影であることは
間違いない。』