デイヴィッド・リンチ総合 III

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79名無シネマ@上映中
>>64,70,72-75

死に方で言うと、
>>70 が挙げてた「ブルー・ベルベット」の立ったまま死んでる悪徳刑事は
正しくリンチ的世界の住民像を代表してるよね。ちゃんと手も挙げるし。

これに続けて俺が挙げたいのは、
「ロスト・ハイウェイ」のアンディかな。
頭にガラス・テーブルの角をめり込ませたあの幾何学的な構図は
何度も夢に出てくるよ。

アンディの死に方を見るまでは
「ワイルド・アット・ハート」のボビー・ペルーの
頭部吹き飛ばしが最高かなぁと思ってたんだが、
ビニルに包まれたローラ・パーマーの死体もそうなんだけど、
リンチって、人間が生きている状態から死んだ状態へ移行するときに、
生物がたんなる物質へと化すことを見せたいんじゃないかと思うんだよね。
情念的な意味での「生死のドラマ」ではなく。

だからこれらの完全に凝固したモノ、
幾何学的な構図を持つモノ、
他のモノと同一化したモノ。

そういう状態の死体こそが、
リンチの世界の他のモノ達と「フィルム」とを結び付けているように思う。