パッチギの高評価が興行収入以外の部分であるとすれば、(それ以外にないが)
それはやはり扱っているテーマが評価の対象になっているからだろう。
つまり、「在日コリアン問題」に真っ向から斬りかかっている点が
評価されているんだろう。
「韓流ブーム」と「漫画嫌韓流の大ヒット」からも明らかなように、
今まさに日本で顕在化しているトピックなだけに注目が集まるのは当然。
日本人と在日コリアンが共存していく事は可能であるか、ずっとタブーとされてきた
「在日コリアン問題」をどう扱うか。
パッチギではロミオとジュリエットよろしくの青春映画という手法をとったようだが、
結局背景にあるのは「戦後自虐史観」そのものであった点が反発を招く
最大の要因であろうが、共存を(手放しに)良しとする日本人には爽やかな余韻が
残ったのではないだろうか。
一方、歴史問題に思うところがある人にとっては、「朝日新聞的な」
「戦後民主主義的な」「マルクスレーニン主義の延長のような」
「進歩的平和主義的な」「脱国家的世界観的な」印象を与える
井筒監督が提起したような解決策のイメージは到底受け入れられるものではないだろう。