ジュラシック・パーク総合III【ロスト・ワールド】
自分はカナダ国内において実際に460マグナム口径のMarkX他数丁の
ハンドガン、ライフルを所有しています。
大口径ライフルが生物の肉体に与える損傷というのをご存じ無いかと思うのですが、
古生物ライターの金子隆一氏と電話でお話しさせて頂いた際、T-REXとて460wbymagが
命中すれば確実に上顎の一部は吹っ飛ぶだろうというご意見でした。
小さな脳を狙うよりも、正面にある胸骨の間から、スイカ大の心臓を
吹っ飛ばすほうが得策だろうとも助言してくださいました。
水を満タンにした200kg以上のドラム缶を撃てば、中に跳ね上がり表面が
大きく張り裂ける威力を目の当たりにすれば、恐竜相手にも充分通用しうる
武器だということが納得できると思います。
国内の話しですが、308程度のライフル弾でさえ、鹿の頭部に命中して頭が
破裂することも有ります。
ちなみに、私がカナダの射撃場において、銃弾の威力テストに使う
一辺が1m四方の樹脂(粘土に近いもの)に460wbymagを撃ち込んだところ、
真っ二つに切断すると一番広い所で直径約70cmの穴が開いていました。
入り口と出口は10数センチ程度ですが、真ん中あたりの損傷はそれぐらい
大きいものでした。
もちろん、クレイやバリスティックゼラチンも体組織と同じ性質では無いので
生物のそれに全く同じ効果が期待できるとは言いませんが、破壊力の目安程度にはなります。
460Weatherby mag FMJ(フルメタルジャケット)の場合、着弾時に
変形しにくいように表面のカッパー(銅のコーティング)とレッド(鉛)
の間にスチールが入っていますので、前述した様に、その貫通力は
常軌を逸したものなのです。
初活エネルギーですが、Weatherby MkXRifleに使用される弾薬は、1つの口径につき
幾つかの弾頭や火薬の種類が選択できますが、代表的なデーターを記して置きます。
目安くらいにはなると思います。
ちなみに銃口エネルギーに関しての比較では460weatherbyのパワーは、
45ACPの約25倍、44マグナム弾の約10倍程度となります。
460weatherby FMJ
弾頭重量 500gr
使用火薬 IMR 4350
薬量 124 grs
銃口初速 2774 fps
エネルギー 8525 ft-lbs
TKO 90.75
OGW 8005 lbs
.45 ACP FMJ
弾頭重量 230 grs
火薬量 5.5 grs
銃口初速 825 fps
エネルギー 347 ft-lbs
.44 Remington Magnum
弾頭重量 240 grs
火薬量 20 grs
銃口初速 1280 fps
エネルギー 871 ft-lbs
BARRET M82-A1
http://dolby.dyndns.org/upfoo2/mov/1132923661513.wmv 確かに対物用ライフルとしては、素晴らしい破壊力です。
ただし、携行性を重視するハンティングに使用できる代物ではない。
これは敵の司令塔などを攻撃する用途に使用するライフルです。
トラックなどに銃座を設置して車で運搬し、ある程度ゲームの生息域まで足を踏み込みそこで
射程圏内に入るまで待ち伏せするという方法ならばアンチマテリアルライフルも使えないことは無いと思います。
ただ銃自体が非常にヘヴィで銃座かバイポッドによる射撃を強いられることになるので
どうしても人間の数倍の反射神経を持つ素早い猛獣の前後左右からの急襲に対しての対応は限界が出てきてしまいます。
あと、ゲームの糞や足跡などの痕跡を辿って捜し歩くという一般的なビッグゲームハントの
形は取れないので実用的とは言えず、プロハンターでその手のライフルを猟野で使用する
人はほとんどいない様です。
現在、Weatherby社の416以上の口径にはaccbrakeという非常に優れたマズルブレイクが標準で付いています。
同社オリジナルのマズルブレーキであるaccbrakeは、同社カタログによると
反動を50%近く軽減するという事ですが、正直それ位軽減出来ているのかは判りません。
ただ、私が実射しても肩口に内出血が起きる程の強烈なキックでは有りますが、
マズルブレーキを装着時なら実用に耐えうる程度のリコイルです。
身長158cmの女性(射撃歴4年)の女性も撃ってみましたがマズルブレーキの効果が
幸いしてか、女性が射撃しても大きく後ろに仰け反り半歩後ろに後退する程度です。
精度のほうも、メーカーでは100ヤード3発の精度1.5インチを保証していますが、
実際に射撃場で撃ってみても精度自体悪くはない銃です。
私の場合マグナムオートなのど射撃でも良く的に使うのがボーリングの
ピンですが、wby460magでも慣れれば50ヤードからスコープ無しで3発撃って9割の確率で全弾命中します。
アフリカゾウなどの場合、スコープを使用せずオープンサイトで超至近距離から
狙いますので問題の無い命中精度だと思います。
俺が今まで17頭仕留めた熊の中で最大のものは体重540kgのグリズリー。
そのクマの存在に気付いた時はキャンベルリバーという川を挟んだ向こう岸でその距離約50mくらいの場所だった。
最初はこちらに向かって少し助走したので慌てて後ろに下がったが、クマがストップしたので、ただの威嚇だと思った。
俺のウェザビーはスコープなし(普通.460クラスはオープンサイトで使用する)なので、本当はもう少し近くのほうが
狙いやすかったが、距離が有るうちに仕留めたほうが安全なのでクマに狙いを付けた瞬間、ヤツもこちらの
殺気に気付いたように、唸り声を上げながら物凄い勢いでこちらに突進して来た。
そのド迫力に思わず後ずさりしたが、ガイドもクマにエイムして慌てるな!と叫んだ。
あっという間に距離は詰まりガイドの合図で発砲した時はその距離約10m、見事に狙い通り正面から鼻に入り脳幹を破壊した。
クマが倒れた場所は俺たちからわずか3mところだった。
倒れた後にもう1発保険の弾を撃ち込んでから、クマの目を銃口で突いて反応が無い事を確認して。
ガイドと俺は握手して歓喜の雄叫びを上げたよ。
クマが立ち上がって威嚇する時はまだ向こうもこちらを威嚇しながら様子をうかがっている場合。
繁殖期の気が立ったクマなら異変を感じて人間に警戒すれば直ぐにこちらに走って突っ込んで来る。
そうなればもうスラッグ弾か、大口径マグナム弾の強烈なインパクトでないととても止めようがない。
仕留めたグリズリーの計量は滑車の付いた木に吊るすタイプの測りで現場でやった。
お肉は日本に持ち帰れないのでその場でガイドに解体してもらい、
一部はその場で調理して食べて残りはガイドや向こうの知人に上げた。
熊肉は結構美味かった。
味付けが良かったのかも知れないが、俺がビーフシチューが好きだと話したら
ガイドが美味しく味付けしたビーフシチューならぬベアーシチューを作ってくれた。
熊の肉は臭みが強いので、最初に鍋でコショウなどの香辛料をたっぷり使って火を通して
臭みを消したほうが良い様だね。
あと、冬眠前の脂肪が乗ったクマだったので腹回りの一番美味い肉を頂いた。
味としては豚肉をもう少し濃厚にした様な感じだった。
ぶっちゃけ牛肉のほうが美味いとは思ったが、自分で仕留めた熊肉を食べるというのが
男のロマンでありまたその味も格別なものに感じる。
そのまま野菜などと一緒に網焼きで食べる人もいる様だがやはり煮込んだほうが柔らかくなって食べ易いらしい。
まさに男のロマンだ。
グリズリー(400--700ポンドの平均重量)
7mm Rem. Mag., 175 gr(OGW 1074 lbs.)
.338 Win. Mag., 225-250 gr(OGW 1632-1765 lbs.)
.375 H&H Mag., 270 gr(OGW 2129 lbs.)
.458 Win. Mag., 350 gr(OGW 1705 lbs.)
ヘラジカ(600--1000ポンドの平均重量)
7mm Rem. Mag., 175 gr(OGW 1074 lbs.)
.338 Win. Mag., 225-250 gr(OGW 1632-1765 lbs.)
.375 H&H Mag., 270 gr(OGW 2129 lbs.)
.458 Win. Mag., 350 gr(OGW 1705 lbs.)
ブラウンベア(900ポンドの平均重量)
.338 Win. Mag., 225-250 gr(OGW 1632-1765 lbs.)
.375 H&H Mag., 270 gr(OGW 2129 lbs.)
.458 Win. Mag., 350 gr(OGW 1705 lbs.)
アメリカンバッファロー(930--1600ポンドの平均重量)
.338 Win. Mag., 250 gr(OGW 1765 lbs.)
.375 H&H Mag., 270 gr(OGW 2129 lbs.)
.458 Win. Mag., 500 gr(OGW 3184 lbs.)
600Nitroなどのブリティッシュ・クラッシック・カートッジは
重量低速弾至上主義時代の最たるアモだといえるが、現在、エレファントガンの主流が
それらの弾薬を使用するダブルライフルから.458Winや.460Wbyといった軽量高速な
モダンボルトアクションへと移行していったという事実からも有効性の優劣が一目瞭然。
460weatherby FMJ
弾頭重量 500gr
使用火薬 IMR 4350
薬量 124 grs
銃口初速 2774 fps
エネルギー 8525 ft-lbs
TKO 90.75
OGW 8005 lbs
見よ、この軽量高速弾のハイパフォーマンス!!
正に素晴らしいの一言に尽きる!
それまで世界最強のエレファントガンとして君臨していた600Nitro Experessに代わり、
1958年にロイ・ウェザビーが開発したWeatherby 460Magnumがその高速にものを言わせ、世界最強の座についた。
その後も577T-REX 700Nitro Expressなど、市販の商用ベースに乗らないカスタム品を
除いて、市販の狩猟用ライフルとしては未だにWeatherby 460Magnumが世界最強の座を守り抜いている。
http://www.bigboreproductions.com/TheGuns.htm http://en.wikipedia.org/wiki/.700_Nitro_Express SpeerのAfrican Grand Slamも優れものだ。
恐らく市販の.458弾頭の中では最も貫通力に長けていると思われる。
http://www.gunaccessories.com/Speer/African%20GrandSlamRifleBullets.asp アフリカの大型硬皮獣などは遠距離での初速やエネルギーの維持、命中後のエキスパンション
などといった要素よりも、20〜30mという至近距離で分厚い皮膚や頑丈な骨を貫通できる能力が
重要になってくるので、African Grand Slamが最適だろう。
タングステンを使用しているAfrican Grand Slam500grなら、ティラノサウルスの
頑丈な皮膚や骨を難なく貫通して、内部の脳幹や中枢神経も粉砕することができる。
逆に、グリズリーなどの軟皮ゲームに対してはある程度の遠射も考慮に入れて、
Barnes Triple Shock 500grあたりが最良の選択だと思われる。
俺はWeatherby MkX.460Magを使えばT-REXとて倒すことが出来る偉大なるビッグゲームハンターだ。
法律さえ許すならシロナガスクジラもブレインショット1発で仕留めていただろう。
これは50BMGで頭を吹っ飛ばされたイスラムテロリストだが、下顎だけ残して頭が綺麗に吹っ飛んで無くなっている。
http://www.ogrish.com/archives/iraqi_insurgent_taken_out_by_50_cal_sniper_May_27_2005.html Weatherby.460mag 2,776fps 8.545fi.bltのホットロードでT-REXを撃てば上顎は綺麗さっぱり無くなるだろう。
捕鯨船で止め用として使われることでも解る通り、大口径ライフル弾の運動能力というのは
銃器の知識が無いものが想像するよりも遥かに凄まじいものなのだ。
ちなみにカナダでも.458クラスでグリをやる時は3〜4倍位の低倍率スコープで
100yard以内から狙う場合も有るが、俺が何故オープンサイトに拘るかと言うと
強烈な反動でスコープがずれてしまうのを嫌ってのことだ。
スワロフスキーやリューポルドなのどの高い物を選んでもハイパワーマグナム
で有る限り、それは避けられないし、中口径クラスでも近距離で遭遇した場合はスコープが邪魔になることもある。
ジュラシック2でスキンヘッドのハンター、ローランドが大口径ダブルライフルでT-REXを仕留めようとしたが、
カートリッジの弾頭が外されていたので撃つ事が出来ないというシーンがあった。
あのライフルはスピルバーグが映画に使うためにホーランド&ホーランドの特注した
600Nitro Experessを使用するダブルライフルだ。
アラスカ、カナダではプロガイドは最低でも.375H&Hや.458Winを使うのは常識だ。
日本の熊とはでかさの桁が違う。
700kgなんて化け物クラスもザラではないにしろ存在する。
308クラスのライフルは止む終えない時にしか使わないし、それならスラッグの方がまだ頼りになる。
半矢にしてアドレナリンが分泌し、興奮状態のグリズリーの突進は.308では到底止まらず、
そうなればもう3inスラッグか大口径マグナムのカウンターパンチでなければストップ出来ない。
北海道でもハンターがヒグマを.308で半矢にして、逆襲されて殺された人は何人もいる。
旭川の人だが、ヒグマを撃ったが急所を外して、逃げたと思って帰ろうと車に戻り、
銃をトランクにしまった途端に隠れて待ち伏せしてた熊が飛び出してきて襲われた人は、一週間後に亡くなった。
アイヌの人々はヒグマを神として崇めるが、そういう頭の良さにも敬意を示してのことだろう。
熊はアンブッシュとストーキングの名手だからね。
最初の一撃が的確でなければ、半矢で逆上したクマは体内アドレナリンが
分泌して何発撃っても死ななくなる。
だから最初の一撃で鼻か口、立ち上がってる場合ならば喉から矢を通して脊椎を切断し
中枢神経を破壊すればその意思とは無関係に強制的に動きを停止することが出来る。
射手と熊との位置や角度によって100通り以上の仕留め方が有るが、
野生動物は心臓を撃っただけでは直ぐに死なない場合が多い。