613 :
名無シネマ@上映中:
89年10月だった すばるって雑誌
村上:
「凶暴」の映画がいいのは、恥の感覚みたいなものをたけしさんが知っているからだと
思うんだよ。こういうの恥ずかしいって、あるじゃないですか。普通、職業脚本家とか、
テレビの人たちというのは、信じられないことにそういうのって少ないんですね。僕は
去年かおととしかトークショーを始めてね、気がつくとシャイとか恥ずかしいとかいうの
を、忘れちゃっているのね。こんなせりふは恥ずかしいんだとか、あるじゃないですか。
「凶暴」はそういうことがなかったからね。やっぱり現職の刑事が撃ち合ったりするのっ
て恥ずかしいでしょう、テレビの番組で。そういうテレビの恥ずかしさというのが全く感じ
られないというのは、僕は映画的だと思うんです。脚本家って、そんなの別に全然恥ず
かしくなく書いちゃうんです、わりかし。
たけし:
あれは原作なんか、清弘というのがすごい凶暴と書いてあって、清弘から逃げて川の
ところに隠れて布団かぶっているやつのせりふがすごいんですよ。初めの台本だと、
「だれがやったんだ」「清弘だ」「清弘とやらなきゃいけねえな」「あいつを捕まえるのは
できるわけねえ。あいつは殺すだけなんだ。あいつを殺すのはここの一点しか撃つと
ころがない。それ以外にあいつは絶対生きる」って、どういう映画なんだこれは、バカ
ヤローって。「あいつの息の根をとめるのは、ここに一発・・・・・・何だこれって」
村上:
「北斗の拳」みたいだね(笑)。
たけし:
「眉間に一発、弾丸を撃ち込まなきゃ、あいつは死にゃしねえぜ」と言って、こんなやつ
がどこにいるんだ(笑)。