子ぎつねヘレン

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78名無シネマ@上映中
キネマ旬報3月下旬号 REVIEW 2006
★★★★・・・必見!
★★★・・・一見の価値あり
★★・・・悪くはないけど
★・・・私は薦めない
79名無シネマ@上映中:2006/03/06(月) 21:09:15 ID:l8rovvoj
渡辺武信  ★★
  少年、太一が拾った子ぎつねは事故によって視覚と聴覚を失い、鳴き声も出せなかった。放置すれば
すぐに死ぬはずの小動物を獣医はヘレン・ケラーに因んだ名前をつけ、太一を「サリヴァン先生」と呼ぶ。
十日余りの命だが、死の間際にヘレンは太一に母親を呼ぶ鳴き声を出すのは感動的。「どんな名優も
子役と動物には勝てない」という定石の典型だが、テレビ出身の河野圭太の演出はそっけない仕上がり
。小学生くらいの子と見るにはお勧め。

渡辺祥子  ★★
  気ままな母の再婚相手の北海道の家に一方的に預けられた少年が、子ぎつねを拾って交番に届ける
。すると警官は獣医の家に少年と一緒に送る。少年はそのまま獣医の家で暮らすが、母の再婚相手の
家はどうしたの?少年の子ぎつねへの愛や、子ぎつねがヘレン・ケラーのように目も耳も不自由なことに
気づいた獣医とその娘の関係にも温か味があって好感が持てるが少年を預かった男と獣医が同一人物
、というのが少年の母が出る後半まで語られないのには参った。脚本はもっと丁寧に。
80名無シネマ@上映中:2006/03/06(月) 21:10:18 ID:l8rovvoj
内海陽子  ★
  ひとの難病映画も多くはいただけないというのに、野生動物の難病映画とは恐れ入る。「ヘレンは死ん
だほうが幸せなのかな」と考える暇があったら、さっさと殺してあげよう。子供がサリヴァン先生を気取っ
ている場合ではない。ヘレンはどう撮っても可愛くならないのにひきかえ、犬のロッシがちょっと悪さをす
るとそれだけで絵になるのは皮肉だ。感動の実話はそれだけでは感動の名作にならない。子供と動物を
出せば誰でも心を打たれるわけではない。ヒューマニズムの扱いは慎重に。

田中英司  ★★
  苦手なタイプの映画である。ついつい泣かされて、良し悪しとは別に映画が強く印象に残るのがやっ
かいだ。子供たちにこの映画を見せるのはいいと思う。悪いことは何ひとつ言ってないし、愛情、献身、
努力、夢など、成長期に採っておきたい心のビタミンがたっぷり含まれていて、鑑賞物ではなく「情の教
材」として有益なものだろう。この映画は頭で鑑賞するべきではない。分析はしない方がいい。そんなこ
とをすると、子ぎつねの名演技に人間の操作性を感じて、つまらなく思え、涙も出ない。