★「シンドラーのリスト」★

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773名無シネマ@上映中
>>754
「内面を描いていない」「内面描写が下手」というのは
スピルバーグがずっと言われていた事だけど。

そもそもスピルバーグって人間の内面を描こうとしてるんですかね?

個人的にはスピルバーグは映画に対して非常にドライな人で
「カメラに写らないもの」を描く事に対して懐疑的なんじゃないかと思う。
「人間の内面なんてカメラには写らねーよ」って事ですね。

例えば机の前に座って悩んでいる人間がいるとする。
この人間を撮ったとしても、カメラには「しかめっ面をした人間」しか写らない。
例えその人が本当に悩んでいたとしても、手前にバファリンの箱を合成しちゃえば
単なる頭痛薬のCMになっちゃう。前後に机の上に置かれた離婚届の用紙なんかを
アップで見せたりしない限り「悩んでいる人間」が成立しないわけ。

「じゃあ、そんなもの撮っても仕方ないじゃん」というのがスピルバーグなんだと思う。
なので、代わりに彼は登場人物を特殊な状況に放り込んで、その行動を追う。
ある事態に対してその登場人物がどう行動するか。
その行動によって「人間の内面」を観客に想像させるしか無いんじゃないか。
スピルバーグはそう考えているんじゃないか、と思ってます。
要するに人間描写の方法が根本的に違うのね。

なので、この映画は途中まで非常に面白い映画なのに
シンドラーが指輪を受け取って「内面」を語り始めると、途端に凡庸な映画になっちゃう。
初めて観た時「慣れないことすんなよ」と思ったものです。