「ローマの休日」について語るスレ

「ローマの休日」の脚本原案は、１９４７年頃ドルトン・トランボが書い
た。
当時、トランボは赤狩りでハイウッドを追放されており、裁判費用や
生活費を必要としていた。そこで、「ローマの休日」を書いたのだが、ス
トーリーを見ると、フランク・キャプラに採用してもらうため、キャプラ
の作品「或る夜の出来事」を相当意識したと考えて間違いないだろう。

追放されていたトランボがキャプラに直接プレゼンするわけには行かない
ので、代理（イアン・マクレガー・ハンター等）がキャプラにプレゼンし
た。この企画をキャプラは気に入った。
キャプラは、エリザベス・テーラーとケーリー・グラントを主演に据えて、
カラーで撮影しようと考えた。

（つづく）

当時、キャプラは「素晴らしき哉、人生! 」において興行的に失敗し（今
では名作とされるが）、自らのプロダクション「リバティ・フィルムズ」
を倒産させてしまい、自分の手で映画を撮ることができなかった。そこで、
映画会社に話を持ち掛けた。
その中で興味を示したのがパラマウントであったが、パラマウントが映画
化に当たって付けた条件は「低予算」「白黒フィルム」（他にも「ハイウ
ッドで撮影」という条件あり）であった。
従って、ギャラの高いエリザベス・テーラーとケーリー・グラントを出演
させるわけに行かず、希望していたカラーフィルムで撮れないということ
で、キャプラがこの企画を諦めることにつながった。

（つづく）